2020/07/08 のログ
ご案内:「第二教室棟 教室」にユラさんが現れました。
ユラ > 席に着く。
めちゃくちゃイヤそうな顔で鞄を下ろす。

「……あるよな、絶対……」

鞄から買ったばかりの教科書を全て取り出し、入念にチェックする。
一冊一冊、一ページずつ丁寧に。

「……あるよな……」

落丁。一冊目。
印刷時の紙のシワ。二冊目。
やっぱりか、と大きなため息。

ユラ > 不幸を纏うとはこういうものだ。
本人はよくよくわかっている。
出荷前のチェックではなんともなかったのかもしれない。
そしてページカットミスによる変形。三冊目。

「三冊。少ない方かな」

よし、と全て鞄に詰め直す。
落丁があった本だけが問題で、実質被害は一冊。
最初のイヤそうな顔から一転、ほっとした顔になっている。

ユラ > さて、と爪を噛む。
どうせ新品と交換の依頼をしても、同じように何かしらの異常があるものが届く可能性は非常に高い。
それなら同じ授業を受ける誰かから見せてもらうほうがいいだろうかと考える。

「その時になってから考えるか……」

どうせ今どうこう出来るものでもない、と諦めた。
ひとまずは親元を離れたこの地での生活を楽しむつもりだ。

ユラ > 「じゃあ次は寮だな」

鞄を担ぎ、教室を後にする。
なんとなく、楽しい時間が手に入る気がする。
この異能の制御が完成すれば、きっと人生が輝くはず。
その日を信じて、少年は次の場所へと足を運んだ。

ご案内:「第二教室棟 教室」からユラさんが去りました。