2020/06/07 のログ
ご案内:「屋上」に暁 名無さんが現れました。
■暁 名無 > 「んー……ッ。今日も一日お疲れさん、っとぉ。」
夕暮れ時の屋上。
山から吹く風が、昼間の熱気を冷ましていく黄昏時。
暁 名無は大きく伸びをしながら独りごちる。
「いやー、急に暑くなってきたなって思ってたらもう6月なんだな。
時が経つのってあっという間で参っちまうよ、ったく。」
ワイシャツの胸ポケットから煙草を取り出し、一本咥える。
そのまま火は点けずにぼんやりと、夕闇に染まる空を見上げていて。
■暁 名無 > 「も少し仕事が落ち着いたらプールでも行ってみるかねぇ。
流石に海水浴は気が早いし……」
咥えたタバコの先を意味も無く上下に揺すりながら、ふんわりとした今後の予定を編んでいく。
とはいえ急に仕事が増える事もあり得ない話ではないし、そもそも仕事が落ち着くかどうかが未定だったりする。
「一週間と言わず一ヶ月くらい休みがなー、欲しいよなー」
俺が先生やらなくても授業回る気がする、と寝言をのたまいながら、ようやく煙草の先に火を灯す。
ゆらりと立ち昇る紫煙を見送って、小さく息を吐いた。
■暁 名無 > 「さて、と。
いい加減新入生ズの顔も覚えんとなー……」
ズボンのポケットから取り出した端末を操作し、自身が受け持つ教科の生徒一覧を眺める。
4月を一区切りとして、卒業していった生徒、新たに入学してきた生徒、転出していった生徒、転入してきた生徒。
少ない時でも十人単位で入れ替わるのだから、記憶するのも一苦労である。
「なーにかこう、覚えやすい特徴があれば覚えられると思ったんだけど、
こうも特徴のバーゲンセールされると一周回って覚え辛いわな。」
学年と性別と名字と異能、それらを数十セット。最低限で覚えなきゃならない情報だ。
顔と名前が一致しなくても平然と会話が出来る性格の名無には、ちょっとしんどい。
だが覚えないでおいたままで業務に支障が出るのはもっとしんどい。
■暁 名無 > ぼーっと端末の画面に映る顔と氏名を眺めていたが、早くも限界を迎えてしまう。
「やっぱ覚えるならさあ、こう、面と向かって話しながらーとかの方が良いよな。
……6月中に一度オリエンテーション催すしかねえか……。」
ふへぁ、と溜息と共に煙が吐き出され、夕闇へと散っていく。
丁度煙草も喫い尽きたところで端末を仕舞い、名無は後者へと戻っていくのだった。
ご案内:「屋上」から暁 名無さんが去りました。