2020/06/20 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」に富士 雅さんが現れました。
富士 雅 > この日、男はボトルのアイスコーヒーを手に屋上のベンチで寛いでいた。
委員会の活動を午前中に終え、昼から自由の身となった。

まだ昼食を取るには早い時間。
と言うか、この時間はどこの店でも大抵が席の取り合いになっていたりするので個人的に行きたくなかった。

「あと1時間くらいはここで過ごすのが賢明だな。」

男はそう口にしては、アイスコーヒーを口にする。

富士 雅 > 男はこの屋上で時間を過ごすのが好きであった。
人目に付かず、静かである。
…携帯の音量を切っている限りは。

「まあ、今更何かあったとしても昼飯を食ってからだ。」

ご案内:「第二教室棟 屋上」に金剛 経太郎さんが現れました。
金剛 経太郎 > 「あ~~、しんど。マジかよもう昼か。
 取り敢えず昼食って午後の補習に備えるか‥…」

草臥れきった様子で屋上へとやってきた金剛経太郎。
既に先客がいる事など気付かずに、ぶちぶち独り言を零しながら歩いて来れば

「………あ。」

二徹明けサラリーマンみたいな顔のまま富士に気付き、
三徹目が決まった様な表情になってその場で硬直した。
普段は幼気な小学生を装ってるハイティーンの油断があった

富士 雅 > 「あぁ?」

こんな時間にこんな所に現れるとは、とばかりに視線を向ける。
それだけでメンチを切ったように見えるのは男の人相が悪いからで。
烏の羽のような色をした瞳がじっと硬直したままの相手を捉え。

「なんだ、金剛じゃねえか。
何固まってんだ?
俺だよ、俺。 富士だよ。」

見た目的にはだいぶ年齢差を感じる二人だが、学園の同級生である。
男子寮に住んでいることもあり、よく見かける仲だ。

「それにしても疲れ切った顔してるな。
オッサンみてーだぞ。」

口元に笑みを浮かべる男だが、こちらも実年齢の割にはたいがいオッサンであることを棚に上げている。

金剛 経太郎 > 「なんだ富士のおやっさんかぁ……
 センセーかと思って身構えて損した。」

睨まれたように見られてもどこ吹く風。
そもそも実際のところ睨まれてる訳ではないのを知っていたから。
軽口を叩いてくる相手に対しひらひらと手を振りながら、

「そりゃー疲れもするっつの。
 こちとら義務教育レベルの授業も普段の授業に上乗せで受けさせられてんだから」

同級生とはいえ経太郎には10年の空白期間が存在する。
その穴を埋めるために、高校生クラスの授業とは別に小中学生クラスの授業も受講させられている。
お陰で毎日補習のオンパレードだ。オッサンみたいにもなるだろう。

「で?おやっさんは何してんのこんなとこで?
 昼は?弁当?」

富士 雅 > 「あぁ~~、たまに言われるな。
が、俺はこう見えて一年だからな。
本当は先輩だらけなんだぞ。」

こちらも最近やってきた異界人である。
だからこっちでは一年なのだが、恐らく1年生の中では最年長の部類に入ることだろう。

「よくそのカリキュラムでやっていけてるな。
先に義務教育だけ終わらせてやった方が良い気がするが。」

金剛がゲームの世界だかから帰ってきた話はそれなりに有名である。
その為に個別の授業が組まれていることも聞いている。
こっちは元の世界義務教育相当の内容は受けていただけにそういった補習の類は組まれていない。

「この時間は混むだろう。
だから俺は少し遅れていくことにしてるんだ。
若いのと焼きそばパンだの取り合うつもりもねえしな。」

時計を見上げ、そろそろ頃合いかと立ち上がる。
両手両足を伸ばし、伸びをして。

「金剛もこれから飯だろう。
一緒に食いにいかねえか。」

金剛 経太郎 > 「カリキュラムなー、そうなんだよなー
 おかしいよな詰め込み具合が。それは思う。めっちゃ思う。
 でもさ、これでも小学校分の義務教育は終わらせててマシになった方なんだぜ。」

入学当初はひたすらほぼ小学校中・高学年として扱われていた。
見た目ゆえにではなく、単純に学力ゆえである。
ゲーム内である程度『外』の世界の情報は仕入れられたから浦島太郎状態にはならなかったものの、
順当に得られるはずだった学力はどうしても空きがあったのだ。

「あー、混んでたっぽいなあ。
 さっきチラっと見たけど、今はだいぶ引いたんじゃね?」

そう言いながら上着のポケットを漁り、

「せーっかくのお誘い有り難いけど、既に俺は昼飯をゲット済みなんでね
 ほれ見ろ個数限定のメロンパンと焼きそばパン。
 いやあ、召喚使役系異能ってこういう時便利よなーぁっはっは。」

取り出した菓子パンを見せびらかしつつ、「ここで食うの」と宣言。

富士 雅 > 「小学校分なら気合でどうにかなるだろう。
問題は中学分からだな。」

ゲーム内に居たのなら国語と算数は錆び付くことはないだろう。
理科だの社会だのはそれこそ空白が生じていただろうが。
しかし、現実に戻ってからも特殊な日常を味わっているのだなと感心する。

「そうだろう?
俺はああいうのに参加する気はなくてな。」

飲みかけのアイスコーヒーを口に入れ、空になったボトルをゴミ箱へ。

「なんだ、先に寄ってたのか。
お前も取り合いに参加するクチか。」

自慢そうに見せびらかすパンはどちらも輝いて見える。
なるほど、生徒がやっきになる気持ちも分からなくもない。

「となると、俺一人でどっかに食いに行くか。
ほれ、ベンチは温めておいたぞ。
有意義に使え。」

金剛 経太郎 > 「勿論俺本体は補習を受けてたわけだけどな。」

異能で召喚した分身を使い、菓子パンの確保だけはする周到さ。
小学生の様な見た目らしかぬ邪悪な笑みを湛えながら得意げに胸を張る。

「それに、おやっさんみたいなのが俺みたいなん連れ立ててたら事案に思われちゃうだろー?
 気を利かせてやってんだよ、ほれほれ食堂で女の子でも口説いて来いって。」

ニヤニヤとゲスっぽい笑みを浮かべながら、富士と入れ替わりにベンチに座る。
クソ温い、と顰め面で開口一番に苦言を零しつつ、

「うむ、苦しゅうない。
 じゃーなおやっさん、不良に絡まれたりすんなよー?」

富士 雅 > 「ああ、そういうことか。」

男もまた、金剛の答えにニヤリと笑う。
なるほど、分身の異能を使えるのであればそんなことも容易いだろう。

「俺もお前も同級生だろうが。
何に気を遣うってんだ? それに俺に靡く様な女がいるとは思えねえがな。」

クソ温いの一言にはチっと舌打ちを忘れず。

「俺に絡む不良が居ると思うか?
喧嘩しても二度と治してやらなくなるってのに。」

癖の強い同級生に後ろ手をひらひらと振り、屋上を後にする。
決して口にはしないが、短い時間ではあったが男の中ではなかなか楽しいひと時であった。

ご案内:「第二教室棟 屋上」から富士 雅さんが去りました。
金剛 経太郎 > 「そりゃそーか。
 少なくとも校内じゃおやっさんの世話にならん不良もそう居らんわな。」

焼きそばパンの袋を開封しながら、富士の背を見送る。

「せめておやっさんともうちょい年が近い見た目してりゃあな俺もなー
 完全に子連れ番長みたいな風貌になっちまうからなあ。」

半分以上は小学生チックな自分の所為だという自覚がある
なので丁重にお断りしたのだが、寮での夕飯くらいは一緒しても良いかもしれない、と思う経太郎だった。

金剛 経太郎 > 「さーてと、んじゃ俺も飯にしますか。
 ……いっただきまーす!」

焼きそばパンを膝の上に一度置いて。
律儀に手を合わせてから焼きそばパンを手に取り口へ

「んむっ……ん~~~~~!美味ぇ!」

口いっぱいに頬張りながら、満面の笑みで両脚をぱたぱたさせる。
リアクションは見た目通りのお子様さなのは普段それを装ってる所為なのか、はたまた素なのか。

金剛 経太郎 > 「やっぱ異能使って買って来て正解だわ。
 はー、これは確かに売り切れ必至ですなあ。美味い美味い。」

もしゃもしゃと小動物チックに焼きそばパンを完食。
今度はこちら、と鼻歌混じりにメロンパンも開封して、ぱくり。

「んんんん~~~~っ!
 甘さがくどくなくて、それにしっとりふわふわ!
 はー、勉強疲れの頭に効くわあ~。」

あっという間にメロンパンも平らげて。
ごちそうさまでした、と両手を合わせる経太郎。

金剛 経太郎 > 「さて!食うもん食ったし、あとは午後の授業まで昼寝でもするか!」

よいしょー、っと足で反動を付けてベンチから飛び降りる。
大した飛距離は出ないが、一度ベンチを振り返って満足そうにうなずいた。

「さーてどこで昼寝しよっかな。
 空いてる教室かな、図書室かな、保健室……は、ちょっとパス。最悪夕方まで寝そう。」

上機嫌に鼻歌を伴いながら、校舎内へと向かう扉へと歩いていく経太郎。
菓子パンの包装を丸めてポケットに突っ込んで、一度大きく伸びをしてから校舎へ戻っていくのだった。

ご案内:「第二教室棟 屋上」から金剛 経太郎さんが去りました。