2017/10/17 のログ
ご案内:「落第街・オークション会場」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > 落第街のとあるステージ付きの地下クラブ。
そこでは本日、人身売買オークションの真っ最中であった。

「最近、質、落ちたんじゃない?」

仮面を被った男は、奥の席、主催の隣でそう話しかける。
最近は風紀の手入れが激しいせいか、二級生徒の仕入れが難しい。
それを反映してか、あまり極上の商品というのは並ばない。
せいぜい落第街で立ちんぼをしている程度の女たち、そして何人か捕えられている小綺麗でもない少年たちばかりだ。

主催は肩を竦めて『それならもう少し良いルートを探して下さいよ』と溜息を吐く。

「ロストサインと非常連絡局があった時は楽だったんだけどね。
あいつら、言わないでも商品持ってきてくれるし」

烏丸秀 > かつて落第街を恐怖で支配していた違法部活『ロストサイン』。
彼らが居た頃は楽だった。
風紀も公安も、対ロストサインの為、多少の悪事は見逃してくれていたし、それどころか一部は裏商売に手を染めていた。蛇の道はというやつである。
その頃は多種族の美男美女がステージにずらりと並び、席は常に満員御礼。常世島の暗部の華とまで言われたものだった。

それが、今では部活株で一儲けしたような連中が、二流の商品を買っていくばかり。

「寂しくなったねぇ――ここらで商売の変え時かな?」

主催は苦笑いして応えない。
彼にもしがらみがあるのだろう。

烏丸秀 > ステージの上に、猿轡をされて鎖をつけられた裸の女が引っ張ってこられる。
どうも、最近では珍しい上玉であるらしい。
泣きながらも気丈に客席を睨みつける姿が受けたのか、オークションが開始されると、早速値段が上がり始める。

「――大丈夫? ああいうのは、風紀に目をつけられたりしない?」

烏丸秀 > 観客たちの興奮を他所に、ステージ上では少女が様々な辱めを受ける。
まるで家畜のように全身を晒され、品評され、そして慰み者として売られる屈辱。

「――ま、いいけどね」

ふとオークションに参加しようかとも思ったが、ある少女の事を考えてやめる。
普通に殺してしまいそうだ。面倒は避けるに限る。

「警戒態勢、大丈夫?」

ああいう不幸な人間を助けようとする存在が最近増えてきた。
ヒーロー症候群とでも言おうか。
風紀と公安で手一杯だというのに、面倒な事だ。

ご案内:「落第街・オークション会場」に八百万 頼さんが現れました。
八百万 頼 >  
最近めっきりさむなってきたのにあんなカッコで。
かわいそーに。

(ステージ上の少女たちの哀れな格好に、心底同情するような声を出す。
 主催と話す彼らの近くで、わざわざ彼らに聞こえるような、それでいて前の方には届かない声の大きさ。
 細い目を更に細めて眉尻を下げ、見ていられないと言ったような表情だ。)

――風邪でも引かれたら商品としての価値下がるんとちゃいます?

(そうして彼らの方へ首を回し、ステージ上を指差しながら。
 その顔はもうステージの上で行われていることなどもう気にしちゃいないと書いてあるような、薄ら笑いを浮かべていた。)

烏丸秀 > 「最近は、どうせ使い潰しちゃう連中ばっかりだからね」

あぶく銭で女を買おうという連中が大半だ。
どうせ散々楽しんだ後は潰してポイ捨てである。そんな連中に、『維持して長く』などという発想は無い。

「昔はもうちょっと丁寧にラッピングしてたけどねぇ――」

苦笑しながら男の方を眺める。
確か、どこかで……

主催も訝しげに目の前の男を眺め

八百万 頼 >  
そうは言うても安い買い物やないやろ。
商品価値的にも服ぐらい着せといた方がええんちゃいますの?

(そんな彼の心の声に気付いていないのか、もしくは知った上で知らん顔をしているのか。
 とにかくそ知らぬ顔で会話を続ける。)

ボクとしてはバニースーツでも着せたげるとかわええと思うねんけど。
あぁ、ボンテージ言うのもそそるなぁ。

(ニッコニコといかにも裏のありそうな笑顔をステージ上に向ける。
 そこではオークションが滞りなく進んでいることだろう。)

烏丸秀 > 「裸の方が受けるんだよね。『惨めな姿で舞台で晒されるのに興奮する奴』と『ひどい待遇から助けてあげて自分で服を着せて悦にひたる奴』が多いからさ」

前者はまだしも、後者は烏丸からすれば噴飯ものである。
自分で買っておいて施して愛を得ようとか、どんな欺瞞なんだか。

「ボクとしては、着物がいいな、昔の花魁みたいな――ところで、キミ、誰だっけ?」

軽く話しに乗りつつ、たずねる。
確か、昔会った事があったはずだ。倉庫街かどこかで――

八百万 頼 >  
まーその理屈もわからんではないけどなぁ。
ボクみたいな善良な一般市民からしたら、素っ裸の女の子は不憫で見てられんわ。

(おーかわいそ、なんて呟きながらも顔はへらへらと笑っているし、彼女たちを助けようと動き出すそぶりも見せない。
 何より善良な一般市民がこのような裏のオークション会場に出入りしているはずもなく。)

着物、それもええけど高いやろアレは。
猫耳メイド服なんかもポイント――アレ?

(彼の話など聞いていないというように自分の欲望をさらけ出す言葉を吐いていたが、彼の顔を見ておやっとした表情を作ってみせる。
 彼の上から下までマジマジと観察し、)

――あーなんや自分、こないだあのほら、どっかで会うたなんとかクンやないか。
あんときのほらあのアレ、どやった?

(アレだのどっかだのなんとかだのと適当極まりないセリフを吐いてみせた。)

烏丸秀 > 「善良な一般市民っていうのはね、ボクのような人間に使うんだよ」

こちらもやれやれと肩をすくめながら言う。
どうせバレているだろうからと仮面を外し

「本当に覚えてる? ボクは思い出したよ、この前クスリ買ってったのでしょ」

倉庫街で「暴走剤」を買っていった男。
どこかで死んだかなーなどと思っていたが、どっこい生きていたらしい。

「まぁ、こんなとこで会う時点でカタギじゃないんだろうけど。
今日は何の用?」

八百万 頼 >  
アッハー、善良な一般市民がこんな怪しいとこに出入りしてるわけないやーん。

(自分のことは棚の上にブン投げ、ぺかーとにこやかな笑みを向けて見せた。)

覚えとるって。
お薬ぎょーさん買わしてもろたし。
何の用、言うわけでもないんやけど。
なんとなーく見物や。

(へら、と笑う。
 現にオークションに参加するでもなく、ステージ上の少女たちを端からただなんとなく眺めている。
 何かをチェックするでもなく、たまに出てくる「上玉」を見ては、おっ、なんて声を上げているだけ。)

烏丸秀 > 「なんとなく見物ね。趣味悪いねぇ」

自分の事を棚に上げつつ呟く。
まったく、裏社会でどんな事をしてる男なんだか。

が、別に立ち入っては聞かない。
だって男だし。

「――あぁ、そろそろ終わりかな」

最後の商品は、本日の目玉。
獣人族と人間のハーフで、二級生徒。
少し野生的だが、出るとこは出て引っ込む所は引っ込んでいる上玉だ。
鎖と首輪に繋がれ、耳を逆立たせて怒っている。
『捕まえるのに苦労しましたよ』などと主催が呟き。

「珍しいの捕まえたね、また」

八百万 頼 >  
これでも情報屋さんやからな。
こう言うとこに商品が色々転がっとるんや。

(これも仕事の一環である。
 ステージに並ぶ「商品」のラインナップとか、そこかしこから聞こえる内緒話だとか。
 そう言うのを見逃すようでは商人として二流だと。)

ああいうの最近よう見んなぁ。
やっぱ大変容から時代進んで珍しなったんやろか。

烏丸秀 > 「うわぁ、胡散臭い」

情報屋、なるほど。本当かどうかは知らないが、筋は通る。
もっとも、胡散臭さで言えば人の事は言えない。どっちもどっちである。

「まぁ、ここも景気が悪いからね。情報なら最近派手なとこのがいいんじゃない?
『表』の色街なんか、最近大繁盛じゃない」

歓楽区の売春街は日に日に勢いを増している。
おかげで落第街の色街は商売あがったりだ。
そろそろ風紀あたりに手入れに入ってもらわないと、商売に触りが出るだろう。

もっとも、烏丸は歓楽区のほうでもデリの統括をしているので、そこそこ稼がせてはもらっているのだが。

「そうだね、大分血が薄まっているのかねぇ。
耳や毛がはっきりしてる獣人は久々に見たよ」

八百万 頼 >  
あっはっは、お互い様やで。

(けらけらと笑い声こそ上げるが、その細い目はちっとも笑っていない。)

ああ言う勢いあるとこはほっぽっといても噂やらなんやら入ってくるしな。
こう言う目立たんとこに意外な掘り出しモンがあったりするんや。
あの獣人のねーちゃんと同じやな。

(示すのはステージ上の獣人の少女。
 落ち目でもマメにチェックしていればこう言うことが起きるのだ。
 ステージ上の少女は買わないけど。)

烏丸秀 > 「まぁ、そりゃね」

自分が胡散臭い事は否定せず。
どうやら競りが終わったようだ。獣人の少女は――何処かの研究機関が競り落としたらしい。
哀れ、あれは人体実験行きか

「勿体無いなぁ――まぁ、高く売れたからいいんだろうけど」

主催は苦笑い。
どうやら、もう少し高く売りさばきたかったようだ。
ま、落ち目の人身売買オークションなどそんなものだが。

「――さてと。それじゃ、ボクはそろそろ行くよ。見るべきものは見たし」

そろそろ手の切り時かな、などと考えつつ

八百万 頼 >  
みんな優しい人に貰われてくと良いなぁ。

(こんなところに来て女を買うようなヤツにまともなものがいるわけがない。
 そんなことは百も承知だろうに、ぬけぬけと言ってのける。)

ケモミミ少女やで。
もっと高う買うたればええのに。

(あの見た目ならもうちょっと高く売れても良かったとは思うが。
 しかし自分の懐が痛んだわけでもないので所詮他人事である。)

りょーかい。
ボクはもうちょっと商品仕入れてくわ。
兄ちゃんもなんぞ金になりそうなことあったら声掛けてな。

(人懐っこそうな笑顔で手を振る。)

烏丸秀 > 「みんな不景気なんだろうさ。イヤだねぇ、お金がないって」

自分は有り余る金を持ちながらこの言い草である。
しかし、あの少女を買う事は出来ない。
あの蜘蛛の如き彼女の餌になるだけだ――その方がマシなのかもしれないが。

「まぁ、気が向いたらね。ボク、男の事はあんまり覚えないから」

それだけ言うと、ひらひらと手をふりながら会場をあとにする。

ご案内:「落第街・オークション会場」から烏丸秀さんが去りました。
八百万 頼 >  
ボクんとこのお客さんも最近金払い良うないからなぁ。

(それでもいつの時代も情報は売れる商材だ。
 まだマシなほうなのだろう。)

なんぞかくれたらウチからも提供するさかい。

(そうして彼を見送って。
 しばらくそこで色々な人物に話しかけた後、その場を後にした。)

ご案内:「落第街・オークション会場」から八百万 頼さんが去りました。