2021/10/27 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」にルミ・イルマリネンさんが現れました。
ルミ・イルマリネン > ――ガチャ

錆びた扉の蝶番がこすれる音とともに、ドアノブのツメが噛む音が響く。
時刻は日付を越えたころ。月がほぼ真上に浮かんでいた。

「オリオン座が見える」

月のすぐ隣に沿うように、オリオン座が見えた。
都会の灯りに隠されて見えないものと思っていたが、
存外そんなことはないようで、宙に浮かぶ三連星は負けじと輝いている。

「少し、ぼーっとしよう」

そう呟いてスーツのポケットから煙草を取りだせば、慣れた手つきで口元に咥え火をつける。

ルミ・イルマリネン > 「もう少しすれば雪が降る時期か。この島で真っ白な風景は見れるのか?」

端末でカレンダーを確認すると10月も数日で終わる。
11月になれば故郷では初雪が降るころ。
この島はいったいどうだろうか。

「そういえばこの国は積もらなくても降れば初雪なんだっけ」

どこかでそんな話を聞いた気がする。
私の故郷では朝の段階で積雪1cmを越えないと初雪とみなされない。
変なところで自分が今国外にいるのだと自覚すると、なんだかおかしくて笑えて来る。

ルミ・イルマリネン > 「さて、そろそろ部屋にもどろう」

タバコがフィルターぎりぎりまで燃えたのを見れば、
ポケットから携帯灰皿を取り出して吸殻を放り込む。

ぐ~っと背伸びをすれば再び空に浮かぶ月とオリオン座を眺めて、
屋上と屋内とをつなぐ錆びた扉へと向かうのだった。

ご案内:「第二教室棟 屋上」からルミ・イルマリネンさんが去りました。