2019/04/21 のログ
ご案内:「屋上」にジャムさんが現れました。
ジャム > 今日は日曜日であるが、午後の日差しの中、学園の屋上から顔を出したのは制服姿の異邦人であった。
異邦人ならではの気まぐれに休日の校舎を散歩をしていた、……のではなくて。

「んーっ!魔術診断やっと終わったー!
今日だけで何個テスト受けたかなー。つかれたつかれたー!」

大きく伸び。今日は希望していた魔術診断を受けていたのだ。
机に座って黙々と質問項目を埋める作業や目隠しで物の形を探り当てたり、体育館ほど広い異能試験場で走ったり飛んだり伏せたり、時には鉄条網の下を匍匐前進したり一本橋やスラロームを制限時間内で走り切ったり、テーブルの上に置いてある雑貨で即興コントしろと無茶振りされたりする半日が経過し。診断結果はまた後日発表らしい。

屋上に落ちていた、紙パックを手のひらに載せて魔術を発動させる。
ひゅーん。
紙パックは空へとのぼっていった。
そんな自分のちっぽけな能力がちょっとでも成長してればいいなとばかり、いちごミルクの紙パックを見送り。

ひとまず自分の労をねぎらうよに、ベンチに腰掛けてぼけーっと空見上げている。

ご案内:「屋上」にギルゲイオスさんが現れました。
ギルゲイオス > 「そー言えば、屋上は余り来たことが無い気がするのであるな。
これからの時期は過ごし易そうであるが」

(空をふよふよと逆さに浮かぶ黒い何か。未確認飛行物体、ではなく魔王様。
休日の午後に、此方は気まぐれに優雅な空の散歩であった。他にすることはなかったのだろうか。
たまたま学校の上まできたので、春先なんかにサボ――もとい、休憩するのにちょうど良さそうな屋上当たりを眺めて、いたのだけれど)

「おんや、こんな頃合いに誰か――あべし!?」

(ベンチに腰かけている人影を見つけると、空から高度を落としていくそんな時だった。
四角い物体が急に空へと向かって一直線にすっとんでくれば、魔王様の頭にクリーンヒット。
ややとバランスを崩した姿勢で、フラフラと屋上へと緊急着陸してゆく)

ジャム > (冬将軍さまもこの地を離れて久しく、桜の精の舞いも終わってしばらく。残るは春めいた日差しとほどよい眠気と涼しげな風。誰かの飲み残し、空っぽになって久しいミルクオレを上空を横切る魔王様の影も気づかずに打ち上げた後、過ごしやすい屋上で獣耳を揺らしていると、何か大きな影が近づいてきて)

「……?
え、あ、あっ?あっ……!?
ギル?ギル?ギルなの?
大丈夫?わっ、あっ、こっち!ほら、こっちだよ!」

(ふらふら飛んでくる大きな人影は、逆光で見えづらいが、いつも子供たちに人気の魔王様だと見当つける。
その様子がまるで胴体着陸敢行しそうな旅客機に見え、
「僕が身体で受け止めなければ」という謎の義務感が発生した。
僕の胸に飛び込んで、とばかりに大きく両腕を広げて。意味もなく軟着陸を促し)

ギルゲイオス > 「ぬぉぉぉ……何事であるか、突然の対空攻撃? いや、余り痛くは無かったのであるが」

(ふらつく飛行体勢で、紙パックが衝突した辺りを掌でおさえる。
別段痛みは殆どなかったのだが、突然の衝突事故に困惑しているらしい。
万が一謎の攻撃である可能性もあり、隠れる所の一切ない空から屋上へと降りていく最中、だったのだけれども)

「まぁ、誰かの悪戯か自己の部類だと思――……え、ちょ、まっ!?
そこに居るのは、とかそういう問題ではなくて!! 何故、目の前、避けぬぉぉぉぉおお!!!」

(念のために周囲を見回した後、着地予定地点へと視線を向けた、丁度その時。
進行方向の真正面へと、身を挺するが如く現れる小さな人影。誰かは分かった。分かったのでむしろこっちの方が焦った。
減速は十分しているとはいえ、一目瞭然な体格差である。重力制御はしているが、質量は存在するのだ。
謎の意味不明を口走りながら、無理やり気味に更なるブレーキを踏みこんで。更に身を捩って衝突までの時間を稼ごうとするが、そこでタイムオーバー。
クッション、としてはささやかなサイズであるが。胸元へと顔面から突っ込めば、そのままグイと押し付けられた当たりでなんとか動きが止まる。
両膝を思いっきり床につけて、抵抗を増して止めたらしい)

「……へろー、である」

(一瞬で色々な事が起こり過ぎて、早くも疲れ気味な様子の魔王様)

ジャム > (図らずも紙パックは対空砲火になりうる、と証明した歴史的瞬間であった。魔術が何の役に立って、あるいは予想外の迷惑にもなりうるのかはわからないという模範を示した好例と言えよう)

「いいのっ、ギル……!
僕は逃げないからっ……!
たとえどんな辛いことがあってもっ、運命に背を向けたくないっ……!
僕はっ……、僕らしく生きるだけだッ……!」

(一国収める彼の魔力と体術なら、むしろ何の障害もなく臨時滑走路たる学校の屋上へ降り立つぐらいは容易であろう。
しかし何やら屋上で彼との再会というシチュエーションが最近読んだラノベ的な何かを異邦人の脳裏に刺激してしまったらしい。全く意味もなくセカイ系な台詞を瞳潤ませながら一歩も足元は引かず、壮大な邪魔をしつつ相手を抱きとめ(着陸阻害)て)

「ふーっ、危なかったー。
ハーイ、ギル。
どうしたの、あんなにふらふらしてー」

(浅い乳房は衝撃吸収クッションとしてはマシュマロ並みの性能。
小さな温かさの中に彼の頭を抱きとめつつ、
ふらふらの原因が自分にあるとは全く気づかないままで
ふらふらの原因を彼に尋ねるのだった)

ギルゲイオス > (魔術とか異能は、周囲をしっかり確認して使おうね! 
そういう話なのだろうか?多分、そういう話なのだろう。紙パックの対空砲火に撃墜される魔王というのも、謎ワードにも過ぎるのであるが)

「何であるかそのやたらと格好いいセリフは。テンションに身を任せて、人生に一度位は言ってみたい感じもするがのう。
まぁ、助かったと言えば助かったので、運命に打ち勝てたとでも言うべきなのであろうか」

(混乱に混乱が積み重なって、逆に納得してしまった魔王様。
別段に墜落ではなく着陸だったので、放っておいても大丈夫だったのは間違いないのだけれども。
すり寄せればむにむにと柔らかい感触に、まぁいいかと割り切ることとして。その身を預ける形となっている)

「いや、空を散歩しておったらな、突然頭に何かが衝突したのだ。
別段硬かったり、痛みが有った訳ではないのだが。万が一を考えて屋上に着陸しようとしておったのだが。
心当たりは、あるのかな?」

(抱きとめられた格好のままに、僅かと頭を傾げる仕草。まさか、その犯人が目の前にいるとは心にも思っていない、そんな感じだ)

ジャム > 「これこの前見たアニメの台詞だよー。
”めのう石とストラディバリウス”ってタイトルなんだけどすっごく面白くて。ギルも今度探して観てみてよ!」

(身長197cmの身体を抱きとめて。空という別世界からおかえりなさいと労るように腕で包みつつ。
魔王にアニメを勧める半獣人という謎なシチュエーションコントは続く。ツッコミ不在だとボケは加速を続けるのだ。空気抵抗の無い宇宙へ飛んでいくように)

「お空を散歩中に頭を……?
うーん……。隕石でも振ってきたのかな……。
月を運ぶ小舟からオールが落っこちてきたとか……?」

(彼の説明に首をひねった。念の為と無造作に生える灰色の髪を手先でかきわけつつ、衝撃のあった場所にコブでも出来てないかと不安げに探りつつ)

「……あ。
――ギル!ごめん!たぶんそれやったの僕!僕原因!
さっき紙パックお空に飛ばして、たぶんギルにあたったってやつ!ごめんなさい!」

(ふっと頭の中で点と点が結びつき、平謝り。
謝罪のとばかりにぎゅーっとマシュマロの胸で彼のおでこを覆って)

ギルゲイオス > 「残念ながら、我が居城……もとい、男子寮には映像再生機器がなくてな。テレビ、ならあるのだが。
レンタルして学校の機材でも借りれば見れるであろうかな。
とりあえず、コレぐらいの運命であれば背けちゃっても別に問題はないと思うのであるよ?」

(気をつけよう、魔王様は急には中々止まれない。頑張れば止まれる。
流石にこの体格差でモロにぶつかったら、身の危険はむしろ相手の方だ。
宇宙どころか、屋上のフェンスに向けてすっとばしてしまいかねない)

「さーすがに、魔王様でも隕石が直撃したらもっと困るのであるな。とうかどんな確率であるか、それは。
うむ? ジャムの住んでた世界の神話か何かであるかな?」

(もっと困る位で済みそうなのが、魔王様たるゆえん。隕石落とし的な魔術も存在したもよう。そうそう使うモノはいないだろうが。
妙に幻想的なたとえ話が持ち出されれば、何時もとは逆な感じに頭なでなでされながら、ちょいとばかし頭を横へと、倒した。その後の事)

「…………ほほーん」

(小さく頷きつつ、そう応える。
だらーんと垂らしていた両腕が、彼女の腰辺りへとガッシーンと強く巻きつきにかかり
押し付けられていた胸元へと、額がより強く密着する事と、なるのだが)

「犯人確保―!であるー!」

(ぐいーっと身をそのまま乗り出せば、小さい身体をそのまま床へと押し倒しにかかる。
犯人と救助者が同じという、まさかのマッチポンプであった)

ジャム > ――休日の屋上でのやりとりは賑やかに続いていき。
ご案内:「屋上」からジャムさんが去りました。
ご案内:「屋上」からギルゲイオスさんが去りました。