2022/02/14 のログ
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に出雲寺 夷弦さんが現れました。
出雲寺 夷弦 > ――――夕暮れ時。下校していく生徒たちの中に、青年は混じっていた。

下駄箱付近のロビーに設置されていた椅子に腰かけ、そわそわしながら片手の紙袋をしきりに見ている。

「……こういうの、前には出来なかったからとは、思うんだけど……っべーな、結構はずくね……?」

なんて、独り言を零している。

待ち人は、来るだろうかと。青年は何かを、誰かをそこで待ち続けている。

出雲寺 夷弦 > ……それはもちろん当たり前といえば当たり前だが、そんなものを持ってこんなところにいれば、それなりに周囲からの視線は時折集めることもある。

微笑ましそうにする生徒、ちょっと嫉妬気味な生徒、
はたまた憂う青年の横顔に何処かときめきを憶えたように見惚れる生徒、
冷やかそうとして肩を掴まれていく生徒、色々である。

そういう中にあって、袋を持った両手は結構な力で握り締められ、マフラーにうずめた顔は、耳まで赤くなっていた。

「……あー……」

「……家で渡したほうが、いいのか……?いやでも、でもなぁ……」


(……時々くらい、浮かれたいだろ、戻ってきてからやっとなんだから、この日ってのは……)

ご案内:「第一教室棟 ロビー」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
「あれー?」

そんな彼に、女生徒の少し驚いたような声がかかる
きっと聞き慣れた、耳によく馴染んだ声

「帰りにこんなところで会うの、珍しいねー」

ぱっとにこやかな笑顔を見せながら、そちらへ歩いていくのは
彼が待っていた人なのか、それとも

出雲寺 夷弦 > 「!!」

青年の恥ずかしく真っ赤になった耳に、馴染んで染みる声。
待ち人は――どうやら訪れてくれたらしい。
腰掛けていた席から立ち上がり、ばっと振り返った青年の眼の、中に揺れる感情たるや、計るのは容易く。

歩み寄ってくる姿、凛霞へと自分からも近づいていくもので、
片手に持ってた紙袋が揺れて。
……ちらっと見える、それはもう気合の入った外包。

「……珍しい、だろ?いや、その……帰ったら必ず会えるのは、解ってたけど、今日って、ほら、……理解るだろ?」

言いたい。今すぐに伝えたい。
けど敢えて真っ直ぐにしない。本人が一番そわそわして、
一番言いたいことを敢えて呑み込み、はしゃぐのを堪えて冷静に努めている声。
目の前まで来て、そう告げていれば簡単に読み取れるし、
真っ赤な耳に、揺れる瞳と、貴女の顔と片手の紙袋を交互に見る視線と。

「……今日は、凛霞に、学校で渡したかったんだ」

そんな一言まで出てきてみては、待ってた理由も意図も、筒抜けである。

伊都波 凛霞 >  
彼、出雲寺夷弦という男子生徒は…
──こう、すごく。すっごく、わかりやすい

この人、きっと一生嘘なんてつけないんじゃないかな、なんて思うくらい
その内面とか、感情とか…ないまぜになったものがぜーんぶ、顔と態度に出ちゃうタイプ
そういう人って、距離感さえ街がなければ案外周りには好かれたりして…多分、彼もそんな人

きょとんとした視線の先には、耳まで真っ赤にして口どもる彼の姿
思わず吹き出しそうになって、我慢
だってそれじゃ、どっちがどっちかわからなくなる

「はいストップ!」

渡したかったんだ、そんな言葉を最後に、制止!

「そこまで言われると私から言うコトぜーんぶ受け売りになっちゃうじゃない」

くすりと笑って、後ろ手に取り出して見せたのは、豪華とは言えないまでも手のひらサイズの、可愛らしい包
丁寧にラッピングされたそれの中身は、言わずもがな

ロビーでこんなことやってたら当然視線も向けられるけど、まぁ今更かな、なんて
それならいっそ気にしないでもいいやと開き直れるといふもの…

「ホントはこっち側が攻めのイベントなんだからねー? はい、ハッピーバレンタイン♪」

でもまぁ、気持ちも何もかも嬉しいんだから…交換なんていうのも悪くないかな

出雲寺 夷弦 > 「ッえ」

はいストップ。本当に素直に硬直した。
ガチンと機械の如く本当にストップをかけられるものだから、なんというか。彼という人間の性は結構、こう、素直の更に、ちょっと足りてない。何がというなら、年齢的なというか。

――或いは、そういった姿は、目の前の少女にしか見せない部分でもあるわけだが。
きっと彼を知る他の生徒からしたら、かなり珍しいかもしれない。
まぁそれは目の前の相手の姿もきっとそうかもしれないけれど。

「……いやごめん、そうだよな、普通は……普通はそうなんだけどさ――ぁ」

そうなんだけどさ。だからこそいざ。

目の前の女の子からの、小さくて可愛らしいその贈り物。
差し出されると共に向けられる言葉、そして笑顔。

「――――」

若干の深呼吸。それから、

「……は、ハッピー……逆バレンタイン」

自分も差し出し、そのままお互いの贈り物を交換していくこととする。
――手の中の、小さくて、丁寧に、綺麗で、そして何よりも。
これはまごう事無く、大好きな女の子からの贈り物。

「……っ……っ……!!」

受け取った両手のなんと大切そうなことか。
若干肩を震わせ、マフラーにうずまった顔半分、見える上半分の赤さと。

「……っこれ、さ、あ、ああぁ……なんだろ……ッ。す……ッげえ、今、幸せで、嬉しくて、頭どうにかなりそうなんだけどさあ……っっ!」

振り絞った小さな独り言。

伊都波 凛霞 >  
「ふふ。あぶないあぶない…
 逆バレンタインを先にされちゃうトコだった。ありがと、嬉しいよー、夷弦」

渡された立派な紙袋をぎゅっと胸元で抱きしめて、目一杯の笑顔を向ける
飾る言葉もオーバーなりアクションもないけど、染み入るような、感謝の言葉
なんだかなくなったはずのお互いの時間を取り戻していっているようで、それも嬉しかった

それから、振り絞るような独り言
それには彼の背負った、過去の全てが込められているような気すらした
何も知らない人から見れば、きっとそれくらいで何をオーバーな…と思うくらいの反応なのかもしれない、でも

彼にとっては、本当は訪れなかったはずの幸せなのだから。それくらいは大目に見てやったってバチは当たらないに違いない

「うん。これまで出来なかったんだもんね。こういうコト。
 大丈夫。これからは何度だって、ずーっと出来るよー」

「私が夷弦にフラれなければ、だけど」

最後は少しだけ冗談混じり
ついでにkレの隣へ移動し横並びになって、ほらーそんな声出してるからみんな見てるよー?とアピール

出雲寺 夷弦 > 「……っそりゃ、その、勿論今日は本来、女子から男子にっていう日なのは知ってんだけど……な。今日贈っとけば、ええと」

手の中のちいさな包み。……いや、自分が贈ったのデカすぎたか?
相手の一番暖かい所に抱きしめられた紙袋。
結構でかい。いやかなりでかい。袋もでかい、そっちもでかい。違うそこじゃない。

……ぽつりと繋げた言葉。

「……ホワイトデーも、お互い贈り合えるから、またこういう風に、交換できるだろ?
……凛霞からもらうのも、凛霞にあげるのも、両方倍なら、嬉しさも二倍になるし、そうしたいしさ」

――言葉は真っ直ぐだし、若干はにかみながら言う。
だがその台詞はこう、多分女子が言いそうな側の台詞でもあるような気がするが、蛇足。

「……ああ、何度何度も、ずっと。
――――絶対にない、それはないッ!むしろ俺のほうがそうならないかって……」

「……」

考える。

「……無いな。一生フラれることはないと思う」

やたら冷静になった顔で自分の顎を押さえながらぽつり。
気付いているだろうか青年。さらっと一生ずっと付き合うと公言しているぞ。
そしてその台詞だって多分周囲に聞かれているのだ。

「……」

――聞かれている?いや、まぁ、聞かれるだろう。
が、今は何というか幸せ一杯飽和状態なので、やたら冷静に隣に来た凛霞の顔を見遣り。
……肩をそっと抱くようにして、反撃の。

「別に、今は聞かれてもいいよ、俺。お前に言いたいことの量のほんの一部くらい。
……これからもっともっとお前に伝えたい気持ちがあるんだ、言い足りないくらいだよ」

伊都波 凛霞 >  
「嬉しさも倍だけど出費も倍だよー?」

愛情なんかはいくらでも湧いてくるけどお金はそうじゃない
ちゃんとそのへんもわかってるのかなー、なんて思ってくすくす笑ってしまう

「一生とか大げさなんだから。
 私達幼馴染なんだから、そうなったらそれこそ一生───」

すらすらと話しながら、はたと気づく
一生一緒ってそういうあれそれ、ン?彼はわかってて言って…ないな、間違いない

「一生は長いんだから、ほら。
 私よりも魅力的な女の子が夷弦のトコにやってくるかもしれないじゃない?」

照れ隠しついでにこんな冗談が言えるのも、
お互いに子供の頃から知っているが故の距離感である

恋人というにはどこか自然で
友人というには妙に距離が近い
そんな不思議な、幼馴染特有の空気感

周りの生徒にもそれはなんとなしに伝わるのかもしれない
あまり普段男の影を見せない凛霞が、あからさまに特別感を出して話す少しレアな姿
願わくば、アイツ誰だ?なんてありがちな事になりませんように

出雲寺 夷弦 > 「……」

若干視線が逸れた。

「…………いや、それは、その、あれだ、ええと……出雲寺の立て直しとか、色々済んだら、色々資金繰りとか勉強したり、後はその、俺自身も仕事ってか、色々アレをこうして……。
……い、いや、無計画ってわけじゃないからな……?」

そこは大丈夫。と、若干苦笑い。若干不安。

「……そりゃ、素敵な女子ってのは沢山いるけど、俺が"好き"になって、いつまでも一緒に居たいって思うのは、これから先もずっと凛霞だけだ。そこは譲らねーし、絶っ対断言してやる」

なんて。ゾーンでも入ったか、自然に笑いながら言葉だけが彼の手繰る槍の如く真っ直ぐに出てくる。
漢気ゲージが今一時的に満タン状態だろうか、多分そんなだ。

「……あぁそうだ、そのチョコなんだけど……実はこう、その、気合が入り過ぎて色んなの作って入れたから、一日では絶対喰い切れない量だと思う。
……"毎日一個ずつ"くらいで、多分ちょうど"一ヵ月"くらいか?」

――――カレンダーチョコッ!!

伊都波 凛霞 >  
なんてご丁寧な言い訳
殆ど冗談なのにこの真面目な返し
変わらないなあ、と思うと同時に
変わらないと思えるレベルまであの頃に戻ってくれたことを嬉しくも感じる
少し、戻りすぎかなとも思うけど

「ちょ、ちょっと」

何かゾーン入ってる、入ってる
人前だよ?人前、ロビーだよ?他の生徒いっぱいいるよ?
いやまあ冗談とはいえ煽ったのはこっちだけどこんなストレートカウンター来るとは思ってないって
思わずこっちまで顔が赤くなってしまった

「え?あ、う、うん!チョコね!
 うわー、そんなに気合の入ったモノだったとは…
 私のがなんかちょっと残念に思えちゃうなあ…」

落ち着け、落ち着け
天然のパワーに合わせていたら身が持たない

出雲寺 夷弦 > 「……ん」

無自覚かわざとか。赤くなっている顔に対し、ちょっと首の角度が傾いてく反応。
……いや、多分、それは。

「…………残念なんかじゃないよ。すっげえ嬉しいよ、大事に食べる。
――ていうか、早く帰りたくなってきちまった。待ち遠しくてさ。
家帰ったら気合入れて茶淹れるから、二人でお互いのチョコを食べよう。こんなに嬉しいチョコは、作って、受け取ってからなるべく早く食べたいし、食べて貰いたいし」

ぱっと笑って、片手のチョコはそのまま、もう片手で貴方の手を握って取ろうとする。
――季節、ロビー、空調が効いてたって寒さは鋭い。その中にあったはずの彼の手の暖かさ……否、熱量。
まるでずっと緊張かなんかしてたみたいに熱くて、それから少し汗ばんでるようで。
あと、握られ握ってみて、ちょっと震えてるのが伝わること。





……あの頃、彼が果たして、慕情、そして愛情の交差の中にあって、
こんなにも露わにして、冷静を維持出来ないほど、貴女と過ごす中で揺れていることなんて、きっと。
――だからこそ、多分今この目の前の彼の表情も振る舞いも、結構。かなり、頑張っているようだ。

「……」

マフラー下で、頬はもう、見るも林檎の赤色かとばかり。

伊都波 凛霞 >  
帰って一緒にお茶をしながらお互いのチョコレートに舌鼓
それもいいかもしれない、今日くらいは、まっすぐおうちに帰ろう

折角帰りも一緒になったことだし、ね
手をとって、きゅっと握り返す
あの頃に比べて自分は身長も随分伸びたけど
手の大きさは、今の彼のほうがずっと大きい
男の人の、手だ

「そうだねー。ふふ、チョコだけでいいの…?」

じ…っと上目に見てやる、彼にだけ聞こえるよう、小声で
冗談なのか本気なのかはさておき
彼に意図が正しく伝わるかどうかが疑問である

まぁ、伝わらなくてもそれはそれで
彼の精一杯の頑張りは十分に伝わってきているわけで…

「じゃあ…帰ろ。夷弦」

手を引くように、先に歩き出す
もう少し前の自分なら、今よりも他人の視線を気にしたかな?と思うけど
まぁ、学園生活も長いと色々ありまして…良い意味で開き直れるようにはなったのでした