2020/07/17 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」にレナードさんが現れました。
■レナード > やってきた。
拠点に戻ったのはいいのだけれども、手持無沙汰になってついつい来てしまった。
そんなわけで昨日とは打って変わって、眼に光を灯した少年がソファに座って読書に耽っている。
読み物はどうやら、筋トレなどの肉体改造に関するものだろうか。
…割とキャッチーなタイトルであるから、専門的なことの記されたものではなさそうだが。
「……ああ、今度は…ちゃんと読めるし……
内容が……文字が、頭に入ってくる………!」
それ以前に、今の自分は本がまともに読める…そのことに、彼は辺りも憚らずに感動を覚えていた。
こんな時間だから人は少ないのだろうけども、きっと周りからすれば奇妙なやつに映ってるかもしれない。
そもそも今は私服だから、目立ってしょうがない。
■レナード > 「………でもなあ。
身体鍛えようにも、この身体って成長しないわけだし……」
読んでいて、ふと気が付いたのは自身の呪いに関することで。
不老であり、この年齢より先には歳が進まない呪いは、
肉体の時間的な保存を為す…即ち肉体の成長をも阻んでいることに他ならなかった。
身体の重大な欠損などがない限りは、呪いを解くか子供をつくるかしないと、この身体は永遠にこのままだ。
「……ぶっちゃけ、本気で身体鍛えても無駄なの思い出したし…」
本を閉じ、今度は大きくため息を吐いた。
感情の振れ幅がでかい。
■レナード > 背もたれに身体を委ね、顎を上げる。
天井から差す白色の光が眩しくてつい、眼を瞑る様にして。
…簡単に、誰かを護れるくらいに強くなれるとは思っていない。
だが、だからといって身体を動かさずにはいられない。
止まっちゃいけない気がしてならなくて、ついこうしてやってきてしまったのだから。
「……はぁー………
強くなるのって難しいしー………」
なんて、目を瞑りながらこんな弱音を吐露するくらい、
今の彼は言いようのない感情に背中を蹴られていた。
■レナード > 「………もっと簡単に手を付けられそうなもの………」
ぼんやりと、明かりに照らされながら考える。
力をつけるという点で、何がとっかかりになりそうか、自分の短所を補えそうか。
…この常世という世界だからこそ、自分が成長できる方法はないか。
「……………。」
眼をゆっくりと開く。
蛍光灯の明かりが、今も自分を燦燦と照らしている。
…こんな夜も更けた状況に関わらず、その明かりは尽きることなく、安定して、電気を光に変えてこの身を照らしている。
「……………電気だ…」
以前、ここで発電に纏わる本を見ていたが、この常世の世界では魔術等をそのままエネルギーに使ってはいない。
大変容前と変わらず電力が使われているはずだ。
そして、風力発電や潮力発電を行う設備はあっても、それ以外に大きなリソースを為す電力が何かは明らかにされていない。
本で読んだから分かるが、大変容前の設備だとすると非常に不安定な電力供給元としてしか運用ができないシロモノだ。
つまり、この常世島においてベース電源となる発電手法は別にあり、火力や原子力といった旧世紀の設備が
表立って存在しないように見える状況からすれば、大変容後に"安定供給可能な発電手法"が発明された可能性がある。
「僕の異能を、発電方面において集中強化する………
この常世だからできる…科学的なアプローチで……!」
■レナード > 「餅は餅屋………
こういう技術を知ってそうなのは、研究所なわけ……」
生憎、研究所にコネはない。
だが、自分がそういう異能を持っていると話せば、聞く耳は持ってくれるだろうか。
「……上等だし、使えるもんはなんだって使ってやる……
身体を調べられてもかまわねーから、この際うぃんうぃんな関係になってやるし………」
方針が、決まった。
ソファの背もたれから、身体をぐいと起こす。
こんな時間にも関わらず、不思議と気分は晴れやかなもので、その場でぐーっと伸びをして。
「………よし。」
ぱん、ぱん、自分の頬を何度か掌で叩く。
目が冴える…簡易な気付けにはなった。
明日から、きっと忙しくなるだろう。
「…とりあえずこれ返して、今日は引き上げるし。」
手元に残った筋トレの本だけちゃっかり返して、少年は引きあげたという。
ご案内:「図書館 閲覧室」からレナードさんが去りました。