2020/08/13 のログ
ご案内:「大時計塔」に真乃 真さんが現れました。
■真乃 真 > 「なんとか…なったな!!!!」
最後の文面を送り終え、大きくため息一つ。
やり終えた疲労感と確かな満足感…。
鞄からタオル(普通のタオル)を取り出して額の汗をぬぐう。
「改めて見ても!いやあ変わったね!この島も!!」
巨大なデパートに加えていつでもいつも区画の整備や改築が行われている
常に新しい空気が入ってくる。
それが一望できるお気に入りの場所。
■真乃 真 > ここまで高ければ下の熱気も嘘のようにとまではいかないが……控えめに涼しい!!
「……学生時代は全く気にしてなかったけど今は立ち入り禁止のここにいるのヤバい気がするね!」
大丈夫なのか社会人。
会社に連絡いかないのか社会人。
連絡がいってしまった時は、いってしまった時!!
……文書で済むように祈っておこう!!!
「いや、流石にこんな時間にここに人が来るなんてあんまりないか……!!」
首にかけた短いタオルをなびかせて久しぶりの夜の風を受ける。
■真乃 真 > ……何度も登った時計塔。
風紀委員時代に見回りの為に初めて登ってそこから見える景色に言葉を失ったのが初めてで…。、
学生街を歩いていてその高い姿が目に入るたびに…ヨシ、登ろう。と登ったり。
クリスマスに一人でイルミネーションを見るために上って上にカップルがいて気まずくて下りたり。
風が浴びたくて、登ってそのまま勢いで飛び降りたり。
「……ろくな理由で登ってないなあ!!!」
今も同じ。高さを…高いところに行きたくて登ってしまった。
相も変わらず、煙と真は高いところがすき。
■真乃 真 > ……この短いタオルではあんまりかっこは付かないけれど
無駄にかっこいいポーズをとる。
「……ああ、そうこの感じ懐かしい。懐かしいなあ!」
調子にのって鞄から白くて長いそのタオル。
真乃真のトレードマークとも言えるそれを久しぶりに首に巻いてみる。
「……重いな。学生時代の僕、正気か??」
ずしりと重い首回り。
いや、若くないわけじゃない…全然若い…22歳は全然若い!!
■真乃 真 > 武器で防具でそして証。
白くて、長くて、重くて、長い。
汗と涙は材質上それほど染み込んではないけれど…。
ずっと身に着けていたそのタオル…スーツ姿にはちょっと似合わないかもしれない。
一番高い塔の上から今の常世をを見下ろして、今の真がまだ知らないこの学園を見下ろして。
……このスーツとタオルの組み合わせではあんまりかっこは付かないけれど
無駄にかっこいいポーズをとる。
「さあ!明日からもがんばるか!」
明日になっても未だに会社はお休みだ元々仕事は多くない。
ならば何をがんばるのか色々だ!そう色々がんばる!
ご案内:「大時計塔」に龍宮 鋼さんが現れました。
■龍宮 鋼 >
常世大ホールでの激闘を終え、風にでもあたるか、と立ち入り禁止の時計塔へやってきた。
長い長い階段を息一つ切らさず登り切り、扉を開けて、
「――オイオイオイ」
学生服はスーツに、長いタオルは短くなっていたけれど。
見間違えるわけがない。
そのヒーローのような大げさなポーズを、見間違えるわけがない。
「随分長い「里帰り」だったじゃねぇか、オイ! なぁ常世のヒーロー!!」
彼に近付き、がっしとその長身の肩へ腕を回そうと。
■真乃 真 > 満足するまでポーズを決めれば異様に長いそのタオルを綺麗に畳んで鞄に収めて…。
自分が見ていたヒーローのテーマソングを歌いながら長い階段を降りていく。
「あああ!!!龍宮さん鋼さんじゃあないか!!!
久しぶり!!!元気だったかい!?今も皆と仲良くやってる!?」
聞き覚えのある声。
見覚えのあるその姿。
「ただいまって言うべきかな?だろうね!帰ってきたよこの島に!
ああ、何か懐かしいねその呼び方…ちょっと涙出てきたよ!」
短いタオルで自分の目元をぬぐいぬぐい、ぬぐいながら。
そのまま、肩に腕を回される形になる。
■龍宮 鋼 >
「ッハー!! 何泣いてやがるヒーロー!!」
タオルで目元を拭う彼の姿に大声で笑いながら、彼の腹を拳で叩く。
ボスボスボス。
「ったりめーだ。ヤスに教えりゃ泣いて喜ぶだろうよ。ヒーローのご帰還をよ!!」
彼の恰好は変わったけれど、その声も喋り方もあの時のままだ。
いや声はちょっと変わったか?
まぁいいや、とにかく彼には変わりない。
ボスボスボスボス。
■真乃 真 > 「いや、こっち来てから知ってる人に会うの初めてで…相変わらず手ェ硬いな君は!」
腹に入る拳の一発、一発が痛くて重い!
本気だったら今頃真は時計塔の外に飛び出しているのでじゃれつくような強さだろうが。
そうだ、この感じ本土では味わえなかったこのダメージ!
「良かった!皆元気なんだね!嬉しくなるなあ!!」
思い出すのは鋼の弟分たち。
常世祭でその出店を手伝った彼ら…そっか元気か!!
「ハハハ!そうかあ…そうかあ。うん!!」
一度思い出を噛みしめて…ボスボスボスボス。
…あっやっぱり痛い!骨に!骨に当たってる!
だが、真はそんな様子はまあ見せない!それが強さ!!
「ひとまずは皆元気で良かったよ!!何か変わった事とかあった?」
■龍宮 鋼 >
とりあえずひとしきり腹を殴って満足したのか彼を開放する。
「あー、変わったことなぁ。なんかトゥルーバイトがどうとか、光の柱がどうとかあったわ」
彼が居たら真っ先に首を突っ込んでいそうな。
とは言えそれらも全て解決し、常世島はまぁまぁ平和である。
「あとはなーんもねーよ。落第街は相変わらずだし、風紀の連中も――あー、まぁ多少は話せるヤツも増えた、か?」
■真乃 真 > 「トゥルーバイトと光の柱かあ…く!気になるなあ!!
光の柱って響きだけでもうカッコよさそうじゃあないか!」
もう終わった事でも気になる。
そして、名前も何となくカッコいい…カッコいいのだ!!
「そうかあ!やっぱり平和が一番だね!
そうか、龍宮さんが風紀委員とも仲良く…。」
多分、最初に拳と拳で殴り合って意気投合したのだろう。
肉体派の風紀委員に違いない!
「あっそうだ!ちょっとこれ見てくれよ!ほら!!」
無駄にカッコつけたポーズから取り出されるのは自身の名刺。
有限会社 ゲートコネクト 常世学園支部 真乃真
「今務めてる場所の名刺さ!名刺って持ってるの何かカッコいいよね!」
無駄にかっこいいポーズで言う。
■龍宮 鋼 >
「当時の新聞でも読みゃ乗ってんじゃねぇのか」
図書館辺りに行けばあるだろう。
関わることはできないが、情報を得ることは出来るはずだ。
「バーカ勘違いしてんじゃねぇよ、風紀委員の中にも話わかるやつがいるってだけだ」
風紀は嫌いだが、個人として気持ちがいい奴は嫌いじゃない、と言うだけだ。
基本的な風紀嫌いは治っていない。
「あ?」
そして出される名刺。
受け取れば、何やらどこかで聞いたことがあるような名前。
「――あー、異邦人街で買い付けしてる会社か。なんだオマエ、ココの社員なったんか」
わざわざ社会の歯車になるとは奇特なやつだな、なんてぼそりと漏らして。
■真乃 真 > 「なるほど新聞に載ってるのなら結構大ごとだね!見て見るよ!!」
ピンからキリまである常世の新聞系部活その中から目当ての新聞を見つけるのは骨が折れそうだ。
だが、仕事が始まるまでの期間を過ごすにはちょうど良い!!
「ああ、まあそうだよね!
風紀委員にも色々いるからなあ…。」
ルールに厳格だったり、割と緩かったり、真面目、不真面目。
人によるとしか言えない。ウマが合うのもいるだろう。
「おっ!知ってるのかい!流石だ!
そう、やっぱり折角仕事するならね!ここでの経験を生かしたいじゃあないか!
割とおあつらえ向きの仕事だと思うね!世界で3番目くらいに適職だ!」
残りの2つは何なのだろう…おそらく何も考えてはいない。
■龍宮 鋼 >
「そうでなくてもオマエがいねー間のこととか知っといた方がいいだろ」
結構な量にはなるが、きっと彼には必要だと思う。
会社員してるなら尚更。
「まぁ風紀の事ァどうでもいいわ。オマエが会社員ねぇ……ヒーロー業は、もうやらねぇのか」
受け取った名刺をまじまじと眺めながら、とりあえずポケットに突っ込む。
こちとらヤクザだ、あまり表立った関係は結べないだろうが、なにかの役に立つかもしれない。
彼の適当ブッこきまくっている言動については突っ込まない。
いつものことだったし。
■真乃 真 > 「ああ、間違いない!知って辛い事はあっても知ってて困ることはあんまりない!」
幸い時間はたくさんある。
今の常世を知るとしよう!
「決まってるだろう…会社員だぜ!責任があるし!休みも自由な時間も少なくなる!」
そこまでいってニッと笑う。
「でも、そんな事関係ない!!
自由な時間が減ったとしても、縛られた時間で動けばいい!
休みが少なかったとしても、やりたい事に全部つぎ込むなら問題ない!
そしてもちろん責任はとる!当たり前だろう!
……人を助けない僕なんてそんなの僕が許せない!」
無駄にかっこいいポーズで決める。
短いタオルはバランス悪くてやっぱりカッコは付かないがそれでも学生時代と変わらない。
少しだけ背は伸びたけどそれでも同じいつものポーズ!!
■龍宮 鋼 >
「ック、ッハハハ! だよな、オマエならそう言うよなヒーロー!!」
壁をバンバン叩いて楽しそうに笑う。
そうだ、それでこそだ。
自分を救うと言ったやつが。
方法はわからないけれど救って見せると言い放ったヤツが、会社員になったぐらいでヒーローを辞めるわけがない。
楽しそうに、笑う。
「ま、そっちにかまけすぎて会社クビんなったら俺んとこで雇ってやるよ」
何も変わっていない、変わったのは見た目だけの常世のヒーローの肩をばしん、と叩いて。
「――オマエ今日はもう仕事終わったんだろ、メシでも行こうぜ」
そう食事に誘いながら、時計塔を降りていく。
彼が誘いに乗ったのなら、空いてしまった時間を埋めるように色々と話すのだろう――
ご案内:「大時計塔」から龍宮 鋼さんが去りました。
■真乃 真 > 「そりゃあ、そうさ!だって僕だぜ!真乃真だぜ!そこで諦めてたら偽物だよ!」
真乃真じゃなくて偽乃偽だ。
すごい安直に確実に偽物っぽい名前。
「クビになるのは困るけどね!今務めてるところもいいところだし!いい人も多いからさ!」
そう、そういう人たちに迷惑はかけられない。
その為には両立…!そう両立がとても大事になってくる!!
「おっ!いいね!!
どこ行くんだい?僕は久しぶりに肉!肉とか食べたい!!ヤス君とかも呼ぶ?」
誘いに乗って時計塔を降りていく。
久しぶりに出会った、知り合い達との話は夜遅くまで続くのだろう。
ご案内:「大時計塔」から真乃 真さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に持流 童男さんが現れました。
■持流 童男 > 「ーーー僕は・・なんでだめなんだ・・!なんで自分を救えないんだ・・?」!
そう言って地面に膝をつく・・
もう・・駄目なのかな・・・そう哀しく笑って言って、時計塔の隅で目をつむった。
ーーーーーって来て
見知った声が聞こえる
うるさいな・・・もう眠らせてくれ・・
ーーードって来て・・・!!
憧れの声が聞こえる
なんだよ・・!
ーーー戻ってきて!!!ドウオ!!!
願いの声が聞こえる
■持流 童男 > そう目を開けたときには、目の前に。
真っ暗な空間に
「何で・・・君がここに・・?!」
うろたえる、だって君はこの世界に来てなかったはずだ・!!
「ブルー・・・翡葵ちゃん・!」そう泣きそうな声で、名前を呼んだ
目の前には、魔法少女チックな服装をした、魔法少女が暗闇に居た
<ーーううん、私は、翡葵じゃないよ。ブルーでもない、あなたの作った幻影>
そうしっかりとした目でドウオを射抜く。その目に射抜かれたドウオは、嘆く
「はは・・もう良いだろ?もう十分頑張ったよな。僕」そう情けない表情で笑う。
<・・・よく頑張ったよ・・・だけど君が、救えてないじゃないか。、まだ。諦めるときじゃないよ>
そう泣きそうな声でドウオに語りかける。
■持流 童男 > 「・・・じゃあ!!どうすればいいんだよ!!!こんな僕を見せたら誰だって嫌われる・・!!!!怖いんだ・・!!」
「どうやって自分を愛してやればいいんだ・・!磨り減っちゃってわからないんだよ・・!」
そう、情けなく、哀しく本心を言った、幻影に
そんなドウオに翡葵は、一瞬悲しい顔をしたが、しっかりと強い口調で語りかける
<・・・君はいつだって自分を顧みないで無茶して・・!!>
<一回周りを、振り返ってみると良いよ!!だって、君を肯定してくれた人達は・・居たはずだよ・・!!必ず。だって君は・・
僕の・・・英雄なんだから。泣き虫のオタクのね>
そう哀しく幻影の推しは、自分を見る
■持流 童男 > 何を・・いるはずがそう思って過去を考えてみる。
戸田燐さんを思い出したなぜか。あれは、たしか。・・僕が、まだ、バケモノのときな話だ。
「あのね、あの子の意識が散らばってるボールのどれか一つに入っちゃったみたいなの」
「一つ一つ、拾ってその子の額に押し当ててみないとわからなくて」
「お願い、手伝ってくれない? このままじゃ、日が暮れちゃうわ」
あの時は確か大変だったなぁ・・たくさんの3、400個のピンポンボールを泥まみれになりながら、一緒に拾ったっけ
意識を失った4歳の女の子は『額に触れたものに意識を移し替える異能』の持ち主で。
ボールのどれか一つに入っちゃってなんとか、見つけ出したっけ。あの時は、どもってたなぁ
「でも、今日は英雄さんに感謝しちゃう!」
「ハンバーガー食べにいこ? 今日は私にしては珍しくおごっちゃうわ」
そう言葉を思い出す
あれ・・・・
少しだけはっとする顔をする
幻影は、優しくドウオを見ている
■持流 童男 > そして次に、ロベリアさんと出会った時の出来事も思い出す。
あれは確か落第街で、ロベリアさんがチンピラとあってた時、相手のことを考えないで、英雄になろうと行動しようとしてたときだ
知られずの英雄を使ってロベリアさんを助けようとしてたなあ
「キサマ、勇み出てきたわりに防戦一方ではないか! 反撃しないのかっ!?」
「───ふざけるなっ!」
「力だけでは解決しないだと? 必ず守るだと?
冗談じゃない! ワレを誰だと思っているのだ!」
「ワレは悪魔、孤高の大悪魔だ! 魔界では己の力こそ全て!
ニンゲンの助けなど……借りてたまるかっ!」
そう言って、チンピラをどうにかしったんだっけ・・二人でそうすこしだけ。
本音で笑った
「キサマの方がぼろぼろではないか。そのうえ記憶から消えるだと?
英雄だか何だか知らないが、この世に悪名を轟かせないでどうするのだっ」
あれ・・・こんな僕でも・・・何かを・・
涙が溢れる・・・。
<泣き虫なところは・・・かわってないだね>
そう笑う幻影は懐かしむように
■持流 童男 > 「助けを求める声が聞こえたでござる」
そう過去の自分が、今の自分に問いただしていた。
「・・・頑張れ。某」過去の自分が自分を応援している。
■持流 童男 > 次にレイチェルさんの言葉を思い出す
演習場で、落ち込んでたときに言ってくれた言葉を
「それでこそ、だぜ。英雄《ヒーロー》」
「ちったぁ『らしく』なったじゃねぇか、童男。
でも、お前の選んだ道は茨だぜ。そんな、大それた夢……
『信念』を持っちまうっていうのは、『呪い』ですらある。
それでも、お前が前に進むってんなら、オレは止めねぇ。
いや、止められねぇってのが正しいか」
「答えたからには突っ走ってみてくれよ、オレが走り続けられなかった道を。
何度悩もうが、何度傷つこうが、お前自身の信念を忘れなきゃ
きっと、大丈夫だ。もし大丈夫じゃなかったとしたら……
その時は、支えてやる。だから、とにかくやれるだけ走ってみな」
■持流 童男 > ヌルセクターさんの言葉を思い出す
「まぁ、言った以上は頑張りな。それがお前の"芯"なら、何時如何なる時も忘れるんじゃないよ。」
「今度こそブレたら、お前はもう"終わり"だと思いな。……お前の人が良けりゃ、それでも助けてくれる馬鹿がいるかもしれないがね。」
■持流 童男 > 鈴音さんの言葉を思い出す
「血腐レ─腐血…これでおしまい。某マンはヒーローなんだからこんなところで怪我してちゃだめだよ。」
あぁ・・!今まで、見えてなかったんだ。
■持流 童男 > オダさんとの出会いが思い出される。
あれは全力で、確か、思いっきり本気でやったでござるなぁ。失礼だって思ってさ
全力の蹴りをオダさんに放ったんだっけ
「君の輝きは私が確かに識った。
この輝きは英雄に足り得る。
君は君の輝きである限り……いいと思うよ」
あぁ、そうか。
涙があふれる・・・!こんな僕でも・・!!僕でも・・!!
「君は本当にいい人だな。
ヒーロー・童男」
オダさんの言葉を、思い出す
■持流 童男 > 「英雄になってたんだなぁ・僕は、!!誰かを・・救えてたんだなあ・・!」
そう隅っこで涙を流す。救えなかったものもあった、だけど確実に、誰かを助けられてた。
■持流 童男 > 幻影は優しく笑って
<・・・君はいつだって前にいって、傷だらけに成る。周りが見えなくなるのは君の悪いところ。自分が居なくなっちゃ意味がないよ。
君は君なんだから。・・遠くから見守ってるよ>
そう言って幻影が消える。
未だ問題はあるけど。
「ありがとう・・・翡葵さん。また・・言いそびれたね」
そういって涙を流し続けた後には、立ち上がっているドウオがいた。
■持流 童男 > <ーーーううん、ちゃんと聞こえてるよ。こっちこそありがとう、持流。>
どこかでそんな声が聞こえた気がした。
とりあえず笑顔の仮面を取り外すことから、始めようと思もった
空は夜だったけど、星がどんどん辺りを照らす。苦しめていた”過去”が支えてくれる”過去”
に変わっていくように。
■持流 童男 > <ーーー大丈夫、あなたならできるよドウオ。絶望なんて、きっと壊せる!>
<ーーーやればできるよ!!だからーー負けないで>
<ーーー大丈夫、君なら歩き出せる。>
<ーーー私のヒーロー>
ご案内:「大時計塔」から持流 童男さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に角鹿建悟さんが現れました。
■角鹿建悟 > 「―――さて。」
時計塔――その文字盤の辺りにて、命綱を付けながら高所作業中。内容はシンプルに時計塔の点検と修理。
一応、風紀委員会からの許可は貰っているので、無断立ち入りではない。
時計盤へと右手を触れながら、小さく息を整えて修復を開始する。
薄っすらと男の背後に時計のようなものが浮かび上がり、その針が逆向きに回り始める――すると、時計塔の細かい傷や劣化した部分が少しずつ”巻き戻されて”いく。
「――…外部よりも内部が厄介だな…定期点検はしている筈だが…。」
呟きながらも集中は途切れさせない。能力の”精度”をもう一段階引き上げて…一瞬、ぐらりと眩暈がした。
バランスを崩して落ちそうになるが、命綱はしっかり付けているので危うく転落死は避けられたが。
「―――っ…!…眩暈なんか起こしている場合じゃない」
緩く頭を振りながら、体勢を立て直しつつ改めて能力を使用しつつ少しずつ巻き戻して直していこうか。
■角鹿建悟 > 最近眩暈や貧血が少しずつだが増えてきた。体は一見すると健康だし不摂生もしていない。
”師匠”から剣道の基本姿勢や呼吸法を学び始めて、効率的な身体操作なども少しずつ身に付け始めている。
――それなのに、一皮剥けば16歳という年齢には似つかわしくない程にあちこちが”ぼろぼろ”だ。
(――雑念は要らない。直す事に集中だ)
頭を過ぎった何か、言葉に出そうになった何かを無理矢理潰しながら作業に集中。
――経過は今の所は順調だ。定期点検の穴も幾つか見つけたので、今度意見書を纏めて提出しておくとしよう。
実際、どうするかは上の方の判断だが…。まぁ、それはそれとして直す事をひたすら優先する。
「………。」
じわじわと汗が滲む。それでも、目の中に汗が入っても瞬きすらせずにじっと目の前の時計塔を凝視しながら修復を一瞬たりとも止めない。
先程、眩暈で一度途切れさせてしまった修復をきっちり挽回しなければならない。
■角鹿建悟 > 「――…よし、終りょ――…」
ピシッ…と、何か聞きなれない音が聞こえた気がする。次の瞬間、少年の背後に浮かび上がっていた時計の盤面にひび割れが生じ…一部が砕け散った。
「――!?」
流石に僅かながら驚いた表情を浮かべた直後、”強制的に”能力が解除される。
反射的に命綱をしっかり握って疲労感などの反動に耐える――”そんな事より”仕事はきっちりやれただろうか?引き受けたい上は必ずやり遂げなければならない。
最後、能力が強制的に解除されてしまった為に、きっちり直せたかどうかは疑わしい…が。
「――…少し休んでから”再点検”だけしておこうか」
ともあれ安全な場所まで命綱を頼りに戻れば、足を付けた途端に膝からすとん、と崩れ落ちそうになる。
それでも、やせ我慢と気合と根性で持ち直しつつ、ゆっくりと息を吐き出して。
「……流石にきつ――」
言い掛けてぴたり、と止まる。弱音は吐いていられない。再点検もしなければならないのだ。
■角鹿建悟 > ――が、いかんせん体が凄い重いので動く事すらちょっときつい状態だ。
流石に、痩せ我慢とか気合とか根性とかでもただの人間の少年では限界がある。
「……スゥ…。」
習い始めたばかりの呼吸法を下に、まずは息を整えて疲労を少しでも抜く事を最優先。
ある程度集中力が戻ればそれで十分。が、全身の倦怠感やら何やらが凄まじい。
「――…だからどうした。その程度で折れる訳がないだろう」
自分自身へと告げるように呟いて。ゆっくりと目を閉じて深呼吸。欄干に座り込んで背中を預けた形のまま、少しの間はそうやって呼吸を整える事に意識を傾ける。
ご案内:「大時計塔」に時任時図さんが現れました。
ご案内:「大時計塔」から時任時図さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に時任時図さんが現れました。
■時任時図 > 「しんどそうっすね」
上から、声が掛かった。
展望室。立ち入り禁止の札がしっかりと掛かっているはずのそこ。
その窓から軽く顔を出した少年。
「そこ、座ったりしていいんすか」
黒い髪の少年。
だが、瞳の色は紅で、左目には眼帯を付けている。
■角鹿建悟 > 「――…ああ、生憎と俺は”仕事”でここに来てるからな…風紀委員会からの許可は下りている」
そもそも、ここは立ち入り禁止とはいえ割と普通に入り込んでいる生徒も多いと聞く。
欄干に背中を預けて腰を下ろしたまま、ゆっくりと息を一度整えてからそちらに顔を向ける。
しんどそう、という彼の言葉は敢えて無視する――疲労感などは全て何時もの無表情で押し殺し。
「――で、今は一仕事終えて小休止しているだけだ…そっちこそ、立ち入り禁止の場所に来ていいのか?」
と、片目に眼帯を付けて制服を着崩した一人の少年が窓から軽く顔を覗かせている。
左右に非対称の髪も含めて中々特徴的な見た目だ。俺?俺は特に目立たない容姿だから比べられても困る。
■時任時図 >
「いや、絶対ダメっすね多分。
あとすいません、クソ喋りづらいんでそっち行きます」
そういって、窓から身を乗り出して欄干に飛び乗る。
高さは大してないので、軽く欄干が揺れる程度だが。
「いってぇ」
普通に少年はすっ転んで軽い打撲を負った。
多分、青痣くらいは右腕あたりにこさえている。
「いや、読み違えましたね」
痛みに眉をしかめながら、そう頭を振った。
■角鹿建悟 > 「…そもそも普通に階段を登って来なかったのか」
と、無表情のまま首を緩く傾げて問い掛ける。体の不調は相変わらずだが、集中力は多少なり戻ってきた。
勿論、そんな如何にもしんどいですよ、という態度は一切出さないように努めるのは忘れない。
彼が窓から欄干へと飛び乗り――失敗するのを眺めつつ、やれやれと小さく吐息を一つ。
「読み違えは誰にでもあるから別にいいと思うが、一歩間違ったら落下死するぞ」
と、忠告しつつ…見た感じ、右腕を打ちつけたようだが骨折などはしていなさそうだ。
正直自分には”治す”力は無いので、最悪保健室か病院にでも運び込むか人を呼んでこなければいけなかったが、そんな事は全く無さそうで何よりだ。
■時任時図 >
「それは普通に勘弁なんで、次は普通に回り込もうと思います」
すっ転んで乱れた髪を直しながら、眼帯の少年は座り直す。
漏れた溜息と助言には概ね肯定的だった。
「そんな一歩間違ったら死ぬ場所で先輩なんの仕事してんすか?
しかも一人じゃないっすか。
あれすか、委員会主催のシークレットイベントの準備とかっすか?」
■角鹿建悟 > 「…何でわざわざ回り込もうという発想になるのかは分からないが…まぁ、個人の趣味みたいなものか」
と、聊かズレた納得を真顔でしつつも、まぁ彼に大事が無いのは何よりだ。若干ほっとした様子なのは気のせいではない。
「生活委員会傘下の修理・修復を専門にするチームに所属している。同じようなチームは幾つもあるけどな。
今回は時計塔の外壁や屋根、あと内部の時計機構の点検修理、という所だ」
と、そこまで簡潔に説明をしながら名乗りが抜けている事に思い立てば。
「…ああ、名乗りが抜けていたな。1年の角鹿建悟だ。さっきも言ったが、一応所属は生活委員会になる」
■時任時図 >
「あ、タメじゃん。じゃあ普通に喋っていい?
僕も一年。時任時図。トキトーでもジズでもいいよ」
自己紹介に自己紹介で返して、ジズは了承も取らず敬語をやめた。
「つかそれ、大仕事じゃん。
僕だったら一人じゃ無理っていうわ。
生活委員会あまりにブラックじゃない?」
■角鹿建悟 > 「…ああ、むしろ敬語とか別に無理に使う必要は無いぞ。俺も敬語なんて同じチームの先輩や教師にしか使わないからな」
少なくとも、同じ生徒の立場の相手には敬語を使った事はほぼ無い気がする。
彼の名乗りに、「じゃあトキトーで」と、短く答えながら頷いてみせて。
「大仕事、かどうかは分からないが俺は”直す”のが仕事だからな。えり好みはしないぞ。
…依頼に筋が通っていれば、善悪問わず何でも直す。委員会がブラックかなんて俺にはどうでもいい事だ」
と、真顔できっぱりと言い切る。そもそも、ブラック環境を越えた無茶を普通にしているのだ。
そんな”狂人”がブラック程度でいちいち根を上げたりする訳が無かった。
「…それで?結局、トキトーの方は何でここに?ただの散策か興味本位で来たクチか?」
自分は仕事だが、彼がここを訪れた理由はそういえば知らない。なので素直に尋ねてみたり。
■時任時図 >
「両方」
あっさりと肯定して、ジズは軽く右腕をさすった。
鈍痛がジズに失敗を教える。
痛みは分かりやすい教師だった。
「直すつっても、一人でやるのは無茶じゃねぇの?
なんか都合良くチャチャっと直せる異能とかでも持ってんの?」
首をかしげる。
だが、そんなものがあるなら、ここで健吾が休んでいるのも不可解だ。
「それとも、そう言うのマジで無しで角鹿一人でやってんの?」
■角鹿建悟 > 「…まぁ、打ち身くらいにはなっているかもしれないが、骨折とかでは無さそうだな」
痛みは分かりやすい教師。間違いではない。それで学んだ経験は自分にも一応ある。
と、彼の首を傾げながらの問い掛けに、ひらひらと緩く手を左右に振って。
「いや、”チーム”といっただろう?この時計塔は俺が一人で今回やっているが、他のチームの皆もそれぞれ現場で仕事してる。勿論、単独じゃなくちゃんと二人一組とか複数人数で請け負う仕事もある」
と、そう答えた上で…疲労感は顔に一切出さずにこう付け加えよう。
「まぁ、例え一人だとしても”俺は必ず直す”がな」
言い切る。無茶だとか不可能とか。そんな”ありきたり”な言葉なんてどうでもいいのだ。
直すといったら直す。己の信念は絶対に曲げない。その無表情は揺るがないが、言葉は巌のように固い。
■時任時図 >
「へぇ、そりゃすげぇ。
僕にはできねぇ」
小学生並の感想を小波のようなテンションで述べて、軽く拍手をする。
とはいえ、茶化したりしているつもりは無さそう。
「でもやっぱ今は一人じゃん。
一人で直せるほど小さくないでしょ、この時計塔」
そういって見上げる。軽いメンテナンスにしたって、一人は無茶が過ぎる。
「それとも、ソロプレイじゃないと気が済まないクチ?
いや、『例え』つってたし、別に無理に一人じゃなくてもいいんだよな多分?」
■角鹿建悟 > 「――別に真似する必要も無いだろう。むしろ、トキトーは俺みたいなヤツの真似をするべきじゃないな」
と、肩を竦めてそう答えようか。別に自分を卑下している訳ではなく、単純にそう思ったからだ。
「いいや――実際さっき直し終わったぞ。まぁ最後の点検は残っているがな」
一人では無茶がある?上等だ、だからどうした、と。そうやって平然と突き進む狂人ならさもありなん。
「俺はあくまでそのチームの一員だし一番の新人だからな…普段はちゃんとチームとして行動している。
だが、個人を指名する依頼も多いし、手が空かない場合もあるから個人で請け負う場合もある」
どのみち、一人だろうとチームプレイだろうと手は抜かないし妥協は一切しないが。
■時任時図 >
「マジかよ、すっげー、じゃあやっぱ異能とか魔術とか?
どっちにしろ真似する気ないけど、真似する気あっても真似できないわ」
今度は少し大袈裟に拍手をする。
感嘆の声を隠しもせずに。
「いや、普段チームとかいってるから虐められてんのかなとか思ってさ。
だったら可哀想すぎるだろって思ったんだけど、別にそうでもなさそうだな。
すげーな角鹿。
一生くいっぱぐれないじゃん」
■角鹿建悟 > 「ああ、異能だ。物体や建造物に触れて念じれば復元や修復が出来る。ただし生物をどうこうは出来ない。あくまで物体前提の力だな」
と、少し大げさな様子のトキトーに、凄いものか?と、疑問符を浮かべて。
この島にはチート級の能力や魔術を持つ者が普通にごろごろと居そうなものだが。
「――いや、確かに俺は仕事以外では単独行動のほうが落ち着くが…別に苛められてはいないぞ流石に。
――どうだかな。人並みに生活できればそれで十分だが」
あまり金銭に執着は持たないタイプだ。生活費が確保できればそれで十分。金銭欲は実際あまり無い。
(まぁ、どのみちその一生も割と短くなりそうだが)
■時任時図 >
「すっげー異能じゃん。
大当たり中の大当たりじゃん。
僕、そんな異能引いたら人並みとかいってないでソッコーで起業だわ。
道路直せまーすってだけでも大金持ちになれるでしょ。
いや、美術品の修復とかするかな?
えげつないくらい儲かるわきっと」
絶対とてない狸の皮算用をして、指を折り曲げる。
そうして、三つほど指を折ったところで。
「でも、それ、しんどいでしょ」
そう、呟いた。
「僕はしんどいと思う。
角鹿にしんどいと言われないのもしんどいと思う。
しんどい奴が大丈夫っていうのは、言われる方もしんどいから。
そのせいで一人仕事だったりするんじゃねぇかなとか?」
どんなに力があろうが、どんなに便利な異能があろうが、一人でやるには大仕事が過ぎる。
それが簡単に出来たとしても、そうじゃないとしても、『一人』でやるのは『しんどい』だろう。
ジズは、そう思う。
「まぁ、読み違えかもだけどさ。
僕、よく読み違えるから」
そういって、腕をさすりながら立ち上がり、歩き出す。
「んじゃあ、御仕事中みたいだしこれで。
僕、先上がるわ。
おつかれ、角鹿」
仕事仲間でもないのに仕事仲間のように声をかけて、ジズは去っていく。
ひらひらと手を振りながら。