2020/06/17 のログ
伊都波 凛霞 >  
「宵町……──」

聞き覚えは、ある気がした
確か、異能の研究関係で、何度も妹の異能のことで、研究区には出入りしていたから

「とと…カナタさんね。報告にはあげないけど、一応覚えておかなきゃ」

報告するために名前を聞いたわけではないと一応強調しつつ

「あはは…そうだね、色々…」

有名、というのも良い意味ばかりじゃない
文字通り、色々だ
偏見の目で見られないだけ、いくらか心には優しい

宵町 彼岸 > 「んー……ボクも、人の顔覚えられない、から」

困ったような笑みを浮かべる。
実際自分は人の顔を覚えられない。
情報でしか相手を覚えられないから

「だから……わすれてもいーよ?」

忘れてくれれば変に報告もされないし、そして覚えていない事で何かを思われることもない。
そうでなくとも一方的に覚えられていることが多い姉妹だ。特に姉の方は。
老婆心ながら余計な人脈は作らないに越した方がいいだろうと思う。
この島では何があるかもわからないから。

「……キミも願い事が多くて大変そーだね」

一応情報としてはいろいろ聞いてはいる。
願っていることの一つは研究に関係性があるという事もあるし
何より妹側と色々あったことも端聞いてはいる。
聞いている限り叶わない願いが多いけれど。

伊都波 凛霞 >  
「え?忘れないようにするよ、折角聞いたんだし──」

と、そんな事情を知る由もなく、きょとんとしてそう答えるが、
続いた言葉にはなんとなく、そういう言葉を選ぶ理由があるのだということを感じて…

「…願い事?うーん、願い事かな…」

ねるべくなら自分で叶えたいことばっかりだけどね、と笑って
ようやく、そう言えば制服がボロボロなことを思い出した

「──ま、まぁあんまり夜の学校に長居もしたくないし、宵町さんも気をつけて、ね?」

今夜の調査は、このへんで切り上げても良いだろうと

宵町 彼岸 > 「覚えてあげるべき人の事、覚えてあげて」

ゆっくりと、けれどやんわりと語尾に重ねるように口にしながらかぶりを振る。
どこか突き放したような拒絶を含む言葉を放ちながらその表情は柔らかいままで

「大事なものは手放しちゃダメだけど……
 それ以外は少ない方がいいよぅ」

抱え込めばこむほど毒は増える。
この人のように抱え込むタイプはなおさら。
なまじ自分で解決できることが多い分、解決しようと惑う。
そしてそれに比例して多く傷つくのだろう。

「……ああ、でもさっきの子、きっと探してるのは君みたいなタイプだと思うよぅ
 もし何かをつなぎたい……ならあの子の方がきっと、キミを必要としてる」

けれど、例えそう理解してもそれでもなお、そう選択し続けるのだろう。
そう、この人は”そういう人”だ。

「キミにとって縁は大事な物。そうでしょ?」

伊都波 凛霞 >  
覚えてあげるべき人
まるで自分のことは覚えなくて良い、と言う言い方にも聞こえて、少しだけ心に寂しさを覚える

「…さっきのあの子が…?」

とても、そんな風には見えなかった、けど
直接触れたカナタには何か伝わるものがあったのだろう、と──

「よくわからないけど…そうだね。縁は…大事にしたいかな」

──なんだか見透かされるような、最近よくこういった気持ちになるな、なんて思って苦笑する

「じゃあ、私はそろそろ戻るけど…一応宵町さんも気をつけてね。
 なんだか黒い靄みたいな、よくわからない獣みたいなもの、見かけたら、逃げるんだよ?」

一応の忠告だけを残して、踵を返す
そのまま呼び止めあれなければ、廊下の闇を照らしながら、その場を後にするだろう

宵町 彼岸 > 「うん、りーちゃん。”ばいばい”」

にへらっとわらって手を振りその背中を見送る。
その背中が廊下の角に消えるとゆっくりと手を下ろし、スマートフォンを一台取り出した。
それを数秒操作し、目当ての物を見つけるとわずかにほほ笑む。

「……そういえば貴方はこんな顔で笑うんだったね
 やっぱり忘れちゃってた。ごめんね。」

誰に言うでもなく一言つぶやくとそのまま反対方向へと振り向き歩き出す。
そう。大事なものは少しだけでいい。
それは自分だって同じこと。もはやそれに感情は動かない。

「ああ、あの子は何を回収してるかな。
 ふふ、ボクを殺せる物、拾ってると良いなぁ」

そう小さな声でつぶやき嗤う顔は
まるで一人きりの部屋でお気に入りの玩具を見つけた子供のようだった。

ご案内:「深夜の校内」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「深夜の校内」から宵町 彼岸さんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 ロビー」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 「リモートかー、俺も何かそう言うの、やってみた方が良いかねー」

放課後の第三教室棟ロビー。
生徒の姿もまばらになった校舎内を見回って来た俺は、近くにあった長椅子に腰を下ろした。
生徒から聞いた話では、何人かの先生がネット通信を利用したリモート補習を行ってるという。

「まあ、飼育小屋のこともあるから……どのみち学校は来なきゃだし?」

それならまあ、普通に空き教室借りちゃう方が早いよな、と。
それこそ補習教室の宣伝だけSNSで済ませれば良い訳で。

暁 名無 > 「そもそも家から授業するとして、間違いなく映り込みがあるからな……
 配信切り忘れもやりそうだし……何より電気代勿体無い……」

結局のところ、一番の問題は薄給だ。お賃金だ。
どうにか広めのマンションに越したは良いものの、家賃と光熱費と諸々の諸で首が回らん。
いや、極めつけは給料の大半が飼ってる生き物の食費に消えてくからだけども……

「それに、画面に向かって喋るの、抵抗あるしなー」

やっぱ人間対面で話をするのが一番だと思うます。はい。

暁 名無 > 「ま、でも今度誰かの配信をこっそり覗いてみる、ってのはアリかもな。」

でーん、と足を投げ出すように座っていつもの癖でタバコを取り出し、慌てて仕舞う。
いかんいかん、ここは校舎内だ。喫煙なんてしたらめちゃくちゃ怒られる。後で屋上で喫おう。

「にしても、最近すっかり暑くなったよなあ……
 タバコ吸ってたら危うく日射で焼け死ぬわ。」

それでなくても目と鼻の先に小さな炎の塊付けてんのに、と昨日の休憩時を思い返す俺である。

暁 名無 > 「おっと、そろそろ油売るのも終わりにしとくか。」

そもそもどうして校舎内の見回りなんかしていたのか。
いや、単に業務から逃げ出したというのが正解なんだけども。
時計をチラ見すれば、そろそろ覚悟決めないと残業確定コースだったので、渋々椅子から立ち上がる。

「……はぁ、夏休みは休み一杯取れますよーに。」

ご案内:「第三教室棟 ロビー」から暁 名無さんが去りました。