2020/08/04 のログ
ご案内:「校庭・木陰」に劉 月玲さんが現れました。
劉 月玲 > ぱりっ、と袋が破られる。
中から取り出すのは青い結晶。
それはひんやりとしていて、この時期では大多数に好まれるもの。

「あ~むっ」

小さい口を大きく開けて青い結晶――バリバリ殿と呼ばれるアイスを食べる。

劉 月玲 > 口の中が冷えていく感覚。
この時期、この暑さの中ではそれが気持ちいい。
このような木陰にいて、涼しくはあってもやはり美味しいもので。

「ん~♪」

ゆっくり、しかし溶ける前に一口、一口と食べていく。

劉 月玲 > 木陰の下のおかげか、蒸し暑い風も幾分か涼しい。
制服の前を開けておけば、新しい空気が素肌を撫でる。

クーラーは確かに便利だし、涼しい。
しかしずっと当たっているとどうも体が冷えすぎる。
ゆえに、ここのように適度な涼しさはシャオリンにとってわりと良い環境。

劉 月玲 > 「ふ~ふふふ~ふ~ん、ふ~んふふ~んふふ~んふ~ん」

鼻歌を歌いながら遠くを見る。
グラウンドには多数の人。部活動だろうか。
元気に玉蹴り、サッカーをしているのが見える。
この暑い中、よくやってられるなぁと思いはしつつ。

ご案内:「校庭・木陰」にレナードさんが現れました。
レナード > 「あづいしー………」

夏。盛んな夏と書いて盛夏。照りつける暑さは一入のことだろう。
汗で張り付く衣服をそのままに、少年は外を歩き回っていた。
その足で学園内の、冷房でも効いた涼しい場所に行こうかと思っていたところだった。

「………あ。」

そうして何の意図もなく辺りを見回した際、彼女を見つけてしまったものだからふと足を止める。
その姿も、名前も、忘れもしない。しかもなんか過ごしやすそうにしてるし。
たまらず声をかける。

「そこでなに涼しそうにしてるわけ、シャオリン。」

劉 月玲 > 「あー」

やっほ~、とちょっと脱力している感じで、声をかけてきた彼に手をフリフリ。

「あつそーだねー。
こっち涼しーよ?」

アイスをかじりながら隣をトムトム叩く。
まぁ、涼しいといっても幾分マシ、ぐらいなのだが。

レナード > 「……ほんと?」

涼しい。
今の茹ったおつむでは、心地よさを連想させる単語に弱かった。
ふらふらと招かれるまま、彼女の隣にやってきて…

「ほんっと暑いんだし。信じらんねーし。
 そりゃ寒さにゃ弱いけど…暑さに強いかって言われたら限度があるしー……」

叩いていたところに、腰掛けた。
うん。確かに、涼しい。でも、幾分マシといったレベルで。

「………涼しい…涼しい?
 思ってた涼しさとは違ったけど……
 ま、いいか。こっから出るのやだし……」

暑さにへばったように、へにゃ…と脱力する。

劉 月玲 > 「私はこのぐらいの涼しさでいいんだけどね。
男の子、みんなクーラーがんがんだもんねー」

その溶け切っている姿にケラケラ笑いつつ。
自分がかじっていたバリバリ殿を差し出す。

「はい、アイス食べたら少しはマシかも?」

体冷えるよー、と。

レナード > 「暑さにつよいとこはうらやましーし。
 ……ていうかおめー飛べるじゃん、わざわざこんなとこ選んだわけ?」

ぱたぱた、手うちわで自分に気休めの涼しさを。
熱気はあるが、それでも風を送れば多少はマシになるというもので。

「……んあ、アイス……!
 さーんきゅ……!!」

そんなわけだから、涼しさの元になるものを見てしまえば飛びつきたくもなるもので、
彼女が齧っていたという事実を殆ど気に留めず、バリバリ殿を受け取って…

「はむ。」

食べた。

「……んふー!」

どうやら相当にキくらしい。
表情に生気が戻ってきた。

劉 月玲 > 「ここがちょうどいいからだよ?
贅沢を言えば、噴水とかがある公園の木陰、が一番いいんだけど。
この暑い中、飛んでいくも暑いし~?」

ぱたぱたと制服で体中に風を送りつつ。
噴水からでる水しぶきがかかる木陰の公園、なんてところがあれば最高だろう。

「教室の中のクーラーは涼しすぎて逆に寒くなっちゃうしねー。
アイス、おいしい?」

レナード > 「………なるほど。
 確かに暑い中だし、飛んでなんていきたくねーだろーし…」

アイスを食べながら、舐めながら、話を聞く。
内容は頭に入ってはいるのだろう。納得はしたようだ。

「……水遊びかー……いいなあ」

噴水のある公園の木陰。ぼんやり想像してみる…
思ったより心地よさそうで、いいかもしれない。そんなことを考えていると…

「ん。おいしーし?」

聴かれた。まだ食べてる最中だったりしながら。
…ここで"返して"と言われた時のことを考えてはいなさそうだ。

劉 月玲 > 「時期が時期だから、プールに行くのもいいかなーって思うけどねー。
子供に交じって公園の噴水で水浴び、はちょっとまずいかもだしー」

とはいえ、楽しければそれもやるかもしれないが。
下着が透けるぐらいは別に恥ずかしくない。

「……全部は食べないでよ?
私のだしー?」

むぅ、と頬を膨らませ威嚇。
あげるとはいった…!
しかし、全部とは言っていない…!

レナード > 「……あー……そっか…
 プールもいいなあ……海も…って、シャオリン的に海はまずそうだし。」

そういえば、吸血鬼なんだっけ。ぼんやりしたおつむが想起する。
海を渡れない…なんて聞いた覚えがあったから、本当に吸血鬼ならタブーだろうか。
だから、それは引っ込める。

「…芙蓉百貨店の中に温泉もあったなあ。敢えてそっちという線も…」

今なら温水プールみたいな扱いにできるかな?
と、水気があればいいとさえ思っていそうな発想だった。

「………。」

さて、そこで彼女から釘を刺される。
しかし、もう手遅れだろう。見ればほとんど棒しか残ってない。

「はい。うまかったし、ありがとう。」

にこやかーな笑顔で、ほとんど棒だけになったそれを、差し出した。

劉 月玲 > 「ぷぇ?
なんで?なんか私、海だめなの?」

膨らんでいた頬から食う気が抜けて、ぷぇ、という鳴き声を出す。
どうやら吸血鬼が流水をだめ、というのを知らないらしい。

「この時期に温泉かー。
あ、でも逆に暖かいのを浴びることで涼しくする、っていうのもあるっていうもんねー」

アリかどうかはともかく。

「……。
………」

ほぼ棒。
ちょっとついてるアイスをとりあえず全部口に含めて、飲み込んで。
抗議の意味を込めて棒で、彼の腹を突く。

レナード > 「……だ、だってっ。」

つんつんされる。
張り付いた衣服越しに、わき腹がくすぐったい。
身体を捩る。

「ぜ、全部くれるって思ったんだしっ」

つんつんされてる。
お腹に当たると、僅かに沈んで骨に当たる。
薄い衣服は殆ど飾りのようなもの、痩せ型の体躯に直で棒でつつかれながら。

「あ、あの流れじゃしょーがないことだし!
 ふかこーりょくだしっ!」

口では反抗する、が、彼女の抗議は止められない。
非があると自覚しているのだ。

劉 月玲 > 「全部あげるなんて言ってないしー!
そこは一口食べたら返すところじゃないのー!?」

つんつくつんつく。
もうそれほど怒ってはいない。
自分が気づかずにいたのもあるゆえに。

でもそれはそれとして、面白いので原因は追究しておく。

「あーあ、アイスたべられちゃったー。
まだたくさん残ってたのに―。
ひどいんだー、ずるっこだー」

レナード > 「ぐ、ぐ、ぐ、ぐぬぬぬ………」

全部も一口も、可食領域についてそもそも取り決めはしていなかった。
だからそんなこと知るかで突っぱねてしまえば話はすぐに決まるだろう。
だが、この炎天下の中茹った脳みそで、それを導き出すことはままならず…

「む、むー……っ……
 じゃあ、その、なんだし。
 僕が代わりのアイス買ってきてくれば…いーわけ…?」

こうして、下手に出るしかなかった。
少し上目遣い気味に、ちょっと不服そうに、それでも彼女の機嫌を損ねないように…
代わりの物を用意するとまで言ってみる。

劉 月玲 > ぐぬぬ顔の彼に、んふふ、と笑う。
彼の悔しそうな顔がとても心地よい。
そして楽しい。

「ん~?
ん~……。
別にぃ~?
アイスでもいいけど~?
でもこの暑い中買ってきてもらうのは可哀そうだし~?
もっと手頃なものでもいいけど~?
あ~、でも何がいいかな~?
レナードお兄ちゃんが、私に差し出せるものってなにがあるかな~?」

空を見ながらちらちらと視線をやる。
ほれほれ、と。
自分から言わせたいらしい。
チヲヨコセ。

レナード > 「む、むぅ…ぅうー……っ……」

この流れを鑑みるに、アイスじゃ駄目そうだ。
何か、自分の持っている何かを寄こせと言外に伝えているように思えてならない。
手軽で、その場で、シャオリンの欲求を満たせそうなもの……
考えて、考えて、考えてみて…

「あ。」

合点がいった。
でも、本当にそうか?少し不安になりつつも…
ひとまず、それが正解かどうかは…

「……じゃ、じゃあ……
 僕の、血じゃ……だめ……?」

上目遣い気味に、彼女に聞いてみるしかなかった。

劉 月玲 > んふ~、と嬉しそうな顔。
ちょっと前に飲んだばかりだが、それはそれとして。

「ん~、じゃあ血でもいいかな~。
仕方ないもんね、こんな暑い中アイスなんて買いに行ったら、途中で倒れちゃうかもしれないしね~?」

上目遣いにたいして、こちらは上からの目線。

レナード > 「っく……くう………」

素で悔しくてたまらない。
なんというか、上下関係をこれほどむざむざと見せつけられると
どうしても反抗心がうずいてしまう。
だが、事実は事実…この場を何とか乗り切るしかない。
自分の中で渦巻くそれを、なんとか抑える。

「……じゃ、…じゃあ…決まり、だし……
 ほら…っ……は、はやくしろし………」

早くしろ、といいつつも、彼女がどこから吸血するか決めてないものだから。
こちらからは先に言ってみたことにして、一切の抵抗をしないつもりで構えておく。
ぎゅっと目を瞑ったのも、その表れかもしれない。

劉 月玲 > 自分より大きい人が悔しそうにしているのをみて、愉悦状態。
とても悪い顔をしている。

「うんうん、レナードお兄ちゃんは素直でいい子だね~。
それじゃ、ちょっとちくっとするけど泣いちゃだめだからね?」

耳元で小さく囁いてから首元に口を近づけ

カプリ。
そのままちぅ、ちぅと血を吸い続ける。

レナード > 「だ、誰が泣くかし…ッ……!!」

目を瞑ってても耳は聞こえる。
つい我慢できなくなってふかーっと吼えた。
…すぐに大人しくはなったが。

「……っん、く……」

首元に近づかれる。
息遣いが肌に触れる。
硬い歯が押しあたって…
じわと何かが広がる気さえする。

飲めばそれは相変わらず、ワインのようなものかもしれない。
蛇のものも相まった、不思議な風味のそれ。

劉 月玲 > 湧き出る血を舐め取り、啜る。
口の中に血の味が広がれば、唾液と一緒に飲み込む。
そうして数分飲み続け

「ん、ごちそーさまでした♪
相変わらずお兄ちゃんの血はなんか、変な感じ~。
不味いわけじゃないけど、なんだろ……。
なんか、変な感じだね?」

あは、と笑いながらそんな感想。

レナード > 「……っ………」

注射器で吸い上げるのとはわけが違う。
多少その時間が長くたって、ふらついたりはきっとしない。
じーっと待っては、いられた。

「……お、終わった……?」

その感想を受けて、ようやっと終わりに気づいたらしい。ぱちぱちと瞳を開く。
…その眼は、閉じる前と違って、黄色い蛇のそれだったが。

「……そりゃあ、まあ。前も、言ったとおりだし。」

彼は、そんな自分の状態に気づいていない。
どうやら、無意識のうちに蛇の側面が表に出ているようだ。
数分に渡って血を抜かれる、生命としてほんの僅かでも危機を覚えたことに、呼応したのだろう。
眼が違うこと以外は、何も変わっていない。

劉 月玲 > 「……んー」

口の端の血を舌でとりながら、彼の目を見る。
ヘビのような目。
見ていると、なんとなく不安を覚えるような、変な感じ。

「その目、私と同じ感じ?
血を見ると目に出ちゃう感じ?」

そういいながら、レナードの目の周りを優しくつつき。
そういうシャオリンの目は、血を吸ったがゆえに猫のように細く赤くなっている。

レナード > 「……っ……」

指摘を受けて初めて気づいたのか、目元を指で押さえる。
…思わずその手に触れそうになったから、その更に下の辺りを。

「……へえ。
 なに、シャオリンも……ほんとだ。」

目に出る、そう聞いて改めて彼女の眼を見やる。
…自分とは違うが、猫の様な目…細くなった瞳孔に、赤い虹彩。
自分の物とは、色が違うだろう。

「…僕の眼は、能力使うとき以外はこうならないものだと思ってた。
 でも…そうじゃないって、分かってきてる。
 ……どうしたらそうなるか、それはまだ……分からないけど。」

彼女の言う様に、血を見ると出るのかもしれない。
…されっぱなしもなんなので、目元を押さえていた自分の手を、彼女の目元へと近づけてみる。
彼女がしたのと同じように、目の周りをつついてみようと。

劉 月玲 > シャオリンの目元をつつけば、やわい感触。
肉はないが、ふに、とするだろう。

「えへへ、お揃いみたいな感じだね。
私は能力というか、血を吸うとこうなるけど。
でもお兄ちゃんのその目もきれいでかっこいいね?
私はその目、好きだよ」

顔が少し近いのに照れつつ、つつくのをやめて距離を取る。

レナード > 「……血を吸うと、こうなるわけ……」

ふに、ふに。指の腹で、柔らかく。
前会った時は、あまりみられる余裕もなかったかな、なんて思いながら。

「まあ、僕のは蛇の眼なわけだけd―――好っ…!?」

自分の眼を、そういう風に言う人が出るなんて、初めてだった。
そもそも、まともな状況で見せたことだって、なかったかもしれない。
だから、その言葉に、こちらは驚きを隠せなかった。
…綺麗でカッコいい、そう言われたことに、得も言えぬ喜びを覚えてしまっていることについても。

「…て、照れ臭いこと、言うなし。
 …………。
 ありがと………」

そう言っていると、彼女から距離を取る。
自然に触れていた指が離れて、重力に従う様にしなだれた。
それを追うことは、しなかった。

劉 月玲 > もし自分の目があのようにヘビの目だったら、それはそれで面白いかもしれない。
結局は慣れ。自分の今の目も慣れてしまったのだから。

「それじゃ私そろそろ教室に戻ろっかな。
お兄ちゃんはどうする?一緒に戻ろっか?」

自分はまだ赤い目が戻らないが、気にせず教室に戻るつもりだ。

レナード > 「……じゃあ、お言葉に甘えるし。」

彼女の言う、綺麗でかっこいい瞳のまま、ふすんと一つ息を吐く。

「…ちなみに。僕の能力、透視だから。」

ここで一つ種明かし。
それは、眼を褒められたことが嬉しかったから、そんな気まぐれによるものかもしれない。
…尤も今は透視していないようだが。

「……あー、あついあつい。早いとこ涼しいとこに行きたいし。」

動くと熱気と怠さがまとわりついてくるけれども、それを何とか振り払うと、
彼女に向かって、手を差しだした。

「ほら。………飛んで行ったりしないんだったら。」

こちらも、そのままの眼で行くようだ。

劉 月玲 > 「透視?
……裸とかみえちゃうやつ?」

やーん、とわざとらしく前を隠す。
ない胸。

と冗談はさておいて差し出された手はとり。

「えへへ、じゃあ教室にもどろー!」

と、元気よく歩き出す。

ご案内:「校庭・木陰」から劉 月玲さんが去りました。
レナード > 「見えるけど、わざわざおめーのなんて見てやんねーしっ。」

くふふん、と、どこか言ってやった感溢れる口調。
相手が相手ならぶん殴られてるだろうけど。
ともあれ、彼女の手を取った。

「はいはい、ほんっと元気だし。
 僕の血のせいだったりしない?」

気持ち元気そうな彼女に少し遅れつつも、二人で教室に戻っていった…

ご案内:「校庭・木陰」からレナードさんが去りました。