2016/01/09 のログ
■久方 透子 > 「……っ、……。…は、ッ。
……はー……。クソ、野郎…ッ」
(息は荒い。肩を上下させ、唇は開いたまま、振り乱れた髪を整える余裕もない。
ある程度の運動やトレーニングはこなしていても、特別な訓練は受けていない、ただの人間だ。一部の異能を除いては。
懐中電灯はヒビが入り、それを持つ手はぷるぷると震えている。
汚らしい罵倒の言葉を捨てて吐いたところで、何一つ胸がスッとする事はないままだ。
念の為と、軽くつま先で男を小突いてはみるけれど何も反応はない。
目線は彼に向けたまま、少しずつ地面を擦るような足音を立てながら後ずさっていき。
一定の距離が取れた、と判断すれば、くるりと後ろを向いては走り出そう。一刻も早く危険から逃れる為。
安心できる場所など、この島の何処にもないけれど、それでも今一時の休息を得る為に)
ご案内:「落第街路地裏」から久方 透子さんが去りました。