2020/07/29 のログ
ご案内:「第一教室棟 錬金術概論教室」にジェルヴェーズ・ジスレーヌ・アルヴィエさんが現れました。
ジェルヴェーズ・ジスレーヌ・アルヴィエ > 「ふあぁ~……」

盛大に欠伸をかましながら、がらりとドアを開けて中に入る銀髪の女性。
新人講師のジェルヴェーズ・ジスレーヌ・アルヴィエである。なんともやる気に欠けるように見える姿であったが、基本的には「こう」なのであった。

「さて、と。似合わず5分ほど早く来てしまったが、どれだけの生徒がいるかな、と……」

そう呟きつつ、教壇から教室全体を見渡す。

(※45分頃から開始します)

ご案内:「第一教室棟 錬金術概論教室」にさんが現れました。
> 脚をぶらぶらさせている
ようぢょだ

ジェルヴェーズ・ジスレーヌ・アルヴィエ > こきり、と首を一つ鳴らす。
そして、うん、と頷き一つ。

「(こんなものか。さて、優秀な視点をくれる子でもいればいいんだけれどね)」

教室を埋め尽くす……などという量ではないが、それなりに集まったと言えるのだろう。おそらくは。
あまり多くてもどうせ持て余すからある意味ではちょうどいい。
そんなことを考えつつ、黒板にチョークを走らせる。

『Gervaise Ghislaine Arvier』

カカカッ、と書き切り、生徒たちに向き直って。

「ジェルヴェーズ・ジスレーヌ・アルヴィエ、カルヴァーレ……って言っても伝わらないか。地元、うん、地元かな。地元では『白銀』の位階を持つ錬成術師だ。どうぞよろしく。さて、とりあえずは私に対する質問なんかを受け付けよう。そういうのが習わしと聞いたからね。何もなければ、このまま講義に移るけれど、何かあるかな?」

ご案内:「第一教室棟 錬金術概論教室」に鞘師華奈さんが現れました。
ご案内:「第一教室棟 錬金術概論教室」にセレネさんが現れました。
鞘師華奈 > 正直、錬金術というのはサッパリである。
ただ、講義の内容はサッパリでも、何となくだが興味を引かれたのも事実で。
そんな訳で、講義に取り敢えず参加してみようという事に相成った。
制服ではなく、私服姿でもなく――いや、まぁ私服になるのだが何時ものスーツ姿。
或る意味で目立つかもしれないが本人は気にした様子も無く、窓際最前列の席に腰を下ろしたまま、講師の女性が来ればそちらに赤い視線を向けて。

「あーーすいません、質問を一つ。そもそも位階というのが実はさっぱりなんですが」

と、素直に素人質問をぶつけてみよう。何せ術の類で己が使えるのはまだ一つしか無いのだ。

> 「せんせー、れんせーしってなんですか?」

すっと物怖じしない幼女

セレネ > 錬金術。
最近興味が湧いて独学でも色々と文献を漁ってはいるが、
やはり実際に講義を受けるべきと考え今回の概論講義を受けたところ。

蒼を動かしては小さな子も居て、流石に目を丸くした。
あんな子も講義を受けに来るのか。
いやしかし、案外聡明かもしれないからと瞬く蒼を教壇へと向け
教師である女性の言葉へ耳を傾ける。

自己紹介をする教師へと質問をするのは黒髪の女性。
”白銀”というのだから恐らくは二番目の位階だろう事は想像に難くない。

次いで件の小さな女の子も教師に質問を投げかける。
その質問内容とあどけない声色に、微笑ましさも感じてしまって
つい目元が綻んだ。
己からは何も質問はないので
二人の質問の答えを静かに待つ形に。

ジェルヴェーズ・ジスレーヌ・アルヴィエ > 「ああ、なるほど。確かにそうだ。いや、これはすまない。当たり前の話だね」

くつくつと笑う。
どうしても、自分の中で『常識』と化してしまっているものの説明は怠りがちだ。
ここでは自分が異邦人だというのに、これではいけないと内心反省する。

「よろしい、ではまずは『位階』について説明しよう。これは、カルヴァーレ王国……まあ私の地元だ。地元で制定している、錬金術師の称号のようなものでね」

そう言って、黒板にいくつかの単語を書き連ねていく。

『岩石』『亜鉛』『錫』『銅』『宝玉』『白銀』『黄金』『賢者』

「左の岩石から、右の賢者になっていくにつれて位階が『上』ということになる。この位階はそのまま、その術師が錬成に成功した物質を表す。ちなみに宝玉はこの場合、ダイアモンドを指し、賢者は『賢者の石』を指す。左から順にそのまま難易度が上がっていくわけだけど……」

そう言って、黄金、に丸を付ける。

「錬金術とはすなわち、金を錬成することを目的の基準とした魔術学問だ。だが、恥ずかしながら私の位階は『白銀』。まだ『黄金錬成』には到達していなくてね。故に、錬成術師。つまるところ、ある種の謙遜と戒めからの自称が『錬成術師』というわけさ」

カルヴァーレにおいては、そう名乗る術師は決して少なくない。
黄金錬成こそが一つのステータス、ランクであるという認識は幅広いのだ。

「ちなみに、現在『賢者』の位階を持つ者はいない。過去にもいたかどうか、くらいらしいね。だから、事実上の最高位が『黄金』だ。さて、二人の質問に答えてみたが、これでよかったかな?」

そう言って生徒たちに向き直る。

> 「ほへー」

取り敢えずよくわかってないがわかったようにうなづいて

「ありがとうございますせんせー」

鞘師華奈 > (――成る程、つまり賢者を最高位とした名称まんまのまさに”位階(ランク)”って訳だね。
――それで、ジェルヴェーズ女史は『白銀』――位階第三位って所かな。
いや、賢者が空位のような存在なら、矢張り黄金が最高位みたいなもので、白銀は位階第二位相当、と考えるべきか)

へぇーーと、ゆっくりと頷きながら質問の答えに「ありがとうございます」と礼を述べて軽く会釈を。

さて、問題は講義の内容だ――ド素人の私に理解できるだろうか?

ちらり、と先ほど同じく質問をした少女…幼女?へと視線を向ける。
あんな小さな女の子も受けるのか…人それぞれなんだなぁ、と思う。
と、月白色の長い髪の女性と目が合えば、僅かに瞬きした後にぺこり、と無言で会釈はしておこう。

再び視線はジェルヴェーズ女史へと戻りつつ。

セレネ > 錬金の大元は普通の金属類を貴金属へと錬成する為。
その副産物等で、賢者の石が見つかったりしたのだったか。
現代の科学・化学が発展したのも錬金が元になったのだとか色々あるけれど。

文献によっては賢者の石は霊薬だったり
文字通りの石だったりするらしいが、その構成式はどうなのだろうか…なんて
質問をしたかったがこれは個人的なものだから
後で質問するとして。

黒板に書かれる内容と説明に小さくふぅん、と洩らした。
質問者二人も教師の返答に納得した様子。
黒髪の女性から会釈をされれば、視線が合った事に少し驚きながらも
微笑みを浮かべて此方も無言で会釈を返す。

そうして己も視線は教師へと戻って。

ジェルヴェーズ・ジスレーヌ・アルヴィエ > 「……うん、大丈夫かな。それじゃあ、講義を始めていこう。あらためて、よろしく」

そう言って、カカカッと三つの単語を書き記す。

『理解』『分解』『再構成』

「理解、分解、再構成。これが、錬金術を構成する三要素だ。
物質の組成を理解し、その組成を分解し、望む錬成対象の組成に再構成する。後で言うが、私の知る錬金術は大まかに二種類存在する。しかし、その二つにもこの根底思想は共通している。
物質を元手に別の物質を作り出すというアプローチをする魔術で、この工程を経るなら、それは錬金術と言っていいのだろうね」

この世界では他の錬金術があるのかもしれないけれど、と笑って。

「と言っても、まあ話だけだと詰まらないかな。というわけで、実践してみせよう」

そう言って、カバンから一つ、大きな鉱石を取り出す。
そして。

「――よし」

手を触れれば、ぱぁ、とわずかに手の甲の魔法陣が光を帯び、そして鉱石が光に包まれる。
その光がそのまま形状を変え……

「こんなものか。うん」

一振りのレイピアがジェルヴェーズの右手に収まった。
そして、教壇の上には素材となっていた鉱石の欠片がいくつか転がっている。
レイピアを机の上において教室を見渡し。

「さて、実は今の錬成で、この錬金術の特徴がいくつか表現出来ているのだけど、わかるかな?」

> 「んーと、いしのそざいをりかいして、いしをぶんかいして、さいこうせい?」

魔力のながれからそうは見えたものの、詳しくはよくわからない

鞘師華奈 > 魔術に関しては正直、そこまで優れた知識も能力も現状は持ち合わせていない。
ただ、三つの単語は基礎にして最重要な気もしたのでしっかりと頭に刻み込んでおこう。

(組成を理解してから分解して、錬成対象に再構成、か)

望む形にしたいのならば、まずはソレを分解しなければならない。その為には組成を理解しなければならない。
今、そこにある物質を担保として別の物質を作り出す魔術。成る程、女史の解説と自分なりに噛み砕いて考えれば理解し易い。

「――先ほどの大きな鉱石を”元手にして”組成を変換してレイピアにした…?…鉱石全てが変換されずに欠片となって幾らか残っているのは何故でしょうか?」

変換の余り?錬金術は等価交換がどうの、とか以前なんかで耳にした気もするけれど。

セレネ > 新たに書かれる単語三つ。

概論の講義であるから、大体の内容は基礎の基礎となるのだろう。
教師が鞄から鉱石を取り出し、それを形を変えて一つのレイピアに仕上げてみせた。
此処に鍛冶やそれに携わる職の者が仮に居たならば嘆くかもしれない手間のかかる工程を全て省き、錬金と魔術の工程で
武器を作ってみせる腕前は流石というべきか。
手の甲から僅かに光った陣の内容を読み取れた部分だけ頭の端で解読しようと試みつつ。

素材の変性はしていない。
同一の素材を分解し再構成しただけ…と見える。

ただ、黒髪の女性の疑問と同じく
一部再構成し切れていない事が気にかかる。
100を再構成したならば余りが出る筈はないのだ。

「全てを錬成している訳ではないのですか?」

緩く首を傾げて問いかけた。

ジェルヴェーズ・ジスレーヌ・アルヴィエ > 「素材を理解して、分解して、再構成。うん、その理解であってるよ。
そして、そこの彼女の言う通り、大きな鉱石を元手に、組成を変換してレイピアにしたわけだが……うん、揃って目の付け所がいい」

そう言って、欠片をつまむ。

「これは、素材の『余り』さ。物質の組成を変換する以上、錬成されるものは『素材の質量を超えることは出来ない』。そして、逆に素材の質量に比して小さいものを作ると、このように素材の『余り』が出てしまう」

重量あたりを比較すればわかりやすいのだろうけど、少し失敗したな。と肩をすくめつつ。

「これは術師たちの美学のような話だけど、このように余りをポロポロ出してしまう錬成は『美しくない』とされる。基本的に、素材の量を量り間違えているか、錬成自体に無駄があって素材を活かしきれていないということだからね。今回は例として敢えてこういう錬成をしたけど、正直恥ずかしい気持ちもあるよ」

言いながら、余った欠片を寄せ集め、もう一度右手で触れる。
またしてもの錬成。
光の後には、右手にマンゴーシュ……レイピア術で用いられる防御用の短剣が握られていた。

「というわけで、これで茶を濁してだね。ちなみに、一応もう一つ付け加えてポイントがあるんだが……わかるかな?まあ、これはわかっていても、それを問われているとわからないのかもしれないが」

だから遠慮なくわからないと言ってくれていいぞ、と言って見渡す。

> 「わかんないです」

幼女は素直に手をあげた

鞘師華奈 > 「―つまり、余りを出してしまう術師は未熟者、という事ですか」

色々と端的に纏めてしまえばそうなるだろう。美学、というのは分からないが意味合いは理解できる。
素材は全てきっちり”使いきって”同等の量の別のモノに変換する。一人前の大前提なのだろうな、と。

「――すいません、私ももう一つのポイントはさっぱりです。術式はそもそもあまり得意ではないので」

と、素直に分からないと手を挙げている幼女に続いて己も挙手を。
ここで理解出来ていてスラスラ答えられたらいいのだが、己はド素人だ――分からないモノは素直に分からないと言うべきだろう。

セレネ > 100の素材があったとして。
今回はわざと余りを出すような式を組み錬成したという事か。

教師の言葉にはそれはそうだろうなと納得する。
数式でも言える事かもしれないが、余りを出さずに綺麗に仕上げる式を組み立てる事こそ美学であり
錬金術師、錬成術師、あるいは魔術師や魔法使いも如何に
素材または魔力の余りを出さずに完璧な式を組み立て
100を出し切るかを苦心し模索する事に美を見出す者…だと、己は思う。

そうして問われた教師の言葉にそれぞれの意見を出す生徒達。
いくつか候補は脳内で絞るも、どれも確信へと至れず
眉間に皴を寄せながら首を横に振り否を示して。