2020/06/14 のログ
ご案内:「部室棟・外側の掲示板」にディカル・Grdさんが現れました。
ディカル・Grd > 取っていた講義も終わって今日はこれでフリー。
大人の大人っぽく放課後に歓楽街で軽くお酒を引っ掛けて渋いアロハをキメるか、と考えていたディカル・グラッドピードは教室を出る際に耳にした。
同じ講義の何名かが「ブカツ」だの「イインカイ」だのとAdolescence(青春)恋物語のような単語が飛び交していたので、気になってこちらまで足を運んでしまった。

部活動イコール ジャパン the 青春作品なイメージを持つ彼にとってはナルシストにアルコールをキメるより魅力的な響きだった訳だ。

「流石にYoung(若い子)が多い……」

アジア系の顔は若く見えるのもあるが、ここに同じく向かう少年少女たちは誰も彼も自分よりも若く汚れなく見えた。

ディカル・Grd > 若い子に一時的に物事を教わるのは悪くない。
が、継続して行くとなると年の差があるのは上手く立ち回らねばジェネレーション・ギャップからの歪で悲しいことになる。
音楽性の違いで解散するバンドのような話だ。

「意外とCreative(創作的)な部活が多いですねー」

張り出されているポスター、活動告知、はたまた先日みた商店街での部活動店舗のバイトの募集だとか多種多様だ。
どちらかといえば活動を見てたり発表作品を見ている方が純粋に楽しめそうかな、などと小声で漏らしてはこの学園の学生たちの活発さに思いを馳せる。

「……彼らからみれば、私もおじさんですか」

講義などで見かけた何名かの教員は、実際自分とそんなに年も違わなさそうだったと唸る。自分はあまりそういうのを気にしないタイプだと思っていただけに眉間に皺が寄った。

ご案内:「部室棟・外側の掲示板」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 「はーやれやれ、この辺まで来るのは滅多に無いからどこがどこやら。」

とある部室の模様替えの手伝いに駆り出された、その帰り。
幻想生物を担当する教師である暁 名無は、掲示板前で立ち呆ける男の姿を見つけた。

「おっ、部活探しかぁ?
真面目だねえ、でもその成りだと他の生徒ヒくぜ?」

イイねェアロハ、俺もそれくらいしたいもんだ、と一切の気兼ねなく男へと話しかける。

ディカル・Grd > 声をかけられてハッと表情を弛緩させる。

「Oh…引かれるのは困りますネ。
Friendly(友好)に接してもらうためのFashion(格好)ですカラ」

HAHAと白い歯を見せて笑って体の向きもそちらに向けた。
どこか見覚えがある気がして、疑問を口にした。

「自分は取得してませんが、確か…何かの講座のTeacher(先生)でしたか?」

暁 名無 > 「まあここじゃ生徒も先生も突飛な格好してるのが多いからなあ。」

指定の制服も着用義務は無かったし……、と思い出しながら。
生徒がアロハ着てるんだから教師ももう少しラフな格好でも良いのかしらと自分の服装を省みる。
私服はともかく学校来る時はそれなりに気を使ってはいるのだけど。


「おう、流石にまだ担当教科までは覚えてないか。
 暁 名無、幻想生物周りの授業を受け持ってる。お前さんは?」

随分と生徒にしては歳食ってる感じだが、と自己紹介に載せて経歴を訊ねる。

ディカル・Grd > 「制服姿では逆に近寄れないと思ったんですヨ」

と答えつつ、流暢に日本語を操ってはいるが怪しい部分があるこの男はトッピってなんだ?
と心の内で考える。和製英語という文化がある日本語だ。Topの派生、一番、個性、Only Oneの意味合いがありそうか。
詳しくは後で調べるにしても自分の格好よりはこのMr.(男性)のように型にはまった方が受け容れられるということかと、私は気づきましたよMr.と感謝の気持ちを抱く。

「Mr.名無、私はディカルです。今年この常世学園に入学したNewbie(新人)です。
これまでも学徒で機会を得て、英国からこちらに学びに来たんですヨ。
とても魅力的な教科をやられておりますね。次の履修登録ではよろしくしたいですね。」

学徒であるが祖国の碩学院には入れませんでした、とジョークを混ぜつつ。

暁 名無 > 「ああ、一理ある……いや、無いか?
 うーむ、そんなことは……無いんじゃないか?」

頭の中でアロハ男を制服姿に着替えさせてみる名無。
本人が言うほど違和感があるわけでも、あるか……?みたいな思考の狭間に嵌ってしまい早々に匙を投げる。
男の着せ替えしてもクッソつまんないし、というのもあって。
目の前の外人が突飛の意味を理解しかねていることにも気づいていない。

「ふむ。ディカルな、まあ学校にはじっくり慣れてってくれや。
 他国からの入学者なんてそんな居るわけでも無いが、異界からの入学者はぼちぼち居るんでな。
 あんまり浮いたりはしないとおもう、たぶん、メイビー。」

ジョークには軽く笑って返す。
いわゆる愛想笑いというものでさっぱり意味を理解出来てはいないが。

ディカル・Grd > 「Oh、和のココロ、お気遣いアリガトございます」

流石は教員のプロ。プロはやはり言うことが違うなぁ。
生徒を思いやる心遣いは素晴らしいと称賛し、思わず手を取り感謝を言葉にした。

そこでアロハは、尊敬すべき教員が部室棟が立ち並ぶ方角からやって来たのではないかと今更ながらに思考が及ぶ。

「時に、Mr.名無は何か部活動の指導をされてるのですか?
私はこの学園の部活動を……監視、like(違う…あれだ)、偵察したいと思っているのですが」

暁 名無 > 「まあ、俺も昔あっちこっちふら付いてた時期があってな?
 海外にも足を運んだ事があるから、異郷の地に単身乗り込んだ時の気持ちは分からんでもない。
 それに教師だからな、極力生徒の力になりたいと思ってるし。」

握手されつつ、そんな大層なもんじゃねえや、と笑う。
ちなみに極力という言葉には「暇なとき」というルビが振られてるとかないとか。

「ああ、俺?
 俺は残念ながら部活は持ってねえんだよな。ここには手伝いに来ただけだ。
 ……まあ、見て回るなら自由にこの辺を散策してみると良い、この時期は新人の勧誘に精を出してる所も多いだろうからな。」

そして俺はこれから校舎に戻って一仕事せにゃならん、と苦み走った表情で呻くように呟く。
自分が歩いてきた方を指して、見学を勧めてから、迷子になるなよと一言注意を促して。

「そんじゃな、ディカル。良いスクールライフを。」

ひらり、手を振って立ち去って行くのだった。

ご案内:「部室棟・外側の掲示板」から暁 名無さんが去りました。
ディカル・Grd > Mr.名無の言葉を受けてアロハ男は感動していた。

何に感動しているか。
彼のその取り組む姿勢にこそである。

祖国には昔多くの紳士がおり、世界から英国と言えば、紳士と言われていたと先達から聞き及んでいた。
自分のようなものにも丁寧な対応をして傷つかないように自分の間違った認識を正してくれた。
恐らく、そう、彼のような者を紳士と言うに違いない!
称えるならば、常世紳士。Mr.名無はこの学園における紳士だ。

彼の言葉の勧めに乗り、今日は少し部活棟周りを散策してから帰ろう。

この日のアロハシャツは少年の心のように輝いくことはないが、そんな雰囲気だった。

アロハシャツが家に放置される日は近い。

ご案内:「部室棟・外側の掲示板」からディカル・Grdさんが去りました。