2020/06/25 のログ
レナード > 「……あー。痛い目にあった。」

暫く経って、ようやっと鈍痛が引いていった頃、むくりと顔を上げる。
今度こそ、辺りに誰もいなくなったことをその状態で確認してから、ゆっくりと立ち上がって。
酷い目とは言わなかった。なんだかんだ、彼女と協力して事を為した事実に対して、悪い気がしなかったものだから。

「……ふいー……。
 腰を痛めるかと思ったし、この辺は老いのこない若さに感謝だし……」

腰をとんとん、拳で叩く。多少痛みは残るが、それもすぐに消えてくれることだろう。
続く様な怪我に繋がらなかったのは、単衣に幸運だった。

改めて、辺りを見回した。
静けさが戻ったことを確認すると、そそくさと図書館から去っていくのだった。

ご案内:「図書館 閲覧室」からレナードさんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」に楠間 和泉さんが現れました。
楠間 和泉 > 試験が空け、人の少なくなった図書館を、
長身で金の髪を持つ少女が本の山を持ちながら歩きまわっていた。

…というのも、試験時の図書館は普段図書館を使わない層も本を出し入れするため、
本の位置があちらこちらに散乱してしまっている事が多いのだ。

故に、こうして試験終わりには図書委員がそれらの散乱した本の整理をするのが一種の恒例作業になっていた。

楠間 和泉 >  
「んんっ…、と。
一先ずここはこれで終わりかなー?」

そんな彼女はいくらかの本を整理して、その区画の整理が終わった事をメモに記す。
この広い図書館においてその作業はほんの少しに過ぎないが、やらないわけにもいかない。

ご案内:「図書館 閲覧室」に瑞杜 衛士さんが現れました。
瑞杜 衛士 > 「おっじゃましまーす!!! えーっと、地図によると…何処だここ?」

何者かがデカい声でバァン!!と図書館の扉を開く。
とんでもなくでかい、声で。
図書室には似合わない声。声の先には、大柄な男が一人。

サイドを剃ったツンツン頭の、ガッシリとしたまさしく体育会系の男。
片手に地図を持って「ん?」という顔で周りを見渡している。


当然ながら少ないなりにいた図書館の利用者たちは、その声で一度ビクっとしてから、男の方を睨むように見ている……

楠間 和泉 >  
「(こえでっか…!?)」

バァン!という図書館に似つかわしく無い音とでかい声。
彼女も他の生徒の例に漏れず、ビクッとしてから恐る恐ると音源へと怪しげに視線を向ける。

視線の先には大柄な…恐らく自分よりも身長は高いだろう…男性の姿。
体格からして体育会系だろうか、少々、図書館で見るには珍しい姿だ。

そしてよくよく見ればその人物の手には小さな地図。
…なるほど、どうやら何かしらの用事があって、慣れぬここに来たという所か。

「はーい、なにか御用でしょうか?」

一先ずここは図書委員として、しかるべき対応をとる事にしよう。
その男性へと少女はゆっくりと近づいて、声を掛けた。

瑞杜 衛士 > 「…あり?」

入ってきてから気が付く男。
刺さるような視線、沢山の本棚と、本、本、本

つまりここは……

「図書館じゃねえk…!!!!

 ……っとぉ、あぶねぇあぶねぇ、デカい声出しちまう所だった…!」

今でも十分大きめの声だし、何より最初の時点でクソデカボイスで入ってきたのだが。

「っと…ん?」

そうしていると声をかけられ、そちらに気が付く。

「おっと…すまねえ、邪魔しちまった…!
 いや、用じゃねえんだ。この辺来たのが初めてでよ、色々見て回りながら土地勘つけようと思って、とりあえず目につく建物虱潰しに入ろうかと思ってよ。
 
 まさか図書館とはな……!生まれて初めて入ったかもしんねえ…!!」


どうやら偶然入ってきたらしい男は、(一応)声のトーンを落としてそう返す。

「おっと、自己紹介が遅れちまったな。

 俺は瑞杜衛士(ミズモリ エージ)、昨日常世島に来た、常世学園の編入生だ!!
 年は18、学年は1年からやりなおしだが、まぁそれはそれ!
 アンタはこの図書館の……司書さんか?随分若え人が司書してんだな…」

楠間 和泉 >  
「うーん、時既に遅しって感じだねぇ…。」

既に最初が大声スタートだったし、目の前で聞こえる声も十二分にデカい。
さすがの少女も少々苦笑気味にそんな言葉が零れてしまう。

「ああいえ、大きな音と声がしただけだから、ちょっと気を付けてもらえば大丈夫。
しかしなるほど…建物を虱潰しに、かぁ。」

あはは…と、続く図書館は始めてと言う言葉に少しだけ乾いた笑いを浮かべつつ、
なるほどと言った様子でここへ来た理由にうんうんと頷く。

声のトーンも一応下げてくれたようなので、
おそらく目の前の男性はマナーはちゃんと守れる人だ。
先ほどの大声と音はまぁ…不幸な事故とでも言うべきものだろう。

「どうも、瑞杜さん、でいいかな。
私は楠間 和泉(くすま いずみ)、17歳で年下だけどここでは3年生。
見ての通り図書委員…ま、仕事は司書さんとそこまで変わりないかな。
ひとまずよろしく、ということで。」

瑞杜 衛士 > 「ん?委員会…
 あー、何か編入の時にこの島じゃ学生が基本的に仕事してたり委員会とかってなんとかで仕切ってるとか言われてたような…」

大分ぼんやりしてるが、概ね合っている。


「エージでいいさ。さんはこそばゆくって慣れねぇ。
 そんじゃ先輩…ん?年下?先輩?
 …まぁどっちでもいいや。よろしくな!イズミ……センパイ!」

グッと笑顔で返す。慣れているのか笑顔が似合う男だろう。
一方先輩呼びは全然慣れていないのが分かるぎこちなさだが。

「そういや…今は仕事中みたいだけど、大丈夫なのか?」

周囲を見て、本の山があるのに気が付くと男はそう聞いてくる。
 

 

楠間 和泉 >  
「そうそう、そんな感じ。
図書委員は文字通り、図書の仕事をしてるから。」

うんうんと、ぼんやりしたそれに相槌を打つ。

「あはは…わりとここじゃよくある事だけど、先輩後輩と年齢が逆でややこしいよね。
じゃあ、エージって呼ぶよ。」

少々ぎこちない呼び方だが、目の前の男性はどこかさわやかだ。
最初の大声でのマイナス印象も、こうして話していれば気になら無いものとなる。

「ん、ああ、私はちょうど少休憩してたとこだから…。
こうしてちょっとお話しているぐらいは大丈夫。」

その言葉から、まだまだ仕事そのものは途中である事が恐らく察せる。
そもそもこの本の量をみれば、まだまだ先は長そうだ。

瑞杜 衛士 > 「ほーん……」

ちらりと見た本の量は、まるでビルのように積み重なって生半可な量じゃない。
人数はいるとはいえ、それでももうしばらく本の山との格闘しそうなのは容易に想像がつく。


「成程な、大体わかったぜ。
 この本、どうすりゃいいんだ?手伝うぜ。
 
 なぁーに、騒がせちまった詫びだ。いくらでも付き合うからコキつかってくれよ。
 この通り体力には自信があるから…なッ!!」

そう言いながら本の山の方に歩いていき、高々と積まれた本を、山もり持ち上げる。
見た目通りの筋力。ぐっと持ち上げるその量は、普通の人の3,4人分の量を軽々と持ち上げるだろう

楠間 和泉 >  
「へ?ええと…手伝ってもらえるのはありがたいけど…。」

突然、年上の後輩が提案したお手伝いに、思わず意表を突かれてしまう。
猫の手でも借りたい感じなのは確かだが、果たしてほとんど初対面の相手に手を借りていいモノなのか…。

そんな事を考えているうちに、かれはほいほいっと山盛りの本を持ちあげてしまって…。

「ほえぇ…すっごい…、力持ちだねぇ。
…って、ええと!本当にいいの?」

瑞杜 衛士 > 「ここで会ったのも何かの縁だ、そう気にすんなって!
 で、何処もってきゃいいんだ?持ったはいいけど場所がわかんねえ…!」

からっとそう言いながらずしんずしんと歩いていく。
体制を崩して本の山を落とすような不安感はない。足腰がしっかりしてる証拠だろう。

楠間 和泉 >  
「えっと…じゃあお言葉に甘えようかな?
場所は私が案内するよ、一通り、本の場所は記憶してるから。」

そういわれてしまえば断るのも悪い。
その提案に甘える事にして、少々先導するようにして、まずは一番上にある本のタイトルを確かめてから歩を勧めて行く。

瑞杜 衛士 > 「おう、頼むぜっ」

そう言って、イズミの案内に任せて本を運んでいく。
体力のある人間が一人いると作業量が違う。
ぱっぱっぱと本を運んでは、これは何処の棚か、こっちにあるの別の棚のじゃないか等。
慣れてくればテキパキと動いていく。どうも、こういう手伝い事に慣れた感じだ。

「そーいや、イズミセンパイは本が好きなのか?」

作業の中、雑談交じりに話しかけられた。
この頃になれば流石に場の雰囲気にも慣れて、衛士もあまり大きな声は出さなくなってただろう。

楠間 和泉 >  
本のタイトルを逐次確認して、誘導するようにどんどんと運んでいく。
ある意味役割分担できているのも功を奏しているのだろう。

運び終われば直ぐに次の誘導ができるし、一度に運べる量も段違いだ。
なによりこの男性は力持ちで、機敏にてきぱきと動けるのがそれを増していた。

「うん、私は本は大好きだよ。
知識欲っていうのかな…色々知るのが好きだから。」

だから、作業の中の雑談をする余裕もあった。
他愛のない会話くらいであれば、ながらでも大丈夫そうであった。

瑞杜 衛士 > 「色々知るのが好きか……すげえな!
 俺は興味ねえとぜんっぜんダメだなー…授業だとか、結構マジメに受けようとしてんだけどすぐにウトウトしちまってよ。
 あ、でも気になってた本とかはスラスラ読めるぜ。最近だと…ああ、あの辺にあるタイプの本は読み漁ったな!」

 両手がふさがっていたので顎で本棚を示す。
 そこにあるのは「緊急時対応のススメ」だとか、「避難誘導のイロハ」なんてタイトルの…災害や事故での対応マニュアル本等の揃った一角だろう。

楠間 和泉 >  
「あっはっは、私もそこは同じようなもんだよ。
いろんな事に興味があるから色々知るのが好き…って感じ。」

いろいろとはいっているが、当然ある程度の偏りもあるし、興味から外れるものもある。
だからその範囲の違いしか無くて同じだ、と彼女は思っていた。

「へぇ…どんな本…ふむふむ…。
…もしかして将来、救助隊員とか、そういうの目指してたりするの?」

瑞杜 衛士 > 「いーや、まだ考え中だな。
 憧れはあんだけどな。昔レスキュー隊の人に助けられてよ。
 その人の事すげえ尊敬してて、何時か俺もその人みてえになりてえとは思ってるけど…
 でもレスキュー隊になるのがそのままそのまままさしく正しいっ!って訳じゃねーだろ?
 だから今は、悩み中…だなっ」

よっ、と本を下ろし、本棚に積めてく。
ちょっと自分の判断じゃ怪しい所があればその都度イズミに聞き、ぱっぱっと片付ける。

「それ考える為にこのガッコに編入したみてえな所あるしなっ

 ここは異能とか魔術とか、そういう特殊なモンがいっしょくたに集まって今までと違う社会作ろうぜーって出来たトコだろ?
 だったら、そういう試行錯誤の中に新しく社会に必要で俺がやりてえ事が見つかるかもしれねえからな

 …ま、ここに編入するまでに3回試験落ちたけど」

HAHAHAと笑う。

楠間 和泉 >  
「へぇ…結構、色々と考えてるんだねぇ。
憧れではあるけれど、それにそのままなっていいかは見極め中、か。」

どこにどの本を納めるのかを、時折伝えながら言葉を返す。
彼のその考えは少々意外で、そしてある意味、憧れに対して真剣に向きあっている事が伝わってくるものだった。

「んー、そうだね。
ここはちょっと外とは違うとこだし。
……あはは、それでもちゃんと受かったんだから結果オーライじゃない?
まあ、勉強はこれからも頑張らないと、だろうけどね。」

瑞杜 衛士 > 「なぁに、入っちまえばこっちのモンよ!」

それはどうなのだろうか(?

「アンタの方はどうだ? 進路…っつうのか?このガッコだとどうなのか分かんねえけど。
 夢だとか目標か。
 やっぱ本関係に進むとかか?」

楠間 和泉 >   
この人、試験とか大丈夫だったのだろうか。
少女は本の少しだけ心配になった。

「うーん、私はまだ色々考えてる途中だけど…。
学者さんかなぁ、エネルギー系の。」

本を仕舞い、少々考えるように顎に指先を当てつつ答える。

瑞杜 衛士 > 「お、じゃあ同じだな。にしても…エネルギー? そりゃまたなんで」

考えてる途中、という言葉を訊いてニッと笑い、そしてエネルギー系、と言われればぱっと思い浮かばないのか、彼女に聞く。
勉学は強くない。エネルギーと言われて、思いつくのはビームとか、そんなレベルである。

楠間 和泉 >  
「だねー、お悩み中なのはおんなじ。
んっと…私の異能がそれ関連だから、ってのが一番。」

くすり、と笑顔を返してちょっとだけ思考を回しながら答えていく。

「光を電力に変えたりだとか、電力を魔力に変えたりとか、そういう能力なんだ。
だからそういう分野だと自分の能力が一番活かせるかなぁって。」

瑞杜 衛士 > 「お、なーっるほどそういうことか。
 光を電気に…電気を魔術に……なんか発電所みてえな異能だな!」

その例えはどうなのだろうか。

「しっかし成程なぁ…異能の多い街っつうのは知ってたが、ホントに多い訳だ。
 俺のいたとこじゃ会ったのは俺を助けてくれたその人位だったからなぁー
 他の異能者って正直初めて会ったな」

そんな話をしていれば、本はどんどん、片付いていき。
大分時間はかかったが、当初の予定よりは随分と仕事は捗った…かもしれない

楠間 和泉 >  
「あはは…ある意味じゃ間違いじゃないかなぁ。」

別に電気限定というわけでもないが…だが、イメージとしてはそう遠くない。

「ちょっとあるけば異能者と出会う…ってくらいにはたくさん居るからねぇ。
助けてくれた人も…ああ、それでここにってのもあるのかな?」

恐らくそうやって会話を交わしているうちに、あれよあれよと本は数を減らして行き、もう十二分なほどには今日の仕事は片付いてしまっただろうか。

「…と、一先ずこれで最後、かな。
ありがとう!こんなに速く終わると思わなかったよ。」

瑞杜 衛士 > 「おう! いやぁー、やってみれば結構早く片付くモンだな! 最初見た時は一日で終わるかわかんねえとか思ってたけど。

 …ん?ああ、ま…っ、そうだな。
 俺は異能ねえけど、命救ってくれたモンだ。ねえなりに寄り添いてえからな」

異能の無い者。
当然この世界にはそういう者の方が多いが、しかしこの常世学園では、逆に珍しい存在なのかもしれない。
ここは異能を持つ者が集められる学園故に。

楠間 和泉 >  
「キミが力持ちだったおかげかな?
ともかく、助かったよー。今度、何かお礼させてほしいな。」

笑顔を向けて、素直に感謝の気持ちを伝える。
ここまで速く終わったのは、まちがいなく彼のおかげであった。

「へぇ……。
…異能が無くて、か。うん、キミのことはちょっと応援するよ。」

異能がないもの。
ここでは少々珍しい存在で、けれどもそれでも彼は非常に進撃で前向きだ。
だから…というわけではないが、だからこそ、少々純粋に彼のこれからは気になった。

瑞杜 衛士 > 「ん、礼? 
 別にんな気にしねえでいいのに。元はと言えば、俺が煩くしちまった詫びみてえなモンだし
 …あ、それならガッコの案内とか今度してくれよ。今日わかったけど…地図見ても何処がどうだとか全然わからねえからな!」

折角の誘いを無下にするのも失礼に値するかもしれない。それなら、と。
方向音痴なのかもしれないが、人と一緒に見て回った方が色々と分かるのは、事実である。

「はっはっは、おありがてぇ
 応援されると燃えるからな、是非とも頼むぜっ」

シュッ、と拳を作り。

「そんじゃ、そろそろ俺は戻るとすっかな。
 っと…そうだそうだ
 何かあった時とかいつでも手ぇ貸すから、連絡先交換しとこーぜ?」

スマホを取り出し

楠間 和泉 >  
「あはは…まあ、それはそれ、としてね?
学校案内か、いいよ、そのくらいならお安い御用。」

そういえば、彼は建物を見て回っている途中だったか。
地図を見ながらも迷っているようだったし、軽く案内ぐらいはしてもいいかもしれない。

「うんうん、頑張ってる人は応援するのが私の主義だしね。

おっと…ありがと。
じゃー私の連絡先も渡しておくね。
テストとか勉強で分からない事があれば力になれると思うから。」

スマホを此方も取り出し、ぽちぽちと連絡先を交換するだろう。

瑞杜 衛士 > 「お、ありがてえ…!
 勉強からっきしだからなー、すげえ手かりると思うぜ!」

ぐっ
ぐっ、じゃないが。

そうこうして連絡先を交換して…

「そんじゃ、またな!」

そういって、図書館から出ると外から元気に君に別れの言葉を言い
そのまま帰路へとつくだろう…

ご案内:「図書館 閲覧室」から瑞杜 衛士さんが去りました。
楠間 和泉 >  
「座学には自信があるからね!」

ぐっとサムズアップを返す。
なんとなく通じてるし多分いいのだと思う。

「ん、確かに。
じゃーまたねー!」

少しだけ図書館ではあるが気持ち声の音量をあげて、彼が去るのを見送るだろう。

ご案内:「図書館 閲覧室」から楠間 和泉さんが去りました。