2019/02/05 のログ
神代理央 > やがて、膨大な量の資料を片付け終えてから少年は立ち去るのだろう。
ご案内:「図書館」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「休憩室」に鹿波 依月さんが現れました。
鹿波 依月 > 「ふむ……」

どさりと休憩室のソファへと座り込む。
いやへたり込む。

「んんんんー……」

さて試験である。
どうにもこうにも試験である。
元々勉強なぞそれほど得意でも無いので赤点さえなければいいとそういう気持ちで臨むものの。
如何ともしがたい戦力の差と言うものはある。
そして知っている。
テスト期間にある程度頑張るのと諦めて補習という名の拘束をされるのは圧倒的に前者がいいのだ。

理解っていて出来るのなら勿論苦労は無いのだが。

「さて……」

思案する。
手に持っていた水の入ったペットボトルをテーブルにゆっくりと置きながら。

どうにか楽は出来ないものかと。

ご案内:「休憩室」に沢渡マリアさんが現れました。
鹿波 依月 > いや、分かっている。
              ズ ル
そもそもこんな特殊な環境でカンニングなんぞしようものなら一発で看破されて退場モノだろう。
自身の異能はそういう事には全く使えないモノであるから自然実力で越えねばならない。

となれば試験の結果に合わせてレポートなり実技なり、という「とにかく点数稼げばなんとか終わる」という方面に進むか「誰かなりに楽のでき……効率のいい勉強方法をご教授願う」という結論には至る。

「めんどくせぇー」

至る結論がソレなのでこうなるのである。
勿論、部活・委員会その他諸々そういった点数が入るものでの免除なぞ帰宅部員の彼女には縁のない話であった。

沢渡マリア >  
『カナミ』

ソファに崩れている女生徒の名を呼ぶ抑揚の無い声が休憩室の入口から聞こえた。
立っていたのは先月転入して来たばかりの生徒、沢渡。

入寮して一ヶ月少しとは言え、此方は鹿波依月の事をちゃんと憶えているようだ。
彼女の方はどうか、解らないけれど。

名を呼んでから休憩室の中へと入り、ぐだっとしているらしい彼女の前へと立つ。
手には薄い紙とノートを持っていた。

『オツカレサマ、ですか? それとも、サボタージュですか?』

無表情の顔が見下ろして、問いかけて来る。
時期的に試験勉強であろうという推測をしたようだ。

鹿波 依月 > 「んぉ」

声をかけられて胡乱とした上に無限ループをしかねない思考を一端きりあげて。
目の前には非常に整った顔立ちと銀色の髪が目を引く少女。

「さて……どっちでしょう?」

ひらひらと手を振りながら茶化して言うものの。
既にサボタージュの域へと突入しかけていたので耳に痛い気持ちであった。

彼女もマリアの事は覚えている。
と言うか勿論知人として覚えている以外にも中々彼女を見て忘れる事も早々出来るものではない、と思う。

「んでーそっちは?」

とりあえずこれ以上突っつかれると悲しみを負いそうなのでマリアの方へと話題を移そうとするのであった。

沢渡マリア >  
『サボタージュ』

ひとつめの問いかけには、ほぼノータイムで返答する。
過ごした期間は短いとは言え、多少は人となりが解りつつある頃か。
鹿波依月という人間の気力度合いも、そろそろ理解しているようだ。

次に自身の事を尋ねられると、手に所持している紙とノートへ視線を落とす。
僅かな間が空いて。

『私も試験勉強をしに、来ました。
 でも、調べても答えが分からずに困惑しています。
 思考回路の負荷を検知したため、休憩にやって来ています。』

懇切丁寧に状況を説明すると、ソファの前にある小さなテーブルの上に
持っていたプリントを置いて見せる。

『カナミは、二年生でしたね。 私に解けない問題も、解けるのではないでしょうか。』

上級生は偉い。
上級生は賢い。
人間はそうできているはずである。

その考えの基の発言。悪戯心も悪気も沢渡には無いだろう。

プリントはどうも国語の小テストらしく、ほとんどマルがついているものの、
二カ所程に赤のレ点がつけられていた。
<この時の作者の心情を答えよ>という類の問題。

顔色は変わらないが、何となく期待の眼差し、らしきもので見つめている。