2020/06/30 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」にレナードさんが現れました。
レナード > 『突然でわりーけど、レナードって今日の放課後暇?
 もし暇だったら、この前異能の練習相手になって欲しいって俺いってたじゃん
 あれさ、今日の放課後に屋上辺りでどう?』

そういう呼び出しを受けたものだから、リュックに沢山のパン、ジュース、お菓子を詰めて、屋上に来た。
こんな風に誰かと切磋琢磨なんて、本当に久方ぶりなような気がするものだから、緊張さえしているかもしれない。
ともかく、適当なところにリュックを降ろして、彼の到着を座して待つ。

ご案内:「第二教室棟 屋上」に阿須賀 冬織さんが現れました。
阿須賀 冬織 > 少し授業が長引いたので急ぎ足で屋上へと向かう。
ドアを開けて確認すると、どうやらすでにレナードは来ていたようだ。

「すまん、ちょっと授業長引いちまった。突然の連絡なのにありがとな。」

そう言って、彼のものであろうリュックの横に自分の荷物――こちらにもエネルギーになりやすいものや、電池・充電器なんかが入ってる、を置く。

レナード > 背後から、言葉がかかる。
誰かなんて確認するまでもない。

「気にすんなし。
 まあ、同じ電気を扱うものとしてのよしみだし。」

地面に手をついて、座りながらに振り向きつつ言葉をかける。
その勢いを活かすように、ひょいと立ち上がって。
すると、自分の荷物の傍に似たようなふくらみの荷物が置かれてたものだから

「……なんだし、おめーも僕とおなじこと考えてたわけ?」

彼の持ってきた荷物をまじまじと眺めながら、苦笑を浮かべた。

阿須賀 冬織 > 「ん、今日は異能の先輩としてよろしくたのむな。」

実際、今まで碌に異能の練習をしてなかったので彼は大先輩である。

「ああ、この前ので身に染みて理解したからな。いやあ、あの後はほんと部屋までが長かったぜ。あと、必要かわからないけど電池とかも一応持ってきといたよ。」

どうやら考えることは同じらしい。こちらも苦笑しながら答える。
突然の連絡だったので詳しく何をするかまで決められていないが、もしかしたらと思い自分では使わない電池なんかも持ってきた。

レナード > 「…先輩ってわけでもねーし。」

とはいえ、目上らしい立場に見られるのは悪い気分じゃない。
そんな照れを隠すように、ふいとそっぽを向いた。

「ま、備えあればなんとやら、事前準備は大切だし。
 それじゃ……お互いに知らないことがおおいから、まずはそこからだし。」

こほん、一つ咳払いをして、改めて彼と向き直る。
互いに電気を使うことだけが共通点だが、自分の想像と違う方向の異能では、大した練習にならないかもしれない。
それを避けるために、互いの異能について話し合うことから始めようと考えた。

「……おめーが、電気を放つことができる。それは知ってる、前に見たし。
 他に、いったいどんなことができるわけ?
 知ってる限りで、教えてほしいし。僕も後で教えるし。」

阿須賀 冬織 > 「そうだな。同じ電気系の異能ってだけで、全く同じってわけじゃないかもしれないしな。
俺ができる事か……とりあえず電気を作って放つ、これが大まかな感じだな。今のところ感電なんかはしたことないし、細かい操作なんかは得意だな。」

そういって手に持ったスマホを充電してみる。人を傷つけうる異能だから、制御だけは常に気を付けていた。
あと、レナードと自分の異能は恐らく細かいところは少し違うだろう。少なくとも俺は今まで電気が足りなくて腹が減ったなんてことはない。
まあ、俺の容量が少なすぎて、ほとんど気になった事ないだけかもしれないが……

「まあこんな感じで、制御自体は自分で言うのもなんだが出来てると思う。まあ、出力高くしたらわからないけど……」

こうやって言葉にしてみると、驚くほど自分の異能に対する理解がないことに気が付く。

レナード > 「……へえ。」

ちょっと意外そうな声を上げた。

「僕は、電気を溜める、放つ、出力を変える……それくらいなら、難なくできるわけ。
 でも、おめーの言うような……電気を作ること。これだけは、僕はまだ発展途上なんだし。」

意外かもしれないが、彼の電気に関する能力は完全なものではないという。それも、この場で直に話すくらいに。

「まあ、まずは………そうだし。
 今ある才能から見てけばいいし。どれだけ出力が出せるか……そこから始めるし。」

出力を測る。それは、きっとこの前のようなことでもありそうな。

「…こんなこともあろうかと、僕の蓄電力値は低すぎてトリップ事故寸前だし。」

つまり、始めて会った時の様な、そんな状態であるとも述べた。
ならば、やれることはもう分かるだろうか。

阿須賀 冬織 > 「ん、そうなのか。そういやよく考えたらお前が異能使ってるところ見たことなかったな……」

レナードの返事は意外なものであった。そういえば、前会ったときは俺が電気分けただけだったなと思い出す。
続く言葉ももっともなものでうんうんとうなずく。
が……どうやら彼はそのためにあらかじめ断食なり放電なりをしてきたようである。
よくよく考えると、確かにさっきから会話の間が妙にあったし、なんなら少しふらついているように見えなくもない。
この前の時の映像が思い出されて頭を抱える。

「最初から全力でいいか?」

とはいえ、そもそも頼んでいるのはこちら側であるし、むしろありがたいことではあるのだが。

レナード > 「どんときやがれし。
 僕の受電能力は伊達じゃねえし。」

両手を出して、開く。握られてもいい様に、掌を向けて。
最初から全力なのは当然。寧ろこちらから強引に給電することさえ考えている。
容量はほぼからっぽ、この前みたいな状況とはわけが違う中で、彼は果たしてどこまでやれるのか仄かに興味を抱きつつ。
ただ、普通に給電を受けるのも気分としては盛り上がらない。だから…

「……搾られつくされても、しらねーし?」

ここでちょっと挑発を入れながら、にやりと口角を歪めた。

阿須賀 冬織 > 「おっ、言ったなあ……お前の方が先に充電満タンになっても知らないからな。」

なんて、こちらも挑発に乗ってみる。がまあ、前回無理だったので今回もおそらく無理だ。
当然、訓練が必要と思ってからある程度自分でもやってはいるが、そう簡単に伸びるなら苦労はしないだろう。

電気は流す距離が長いとその分ロスが発生する。エネルギー補給用にいろいろ持ってきているとはいえ、無駄なことをするつもりはさらさらない。
向けられた手のひらを握って電気を流す。室内でもないし、前回よりも気が楽だ――もし近くに太陽光パネルでもあれば大問題になる可能性があるが。

レナード > 「僕を満足させられるわけ……?
 じょーとーだし、やってみやがれし。参りましたと言わせてやるし。」

きっと、これはじゃれ合いみたいなものなのだろう。
言葉での応酬の裏で、掌を握った彼からそつなく給電が始まる。
自分の手を通じてじわじわと満たされるような気分になりながらも、まだまだ余裕だと笑顔なんて浮かべながら。

「……ほーら、まだまだこんなんじゃ足りねーしー……?」

更に、挑発の言葉を続けてみた。

阿須賀 冬織 > やはり、レナードは余裕の様子だ。言葉を返そうかと思うが、それよりも集中したほうがよさそうだ。
全力とは言ったものの、いきなり全力を出すというのはまだやはり厳しい。

「っ……、こっちこそまだまだ出し切ってねーよ。」

……なんだかんだ彼は煽りにはあまり耐性がなかった。
答えると同時にさらに出力を増やそうと力む。手を握る力も強くなるだろう。

レナード > 「……っ、は………
 たりめー、だし……こんなとこでへばられちゃ話になんねーし…っ」

握った手から彼の力みが感じられる。
それに合わせて、流れる電気も多くなった。
…その頃からだろうか、僅かにぞくりと背筋が震えてしまったのは。

「ま……、だまだ、これからだし………」

阿須賀 冬織 > 「ん……まだまだなのは……こっちのほう…だよ…」

少しずつ、自身の限界へと出力を上げていく。
(ちょっときつくなってきたな……、コントロールも怪しくなってきたか……)
やはり出力を上げるとあまり制御ができないのか、出力そのものは上がっているがムラといったものが出てくる。
目線を少し動かすと、制御から外れた電気によって、稲妻が走るのが見えた。自分では見えないが、髪の毛も少し逆立っている。

レナード > 「………ッ…」

多くの電気が両手を通じて流れ込んでくる。一瞬一瞬であれば、なんということはなかったのだろう。
ただそれを、途切れることもなく流されてしまうと、
穴の開いたバケツに水を大量に注ぎ続けることと同じように、感覚がどんどん鋭敏になっていってることにも察しがいく。

「……っふ、んん………
 まだ、まだだし………っ…」

容量としては、本当にまだまだ余裕があるのだ。
だが、流れてくる電流からどうしようもなく得てしまう感覚から、逃れる術がなくなってきた。
それが、彼の声色から感じられることはあるだろうか。

阿須賀 冬織 > なんだかレナードからこの前のような雰囲気を感じる。といっても、出力を上げることに集中していてあまりそちらに意識を向ける余裕は、今の彼にないのだが。
この前出した出力を超えて、さらにさらにとなる程、あたりを走る稲妻は増え、バチバチといった音が響く。

そろそろ限界だろうか、汗が顔を伝う。

「ぐっ……くっそ……さすがに…これは…きちい……」

最後に、今まで以上に力を込める。瞬間的に限界、もしくはそれたであろう出力が伝うだろう。
それを合図に、彼の放電が終わり、握っていた手を緩める。

レナード > 「…ぇ……?
 な、んで……っ……」

本当に容量的にはまだまだ足りない中で、彼がへばった。
発電を止め、ずり落ちるように緩められた手。こちらからすれば、肩透かしとお預けを食らったようなものだろうか。呆けた声がどこへともなく消えていった。
それから離れた掌を自ら眺めるも、もう終わってしまったことをすぐには認められなかった。

「…………。」

最後の一滴を出し切ったとばかりに顔に汗を滴らせている彼を、恨めしそうに見ていた。
全然足りない。まだまだほしかったのに、ここでお預けなんてひどい。
そんな、まるで子供の様な気持ちの籠った眼差しが、ひたすらに注がれている。

阿須賀 冬織 > 「……はあ…はあ……クッソ…だめだ……。思った…より……出ねえ……」

猛烈な空腹が体を襲う。やはり、今まで高出力を扱ったことがほとんどなかったからだろう。
出力が高くなる程、変換の効率が極端に悪くなる。おかげで、思ったほどに出し切ることができなかった。

こちらに向けられた、呆れたような目線に気が付く。
何か言おうと思うがそれも面倒だ……。
とりあえず、糖分を補給しよう。少し休憩すればまだまだいけるだろう。

そう思って、彼に背中を無防備に向け、自分の鞄から飴を取り出して食べ始める。

レナード > 「………。」

足音もなく、彼に近づく。
まるで獲物を見つけた蛇が、ゆらゆらと距離を詰めているかのように。

背を向けているなら、こちらには気づかれまい。
幸い、別のことに集中しているようだ。
なら、今しかない。狙うのなら、今しかない。
目の前にまだご馳走があるのに、腹二分目でお預けなんて堪らない。
そうやって僕から取り上げたお前が悪いんだからな。

「………はぁ……、はぁ………」

胡乱な思考が、そうやって自分のこれから為そうとすることを強引に肯定する。
それに従って動く身体は、彼の背後から、その肩を両手で抑え込もうと伸びたのだ。

阿須賀 冬織 > もう一つ、と飴を口に放り込む。
糖の甘さが口の中に広がり、同時に気怠さによって曇っていた思考がクリアになっていく。

「ん、さっきはごめん。思ったよりも高出力に慣れてなくってさ。だいぶ落ち着いたし、もう一回行けるぞ。」

なんて、ゆっくりと顔を後ろに向ける。……それは事態を止めるには遅すぎたのだろう。

レナード > その腕はもう止められない。
振り向くにも顔だけで、肩はこちらには回せなかっただろう。
それを障ったのは、他でもないレナードの腕だった。

「……ごめん。
 僕の方こそ、止められないし……っ……」

そのまま、腕を引きながら身体を乗り出すようにして、彼の首筋に噛みつこうとした。

阿須賀 冬織 > 振り向いた先に見えたのは、目の前に迫った彼の顔だった。
えっ、は……?一瞬、頭が真っ白になる。
その一瞬で、彼の顔は視界から消えた。

「っ何言って……んぐっ。」

その言葉は続かない。首筋に痛みが走る。
すぐに、彼が自身の首、人体の急所と言うべきそこに噛みついたのだと理解する。

レナード > 「っん、く、んんんっ……」

噛みついた。その地肌に、割と容赦なく。
そのまま吸い上げるように口を動かせば、きっと、
無理矢理体の中から電気を吸い上げられるような、そんな感覚が走るだろうか。

阿須賀 冬織 > 「っ……ちょ、何してるんっ…だ…よ……」

問い詰めようとした言葉は、すぐに覇気を失う。電気が無理やり吸い取られているのがわかり、止めようとする。
が、俺より実力が高いからだろうか。それを止めることは叶わず、不足した分を補うように、体が勝手に電気を作り出す。
妙な感覚――後から考えたら快感だったのであろう、にそれを止める気もすぐに失せる。
振り払おうにもその華奢な体からは想像できないほどがっしりと掴まれており、彼が満足するか、俺が本当に動ける余力すらでないほど吸いつくされるまで終わらないだろう。