2017/12/05 のログ
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「つられてあげてもいいんだけど、生憎私じゃ貴方を満足させてあげられないと思うの」

肝は座っている。軍隊にいた経験は伊達じゃない。
そんな私に不満そうな声を上げる彼女。
そんな対応も、おそらく相手を油断させるためのギミック。

「……―――貴女、何か面白い能力を持っているみたいね。」

彼女の言葉に耳を貸さず、その場を通り過ぎようとしたとき、足を止めた。
心が揺らぐ感じ。自分の意思や、自然な流れとは明らかに異なるそれ。
脚を止めて彼女に向き合うと、じっと顔を見つめて、一歩距離を詰める。

「あなたの今の"それ"、心が揺らいだ。
 ―――でもね?私も似たようなもの、持ってるの。」

そう言って彼女にさらに近づく。
もし距離がじゅうぶんに詰まったなら、彼女の手を握ろうとするだろう。
それがかなえば、彼女もまた、こちらの精神に干渉する異能の効果を体験することになる>

スラッシュ!! > 過剰なほど速く反応する。
精神感応系の異能であれば最悪数時間もの間昏倒するコトもある。
いや、あった、といった方が正しいだろうか。
そういった経験がスラッシュを貴方から一歩遠ざけた。

「おっとお触り禁止だって!!」

今までの取り繕っていたような彼女の顔から、初めて本気の感情を読み取れたかもしれない。
「と、は、いえ、まぁ先におイタしたのはオレの方だしぃ...それはちょっぴり反省してるからぁ...今日はこれくらいで勘弁してあげるっていうかぁ...」
考えていなそうな顔で考えているフリをする。
こういうことをして自分のペースを取り戻そうとしていることもうっすらと読み取れるだろう。

ごそごそとジャージのポケットを漁る。
「アンタがミーを満足させられなくとも、ワタシはいつでも大満足の品ぞろえ!
 そう!名前だけでも憶えて帰ってってコトで!はい名刺!!」

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > もう少しで触れられる。そんな距離まで詰めただろうか。
しかし触れることは叶わなかった。
どういうわけか過剰なまでに警戒されてしまった。
別に苦しい思いをさせるような能力ではないのだが、何か向こうの方に事情がありそうだ。

「あら、残念。まぁ私の能力はあなたみたいな余裕のある人にはあまり効果が無いから。
 勘弁してほしいって思っているのは貴女じゃなくて?
 ……これ親切にどうも。じゃあ、なにかかうものがあればあなたからも買おうかな」

スラッシュ。渡された名刺にはそう書いてあった。
本名じゃないことは確かだが、こんな場所で本名なんて笑えてしまう。

「じゃあ私も自己紹介を。
 昔は聖母の機関銃なんて呼ばれてたわ」

そう言って路地を後にする。
どうにも、人を手にかけた後というのは自分でも驚くほど冷静なのだ。
普段も人見知りせずに項であればいいのに。そう思いながら、彼女に手を振った>

ご案内:「暗い路地裏」からラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが去りました。
スラッシュ!! > 「ま、まぁそうとも言うかニャー...なんてー...
 と、ともかく、まぁ、何かあればすーぐ言ってニャ♪
 クスリでも魔術書でも武器でも!」
図星である。
その場で捨てられるかと思った名刺は、受け取ってもらうことができたし、これが引き際か。
ふぅっと気を取り直す。

「はいはい聖母の機関銃さんっと......よし、今後ともゴヒーキによろしく!」
とりだしたメモ張にササっと書き込むと、歩き出してしまった貴方に手を振り見送る。


相手が路地を出て行ったのを見届けると、大きなため息をつく。
(せっかく同業者が死んだってのに得られたのは名前1つ...わりに合わねぇなぁ...)
咥えたタバコに火をつけると、彼女もまた、路地の奥へと消えていった。

ご案内:「暗い路地裏」からスラッシュ!!さんが去りました。