2022/01/15 のログ
暁 名無 > 「しかし解せないのはどうしてここまで情報統制がされてるか、だな。」

落第街の一区画を封鎖してまで対処に当たるにとどまらず、一般生徒から有志も募っていると聞いた。
それなのに対象の情報は最低限まで抑えられている。何故だろう。
ただ危険であることを吹聴するだけでは、興味本位の生徒が集まるだけなのでは?

「……幾つか行きそうな顔が思い浮かぶな……」

自分含め数人の顔を思い浮かべながら俺は頭を抱えた。
頼むから危ない目に遭わないでくれよ。新年早々重い情報はもうノーサンキューだぞ。
もう今年は盆前以外行きたくねえな、と思っていた共同墓地に行く羽目になるのだけは避けて頂きたい。

「ともあれ、俺も一度、現場見ておいて力添え出来れば良いんだが。」

そんな事を言いながら、新たに紅茶を注ぎ口へ運ぶ。
うーん、やっぱり独学だと何か違う気がする。今度淹れ方教わってみるかな……。

暁 名無 > 「……はー、クソ良い天気。」

ほう、と紅茶の香り混じりの白い吐息が立ち上って消えていくのを見送れば、夜空には星が瞬いていた。
寒さは変わらず強いけれど、おかげで一際綺麗に見える。
だのに、俺の腹の底では決して消えそうにない火種が燻り続けている。思わず八つ当たり気味に悪態が口を突いた。

これ以上ここに居ても仕方ない。何も考えずに星空を眺められるようになるには、まだ少し時間が要りそうだ。
いっそ騒動に乗じてひと暴れしてみるのも、……いや、それはダメだ。

「……中に戻るか。」

水筒の蓋を戻し、ベンチから腰を上げる。
いつの間にか風は止んでいたが、寒さは一向に和らぐ気配はない。
このまま氷点下まで下がるんじゃねーかな、と思いながら俺は屋上を後にしたのだった。

ご案内:「第二教室棟 屋上」から暁 名無さんが去りました。