2020/06/14 のログ
ご案内:「大時計塔」に雪城 氷架さんが現れました。
ご案内:「大時計塔」に烏丸 九郎さんが現れました。
■雪城 氷架 >
吹き込む涼しげな風
日差しは強いけれど、踊り場には丁度よい影
ひんやりとした、整備されたコンクリート
学生は立入禁止
何がいいたいかといえば、こんなにサボりに適した場所はないということで
「───……」
今日も銀髪の少女がツインテを吹き込む風に揺らして、すやすやと眠っている
■烏丸 九郎 > 少女が眠る時計塔。
そんなことは知らない何者かは階段をカンカンと鳴らし塔を上がる。
その頂上、たどり着けば吹き抜ける風。
「んーーー…久しぶりだが…いい風じゃねぇか!」
制服のズボンと白い半袖のワイシャツを着崩した
赤いメッシュ髪の男。
その手にはベースギターが携えられている。
眠る少女に気づかぬまま、男はそれをかき鳴らした。
■雪城 氷架 >
───
風と共に、耳に入ってくる音色
アンプには繋いでいないだろうから、それはむしろ小気味好い金属線の弾ける音だった、だろうが
薄ぼんやりと開かれる蒼い瞳
まあそれでも起きるよね、といった具合で
「…うっさ」
ぼそ、と零すように出る
寝起き一発めの言葉
■烏丸 九郎 > 「やっぱアンプがねーと俺の声に負けちまうな。
背負って歩くか?いっそ。
電気どうすっかな、電気」
もちろん、ベース特有の低音ではない。
じゃらーんと弦の振動する音だけ。
だがそれでも楽しげに笑い…
歌い始める。
少女が起きたことにはまだ気づいていない。
「~~~~~♪」
歌うことに夢中だ!ひとりなのに!
■雪城 氷架 >
さて一方で叩き起こされたに等しい少女としては、何歌ってんだコイツ、になるわけである
差し込む逆光で姿こそよく見えないものの、安眠を邪魔した存在には変わりなく
「─…おーい。ここは寝に来る場所なんだけど!」
もちろんそんな事実はなく勝手に氷架が寝る場所にしているだけだが
■烏丸 九郎 > 「~~~♪…んあ?
何いってんだここベッドなんてねーぜ?」
声をかけられると声の主の方へと向き直り
再度ジャラーンと弦をかき鳴らす。
だが、その声を聞いたのだから…その少女が何者なのか。
こちらにはわかる。
「つか、ねてんじゃネーよ。お前が歌わなくてどーすんだ
氷架よぉ」
■雪城 氷架 >
「私が寝に来てるんだから寝る場所、くぁ…───」
整った顔立ちに似合わぬ大欠伸
んーっと両手と背筋を伸ばして、ゆっくりと立ち上がる
「歌うって何の話だよ。つーかなんで名前…んん?」
ねぼけまなこがようやく逆光に慣れて
「……あー!!お前!九郎!!
どこ行ってたんだよ人を軽音部に誘うだけ誘っといて!!」
■烏丸 九郎 > 眠そうな氷架に対して、かっかと笑い
目覚ましのためか弦をかき鳴らし続ける。
「歌うって…あたりまえだろうが。
お前は俺と音界を支配するんだからよ」
きゅっと弦の振動をとめてから
少女の驚いたような声に顔を上げる。
そして歌うように高らかに。
「おう、この!音界の覇者となる男!!
俺の名を忘れてなかったようだな。ま、ちょっと修行にいってた」
何故かドヤ顔
■雪城 氷架 >
「あー…そのテンションとノリ……間違いなく九郎だわ」
座って壁に寄りかかって寝ていたとはいわ僅かに乱れた髪を手櫛で整えながら、じっとりした視線を向けて
「修行~?行くなら行くで一声かけてからいけよな…」
はーっと溜息
自分を誘った張本人がいなくなって、なんとなく部室なんかにも顔を出しづらくなっていたところである
■烏丸 九郎 > 「お前も、そのテンションは間違いなく氷架だな。
まぁ、俺はお前の声を聞き違えたりはしねーが」
なんせ耳には自信がある。
なぜなら音界の覇者となる男だからだ。
じっとりとした視線も気にしない。
「そうだ。修行だ。
俺は俺の歌が通じねぇやつがいると知った…
俺の歌で感情を揺さぶられねぇやつがいると…俺は力不足を感じた。
音界の覇者になるこの俺がこんなことじゃ、お前に並び立てねぇってな。
だからそう、俺は単身チベットへと向かった」
彼女の気持ちも知らず、べいーんとベースをかき鳴らす
■雪城 氷架 >
「なんで音楽の修行でチベットに行くんだよ…」
そこはアメリカだとかじゃないのか
相変わらずの頭が悪そうな会話に、ますますジト目が強くなる
「…で、帰ってきたってことは収穫あったのか?」
はふ、とまだ出てくる小さな欠伸を噛み殺して、そう尋ねる
人を叩き起こしたことを全く気にしないその様子にはもはや突っ込んでも仕方がなさそうだった
■烏丸 九郎 > 「お前わかってねーな。
修行っつったらチベットなんだよ。
まぁ、アメリカにも行ったが」
方向メッチャクチャなのは気にしてはいけない。
実際に世界中をウロウロしてきているのだから。
まるで弾き語りのように弦を弾く。
「おう、バッチリだぜ。なんなら帰国第一号で俺の歌を聴かせてやっても…
……さっき聴いたか。まぁいいや、もっかい聴け」
■雪城 氷架 >
「(わかるわけねーだろ)」
内心でツッコミつつ、言っても無駄そうなので口には出さない
「あのな、私ここに寝に来てんだけど…ああもう、好きに歌え」
だめだこいつ
相変わらずすぎる様子にもはや苦笑してしまうレベルだ
壁に寄りかかって、まあせっかく修行してきたという歌を独占的に聞けるなら、それもそれで悪くない気がして
■烏丸 九郎 > 「いいじゃねぇか。そうだな、子守唄にでもすりゃ丁度いい。
なんならお前が歌ってもいいぜ?
俺がいねー間、お前がどんだけ歌を磨いてきたかきいてみてーしな」
びしっと指差して、来いよ!と誘ってみる。
まぁ、氷架のテンションを見れば
乗ってくるとは思えないのだろうが…そんなことは関係ない。
「俺はいつでも好きに歌ってるぜ!
歌わされて歌う俺なんて俺じゃねぇ!
歌わされる前に歌うのが俺だからな」
そして声も高らかに歌声が響く。
音量そのものが大きいが穏やかな旋律。
■雪城 氷架 >
「悪いけどお前がいねーから歌ってない。まぁカラオケくらいは行ったかな…まみこと」
ようやく目の前の男子のテンションに身体が追いついてきた
少しだけ、だけど
「………」
そして変わらぬ、どこか力強さを増したような歌声を聞く
子守唄になるかどうかは怪しいものの、不快感なんて当然存在しない
音界の覇者、なんて宣うだけのことはある
異能はある意味、神様の授けたとびっきりの才能であり玩具なのだと改めて思うくらいに──
■烏丸 九郎 > 「はー?ばっかやろう、それじゃ俺が修行に行った意味がねぇじゃねぇか!
けーおん部、人いたけどお前がやってたんじゃなかったのか。
鍛え直しだな、まぁ、お前ならすぐ俺のレベルにおいつけんだろ」
歌の合間に少女が歌ってないと聞かされれば
なんで歌ってないんだ?って顔をする。
しかし、すぐに笑って。
「~~~♪」
深く、強い声。
耳に届く声はゆったりと流れるように空に溶けていく。
以前の歌に比べれば…それを覚えていればその違いに気づくかもしれない。
音に愛され、音を愛する者として、少女一人のために歌を紡ぐ。
「なんだ、寝ねぇのか?」
■雪城 氷架 >
「異能まわりの講義も大変なんだよ。お前みたく歌ばっかりってわけにはいかないの」
まぁ、こう言ったところでそれで納得するタイプじゃないのは重々、だけれど
それに声を褒められた時は、悪い気もしなかった
ついつい乗せられて、バイト代でギターも買って…
「や、なんか寝るの勿体ないなって」
気付けば隣に座り込んで、聞き入っていた
■烏丸 九郎 > 「まー、そりゃいい。講義とかメンドーなのは知ってるしな。
そういや後で俺がいない間の講義のノート見せてくれよ。
補修の間歌えねーとかありえねーし。
それはそうと、ちゃんと歌えよ?お前の声は世界に通用すんだからよ。
こんなトコの!こんなちっぽけな講義なんぞで埋もれさせるなんて俺が許さねー!」
少女の言い分も聞きつつ、けっきょく彼女が思うように納得などしない。
ジャラーンと弦を鳴らすと少し不満げにベースを見下ろす。
ポータブルアンプでもかってくればよかったというふうに。
「はーん、じゃ、せっかくだ。
もうちょっと聴かせてやるから…そうだな
寝ねぇなら歌え」
隣に座る少女にさらに歌声を送る。
カモンカモンと手まねきをしつつだが。
■雪城 氷架 >
「全部写したヤツだけどいいか?」
苦笑しながらそう返す
こんなところでサボってるような少女がまともに自分でノートを取るわけがない
「カラオケでちょっと聞かせただけだってのに大げさなヤツだな……はぁ?歌えって、そんなテンションじゃないんだけど」
言いつつ、強引なヤツなのは重々承知なので、やれやれ仕方ない、と腰あげ並び立って
■烏丸 九郎 > 「かまわねーよ。白紙よかましだぜ」
写してるだけまし。
こちらはチベットに行ってたのだからサボるどころの騒ぎではない。
それに少女がサボりのように、この男もまた、旅に出る以前からサボり常習犯だったのだから。
「そうだ、歌え歌え。寝ねぇならな。
テンションなんて歌ってりゃ上がってくるぜ。
あと、俺は音界の覇者だぜ?
ちょっとききゃ、その声がどんなもんか俺にはわかる
俺はお前の声に惚れたって言っただろうが。だからお前は世界をとれる!」
並び立つ少女をリードするように
旋律を紡ぎつつ、徐々に音圧を上げていく。
■雪城 氷架 >
「(別に世界とろうとか思ってもいないんだけどなー…)」
そう言えば初めて歌声を聞かせた時もこんなテンションだった気がする
流れてくる旋律
まるで引き寄せられるように、自然に声を出すタイミングを報せてくれるそれに乗せて
まったく、寝起きだって言うのに、声が満足に出るかどうか
そんなことを思いつつも小さなハミングを乗せて、ややしてから…透き通る硝子のような、繊細な歌声をそのリズムへと乗せる
どこか儚いような、壊れやすい薄氷のような──そんなイメージを与える声
■烏丸 九郎 > こちらに文句を言いつつも、乗ってくる。
乗ってこい乗ってこいと手で合図しながら
氷架がハミングから、はっきりとした歌声へと変われば
一旦彼女へと歌を任せる。
「お、いいじゃねぇか。
歌ってなかったってわりにゃなまってねぇな!!
よぉし…」
その歌声に満足気にうなずいて再び歌い出す。
今度はパワーのある歌声ではない。
彼女に合わせた透明感のある声
そして、その薄氷を裏から支えるようなはっきりとした骨子ある歌声だ。
■雪城 氷架 >
強引に乗せられるようにされた、だけだったけれど
こうやって声を出すのは気持ちがいい
後押しのような声に押されて、自分の声にもやや力が篭もって
まったくやることなすこと、歌でもその姿勢は変わらないなと思いながら──
■烏丸 九郎 > 「はっ!やっぱ、お前の歌声は最高だ!
俺の認めた歌だ!!」
弦をかき鳴らすだけでは勿体ない。
やはりポータブルアンプでもなんでも持ち歩くべきだった。
それ以上に、この歌声の持ち主が今まで歌ってなかったというのが勿体ない。
自分がいなくとも、彼女であれば軽音部で大成できただろうに。
歌も佳境に入って、最後はこちらはコーラスパートに。
彼女にメインを任せ、歌いきればシメにと弦をかき鳴らす。
■雪城 氷架 >
特別に歌が好きだったわけでもないし
これといって歌うことが好きだったわけでもない
ただ歌声を褒められるのは悪い気もしないし、
声を出すこと自体はとても気持ちがいい──
「……ふぅ」
演奏が終われば、やや疲れ気味に一息
相変わらず、体力面は問題があるものの、もって生まれた声の質は、九郎少年が認めたそれとは変わりがない
■烏丸 九郎 > 「いやー、よかったぜ?
ってかなんだよ、やっぱ歌ってたんじゃねぇか?
なまってるかと思ったら、そんなことねーじゃねぇか」
歌い終わればベースの腹を叩いて拍手の代わりにする。
体力的なところを見れば前と変わりはない。
歌いこんでいないのだろうが
声質そのものは以前同様、自分が惚れ込んだ声だった。
「そういや、氷架、おまえどうすんだ?
俺軽音部なんかやめたことになっててよ…
まぁ、いま軽音部は軽音部でやってるみてーだしよ」
じぶんはまぁ、歌えれば軽音部じゃなくても問題はない。
フラフラとそこらでゲリラ的に勝手に歌っているだろう。
■雪城 氷架 >
「別に歌ってたってほどでもないけどなー…。
…まぁいきなり数ヶ月消息不明になれば除名もされるだろ…私も幽霊部員気味だしなー」
ギターの練習なんて、とんとやってない
そもそも教えるヤツがいなくなっていたし
「お前が何かやるなら、付き合ってやってもいいけど?」
■烏丸 九郎 > 「じゃあしかたねぇな…
他人のハコ借りるなんざ俺らしくねぇ。
なんかやるか。部っつーか、俺達の楽団(バンド)ってやつをよ」
氷架が思いの外ノリ気な様子を見せたことに気を良くする。
いつもローテンションな彼女のことだ。
もっと渋るかと思っていたのだから。
「ガッコに申請すんのってなんとか部ってしなきゃなんねーんだっけ?」
■雪城 氷架 >
「いや、暇つぶしでいいなら付き合ってやるって程度だからな?勘違いするなよ…?」
音界の覇者を目指すとかいってる大きな夢をもつ男子
それにたっぷり付き合ってたらまともに学生できる気がしない
そもそも自分はそこまで大きな野望をもてる気もしない
「さあ…知らない。多分そうなんじゃないか?」
そのへんの情報にはほとほと疎い
学生活動として認可を得るなら、部活として申請するのが良いのだろうけど
人を他にも集めるのなら、そっちのほうがやりやすそうだ
■烏丸 九郎 > 「わかってるわかってる、暇になんてさせねぇから安心しな。
このままトップまで駆け上がってくんだからよ」
少女の気を知ってか知らずか、カラカラと笑う。
彼女がどう思おうと、この男は彼女を引っ張り上げるだろう。
自分と肩を並べる歌声を持つのは彼女だけだと確信しているのだから。
「なんかいい名前あるか?アイシクルクロウ部?
スノーレイヴン部?…ピンとこねぇな……」
部の名前にするにはあまりにもあまりなネーミング。
わりと真剣に悩んでいるためほっとくとこの系統で決まりかねない。
■雪城 氷架 >
「(忙しいのは忙しいのでごめんなんだけどなあ)」
まぁ何か何を言っても強引にもっていかれるのは目に見えてるので口にはしないが
…どのみち自分の性分だと、誰かに引っ張られでもしなければ怠惰に過ごすことが多い気もするし、それもいいかと
「…え、だっさ。なにそれバンドの名前じゃないんだから…」
バンドの名前としても酷い気がするが
■烏丸 九郎 > 「は?ばかやろう、バンドの名前に決まってんだろ」
部の名前兼バンドの名前…
そして案の定ネーミングセンスはなかった模様。
似たような名前を更にいくつか述べるものの
いわゆるダサいと感じるものばかりだろう。
「だからお前もなんか出せって。こう、なんかねーと申請できねーだろ。多分」
彼女と同じく、学園のシステムに関してはさっぱりだった。
■雪城 氷架 >
「えー……唐突にそんなこと言われても浮かぶかよ」
しかも本気でバンドの名前をそのまま部の名前にするつもりだったとは
「なんかどういう活動してる部かわかるような名前のがいいんじゃねーの…?音撃部とかさ…」
こっちはこっちで雑なアイデアしか浮かばない
このあたりのセンスがないのは致命的では…?
■烏丸 九郎 > 「そういうもんなのか?めんどくせぇな、部活…
軽音って名前つかえねーと悩んじまうな…」
どういう活動をしているか。
音撃部とはいうものの、それでなにしているのかわかるかは…
正直謎だ。
お互いそれらのセンスが無いことだけがわかったが…
「音界覇道爆進部…?」
ひらめいた!というような表情でつぶやく。
ひらめいた、ではないが。
氷架がツッコミを入れれば音撃部あたりでとどまるだろう、おそらく。
■雪城 氷架 >
「(うわーダセえー…)」
とは思ったものの自分が良い名前を出せるかと言うと絶対無理だ
そして今しがた出た名前以上のアイデアとインパクトを出せと言われたら多分絶対に出ない
「それでいいんじゃないかな」
わかりやすいし、と頷いた
本当にそれでいいのか
■烏丸 九郎 > 「よっしゃ!決まりだな!
名は体を表すって言うしぴったりじゃねぇか!」
満足気にうなずく。
もはやインパクト全振りの部名となってしまったが
ツッコミ不在である今コレで決定してしまうだろう。
「決まったら善は回れだな。いこうぜ!
えーと、どこだっけか
…しばらくぶりだから忘れちまったが…まぁ、いこうぜ!!」
氷架の手をつかみ強引に引きずっていくだろう。
抵抗しなければ。そして、設立するだろう。
二人で
音界覇道爆進部を。
■雪城 氷架 >
「はいはい、決まりでいいよ…っておい、私まだサボってたいんだけど──」
ぱっと手を掴まれて、引っ張られていく
抵抗しようにもまあ無理、言ってダメなのも理解済み
また賑やかなのが帰ってきたな、と実感しながら手を引かれるままに時計塔を出ていくのでした
ご案内:「大時計塔」から烏丸 九郎さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から雪城 氷架さんが去りました。