2020/07/12 のログ
■金剛 経太郎 > 「阿須賀……冬織。
俺は金剛 経太郎。一年同士よろしく頼むわ。」
差し出された手を軽く握り返して。
握手というゲームの中では何度も繰り返し行ってきたエモートでも、
生身の体でするとこれほど違うのか、と感動したのはいつだったか。
そんな懐かしさを思い出しながら手を離して、
「自分の好きな事、ねえ……
まあそう考えたら確かに地理は苦手って程でも無いな。」
だが結局、地理止まりである。
他に勉強と関連付けられそうな『好きなこと』と言えば……
少しだけ考えて、パッと思い浮かばずに諦める経太郎だった。
■阿須賀 冬織 > 「おう、よろしくな!」
思ったよりも握り返された手が小さくて、そういえば幼いような見た目だったなと思い出す。
どうにも普通に会話してたことと、座っていたため身長差が出にくいこともあって意識から抜け落ちていたようだ。
「ま、好きなことなんてそのうち見つかるだろ。
俺は自分の異能からだけど、ゲームでもなんでも、色んな分野に繋がってるからな。」
実際自分はそれで物理、数学、化学はできるようになった。最近歴史の後半もマシになってきていると思う。
■金剛 経太郎 > 「ほう、異能からねえ……
なるほど、少し考えてみるとするかな。」
ありがとう、と告げて笑みを見せる。
試験でやられていた頭もだいぶ元に戻ってきた気もする。
「さて、いつまでもこんなところで駄弁ってないで、だ。
そろそろ次の試験に向けて備えないとな。どっかいい勉強場所とか無いもんかねえ。」
大きく伸びをして、それから足元の紙パックを拾う。
さっきは捨てる気力すら無かったが、今度はちゃんとゴミ箱に放り込んで。
「やっぱ図書室でも行ってみるか。
冬織はどうする?」
■阿須賀 冬織 > 「ま、そうだな。テストまだ始まったばかりだし。……っと、ありがといい気分転換なったよ。」
こちらも少し体を伸ばす。今日は運動してなかったからバキバキと骨が鳴って気持ちい。
「ああ、あそこは結構いいぞ。静かだし、参考書なんかも置いてあるし。
あと、スマホなんかの誘惑に耐えられるからな。
んー……俺もそっちで勉強するかな。ちょっとやる気出てきたし。
なんなら、理系の科目なら多少は教えられるぞ。いい復習になるしな。」
なんて提案しながら立ち上がる。休んだこともあってやる気も戻ってきた。
■金剛 経太郎 > 「そうだな……じゃあ化学がまだ後に控えてるから少し聞いとこうか。」
ぴょんこ、とベンチから立ちあがると阿須賀へと振り返り。
改めて立ち姿を見せるも、やはり中学生どころか小学生にしか見えないだろう。
実際肉体は小学生なのだから仕方ないけれど。
「ほら、行くと決まればさっさと行くぞ冬織。
こんな蒸し暑い屋上にいつまでも居たくないしなー。」
というわけで、先導して図書室へと向かうのだった。
経太郎の化学の試験結果が少しだけ向上……したかもしれない?
■阿須賀 冬織 > 「おう、それなら任せとけって、そんな急がなくてもいいだろよ、」
慌てて鞄を持って経太郎の後を追いかける。
今日はやる気のなかった勉強もおかげでやる気が出た。
きっと、少しは点数に影響があったことだろう。
ご案内:「第二教室棟 屋上」から阿須賀 冬織さんが去りました。
ご案内:「第二教室棟 屋上」から金剛 経太郎さんが去りました。
ご案内:「マッドクラハシ 怒りのデス・マーチ」に倉橋 龍さんが現れました。
■倉橋 龍 > 試験日当日、倉橋龍は一夜漬けを敢行した。
だが、無論それだけでは、大したオツムもなければ大した勉強もしていない倉橋では赤点→補習のデスコンボを免れる事は出来ない。
開幕小足10割みたいな狂ったゲームに付き合っていられない倉橋は……ついに最後の手段を実行することにした。(ここまで部屋情報のコピペ)
■倉橋 龍 >
「"待"ってたぜェ!! この"瞬間(とき)"をよぉ!!」
別に待ってない。完全な強がりである。
倉橋の成績は五段階評価で軒並み三でたまに四、ぽつぽつ二があり補習三昧という有様。
典型的中の下成績の倉橋だが、これはちゃんと勉強してた時の話である。
じゃあ今回は? 全然勉強してない。
新作格闘ゲームが出たせいで毎日遊び放題遊び倒し、昼間の授業は昼寝三昧。
そこに来てこの期末試験は……即ち、死。
だが、座して死を待つ倉橋ではない。
既に手は打ってある。
■倉橋 龍 >
「てめぇらァ!! 手筈通りやるぞ、いいなァ!?」
倉橋の掛け声に応える様に、三人の落第生が力強く「応ッ!!」と声をあげる。
まさに桃園の誓い。
我ら三人、生まれし日、時は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、落第する者たちを救わん。
一人多い気がするが、気にしてはいけない。
一足早く諸葛亮公明も混じっていると思えばトントンだ。
だが、揃っているのはどっちかといえば張飛が四人だ。
史実とかでなく、ゲームとか漫画で出てくる乱暴で酒のんでばっかの方の。
■真宮寺 >
「ふ、任せてくれ」
一番手に前に出るのは真宮寺竜彦。
名前だけは立派だが体重三桁目前の巨漢であり、得意科目は国語。気合の入ったラノベオタクである真宮寺は苗字が大昔の名作ゲームのヒロインと一緒ということでシンパシーを感じ、大正について異様に詳しくなった結果、国語だけは出来る様になったという、好きこそ物の上手なれを示したエリートオタクである。彼女はいない。
■安藤 >
「俺……試験終わったら、思いっきり夏休み楽しむんだ」
二番手は知的な黒縁眼鏡がトレードマークの安藤浩二。
眼鏡=勉強が出来るという一種の不文律を完全に破壊した筋金入りの落第生であり、今回のテストで赤点を量産すると夏休みの半分が一学期ロスタイムになるという崖っぷちギリギリの男。だが、辛うじて歴史という得意科目を持ち、今回この桃園の誓いへの参加を許された。歴史漫画を読みまくるという奥手破りの荒業でざっくりと日本史と世界史を理解した安藤は、そこだけはまぁ少なくとも倉橋よりは頼りになる期待のエースである。彼女はいない。
■新田 >
「なぁに……僕がついてるんだ、きっと大丈夫さ」
三番手、前髪だけを異能の微風でさらさらさせてるイケメンはクラス内補習参加率ぶっちぎりナンバーワンのモンスター、新田伸介。
得意科目は女のモテるために詳しくなったのに詳しくなりすぎて逆にドン引きされているファンシーグッズ全般の知識。完全な御荷物である。顔以外の全てが残念な出来の新田に今回出来ることは一つもない。だが、情けなく無様に泣きながら「僕も仲間にいれてくれぇ!!」と倉橋の足に縋り付いてきたので、今回仕方なく参加を許した。なんでも、夏にどうしても行きたいファンシーグッズイベントがあるらしい。彼女はいない。
■倉橋 龍 >
「へ……どいつもこいつも、準備は万全みてぇだな」
そして、首魁・倉橋龍。今回の計画を企てた張本人であり、得意科目は物理。だが、文系の出来が壊滅的であり、このままでは夏休みの補習参加は避けられなくなってしまう。そんなの絶対嫌だし、下手すると実家からの仕送りも減らされてしまうではないか。この窮地は絶対に脱しなければいけない。彼女はいない。
■倉橋 龍 >
もう、ここまでいえば、具体的な事を言わなくても賢明な紳士淑女の皆さんにはわかるのではないだろうか?
そう、倉橋達は今回……徒党を組んで互いにカンニングをしあうという一大作戦を企てていた。
無論、そのままではどうにもならない。
常世学園は異能者は勿論、魔術師から異邦人、果てはメカまでいるという「これ編集会議通りませんよ」といった有様のごった煮意味不明世界観学園都市であり、月刊連載だとしても一話目は用語説明だけで終わりかねない複雑怪奇な事情を持った学園である。
そのため、カンニング対策も万全であり、異能や魔術を使ったカンニングなどは特に強く警戒されている。
通常の方法では当然、この警戒網を突破することは難しい。
■倉橋 龍 >
だが、逆に言えば……アナログな手段への警戒は緩んでいると言える。
そこにこそ勝機がある。
倉橋達はこの日の為に、前日から様々な仕掛けを施していた。
これを使って何とかお互いの赤点を減らして、補習だけは免れようという算段である。
余りに良い点を取れば怪しまれるかもしれないが、落第生同士のカンニングなら最終的な出来などたかが知れている。
自分の得意科目の成果だけを互いに渡し合い、嫌疑の目も避けるという完璧な作戦といえよう。
まぁ、新田だけは完全お荷物なのでいてもいなくてもいいが。
■倉橋 龍 >
「まぁ、何にせよ今回はこれでいくしかねぇ……!
ぶっつけ本番、やったろうじゃねぇか!!」
肉厚の量頬をこれまた肉厚の両手でパンと叩き、倉橋は気合を入れる。
決戦の火蓋は今切って落とされた。
いざ、鎌倉!
シャーペンを固く握りしめ、倉橋達はお互いにアイコンタクトを交わした。
大丈夫だ、きっと上手くいく。
上手く行かないと困る。
でなければ、夏休みが全然休めなくなってしまう。
だが、彼女もいないのに夏休みにそんな休む必要あるのだろうか?
うるせぇ、てめぇ、ぶっ殺すぞ。
■倉橋 龍 >
一時間目、現国。
担当は真宮寺。奴以外は全員壊滅的な科目だ。
倉橋など、「この時の登場人物の気持ちを答えなさい」などと言われてもこれっぽっちもわからない。
そも、目の前の誰かの気持ちだってわかんねーことばっかなのに、顔も知らないどころかそもそも挿絵の無い登場人物の気持ちなんてわかるわけねーだろ!!
絵文字と集中線くらいつかえボケ!! ぴえん。
それはともかく、計画は万全である。
既に倉橋達は密かにイヤホンを仕込んでいる。
通常のイヤホンではない、そんなものはこの常世学園では電子系異能者の異能を封じるついでに電波妨害を喰らっていて役に立たない。
コイツは特定高周波を可聴域に戻す為だけの代物だ。
簡単に言えば、普通は聞こえない音を拾うための物である。
「(頼んだぞ……真宮寺……!)」
司令塔真宮寺に心中で熱いエールを飛ばす倉橋。
一発目の出し物は真宮寺のシャーペンのケツ部分。
消しゴムと見せかけた高周波発生装置。
これでテーブルを叩くと普通は聞こえない音が周りに響く。
そう、これを利用した……モールス信号によるカンニングである!!
■倉橋 龍 >
この日の為にモールス信号を覚えてきた倉橋達。
こうして、お互いだけしか聞こえない信号をエニグマよろしく解読して答えだけ共有しようという算段だ。
まさに僕らはいつも以心伝心。四人の距離つなぐテレパシー。
なお、「モールス信号覚える手間で普通にテスト勉強したらよかったのでは?」と気付いた時にはもう後の祭りだった。
落第生の知性などたかが知れている。
それはそうと、待つのは真宮寺の発信のみ。
さぁ、真宮寺……発信してくれ、お前の答え(アンサー)を……!!
■真宮寺 >
「(ふふ……任せろ、現国は得意中の得意……俺には常にサクラさんと隊長がついている)」
彼の脳内にしか存在しないイマジナリーフレンドのエールもついでに受けつつ、真宮寺が信号を発信する。
大正オタクである以上、同時にある程度のミリオタでもある真宮寺にとって、モールス信号を覚えることは大して難しい事ではなかった。
というか、自分が今回覚えたくてこれを提案した節すらある。
仲間の負担を微塵も考えていない。これがMOBAだったら戦犯である。
コイツ多分、マスター・イーとか使う。
だが、己の能力とイマジナリーフレンドだけを信じる真宮寺の現国力は実に当社比五十三万。
走ってさえいれば頼りになる男。
さぁ、お前の力でこの試験をキャリーしてくれ!!
■倉橋 龍 >
満を持して、真宮寺のシャーペンから放たれる音無き音が信号として室内に響き渡る!
その信号を受け、解読に掛かる倉橋達。
へへ、ちょろいもんだぜ。
しかし!!!
■試験官の先生(ケモ耳) >
「ちょっとぉ、シャーペンのトントンうるさいからやめてくれる?」
■真宮寺 > 「!?」
■安藤 > 「……!!??」
■新田 > 「(あの先生……シャリシャリメロンのペン持ってるな、好きなのかな……)」
■倉橋 龍 >
誤算。
なんと、試験官の先生が……異邦人!!
しかも、明らかに獣人系!!
え、ってことは、え、ええ……!?
犬笛とか聞けちゃう系女子っすかぁ!???!!
■倉橋 龍 >
ば、ばかな……まさか、俺達の動きを察知して……!?
どこから計画が漏れた……!?
倉橋のバンダナが脂汗で濡れる。
な、何にせよ……この手段はもう使えない……!!
なら、仕方ない!!
■倉橋 龍 >
戦 略 的 撤 退 ! !
■倉橋 龍 >
こうして、無事、真宮寺以外は全員散々な出来になった現国の時間を終え……束の間の作戦会議を開く倉橋達。
顔色は暗い。
モールス信号はかなりリソースを割いたカンニング手段だった。
これが使えないのはかなり痛い。
■真宮寺 > 「……どうする、倉橋?」
真宮寺の顔色が曇る。
現国が終わった以上、もう彼は享受する事しかできない立場である。
先行きが一番不安な人物だ。
■安藤 > 「モールスが使えないとなると……かなり苦しいね」
■新田 > 「さっきの先生に話を聞いてきたんだけどね、あのシャリシャリメロンのペンは友達から貰ったものらしいけどかなり気に入ってるそうなんだよ。実に趣味がいいよね、あのペンはベストセラーの一つで、書き心地は勿論耐久性にも優れているんだ。しかも、先生はファンシーグッズに興味があるみたいで、今後僕とは仲良く」
■倉橋 龍 > 「黙れ御荷物!!」
■新田 > 「あ、はい」
■真宮寺 > 「まぁ、そう叱ってやるな。これであの先生の素性はしれた……今日はずっとこの教室の試験官らしいが……獣人って事は、『あの手』が有効なんじゃないか?」
にやりと、真宮寺が邪悪な笑みを浮かべる。
■安藤 > 「……そうか、『あの手』があったねぇ」
安藤も笑う。そう、倉橋達の仕込みは一つではない。
二重三重に既に手は打ってある。これも夏休みのため。
■新田 > 「ふふ、そうそう、『あの手』……『あの手』だね、美味しいよね」
新田はわかってない。
いや、まぁ、あとで教えてやるよ……かわいそうだし。
■倉橋 龍 >
「『あの手』か……まぁ、今回は有効だろうな、くくく……」
倉橋も笑みを浮かべる。
そう、獣人と言う事は逆に「人間にあるのに獣人にはないもの」もある。
そこを突く……!
戦いは……まだ終わらない……!!
■倉橋 龍 >
三時間目、世界史。(二時間目は全員出来ない生物なのでスルー)。
担当は安藤。歴史漫画を読み漁った安藤に死角はあんまりない。
一杯あるが、まぁ、まるで知らない倉橋達に比べれば頼りになる。
「(安藤……!
図書館で「漫画ついてるから」って理由だけで歴史漫画を読破したお前の実力!
ここで見せてくれ……!)」
祈るように次の「仕込み」を確認する倉橋。
■安藤 >
黒縁眼鏡をわざとカッコよくキャプテンクロっぽく掛け直す安藤。
新田の余計な情報収集(ナンパ)のお陰で、先生が計画を察知していないことだけはわかった。
偶然、この教室の試験官になっただけ。
なら、俺達の計画はまだバレていない、残りの仕込みで凌ぐのみ!!
次なる仕込みのため……折角掛けなおした眼鏡を別に眼鏡に架け替える安藤。
そう、次の仕込みはこれ!!
■倉橋 龍 >
偏光眼鏡……!
教室の窓際にそれとなく配置した花瓶、水槽、凸面鏡(は怪しすぎて撤去された)を利用したカンニング!!
これにより蛍光灯の光を花瓶や水槽に反射させ、その回数で選択式問題だけを突破する完璧なカンニング!
幸いにも歴史の問題は昨今、選択式の問題が多い!
記述式は全て諦めるにしたってそれなりの得点は確保できるはず!
しかも、今回、相手は獣人の先生……つまり、色覚が人間と同じではない。
見える光の数が人間よりいくらか少ないはず……バレにくいはずだ……!
そして、普通の生徒はみんなテスト用紙に視線が向いているからあんまり気付かない。
気付いても多分黙っててくれる。
黙っててくれ。
黙れ。
■倉橋 龍 >
「(選択式問題にしか使えないから次善の策だったんだがな……!)」
まぁいい、何にせよ、倉橋達は満点を取りたいわけじゃない。
赤点さえ避けられればいいのだ。
なら、これで十分。
向上心の無い人間は馬鹿だのクズだのなんだの言ってる文豪もいた気がするけど知ったことじゃない。
クズでもいい、強く生きれば……!
馬鹿は事実なのでもうこの際認める。
「(何にせよ……頼んだぜ、安藤!)」
窓際にそれとなく視線を向ける倉橋。
答えはいつも、そこにある!
■安藤 >
「(任せてくれ……俺も国で家族が待っている……!)」
地方出身の安藤は幼馴染の姉ちゃんに懸想しているので何としても夏休みは家に帰りたいのだ。
おまえ、一人だけなんか青春謳歌しようとしてない?
裏切者じゃない?
夏休み後、「夏休みの結果」次第では安藤以外の三人は後で安藤をシメようと心に誓っていた。
フラれろ、バーカ。
ともかくとして、安藤が眼鏡をしきりにくいくいする。
何度も練習して、偏光角度の調整は完璧だ。
安藤の眼鏡キャラとしての価値は此処だけにあるといっても過言ではない。
■倉橋 龍 >
問題なく合図が送られてくる。
先生も気付いている様子はない。
クラスメイトは気付いた奴らもいるようだが……どうやら協力してくれるようだ。
ふふ、そうだろう、お前らだってカンニングのお零れには預かりたいだろう。
ここは協調路線と行こうじゃないか……!!
さぁ、記述問題はどうせ出来ないから諦めるとして、これで選択式問題はほぼ完璧なはず!!
安藤、次の合図を……んん?!
い、いや、まて、安藤……それは!?
ええ!?
い、いや、それおまえ……絶対間違って……!?
■倉橋 龍 >
昼休み。
■安藤 > 「葛飾北斎は女じゃないのか!?」
■倉橋 龍 > 「お前、クソ余計な知識全然違うところから仕入れたな???」
■真宮寺 > 「そんな、じゃあネロ・クラウディウスもまさか……女じゃないのか!!??」
■新田 > 「姫路城って合体しないの!?」
■倉橋 龍 > 「聞きしに勝るバカだなお前ら」
■倉橋 龍 >
なんてこった、歴史漫画以外からもなんかいらないところから全然デタラメな知識仕入れてやがった!
サブカル以外興味ねぇのかこのクソオタク共!!
「いや、普通分かるだろ!?
じゃあお前らの世界じゃ三蔵法師も沖田総司も織田信長も女だってのかよ!!」
■安藤 > 「いや、信長は男じゃん」
■真宮寺 > 「倉橋……フィクションと現実を混同しないほうがいいぞ」
■新田 > 「ふふ、そうだよ倉橋君。確かにみんな女性なら……素敵だったかもしれないけどね?」
■倉橋 龍 > 「いや、お前ら、どこのラインから勘違いしてんだか全然わかんねーよ!!」
■倉橋 龍 >
何はともあれ、カンニングはバレなかったが……これで、歴史の選択問題も大丈夫かどうか全く不安になってきた。
所詮は落第生の寄り合い所帯。
得意科目くらいは何とかなると思っていたが……甘かったか……!!
だが、もうこれでやるしかない。
もう、倉橋の担当しか残ってないから倉橋は全然得しないけど。
クソが。
■倉橋 龍 >
そうして、ついに迎えた最終戦。
六時間目、物理。
当然計算問題は倉橋以外は全員式が出せないので答えだけ知っても仕方ない。
そのため、今回も絞るのは選択式問題のみ。
それの情報を共有することで仲間と書いて足手纏い共に御情けをくれてやる計画。
モチベはゼロである。
まぁでも……夏休みを楽しみたい気持ちはみんな一緒だ。
ここは貸しにしといてやるよ。
しゃーねーな、後でなんか他の事で返せよカス共!!
■倉橋 龍 >
偏光眼鏡は御値段とデカめの顔のサイズの関係で倉橋には使えない。
アレは元から眼鏡で怪しまれない安藤専用の通信手段だ。
倉橋は他の手段をちゃんと準備している。
他の手段に比べればかなり不安定だが……そも、倉橋には成功しても失敗しても最早関係ないのでどうでもいい。
お前らがお前らで勝手に解読しろ。
いいな?
■三馬鹿 > 良い顔で力強く頷く。
■倉橋 龍 >
逆に腹立つな??
まぁ、いいや……そんなわけで今回最後の出し物。
一番ちゃっちいが、ちゃっちい故に気付かれても誤魔化せる上、座席が前の方にある倉橋だけが使用を許される手段。
なんか、悩んでるフリしながらそれとなく側頭部をトントンと指先で叩き、その回数で答えを伝える……!!
だけ!!!!!
倉橋以外全員が得するが、倉橋だけは得しないクソみたいな通信手段である。
全員視界は通っていて、目が悪い安藤も席が比較的近い。
新田は視力3.0の怪物なのでどこでも大丈夫。
真宮寺もギリギリ見える距離だ。
■倉橋 龍 >
とはいえ、これなら多分大丈夫。
シンプルイズザベスト。
随分手の込んだことをするね、となじられることもない。
俺はストレートにいく。
俺は全然得しないけど。
くたばれ世界。
とはいえ、倉橋の双肩に全てが掛かっている。
安心しろ、お前らを俺が夏休みにつれてってやる。
だから、後でラーメンくらいおごれ。
どこか、柔らかい笑みを浮かべてテスト用紙を開ける倉橋。
だが、そこにあったのは!!
■倉橋 龍 >
「なっ……!?」
問題数が……異様に少ない。
い、いや、まさか、そんな……嘘だろ!?
そう、今回のテスト用紙これは……!!
教師側の配慮……!!
比較的難しい問題を少数並べて答えさせるだけ!!
多分、部分点とか山ほどくれて調整する奴!!
ちゃんと勉強した奴にはそれなりの飴をくれ、他は全員篩い落とす悪魔の所業!!!
■倉橋 龍 >
当然、選択式問題なんて一個もない。
長文の記述式かつ自力で計算を解いて答えだす問題のみ!!
作図までありやがる!!!
つまり、この問題に対して……倉橋がアイツらにしてやれることは!!
「……フッ」
側頭部の横に手を添える。
人差し指と中指を揃えて、親指を突き立てるサイン。
アディオス。
■三馬鹿 > 「……アミーゴ」
■倉橋 龍 >
戦は終わった。
結果は、語るまでもない。
……と思ったが、初日のテストが終わった後、新田が「明日の英語なら教えられるよ」と提案してきて、なんとか全員英語の補習だけは避けられた。
え、なんでお前英語なんてできんの?
■新田 > 「夏のイベントが海外であるから、勉強したんだよ」
■倉橋 龍 >
ファンシーモンスター新田、おそるべし。
ご案内:「マッドクラハシ 怒りのデス・マーチ」から倉橋 龍さんが去りました。