2022/02/15 のログ
出雲寺 夷弦 > 「ッ」

手を握り返してもらう。その手は、あの頃より大きいが、それでも自分の手のほうが、まだ大きい。
だけど、その耳をくすぐった声で――心のどっかの熱量も急上昇。
真っ赤は耳先まで、より、より赤く、熱く。

マフラー巻いといて良かったなんて心底思いながら、指は絡めて握っていく。
このほうがいい。こっちのほうが。

「……それ、家ついたら、もっかい言って欲しい……」

ぼそ、と零した。ばっちり伝わってしまった。
彼の精神的部分の一部、若干既にスイッチ入ってしまうじゃないかと。

「……ああ」

――先に歩き出されて、手を引かれるまま。帰路は同じく、時間も共に。
こんなに幸せなら、今この瞬間ばかりは、無敵だった。


……こんなに甘やかで幸せなバレンタインデー、帰った後は、
"終わりまで、しっかりと、二人で過ごすに決まっていた。"

ご案内:「第一教室棟 ロビー」から出雲寺 夷弦さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」から伊都波 凛霞さんが去りました。