2020/07/09 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」にレナードさんが現れました。
レナード > 「んー…………」

寝てる。

図書館は冷房が効いており、長時間過ごすならうってつけである。
このクソ暑い時期を如何様に過ごすかで心の持ちようが変わってくるため、
こういう施設は本来の用途とは別に遠慮なく使っていく…そのつもりで来たのだ。

「すー………、んぅ………」

そんなわけで彼は、ソファの上を陣取って、堂々と寝入っていた。
すぴー、すかーと規則正しい寝息なんか立てちゃうその様は、
多少の悪戯なんかじゃ起きないくらいに、そりゃもう心地よさそうに寝入っていたのだった。

ご案内:「図書館 閲覧室」に藤巳陽菜さんが現れました。
藤巳陽菜 > 自宅ではどうにも勉強ができない…家にはあまりにも誘惑が多い。
テストも目前に迫っているというのにどうしても集中できない。
そんな陽菜にとってこの冷房の効いた図書館はありがたい施設であった。
参考書を持って座るための席を探すと一人の少年がソファーを占有しているのが目に入る。

テスト前なのに大丈夫なのかという余計な心配と、ズルいという素直な気持ちを混ぜ合いながらそれに視線を向ける。

「すごい寝てる…。」

…すごい寝てる。

レナード > 「……ん…」

ぴくん、と瞼が動く。
元々、外で寝ることが多かったものだから、寝ていても周りの気配には敏感だった。
それ故、人の足音程度なら知ってて無視することが大半なのだけれども、
どうにもその声が傍に寄るまでに、足音みたいなものが聞こえた覚えがない。
…飛んできたというなら話は別だが、ここは屋内…考え難い。

「……くぁ、あぁぁ……」

なので、起きることにした。誰が来たのか、気になったから。
大きな欠伸をしながら、ぐーっと腕を天に掲げるように伸びをした。

藤巳陽菜 > 足が生えていないのに足音がするはずもない。
聞こえるのは何かが擦れる音、蛇が這うほどの微かな音。

「あっごめんなさい。起こしてしまったかしら…あの…気持ちよさそうに寝てるなあって思って…。」

恐らくつぶやいた一言のせいで起こしてしまったのだろう…。
申し訳ない気持ちと図書館で寝てるほうが悪いから起こされて当然だなあという気持ちが混ざっている。

…向こうの方の図書委員もやっと起きたかみたいな目で見てる。

レナード > 「………。」

ぽけー…っと寝ぼけ眼が彼女を捉える。
上を見て、下を見て、上…やっぱ下を見て、納得したように頷いた。
驚きもしないのは、どこかしら、親近感みたいなものを持ったゆえか。
少なくとも、図書館ではお静かにというルールが頭にあったからではないだろう。

「や、気にしないでいいし。
 足音もしねーから、誰かなと思ったわけ。
 …少し驚いたけど、そういう身体なら納得だし。」

ぐい、ぐい、首を左右に倒して、眠気を払い、そうしてソファに座り直す。
寝転んたままの対応は無作法だと、この期に及んでそう考えてはいるらしい。
図書委員の白い眼差しは、もう慣れてた。

藤巳陽菜 > この少年は多分慣れているのだろう。
この島で慣れたのか元居た場所がそういう場所だったかは分からないけど…

「足がないから足音しないほうが自然だものね…。」

図書委員は既に諦めモード…この試験前の図書館は普段と比べて音の数があまりに多い
それでも図書委員の方を気にして小さ目の声で話してしまう。

レナード > 「足音がしないやつは他にもいたし、飛んでくるやつとか……
 でも、ここは屋内だったから、おめーみたいなのは初体験だし。
 こういうこともあるって、覚えとくし。」

辺りを見回す。やはり、人の数が多い。そんな中で堂々と寝ていたワケで。
今更気にするようなことはないのだけれど、どうにも話をしている彼女の声が小さい気がした。
誰かに、というか、図書委員に気を遣ってるのかな。なんて、考えたりして。

「…ま、自然なんてのは人によりけりだし。
 気にしない方が、心が楽だし?」

少し顔を彼女の方へ寄せると、耳の傍でぽそ、ぽそ…と。
ちょっと過剰なくらいに、音を小さくしてみたりして。

藤巳陽菜 > 「…どんな状況で生きてきたのよ。」

この世界で普通に暮らしていた陽菜にはイメージできないほどのかなり過酷な状況で暮らしてきたのかもしれない。
見た感じ小学生か或いは中学生かぐらいだというのに…

「…っ何が自然とか考えてると確かに疲れるけど!」

流石にそこまで顔を近づけられると驚いて上体を逃がす。
声も思わずちょっと大きくなる。
…図書委員の視線が刺さる。怖い。

「コホン…あなたは勉強とかしなくて大丈夫なの?」

無理に咳払いして話題を露骨にそらしていく。
普通のヒソヒソとした感じ声。

レナード > 「くふふん。」

反応は、いたって普通の人間のそれ。
つい声が大きくなったことを気にしてる様子が、何とも面白くて。
こちらも思わず、悪戯っぽく笑ってしまったり。

「……僕?
 まあ、まあ…自分の目標を目指しつつも……その、
 気分転換ってのも大事だと思うわけ。」

自分のことになると、途端に弱くなった。
どもりとか、浮ついた視線とか、明らかにその辺がおろそかになってる雰囲気だった。

藤巳陽菜 > 笑われれば大人げなくムッとする。
相手は中学生だというのに…。

「絶対まともにやってない人の反応よそれ…。」

母親に対して陽菜もそんな風に言ってた。
懐かしくなって思わず少し笑ってしまう。

「この学校に入ったからって勉強おろそかにするのは駄目よ。
 勉強以外にもやる事いっぱいあるのは分かるけど先の事考えたら勉強もしないと…。」

そう先の事。陽菜にとっては自らの異能が解決した未来の事。
実際たどり着くかは分からないけどたどり着いたとき行き先がないのでは困ってしまう。

レナード > 「むぐぐぐぐ…っ………」

まともにやってない。おろそかにするのはだめ。
適切な状況説明に、こちらはぐうの音も出ない。
ちょっと得意になってたさっきの状況と比べて、まるで一転してしまった。

「……まあ、この世界は学べることが多いし……
 でもまあ、なんだし。今はその時じゃないわけ!」

割と強引に、自分のやりたいことを優先するのだと主張してみる。
…そんな態度に出るから中学生に見られるのだけれど、気にしてないようだ。

「ていうか、おめーこそ、ここに何しに来たわけ?
 やっぱ周りの連中と同じで、勉強しにきたってーわけ?」

藤巳陽菜 > やっぱり他の世界の人なのか…その年齢でこっちに来てしまったのだから
色々と疲れるし勉強より大事なこともたくさんあるだろう…ちょっと配慮がなかったかも…
でも、だからこそ勉強も大事なのでは?

「試験の前日がその時じゃ無かったらいつがその時なのよ…。」

間違いなく今がそのときだろう。

「私は試験勉強よ。
 …最近ちょっとバイトにかまけすぎててちゃんと勉強しとかないとあれなわけよ。」

人の事あんまり言えないのではないだろうか?

レナード > 「その時は……僕の気が向いた時だし!」

得意げに胸を張って、堂々と言い放った。
多分だめだろう。

「……へぇー。
 なぁんだし、おめーだってちゃんとやってねーじゃん。」

にやにや、じー。自分のことは棚に上げて、彼女の境遇を茶化し始めた。
というより、こちらに集中されると針の筵に座らされる気分だから…という側面の方が強そうだ。

藤巳陽菜 > 「…絶対、いつまでたっても気が向かないでしょ。」

いざ気が向いたら凄いかもしれないがそれはそれ。
恐らく、怠惰の言い訳だろう…そうだろう。

「うるさいわね!私の計画通りならもっといい感じでこの試験に臨んでたはずなのよ!」

思わずご飯を食べすぎたり、甘味を食べすぎたり、この蛇の身体故に学校の備品を壊してしまったり、お菓子買いすぎたり
あと、デパートがオープンしてセールしたりしなければ…。

「どうして、どうしてこんなことに…。」

備品破損について情状酌量の余地はあるが他は自業自得である。

レナード > 「………ま、なんだし。
 世の中いろいろだし、目の前に誘惑が蔓延って集中できねーなんてよくあることだし。」

彼女の心の叫びに、うん、うんと頷きながら。
どの立場で言ってるんだろう。
ただ、自分と同じように色んな誘惑に負けたクチなんだろうなーとか、そんな雰囲気を感じてはいるようだ。

「……そういうときは、アレだし。
 潔く、結果を受け入れるに限るし……」

そしてこの答えである。死なば諸共だと遠回しに言ってのけた。
自分も死ぬのを半ば受け入れてる奴の顔である。

「……ところでおめー、見たとこ身体の下半分が蛇のそれって感じなわけ?」

そして、とうとうというべきか、なんというか、ようやっとその話題に触れたのだった。