2020/07/03 のログ
ご案内:「第二教室棟 保健室」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 「っつぁー……暇だなあ。」

配信授業による怪我から一晩明けた今日。
未だに腕と足に包帯を巻き付けたまま、俺は保健室のベッドに横たわっていた。

あの後保健室へと自力でやって来た俺は、待ち受けていた保険課と顔馴染の養護教諭に取り押さえられ、
無茶した代償として無麻酔で治療を施されて今に至る。

「ダイアウルフに噛まれるより痛かったぞアレ……」

思い出すだけで痛みが蘇る様で、俺は顔をしかめながら左の太ももを手で摩った。

暁 名無 > 「にしてもだ、あの不良養護教諭、怪我人ほったらかしてどこ行ったんだか。」

この保健室の主は付き合いの長いいわば腐れ縁だ。
たまたま赴任時期が重なり、その縁で非常勤時代から外でけがを負ってくる俺の面倒を見て貰っている。
学園内に複数ある保健室の中でも、この保健室は俺の第二の研究室と言っても過言じゃないくらいだ。

「……麦茶と金平糖貰おうっと。」

こうして主不在の保健室のどこに何があるかまで熟知している。
慣れた足取りで氷嚢用の氷や薬品が冷やされている冷蔵庫へと向かい、麦茶を引っ張り出す。
そのままの流れで薬品棚から金平糖の袋を取り出してベッドへと戻る。

暁 名無 > 「はーあ、折角ならセクシーなナースさんに看護されてえや。
 なんで俺誰も居ない保健室で金平糖食いながら麦茶啜ってんだ……?」

我、怪我人ぞ?いや自業自得の負傷なんだけど。
というか既にだいぶ良くなってんだけど。
見せしめのために保健室に閉じ込められてんだけど。

「……日ごろの行いって大事なあ。」

しみじみと呟いてしまう。
いや、日頃の行いが特別悪いって訳でもないと思うんだが、我ながら。

暁 名無 > 「そういや、今年ももうすぐ七夕か……
 まーた準備で遅くまで居残る生徒が出るんだろうなぁ。」

見回りの先生も大変だ。俺は今回はこの足を理由に外させて貰おうっと。
そう考えるとやっぱりたまには怪我を負うってのも悪くない。
ぽりぽりと金平糖を齧りながらそんな事を考える。

「……暇だ。この際ゲームでも持ってくりゃ良かったなあ。」

日頃常々働きたくないと思っていても、いざこうして安静にしてろと言われると退屈だ。
放置されるよりはまだ説教されてる方が良いなあ、と窓の外を眺めつつ思う。雨だ雨。

暁 名無 > 「ま……たまにゃ雨音聞きつつ寝るってのも悪くねえか。」

コップの麦茶を一気に呷り、ベッドに仰向けに寝転んで天井を眺める。
窓一枚隔てた外の雨音が心なしか強く聞こえるように思えて、目を閉じる。

「んー、明日には謹慎解けると良いんだけど……。」

そんな事を考えていたら、いつの間にか眠りに落ちていた──

ご案内:「第二教室棟 保健室」から暁 名無さんが去りました。