2020/08/28 のログ
ご案内:「第二教室棟 ロビー」に角鹿建悟さんが現れました。
■角鹿建悟 > 「――……。」
教室棟のロビーの一角。ソファーに腰を下ろして何やらやや俯き加減で目を閉じているジャージ姿の少年が一人。
前髪にやや隠れた目元はよくよく見れば緩く閉じられており、ほんの微かだが寝息も漏れている。
時々、体が僅かにフラつくがどうにかこうにか持ち直し、またフラついたりを繰り返す。
「――……。」
だが、流石に限界だったのだろう。バランスを持ち直してソファーに倒れ込むのを寝ながらも凌いでいたのだが…。
そのまま、体が今度は”前”へとぐらり、と傾いだ結果――…。
■角鹿建悟 > ゴンッ!!!!
■角鹿建悟 > 「~~~~っっ…!!」
目の前にあったテーブルに上半身が倒れこんで顔面をノーガードで強打する。
中々に良い音が響き渡るが、幸いこの時間帯のロビーはあまり人気が無かった。
「………油断した…。」
ぼそり、と呟きながらむっくりと顔を起こす。ふとテーブルを見ると赤い液体。
……顔をペタペタと右手で触れる。――鼻血が出ているようだ。
「………まぁ、そうなるな」
ハンカチは……無い。ティッシュは…無い。さて、困った。
仕方ないので、無造作に袖口で鼻血をぐいっと拭いつつ天井を見上げる。
こうすればまぁ、鼻血は垂れないだろう――しかし、まぁ知り合いとかに見られないで良かった。
ご案内:「第二教室棟 ロビー」に真乃 真さんが現れました。
■真乃 真 > 「おおう!!凄い音がしたと思ったら血が!血が出てるじゃないか!
大丈夫かいそこの君!?」
ポケットから取り出したティッシュから凄い枚数のティッシュを取り出しながら男が駆け寄る。
すごい両手にティッシュをもってる。
「とりあえず詰めといたほうがいいよ!!これあげるから!!」
2センチほどのティッシュを手渡して更に取り出したティッシュで机を拭いている。
どれだけの量のティッシュを持ち歩いてるのだろう…。
ポケットから……更にティッシュが増えている。
■角鹿建悟 > 「……どうも…。」
顔をやや上に傾けつつも、ちらりと銀色の瞳と無表情をそちらへと向ける。
濃紺のスーツ姿に赤いネクタイがやたらと印象的な男性だ。教師―ーだろうか。それにしては見覚えが無いが。
ともあれ、彼からティッシュを受け取れば軽くこよりにして鼻へと詰めておく。不恰好だが致し方ない。
取り敢えず、止血は一先ずこれでいいかと思いながら顔の角度を戻して改めて彼を見遣る。
「――一つ疑問なんだが、常にそんなティッシュを持ち歩いているのか?……ですか?」
と、何時もの調子で淡々と尋ねるが、相手が年上かつ社会人ぽいので、無理矢理最後だけ敬語に直した。
■真乃 真 > 「うん!!大丈夫だ!いい詰めっぷりだ!!」
しっかりと血は止まってる!
うん!見事な止まりっぷり!
「ティッシュがなくて困ることはあってもティッシュを持ちすぎて困ることはそうそうにないからね!
万能だぜ!ティッシュペーパー!!」
歓楽街の方とか歩いていると断れなくて受け取ってしまって貯まるというのもある!
ティッシュは増えるのだ!
「別に喋りやすい話し方で喋ってくれればいいよ!僕も若いから!」
気持ちのうえではまだ若い!
いや実際22は全然若い!
学生でも通じるレベルだと思う!
■角鹿建悟 > 「…いや、まぁしっかり詰めないと止血にならないしな…。」
何と言うか、社会人なのにやたらとテンションが高い人だな、と思う。
多分こちらのテンションが常に低いというか、感情を荒げたりしないせいかもしれないが。
「…と、いうかそのティッシュ…歓楽街とかあちこちで配られてるやつばかりな気がするが」
何となく見覚えがあったりするし。つまり彼はそれだけそういう賑やかな場所を行き来しているという事か。
――と、いうか必ず貰っているのか?というレベルで多い気がする。
「――そうか?じゃあ、お言葉に甘えさせて貰おう」
敬語は正直あまり得意ではない。一応教師や仕事の上司にはちゃんと使うけれど。
ともあれ、直ぐに何時もの口調へと戻しつつ。しかし、16歳と22歳。6歳差とは思えない。
まぁ、この時点では男はまだ彼の年齢や職業などは全く知らないのだが。
■真乃 真 > 「そう!ちゃんと血を止めとかないとだよね!」
血を止めるのはとても大事!
本来ティッシュはあまり良くないとか聞いたこともあるがまあ…問題ないはずだ!!
「……声かけられたらちょっと断りずらいじゃないか!
まとめて偶にまとめて4つくらいくれたりするし…困らないよね!!」
ノルマを早くこなす為か…或いは配る人の優しさの為かは分からないけどもボーナスタイム。
ティッシュは4倍だ。
「うん!甘えていくがいいさ!
……それにしても急に倒れるなんてどうしたんだい?
寝不足?それか何か持病でもあるのかい?」
他から見れば明らかに年下であるこの少年の方がしっかりとしている印象を持つだろう。
落ち着きないというか忙しないせいでしっかりしてないと思われがち。
■角鹿建悟 > 「…まぁ、流石に自身の不注意とはいえ不恰好だしな…。」
いや、まぁそれよりテーブルの鼻血もちゃっかり拭き取られていた。そちらの礼も言っておきつつ。
「――もしかしてアンタはあれか…頼まれたら断れない、とかいうタイプなのか?」
首を緩く傾げるが、まだ止血中なのを思い出して首の角度を戻す。
「――いや、持病の類は無いし…まぁ、仕事疲れみたいなものだ。生活委員会の所属で、修繕作業などをしていてな」
実際は持病どころか肉体的にかなり”負債”が積み重なって危険なのだが、それをおくびにも出さない。
だが、こうやって時々それが表に出てしまうのは反省だ――まだ倒れるには早いのだから。
「――と、自己紹介が遅れた。俺は1年の角鹿建悟。先程も言ったが、生活委員会所属でその参加の建物の修繕などを行う専門チームに属している」
と、簡潔に自己紹介をしながら軽く会釈を。敬語は止めたが彼が年上だから先輩というのは変わらない。
■真乃 真 > 「それはちょっと違うな…頼まれたら断れないタイプじゃない……頼まれたら断らないタイプさ!!」
どこが違うのかと言えば本人の気の持ちようでしかない。
頼まれたことを一切の負担に感じないそんなタイプ。
「なるほど生活委員で修繕作業!大工さんみたいな!
まあ、でも直す人が先に倒れちゃったらそこで終わりだからね!
無理なく、身体休めてからいっぱい直したほうがいいよ!」
疲れた状態で仕事をしてもいい結果は出ない。
ペースの配分は大事だ。
「おっと丁寧にありがとう!僕の名前は真乃真!
この学園の卒業生!その後まだこの島で働いてるというわけさ!
ちなみに、ここに今日来たのも仕事の打ち合わせだよ!」
無駄にかっこいいポーズで自らも自己紹介をする。
……これが社会人の姿か。
■角鹿建悟 > 「……成程、何となく分かった(…いや、同じではないのか?)」
口に出した言葉と心の声が逆なのはしょうがない。
ただ、何となく思うのは彼は――望んで頼まれ事を引き受けて、それを”苦にしない”タイプなのだろう。
「―ああ、実際俺の所属してるそのチームの通称が【大工(カーペンター)】だからな。
――……そうだな、体を休めるのは大事だ。肝に銘じておく」
そう、神妙な顔で頷く。とはいえ、既に体を休めればいいという段階を”通り越している”。
無論、望んで直し続けて、それのみにあれこれ傾け過ぎた結果だ。自業自得でしかない。
ペース配分は、そもそも無茶を是としながら手抜きや妥協をしないので、お察しというやつだ。
「真乃――先輩か。卒業生と知り合うのは初めてだな。…しかし、先輩は何の仕事を?セールスの類か?」
と、彼の格好などを眺めつつ。あと、その無駄にかっこいいポーズは何の意味があるんだろうか?
■真乃 真 > 「まだ、一年生なのに倒れるくらい仕事してたら卒業まで持たないからね。
無理ばっかりしてると肝心な所で倒れちゃうし…。
無理することが、限界のギリギリを行くことが普通と思っちゃうからね…良くないよ!」
自分でも反省することがあるのだろう。
色々と考えながら話す。無理は良くない。それが普通になるのは更に良くない。
「だいたいの卒業生は自分の事を卒業生って言わないからね!先生とかにも割とこの学園の卒業生いっぱいいるし!
…ちなみに僕の仕事はセールスというかブローカー…かな?
異邦人街とかのこの島ならではのものを仕入れて本土の方で売るそんな仕事をしているよ!」
今日ここにきたのも仕入れ先の店舗のオーナーが学生であるからに他ならない。
この島では学生がオーナーである店舗がかなり多い。みんな二足の草鞋ばっかり履く。
■角鹿建悟 > 「――そうだな。そうかもしれない」
彼の言葉は自分にとても刺さるもので、同時に戒めにも聞こえる。
勿論、彼はこちらの事情なんて知らないしただの親切心やアドバイスみたいなものだろう。
(――だが、それでも俺は直し続ける。俺の意志は変わらない)
”約束”もある――それは途絶してしまうかもしれないが、最後までそれは守ろう。
無理を通す、限界をひた走る――そうしないと直すものも直せない自分だから。
――そんな感情を、思考を、一切顔には出さない無表情のまま、彼の話に意識を戻して。
「…言われてみれば確かにそうだな。ブローカー…仲買か。
異邦人街なら、確かに他には無い物が色々とあるだろうが…。」
正直、直す事にしか興味が無いような男なので、物の価値とかそういうのはさっぱりだ。
それが壊れていたりするならば、直すという意味合いで興味は惹かれるのだが。
とはいえ、学生がオーナーというのもこの島の特殊な環境を考えれば珍しくないのだろうな、と。
「――しかし、ブローカーだと交渉とか色々と面倒そうだな…。」
そういう交渉は弁舌がそれなりに立たないと相手に安く買い叩かれたりしそうだ。