2020/06/15 のログ
ご案内:「統一魔術研究部」に萌良 さだめさんが現れました。
萌良 さだめ > (大惨事である。 部屋の壁には巨獣が荒れ狂ったかのような傷跡がいくつも刻みつけられ、
 倒れている人は十数名。 さらには儀式に使ったと思われるなにかの残骸と、
 たった今閉じたばかりの”門”、そして閉じた”門”に切断される形で息絶えた”なにか”。
 部屋の中に台風でも吹き荒れたのではないかという状況の中で、少女は平然と立っていた。 
 大きな瞳で倒れていた部長をにらみつけると、起こすこともなくそのまま前にしゃがみ込む。) 

お前さんたち、なにやったかわかってるのか? わかってないよな?
部員だけじゃない、ここら一帯を破壊するところだったんだぞ。 俺が駆けつけなかったら、
お前たちどころか周りにいた何も知らない連中まで子供の捏ねた粘土みたいになって死ぬところだったんだ。
コントロールできない魔術なんて、ただの暴力でしかない…。 統一魔術の名が聞いてあきれるな。
(少女にも見える小さな姿は、倒れ伏した部長を起こすこともせずに文句をたれてからため息をつく。
 呆然としている部長を尻目に立ち上がり、端末を開く。 医療チームへの通報、そして自分の”上”への報告だ。)

”マルクト”かい。 終わったよ。 奇跡的に死人はゼロだ。 向こうからの影響もない。
しばらくは魔力が乱れているだろうから、数日は封鎖しておいたほうが良さそうだ。
(簡単に状況を報告してから、端末をしまう。 部室の修理はしばらくあとだろう。
 この部も解体かもしれない。 まあ、雨後の筍のように次の部が現れるだろうけれど。)

萌良 さだめ > (怪我をしている連中は医療チームが来るはずだし大丈夫だろう。
 とりあえず、この場に現れた”なにか”の残骸を確かめなければならない。
 確認すべく、ゆっくりと近づく。 一歩歩くごとに、ヒールのこつんという音が耳に残る。)

ふうん…。 随分とデカいのを呼び出そうとしたんだな。 いや、出てきてしまったのかな。
(人間の背丈の2倍ほど在る暗緑色の大きななにかは、みっしりと鱗に覆われていた。
 5本ほどの突起の先端には硬質なパーツが備わっており、これがなにかの”腕”であったかのように見える。)

切断面はどうかな…。 うん、門が閉じたことによる断裂だな。
(引きちぎられたと思わしき部分は、紫色の液体がじくじくと漏れている。
 安全にしろそうでないにしろ、清掃…下手すると浄火も必要になるかもしれない。
 毒があれば自分たちも倒れているはずだし、気化しても無害ではあるのだろう。)

”保護”しておくか、怖いし…。
(短い呪文を口にすると、まるでガラスのような何かがぴったりと”なにか”を包み込む。
 自分たちが存在する空間と切り離しておけば、動いたり、毒素が漏れたりもしないはずだ。)

これで誰かが来ても安全、と…。
(これだけの騒ぎが起こったのだ。 何事かと駆けつける正義感の強い人や
 野次馬だって現れるかもしれないが、びっくりするだけで済むはず。
 そういった人のことも考えて動かないといけない。 大変な仕事だ、と心の中で一人ごちた。)

萌良 さだめ > (端末に医療チームが到着するとの報告が入る。
 それなら、自分が長く滞在する理由もないだろう。)

あとから来るやつに全部任せておけばいいよ。 ああ、そうだ…。
(部室を去ろうとしたところで、ぴたりと足を止める。
 振り返るようにして部長を見やった。)

二度とこういう危ない魔術やらないって誓えるならさ…。
今回の件は”事故”だって公安の取り調べに言っておきなよ。
戒魔局に問い合わせてみろ、ってさ。
(自分だって、あの時姉を救えず…未だに救えないままなのだ。
 一度のミスで放逐するのはあまりに哀れだ。
 そう考えると、やらかしてしまった相手を断罪する気にはなれなかった。
 後で”マルクト”にはうまいこと言っておけばよいだろう。
 また公安と揉めるかもしれないが…。 その時に頭を下げるのはあいつなのだし。)

じゃあな。
(ばいばい、と小さく手を振ってから、医療チームとすれ違うように部室を後にした。)

ご案内:「統一魔術研究部」から萌良 さだめさんが去りました。