2016/06/22 のログ
ご案内:「風紀委員仮眠室無性専用」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > (風紀委員会の建物の一つ、その仮眠室。無性専用。

 仮眠室の毛布などの交換を担当している佐伯貴子は、ある発見をした。
 男性、女性、両性、無性と4つある仮眠室の中で、無性の使用率が極端に低いのだ。
 なので、仮眠をとる時はそこをもっぱら使用している。

 2メートルサイズの大型ベッドの上で、携帯デバイスの画面を眺めている。
 昨晩に自室の食卓の様子である。
 レイチェル・ラムレイとの普通の食事風景だが、
 二人が食卓から消えてからしばらくして、画面外から嬌声が聞こえてくる。
 興奮しながらそれを再生しているのだ。

 指向性スピーカーとはいえ、女の嬌声は特殊な音域にある。
 「空室」と表示されている扉の向こうで、感じ取るものがいてもおかしくはない…
 空室表示の時にカギをかけることは当然できない)

ご案内:「風紀委員仮眠室無性専用」に寄月 秋輝さんが現れました。
寄月 秋輝 >  
ぐらぐら揺れる体、上昇してきた体温。
真っ当な思考能力が死んだ状態で、ふらふらと部屋に近付く。

(……死ぬ……)

年に四回の超高熱。現在体温三十九度でまだ上がる。
データの提出を終えた仮眠室で限界を迎えた。

何か小さな音が聞こえる。気がする。
だが早い段階で一度横にならねば、体が持たない。

かろうじて空室を読み取り、部屋に入ってくる。
そこに先客が居るとも知らず、ふらつきながら入室、カギをかけ。

ぶっ倒れる。

佐伯貴子 > (誰か入ってきた!
 空室だから当たり前なのだが、鍵をかけ忘れていた)

む、寄月じゃないか。
大丈夫か。

(シーツで下着姿を隠しながら、
 駆け寄って頬に触れる。
 明らかに熱い)

これは保健課事案かな。
おーい、大丈夫か…

(片手でシーツを抑えながら、
 右手で頬や額をさすってみよう)

寄月 秋輝 >  
「……は……?」

ぶっ倒れた後に、先客に気付いた。
見上げると、肌が多い。
気がする。

思考が追いつかない。
熱で白昼夢でも見ているのだろうか。

(あんな膝枕一回で、『佐伯貴子』の夢を?)

あいも変わらず弱い自分に苦笑しながら、腕を伸ばす。
自分がされたのと同じように、貴子の頬を撫で、引き込もうとするために。

佐伯貴子 > む?

(頬を撫でられれば、最低限の力は残っていると判断。
 シーツを掴んだ手を離し、両腕で寄月を抱え上げる。
 姫抱きだ)

とりあえず、よっと。
ベッドに寝せるぞ。
かなりの高熱だ…平熱かもしれないがな。

(筋力トレーニングの成果か、無事男をベッドに寝せる。
 頭を抱き寄せられているが、そこはパワーでなんとかしたようだ)

寄月 秋輝 >  
「……ぅぐ……」

女性的な柔らかさを感じ、抱き上げられた感覚を理解する。
なんというか、これもまた久々の感触だ。

(……夢か? 現実か、これは……?)

ベッドに横にさせられたことを察して、ぼーっと考える。

夢なら、少しくらいいいのだろうか。

「……ください……」

熱に浮かされた目で、貴子を見上げ、もう一度手を伸ばす。
今度はただ触れるため。

女性に触れたいという欲求が溢れる。
久しく感じた、男の本能。

佐伯貴子 > (鍛えているとはいえ、
 男一人を運ぶのはかなりの重労働だ。
 ふうと一息つく)

なに?
なにをくださいなんだ?

(寄月の伸ばした手は…佐伯貴子の胸を掴んだ。
 スポーツブラに包まれた感触が伝わるかもしれない。
 しかし今はそれどころではない。
 早く連絡しなければ)

おーい、保健委員に連絡するぞー。

寄月 秋輝 >  
「……あなた、を……」

すぅ、と目を細める。
触れた胸から、背中に手を回していく。

「……我慢、出来ません」

ぷは、と息を吐く。
口の中が熱くなっているのがわかる。
正常な思考をしているかどうかもわからない。

でも、この人は、欲しい。

「あなたが……欲しい」

もう一度、囁く。
その言葉と意志は、かなりはっきりしている。

佐伯貴子 > はあ?
いくらなんでもそう簡単にやれるか。

(冷たいようだが真実である。
 熱に浮かされた病人の言葉を聞いて、
 己の身を危険に晒すことなどできない)

いいか、異邦人は地球人類とは違う。
損をするのはいつも貪られる側だ。
それでも私をなんとかしたいというなら、
私が安心できる証拠と、
君の病状が良くなる証拠を言ってみろ。

(恐らく頭が回っていないのだろうが、
 「欲しい」という言葉が「食べたい」だったりした場合、
 とんでもない事件になってしまう)

寄月 秋輝 >  
「…………」

笑った。
微笑みが浮かぶ。
よかった、これは現実だ。
現実だからこそ、こうして拒絶されたのだ。

「……良くはなりませんよ……
 まぁ、一晩寝れば、大分マシに……なりますが……」

少しずつ冷静になってくる。
寝ているだけで荒れてくる呼吸を根性で正し、じっと見る。

「不安なら……研究所のデータ、お渡ししますよ……
 筋肉の構成以外は、こちらの人間と変わらない、ので……」

それでも頭を回すと疲労する。
横になっているだけでも、だんだん呼吸が狂ってくる。

佐伯貴子 > 良くならないんじゃないか。
一晩くらいなら添い寝してやるからそれで我慢しろ。

(相手の手は背中に回ったままだが、
 手を伸ばして携帯デバイスを取る)

データはいま見てみる。
しかし、はっきり言え。
私と何がしたいんだ?
ほしいっていうのはセックスがしたいということで間違ってないな?

(言いながら携帯デバイスを操作する。
 風紀委員会のデータだけでも、
 寄月秋輝は地球人類に酷似していることがわかる。
 しかしベストなのはやはり保健室行きだ。
 体力を使う行為をしたら病状が悪化してしまうではないか)  

寄月 秋輝 >  
「……性行為、で、間違いないです……」

現実なのは確かなのに、女性とこんな問答をしている。
なんとも不思議な体験だ。
さすがにこんなことは、昔もしなかった。

「……それとも……お楽しみ中でしたか?
 この頼みはマズい、ですかね……」

腕を震えながらも上げて、貴子の持つ携帯デバイスに向ける。
先ほどの音をかすかに思い出して聞いてみる。

佐伯貴子 > わかった、しかし了承するとは限らん。

(これだけ具合が悪そうなのに元気なものだ。
 安心するが、逆に生命の危機から、
 生殖本能が働いているのかもしれない)

おっ…お楽しみ…

(楽しんでいたのは確かである。
 それは否定出来ない)

マズいのは君の方だろう。
絶頂とともに昇天しかねないように見えるぞ。
死んでもやりたい相手として私を選んでくれたなら光栄だが、
あいにく栄光より君の命をとりたい。

(脅迫されるのはこちらに落ち度があったからである。
 そこは受け入れる他あるまい。
 それより寄月の体調が心配だ)

寄月 秋輝 >  
「……死にはしませんよ……
 何せ」

続きを言いかけて口をつぐむ。
別に今話すことでもない。

「……まだ、死ぬ気もありません……
 夢を、空に放ったばかり……ですから……
 それに、あなたにも……無理強いする、つもりはないので……」

脅迫にしてはゆるい言葉。
というより、自分の言葉を脅迫に使っているとも認識していないのだろう。
ただ単純に、貴子を求めている、だけ。

佐伯貴子 > 死ななければぶっ倒れても大丈夫だとでも言うのか?
理解できんな…

(溜息をつく)

死ぬ気がないのなら大人しく寝ていろ。
さっきも言ったが添い寝くらいはしてやる。
君は本能に突き動かされているだけだ。
一晩眠れば冷静になるさ。

(体を離すと、寄月に毛布をかけてやる。
 そして、その横に寝転がる。
 首の下に手を突っ込み、腕枕。
 求められているからといって病人を襲うような性格ではない)

寄月 秋輝 >  
「どうせ治るので……辛いのは今だけ……」

隣に寝転がってくる。
あまつさえ、腕枕まで。

これでどう冷静になれというのか。

「……わざとやってます?」

少し体温の上がった腕で抱く。
体調は悪そうだが、比較的体力はまだ残っていそう。

佐伯貴子 > それは君の言葉を信じるしかないな。
私は君のことをよく知らない。

…なんだ、元気じゃないか。
私が気になるなら出て行くよ。
それで君がゆっくり眠れるならな。

(膝枕の時とは違うらしい。
 あの時のように眠りにつけば楽だっただろうに。
 相手の首下から腕を引き抜く)

寄月 秋輝 >  
「行かないでください……?」

確かに少し元気になった気がする。
言われて自覚したような、なんとも曖昧な。

「……佐伯さん、と……したいんですよ」

もう一度はっきり告げる。
腕で逃がさぬように抑えつつ。

佐伯貴子 > うーん…

(何が彼を突き動かしているのかわからないが、
 どうしても自分と関係を持ちたいらしい。
 元気が戻ってきた様子なのはよかったが、
 さてどうすべきか)

避妊具とかは持っているのか?
君の限界がわからないから私は何もできんぞ。

(ベッドに肘をつき、自分の頭を持ち上げる。
 これも腕枕である。
 拒否はしないが、全責任は相手が負えということだ。
 最悪婦女暴行として訴えることも出来る。
 なぜこの部屋、の説明に苦労するかもしれないが)

寄月 秋輝 >  
「……鞄に、いくつか……
 大丈夫、ですよ……一回で終えます」

かなり億劫そうに体を起こし、かばんを開ける。
箱……それも、封は以前に空けたもの。

「……本気、ですよ。僕は。
 ……もう、昔の夢は……見たくないんです……」

体を起こしたまま、そう囁く。
疲れているようにも見えるが、その言葉は不思議と力が籠っている。

佐伯貴子 > 一回で終わると大丈夫、その言葉の意味が分かりかねる。

(本気で謎である。
 彼の動機が)

ふむ、昔の悪夢を見たくないから女を抱く。
そういうのもあるのか…

(人間同士でさえ意思疎通が困難なのに、
 何かを抱えている異邦人のことがそう簡単にわかるわけもない)

(腕枕を外して大の字になる。
 後はお好きに)




【続く】

ご案内:「風紀委員仮眠室無性専用」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「風紀委員仮眠室無性専用」から寄月 秋輝さんが去りました。