2020/06/09 のログ
金剛 経太郎 > 「シュル……なるほど、確かに呼び辛い。
が、まあシュルヴェステル……慣れればそれほどでもなさそうだな。」

繰り返し繰り返し名前を呟いてから、なるほどー、と頷く。
噛みそうと言うほどではないが、慣れない発音をするのは違いない。

「ああ、凡庸だ。凡庸だとも。
俺みたいな奴はこの世界にはごまんと居るぞ。」

ふっふっふ、と不敵に笑いながら再度手を振り黒騎士を立ち上がらせる。
どんどん勘違いを加速させていくシュルヴェステルに面白いなー、と満足げに微笑んで。

「いや、まあ……射線が通るとはいえこの辺りは見晴らしも良い。
周囲にはこの校舎よりも高い建物は無いから、そこまで意味は無いぞ。」

流石に危険な場所だと思われるのは、要らん誤解が誤解を呼びそうで怖いので訂正しておく。

シュルヴェステル > 「何度言ってもシュールストレミングとしか呼ばぬ者もいる。
 それほどでもないのであれば幸いだ。有り難う」

素直に礼の言葉を口にしてから、ペットボトルを手にしようとして取り落とす。
いま、ごまんと言ったか? この世界にはごまんと召喚の術者がいるのか?
いるのだろうおそらく。彼が嘘をついているとは思えない。

「……ああ、そうか。異能者が集っていると聞いた。
 つまり、どこに居たとて同じであるが故にこうして高台から人々を見下ろして――」

おかしな納得をしてから。否、したように見えていただけだ。
隠してこそいるが震える手はペットボトルを取り落とし、動揺のままに自分のパーカーに炭酸飲料を飲ませる。
ひどい惨状に、苦笑いを浮かべてからびしょ濡れのパーカーを脱ぐ。

「して、その実力者であれども煩悩には打ち勝てない、打ち払えない、と。
 ……。……、おそろしいな、この世界は。そんなものまであるのか」

目を細めて黒騎士を眺めながら、へらりと情けない笑みへと笑いの形を変えた。
フードの下の「山火事」と書かれたキャップを再び目深に被り、肩を竦める。

金剛 経太郎 > 「はっは、そりゃあ確かに間違えそうだな!
まあ……俺は覚えた、シュルヴェステル。長いから縮めたくなるけどな。」

シュルとかヴェスとか、そんな感じでと笑いつつ。
何やら動揺し始めた彼を見つつ、流石に罪悪感が芽生える。
でも嘘は言ってないのが性質が悪く、訂正は非常に面倒臭い。
そのうち勝手に誤解も解けるだろうとこの場での訂正は早々に諦める経太郎だった。

「おいおい、びしょ濡れじゃねえか。大丈夫か。
煩悩はまあ、いや、確かに打ち勝てないけども……そいつも使えないし。」

しかしダッセェキャップだな!?とパーカーフードの下から現れた山火事の文字に目を瞠る。
外国人が意味も解らず見た目の良さで漢字デザインを選ぶのと同じだろうかと、首を傾げて。

シュルヴェステル > 「いくらでも切り取ってもらう分には構わない」

頷きながら、びしょびしょになったパーカーを畳んで小脇に抱える。
安っぽいレジ袋のビニルにゴミやらペットボトルと一緒に放り込んで、立ち上がり。

「微塵も大丈夫ではない。見ての通り、この有様だからな」

今日一番自信満々にそう言い放ってから、今日一番の笑みを浮かべ。
続いた言葉に「なるほど、力技では勝てないか」「それなら私にも勝機があるやも」だのと呟く。
そして、立て掛けた箒を片付けるために忘れずにちゃんと持ってから、屋上への入り口に向かう。

「貴殿、名を問うても構わないだろうか」

一角の人物であるところの少年に、ややスポーティーな印象に変わった青年が、去り際にひとつ問いかける。

金剛 経太郎 > 「お、そうか。
じゃあヴェル。ヴェルにしよう、どうだ呼びやすくなったろう。」

海外の言葉だと変に省略しては意味が変わってしまう事もある。
万一名前を縮めた結果、それが彼の祖国で失礼な言葉になってしまう事も起こり得たが、どうやらそうではないらしい。
ということで、経太郎はシュルヴェステルにヴェルという愛称を着けることにした。ヴェスだとなんか犬っぽいし。

「まあ今日は暑いくらいだ、すぐに乾くだろうよ。
 しっかしなんだ、随分と男前じゃねえか。」

ちんちくりんな自分とは大違いだ、と少しばかり嫉妬も込めた視線を投げて

「ああ、そっか。俺も名乗ってなかったな。
キョウタロウ、だ。金剛経太郎。まあ、俺の方も好きな様に呼んでくれて構わねえから。」

ニヤリと笑ったまま、立ち去ろうとする彼を、そのまま見送るだろう。

シュルヴェステル > 「構わない。コンゴーキョータローは切り取るのがうまいな。
 文字斬りの匠と言っても過言ではない。間違えないだけで十分だ」

そもそも「こちらの言葉」に合わせたら「そう」なったというだけのこと。
イコールでない借り物の言葉だ。どう切り刻まれても特に文句は言わない。
現にシュールストレミングでもシュールレアリスムでもポリエステルでも文句ひとつ言っていない。
よくわかっていないというのが10割だが。

その配慮を青年が知ることはなかったが、滲んだいいひと感には敏感に反応し、笑む。

「ああ、男前だろう。見た目以外全部悪いなとよく馬鹿にされたものだ。
 私も私の見てくれだけは十分気に入っている。コンゴーキョータローも気に入ってくれると嬉しい。
 では、また」

貴殿からフルネームカタコト呼び捨てという明らかな格下げが行われているが、特に青年は気にせず。
好きに呼びながら、青年が一度だけ振り返り。

「私は1年生らしい。1はいちばん小さな数だろう。今後とも、宜しくお願い申し上げる」

彼の体格からして、(まあ小さいのだから1だろう……)という確信をもとにそう笑いかけた。

ご案内:「屋上」からシュルヴェステルさんが去りました。
金剛 経太郎 > 「おう、またなあヴェル!
……やれやれ、何というか根が真面目というか、面白い奴だったな。」

最後になんか滅茶苦茶失礼な事を思われた気がする、と。
彼の姿が見えなくなってから、再びベンチで崩れ溶ける。
話をした事で気晴らしは成功したが、日射の下で元々少ない体力はガリガリ削られていたのだ。
正直な所、経太郎の体力は既にアラートが鳴るくらいには限界だったりする。

「俺も中戻るか……そもそも何で上に来たんだっけ」

待機させていた黒騎士に自分を担がせて。
重厚な鎧が音も立てずに進むなか、ふと考える経太郎であった。


数分後思い出した経太郎は、午後の授業が全く身に入らなかったという──

ご案内:「屋上」から金剛 経太郎さんが去りました。
ご案内:「ロビー」に織機セラフィナさんが現れました。
ご案内:「ロビー」に四方 阿頼耶さんが現れました。
織機セラフィナ >  
午後のロビー。
人影はまばらで、仕事の合間に一息入れるにはちょうどいい感じである。

「ふう……」

自販機で買ったコーヒーを飲みながら一服。
お昼ごはんを食べて少し経ったこの時間が一番眠くなってくる。
けれど同時にここまでくればあと少し。
ぽけーとしながらコーヒーをもう一口。

四方 阿頼耶 > 「おっと、休憩中だったかな?」

ほっと一服をしている女性の後ろから、話しかける声が一つ。
振り向けばそこには一人の男性の姿があるだろう。
無造作にセットされた髪と首から下げたサングラス。整った顔には若干軽薄にも見られそうな笑みが染みついてるのだろう、随分しっくりとくる。

その顔は貴方のよく知った顔だろう

「や、セラ姉。一人の時間を邪魔しちゃったかな?」

織機セラフィナ >  
「?」

セラ姉と言う呼び方。
振り向けば、良く知った顔だった。

「わぁ、阿頼耶くん」

自身の従弟を前に、ぱあと笑顔になる。

「邪魔じゃないよ。あ、何か飲む?」

お姉さんが奢ってあげよう、とニコニコ顔で立ち上がり、自販機の方へ。

四方 阿頼耶 > 「そりゃあよかった。 セラ姉に邪魔って言われたらショックで寝込みそうだからさ」

ハハハと笑う。嘘っぽい。

「それじゃあお言葉に甘えついでに甘いものでももらおうかな…っと。
 いやぁ、お疲れのご様子じゃない。事務の仕事も大変そうだことで」

肩でも揉もうか?なんて軽く言いながら少し時間を共にする。
急にやってきて飄々と絡んでくるのは、子供の頃から変わらない彼の性格だろう。

織機セラフィナ >  
「言わないよそんなこと」

へら、と笑いながら、邪魔なんてとんでもないと。
嘘っぽい彼の言葉も、素直に受け取る人の良さ。
ガードの緩さとも言う。

「甘いもの、ココアでいい?」

それでいいなら暖かいココアを買うし、リクエストがあるならそれにしよう。
ジュースの缶を彼に差し出す。

「ほんと? じゃあ揉んでもらおうかなぁ」

肩凝っちゃって、なんて嬉しそうに笑いながら。

四方 阿頼耶 > ココアでいい?にはOKと返しつつ

「ハハハ、すんごい凝りそうだもの」

何で凝りそうかとかは言わない。言ってもいいけどセクハラになるからな(?
そう言いつつ後ろに回り

「それじゃあ、ちょーっと失礼。…おっと、ほんとに凝ってるじゃないの。こりゃあほぐし甲斐がありそうだこと」

両手で彼女の肩から首にかけてに手をかけ、軽く力を入れる。
軽くといっても男性のそれ。ぐにっと肩回りの固まった筋肉を心地よく指圧されるだろう。

「ここからでも随分絶景…おっと間違えた。
 ここ最近はどう? ユキトは元気にしてる?」

お互いの妹分の話を出す。
まあ、同じ学園にいるのだから様子なんて見ようと思えばいつでも見えるのだが、従妹の口から聞いてみたかった。

織機セラフィナ >  
「そうなの、一日中事務仕事してるから」

ズレた返事を返す。
発言の本意を一切理解していない。

「んっ、ぁ、そこぉ」

ぐにぐにと肩を揉まれて艶めかしい声を上げる。
ふにゃりと顔を緩め、気持ちよさそうに。

「ん、ゆっきーちゃん? っふ、最近、んぁ、って、ないなぁ、ふあ」

そう言えばもう一人の従妹は最近見ていない。
風紀に入ったとは聞いたが、怖がりのあの子が風紀でやっていけているのだろうか。

四方 阿頼耶 > 「いやあ事務仕事も大変だこと」HAHAHA

彼女の天然もようく知っている。
子供の頃はそんな彼女に随分イタズラしたなぁと思いつつ。
エロいなーと思ったが言わないでおくことにした。口に出すと色々面倒なのだ

「あらま、そうなの。
 まあ俺もあんま会ってな…あーいや、そういえば風紀の方で見かけたっけ。まさしく脱兎のごとく逃げられたけど。
 まあ、元気そうだったよ俺が見た時は。二か月前だけど」

3つ年の離れた従妹の方は、なつかれてるのかなつかれていないのか良くわからん間柄だ。
昔はよく遊んだが最近は顔を見るなり逃げられる。
まぁ、大体の原因はこの男の方がセラフィナへのものとは別の方向でちょっかいを出していたからなのだが。

「そういえば風紀で思い出した。
 ここ最近”また”物騒になってきてさ。何か変な噂とか耳にしたらこっちに流してくんない?」

織機セラフィナ >  
「ほんとぉ……んっ」

彼の手の動きに合わせて、たまに身体がぴくんと跳ねる。
肩を揉まれているだけである。

「あー、あんまりゆっきーちゃんのこと虐めちゃだめだよぉ」

虐めたくなる気持ちはわかるけれども。
揉まれている肩がよほど気持ちいいのか、普段より三割増しくらいで語尾が間延びしている。

「んんん? 噂ぁ……」

ぼんやりと考えてみる。
なにかあっただろうか。

「なんだっけ、なんか、へんなさいころ?が流行ってるとかなんとか、って聞いたけどぉ」

何やら学生がこそこそ噂しているのを耳にしたような。

四方 阿頼耶 > 「HAHAHA,いやぁ虐めてるつもりはないんだけど、な…っ!」

ぐいっ。力を入れてのマッサージをするとこっちも少し疲れがくる

「あーうん、そういうのそういうの。あとは前に捕まえてたロストサインのマスタークラスの脱走だとか……
 色々物騒になっちゃっててさぁ。

 また書き入れ時に入るかもしんない訳でね
 いやぁ、ほーんと人手が足りなくて、兎の手も借りたいよ」

兎というのは、十中八九従妹の事。
まあ借りる気はさらさらないし、近づけるつもりも、ありはしないが。


「…ま、ご心配なさらず?
 この ”公安委員会直轄第四特別教室室長代理『四方 阿頼耶』”が皆さんの平和は守りますとも。

 勿論、ユキトやセラ姉もね」

そういって背後から頬に軽くキスをする。
顔の方を見れば何時もの調子で、ぱちっとウィンクを決めるだろう。

織機セラフィナ >  
「ん、っふぅ、阿頼耶くんマッサージ上手だねぇ」

完全にふにゃふにゃになっている。
後ろの彼に寄りかかってしまうくらい。

「ふぅん、大変だねぇ。ゆっきーちゃんは巻きこんじゃだめだよ、あの子、ほら」

ロストサインがどうとか、名前は聞いたことがあるが、詳しくは知らない。
けれど彼が大変だと言うのなら大変なんだろう。
従妹については、魔力の暴走に昔から悩まされていたのを知っているので、巻き込まないように釘を刺す。

「頼もしいね。でも私は自分の身ぐらいは守れるから、ゆっきーちゃんのことよろしくね? あの子、なんだかんだで阿頼耶くんになついてるんだから」

頬に口付けをされれば、こら、なんて笑って諫める。