2020/07/11 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」に金剛 経太郎さんが現れました。
■金剛 経太郎 > 屋上に設えたベンチに一人、抜け殻のようになって金剛経太郎は座っていた。
テスト二日目。二日目にして既に戦況は負け戦。
中等部相当の勉強と並行して高等部のさわりだけ教わるのはやっぱりどうにも無理がある。あった。
「ちゃんと段階は踏まねえと駄目なー……」
二日間でフル稼働させた脳みそは既に限界。
ぷすんぷすんと頭と口から白煙を吐きそうなほどで。
■金剛 経太郎 > この敗戦模様があと8日続くと思うと気が重いどころの騒ぎじゃない。
ひとまず幸いにも明日は経太郎の出席する授業の試験は一つも無いので羽は伸ばせるが。
「負け戦でも、勉強自体はしないとなー……」
したくねえなあー、と心内も駄々漏れにしながら、ただただ頭上に広がる青空を見上げる。
試験期間が過ぎれば夏休みだという。夏休みももちろん補習やら何やらてんこ盛りである。
「……10年も寝てるとこうなるんだなー」
良い子のみんなは義務教育だけでも確り受けておこう。
ご案内:「第二教室棟 屋上」に阿須賀 冬織さんが現れました。
■阿須賀 冬織 > 歴史になんとか興味を持ち始めた。持ち始めたはいいが惨敗。
流石に数日では今までのつけを払いきることはできなかった。
ボロボロである。今も頭の中を――実際には意味はあるのだが、意味不明なカタカナの羅列が飛び交っている。
「んあ。あー……お前もおんなじ口か。……横いいか?」
屋上で休もうとして扉を開けると、同じくらい、いや俺よりもやばそうなやつが一人ベンチで座っていた。
そのまわりだけ色が抜けて見える気がする。
■金剛 経太郎 > これがダンジョン単騎攻略とかなら負ける気はしない。しないのに。
そんな事を繰り返し呟く小学生風貌。しかし表情も纏う雰囲気も若さが足りない。
「……あ? あー……どーぞー」
声変わり前の声帯から出てるとは思えないような擦れ声と共に、少しだけベンチを横にずれる。
試験という戦の敗走者がまた増えたか、と生気を失った瞳で相手を見た。
「えーと……お疲れさん……」
■阿須賀 冬織 > 「おっおう、お前もおつかれ。……大丈夫か?その声。なんか飲んだほうがいいんじゃ。」
こんな島だから、小学生くらいの人物がいても何ら不思議ではない。
が、流石に声が予想外だったので少し驚く。
てか、目が合ったがやはり俺よりも酷そうだ。
「……お前は今日なんだったんだ?」
まあこんな状況で最初に出る話題なんてこんなもんだろう。
そんなこと話してないで、月曜からの教科を勉強することの方が生産的なのはわかってはいるのだが……。
■金剛 経太郎 > 「だいじょぶ……」
だいぶだいじょばない声で答える。
そもそも気力が尽きてるゆえの擦れ声なので、何か飲んだところで好転はしないのだ。
と、経太郎の足元に転がるいちごオレの紙パックが雄弁に語っている。
「きょう?
……今日はー……現代文と地理と中学生物と中学数学……」
思い出すまでの間にラグがあった。
そして挙げられたのは中高混合とも呼べそうな教科たち。
それらを告げ終えると、経太郎はどんよりと淀んだ笑みを浮かべた。ふへへ、って。
■阿須賀 冬織 > どうやら水分というよりは気力が足りていないみたいだ。
「あー……、なんつーかバラバラだなあ。どれ苦手なんだ?」
なかなかにきつそうなラインナップである。文系なら生物と数学、理系なら現代文と地理だろうか。
それにしても見た目に対してもう中学生の内容とは立派なものである。
「……? なんか可笑しいか?」
突然笑い始めたので訝しむ。笑いも楽しいというよりなんだか不気味な感じがする。
あれ、もしかして俺やばそうなやつに話しかけた?
■金剛 経太郎 > 「苦手と言うなら……ほぼ全部苦手なワケだけども。」
何が苦手って頭を使う事が一番の苦手。ただし学校の勉強に限る。
──中等部相当3年分プラス高等部相当半年分。
それらの勉強を今詰め込みに詰め込まれている事を説明する事すら億劫なくらいには頭が働かない現状。
壊れた笑いも浮かぼうってもの
「……ああいや、何でもないんだ。
それで、そっちは?今日の成果は」
まあ、自分ほど死んでないからそこまで酷い結果にはならなかったのだろうけど、とあたりをつけて訊ねる。
■阿須賀 冬織 > 「おっ、おう。それはちょっとばかり、いやかなりきちーな。いやまあ、その見た目で中学の内容ならそうなるか。」
どうやら勉強そのものが苦手だったようだ。成程、この様子もうなずける。
「ん、まあそうならいいんだが。……俺か? んー、化学はマシだったが……英語死亡で世界史は壊滅といったところかな。」
世界史は……鉛筆を転がす時間であった。試験中なのに視線を感じた気がしたのだが気にしてはならない。
ちなみに壊滅と言ったのは、選択肢が数字じゃなくてアルファベットだったからだ。問題文を見ていないので気が付かなかった。0点確定である。
■金剛 経太郎 > 「きちーどころの騒ぎじゃないっつーの、もうね……」
日頃授業を真面目に受けていないというわけでもない。
それでも結果は散々だった。詰め込み教育が裏目に出ていると言っても過言じゃないと経太郎は思う。
「はーん……なるほど。
こっちは英語は来週だな……世界史、世界史っていうと大変容前?後?
まあテストで出て壊滅するくらいだから前の方か……」
ふーむ、と話を聞いてるうちに少しずつだけれど気力も回復してきた。
回復、というよりは危機的な状況から目を逸らした、という方が近いが。
■阿須賀 冬織 > 「なんつーか、苦労してんだな。……一年か?」
小学生のような見た目でこの学園にいることと言い、どうやら彼は相当に苦労してきたようだ。
「来週か、……頑張れよ。
……ん、そうだな。中世って言えばいいんかな。
あいにくまだマシなのは電気が発明されてからなんでな、鉛筆を転がすだけの時間だったよ。
ま、それも数字だと思ってたらアルファベットが選択肢だったんだけどな。ははは……」
言葉にすると余計に悲しくなって乾いた笑いが出る。
どうやらお相手の方は少し話せる状況になってきたらしい。
■金剛 経太郎 > 「まあ、それほどでも……あるかな。あるな。
ここ数年苦労しっ放しだな……ああうん、一年。」
二度目の一年生だけどな、と言いかけて口を閉ざす。
自分の見た目上、余計な混乱を招くことが容易に想像できるためだ。
「おうとも。とりあえず惨敗は免れたいな……
……ふむふむ、なるほど。その時代ならまだ特徴的な出来事も多かった気がする。
とはいえ、覚えられるかどうかはまた別問題なんだけどな……俺も鉛筆ころがしで済まそうか。」
去年はそれで済ませたのだが。
その結果見事にもう一度一年生をやり直してる辺りでお察しである。
いや、去年は初等部後半を詰め込むための一年だったわけだけども。
■阿須賀 冬織 > 「あー……、なんだ。折角こんなところであった同じ一年だし、多少の苦労なら相談乗るぞ。」
なんて、お節介だろうが一応言ってみる。こうして出会ったわけだし、今後会うこともあるだろう。
助けになるかは知らないが、何もしないというのも罰が悪い。ただの自己満足でもあるのだが……。
「あはは、マジで鉛筆転がしはやめたほうがいいぞ。あたんねーよあれ。多分マーク式なら全部同じの選んだ方がいいんじゃないか?
まあ、そもそも覚えろっていう事なんだがな……。」
■金剛 経太郎 > 「はは……サンキュー。
気持ちはありがたく受け取っとくわ。
試験終わってからまた会う事があればこうやって駄弁るくらいで十分さ。」
身の上の相談はとてもじゃないが共感を得る事すら難しいだろうとは経太郎自身も思う。
であれば、普通の同級生として、普通に接してくれればそれだけで気もまぎれるというもので。
お節介の申し出に、満更でも無さそうに笑みを返したのだった。
「ま、地道が一番ってこったろーなー。
何にせよ後期に頑張れば今回悪くても帳尻は合うはずだ。がんばってこーぜ。」
去年もそういって撃沈したのは都合よく忘れることにする。した。
■阿須賀 冬織 > 「おう、それくらいならむしろ大歓迎だよ。大体いつも暇してるしな。
……っと忘れる所だった。俺の名前は阿須賀冬織な、よろしく。」
部活や委員会に入っていたらまた違うのだろうが、何もやってない俺は授業が終わると本当に暇なのだ。
折角できそうな新しい話し相手を逃すわけもなく、強引に踏み込もうなどとはせずにそう言って手を差し出す。
「結局そうなるよなあ。……そうだな、お互いがんばろーぜ。
ああそうだ、当たり前かもしれないけど自分の好きなことに関連付けたら少しは興味持てるぞ。
実際、それで歴史の後半はマシになったからな。今回は範囲外だったけど……。」
この前教師に教えてもらったことを言ってみる。まあ当たり前すぎるかもしれないが。