2020/08/14 のログ
ご案内:「大時計塔」から時任時図さんが去りました。
■角鹿建悟 > 「大当たり、か―――…そうだな、”普通ならそう思う”な」
何かを思い出したのか、僅かに銀色の瞳を細めるが…直ぐに何事も無かったかのように頷いて。
美術品の修復?道路を直す?朝飯前だ、とは言えないが直せるかどうかで言えば直せる、と断言できる。
「――しんどい?」
何だそれは?という真顔で緩く首を傾げる。
単語の意味は分かる、そう言われた事も多分ある。
彼の言葉は正しいのだろう、おそらくは。自分が真っ当じゃないのはわかっている。
――ああ、極端な話。別に生活委員会に所属しなくても、チームに所属しなくても。例え一人でも”やる事は変わらない”のだから。直す、直す、ただひたすらに。自身を削ってでも。
『一人』?10歳で全部捨てた時からそれはもう覚悟している。別に協調性が無いわけではない。
だが、自分を貫き通すなら例え一人になろうがやらなければならないのだ。
「――トキトーの言いたい事は”分からない”な」
だから、ぽつりと呟くように言い捨てる。実際はある程度理解はしている。
だが、それで止まる程度ならこの男はこんな有様にそもそもなっていなかっただろう。
気軽な言葉と共に立ち去る彼に、緩く右手を挙げつつ見送り――その姿も気配も消えれば一息。
■角鹿建悟 > 「…立ち止まったら、その分の時間が直す事に回せなくなるだろう」
■角鹿建悟 > 「……。」
自分の右手を見る。僅かに手指が痺れるがまぁ、もう慣れた。
さて、後は魔術で点検してから依頼完了の報告もしなければ。気だるそうにゆっくりと立ち上がり。
「……けほっ!」
軽く咳き込んで口元を押さえる。ややあって手を離せば…べったりと赤いモノ。
それを眺めれば嘆息を一つ零しつつ、ぐいっと無造作に口元を拭って。
「――まだ、やれる。」
そうだ、まだやれる。まだ、まだ、まだまだまだまだまだ…!!
その時に自分はどんな表情を浮かべていただろうか、分からない。ゆっくりと、そのまま緩慢な動作で魔術を発動してチェックをしていく。
そうして、表向きは無難に何時ものように仕事をこなして。報告を上げてから帰宅しただろう。
ご案内:「大時計塔」から角鹿建悟さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に227番さんが現れました。
ご案内:「大時計塔」から227番さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に227番さんが現れました。
■227番 > 「……ここは?」
ふと意識が戻ってくると、真っ暗な場所にいる。
外が見えるので、立ち上がって、手すりの方に移動すると、
見晴らしのいい場所……どうやら高い場所にいるようだ。
「っ、頭が痛いな……」
誰も居ないのに、一人呟く。
ここはどこだろう。規則正しい機械の音がする……これは時計か?
ご案内:「大時計塔」に紫陽花 剱菊さんが現れました。
■227番 > 察するに、どこかの時計塔のようだ。それも巨大な。
「……」
何故こんなところに?
そして、見下ろす街に、見覚えはない。
どうやら大きな島に形成された街のようだ。
「うぅ……」
考えると頭が痛い。目もつられて痛い。
何も目に入れたくない。
壁に背を預け、座り込んで目を閉じる。
■紫陽花 剱菊 >
唯、其処に言ったのは偶然だ。
ある種のきっかけとなった場所でもある大時計塔。
建前上、立ち入り禁止区画である以上、生徒が侵入していないかという見回りを兼ねていた。
静かな足取りで、螺旋階段を上がっていき、奥の気配を探る。
「──────……?」
居る。確かに誰か居る。
しかも是は、知り合いの気配。
……妙な胸騒ぎがする。
早足に駆け上がり、開けた場所に出れば、確かに其処には気配通りの姿があった。
「なな……?」
だが、其の少女の様子は普通では無い。
心配に眉を顰め、即座に少女へと駆けよる。
「なな……如何様に致した……何があった……?」
■227番 > 誰かが来たようだ。管理の人か?
それとも──
「誰?」
ただ、今は目を開けたくない。とても頭が痛いのだ。
だから、目を開けずに耳だけで方向を確認する。
■紫陽花 剱菊 >
「なな……?」
誰。声音に嘘は感じられない。
そも、彼女は嘘を吐ける程で在ったのか。
確証は無い。だが、錯乱しているだけかもしれない。
先ず、彼女を落ち着かせよう。
傍に寄り添い、諭すように穏やかな声音で語り掛ける。
「……紫陽花 剱菊。其方を助けに、参上致した。
何処か痛むのか……?何があったのだ……?」
■227番 > 「……コンギク?……っうぅ」
頭が痛い。思わず手で抑える。
どうやら知っている名のようだ。
薄目を開けてその姿を確認する。
……確かに記憶にあるが、"私"は知らない。
どういうことだ……?
「どうして助け……助け?」
この頭痛をどうにかしてくれるのなら、ありがたい限りだが……。
助けてくれるような存在に心当たりがない。
「ああ、"私"を回収しに来た人……?」
ならば助けてくれるというのも納得できる。
……しかし、こんな優しそうな人、あそこに居ただろうか?
■紫陽花 剱菊 >
疑問に疑問が呼ぶ。
彼女自身の事が心配では在るが
明らかに様子がおかしい。
些か、彼女の"あえか"さが其処には無い。
「……私が分かるか?なな……」
彼女の小さな方に手を添え
薄らと開いた瞳を覗き込む黒の双眸。
「……何故?其れが私の使命で在れば…、…回収……?もしや、記憶が……?」
此の違和感、少なくとも自分の知っている"なな"ではなさそうだ。
記憶が蘇った、とも些か違う気もする。
ともすれば、ある種此れは千載一遇の好機で在ろう。
彼女の忘我に手を伸ばせば、恐らくは……だが……。
「…………」
「────…大丈夫だ、其方の敵ではない。落ち着いて、気を抜かれよ……」
"苦しむ少女を、放ってはおけない"。
穏やかで優しい声音。
冷たい体温では在るが
少女の体をそっと寄せるように抱きしめようと、左手を回すだろう。
痛むと言われる頭に、気休めかもしれないが、そっと右手で優しく撫でる。
少しでも彼女の苦痛が和らぐように、何とかしようと、試みる。
■227番 > 「なな……?」
ようやくそれが自分を指していると理解した。
あそこの人の呼び方ではない。
瞳を覗き込めば、そこにあるのは"金"。
「使命?……ってことは追手?」
どういうことだ。研究所はヘマをしたのか?
そうであれば、この場はまかないといけないのだが……。
「敵じゃない?一体何を言って……?」
突然抱き寄せられた。
暑い中もひんやりと心地よい。
優しい手付きで撫でられると、──逆に頭痛が強くなった。
「ぐぅっ……ぅぅ……何を……」
けれど、引き離したいとも思えず。
■紫陽花 剱菊 >
その金色には見覚えがあった。
あの演習場で見た、少女の側面。
異能の類か、或いは彼女が持つ何かと思っていたが
他ならぬ、"彼女自身の目"か。
「…………因果か」
ともすれば、忖度迄推し量れまい。
撫でる手は、止まりはしない。
「其方を護りに来た、と言ったはずだ……
斯様、痛みは止ん事無き。然るに、もう"苦しみ"は非ず……」
何か、"彼女"に問うべきだろうか。
何か、"彼女"に言うべきだろうか。
何か、何か……。
思惑は巡れど、此れ以上"彼女"を苦しめると考えると
其処で思考は思い止まる。
「……私は、其方を苦しめない。
ともすれば、其方があそこに戻る必要は無い」
水底の黒、一筋の光明が、金の瞳を覗き込む。
深い、深い、底の底。
恐らく、"いるであろう"者に、呼びかける。
「──────なな、其処に居るのか……?」
■227番 > 「ぅぅ……一体何を……」
一体何を言っているんだ?
守りに来た?
だったら、その撫でるのをやめて欲しい。
頭痛はどんどん強くなる。
何も考えたくない。
「……?」
最後の一言で、私を苛む頭痛は限界を迎える。
腕の力が抜けぶらりと下がり、
制御を失った体はそちらに倒れ込み──
■227番 > 「こんぎく……?」
不思議そうな、少女の声が聞こえてくるだろう。
■紫陽花 剱菊 >
「──────……」
些か、荒療治だっただろうか。
分からない。だが、"彼女"をこのままにしておいて正しいとは思えなかった。
だから、倒れ込む体をしっかりと支えて
「……今はまだ、夢浮橋の先へ。何れ、相見えるだろう……」
其れが近いか、遠いかは分かるまい。
唯、確実であると言える。
不思議そうな少女の声音に、はにかみ笑顔。
「……如何致した、なな……相違無いか?体に不調は……?」
「……先の事を、覚えているか?」
■227番 > 「……?なんともない、けど」
ひんやりしていて心地よい。
自宅に剱菊が来ることはないし、
このひんやり感からして、ここは外……だろうか?
「ここ、どこ……?」
先の事どころか、ここに居る理由も分かっていないようだ。
■紫陽花 剱菊 >
「……左様か……」
覚えていないし、何ともない。
ともすれば、あの苦しみは彼女自身が思い出そうとしたものなのだろうか。
今となっては分からないが、あの"金"をあのままにしておけまい。
演習場で見たあの目は、間違いなく────……。
「……否、相違無いなら、其れで良い。手間を掛けさせた……」
少女の頭を、もう一度優しく撫でる。
「……夢だ。夢浮橋の先で、迷い子が其処にいた。
夢幻泡影……ゆくりなく現へ投げ出された迷い子成れば
分からぬままに、幽世の見目に頭を悩まされる。
斯様な夢を、其方の夢の中にいた。……本当に、心当たりは無いのだな?」
■227番 > 「……?」
思案にはよく分からず、首をかしげるのみ。
「よくわからない、けど、わかった」
よく分からなくていいことがわかった。
撫でられれば体を小さく揺する。
「……わからない。確かに、夢、見てた気は、するけど」
その夢の中身もいまいち覚えていない。
確かに残っている記憶は、家で寝たところまで。
■紫陽花 剱菊 >
「…………」
ともすれば、"彼女"が意識を出したのは、ななの意識が眠りについた後か。
だが、如何して此処に至ったのか。分からない事が多い。
だが、今は確かめる手段もない。
吹き抜ける夜風に、互いの髪が揺れる。
「……然り。が、何時までも斯様な場所には居られまい。
なな、暫し夜風を共に当たるか、家までは送り…、…なな…?」
撫でる手を止めて、瞳をもう一度覗き込もうとする。
■227番 > 「……?」
どうやら相手にもわからないらしい。
何があったのだろう。
「……うん。帰る」
まだ眠たいので、帰って一眠りしたい。
それに、保護者に何も伝えずに外に居ることになるし。
■紫陽花 剱菊 >
「……参るか……」
聞きたい事も多いが、今はとりあえず彼女を送り返そう。
微睡みに沈みそうな体を持ち上げ、落とさぬように抱き抱えれば、踵を返す。
「…………」
しかし、また彼女が眠りについて大丈夫なのか。
かと言って、無理矢理起こす理由も……。
迷いのまま嫋やかな少女を抱えたまま、大時計塔から去ろうとするだろう。
■227番 > 信頼する人の一人に体を預ける。
その帰り路の最中も眠気で意識を度々失うが、
少女が異変を示すことは特になかった。
ご案内:「大時計塔」から紫陽花 剱菊さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から227番さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に227番さんが現れました。
■227番 > 明るい時間、螺旋階段を登る。
今日の目的は街歩きの進捗確認だ。
とにかく暑いので、冷気護符は貰ってきた。
ゆっくり1段ずつ階段を上がっていく。
毎度のことだが、この高い塔、上まで上がるのは結構な運動だ。
■227番 > やがて階段を登りきる。
こもった熱気に当てられ、汗が出る。
早く扉を開けて外に出よう。多少はマシになるはずだ。
扉を開ければ、籠もった熱気が噴き出すように風が抜けて行く。
まるで突風のように吹く風に帽子を攫われないように、しっかりと頭を抑えた。
今日は誰も居ない……かな?
ご案内:「大時計塔」に持流 童男さんが現れました。
■持流 童男 > 「くーーー!!!!!」
とりあえずテストの結果は、補習で補うっていうか、報告しまくってたらなんとか赤点はなんとかなった!!
なんとかなったのだ!
そして見知った顔がいたので話しかける。
あの女の子は確か
「おー!ニーナちゃんじゃないか!久しぶり!」
そう素直に快活に名前を呼んだ
■227番 > 「……誰?」
見覚えのない人に突然名前を呼ばれた。
見覚え……いや、声は聞き覚えがある。
猫の耳はしっかりと声を聞き分ける。
「ひーろー?」
……名前教えた記憶はないけど、何処かで調べたのかな。
■持流 童男 > 「ふふふ驚いてるようだね・・・知り合いの情報屋から仕入れたのさ」
そうフット笑う。
内心すこしおどおどしながらも
「言えない。あの少女の行く先が、気になって学生の知り合いの情報屋から仕入れたなんて・・はっ!」
いつのまにか、口から出ていた
そして口をつぐんで
少し咳払いをしてから、
「んん””・改めて、某の名前は持流 童男、今はーーーヒーロー休業中のただの人間でござるよ。よろしくね、ニーナさん。呼びにくかったらドウオでいいよ。」
そう仮面を取った自分を見せながら、ニーナさんに笑う
「ちなみに僕は!気分転換にココに来たよ!君は何しにきたんだい?」
そう笑ってニーナさんに質問する
■227番 > 「じょうほうや?」
よくわからない言葉。疑問に思いながらも適当に聞き流した。
そもそもプライバシーの概念もまだ持っていない。
「どうお……わかった。」
名乗られれば認識を更新した。
「……街、見に来た」
質問には正直に答える。
手すりの向こうに見える風景を指差した。
■持流 童男 > 少しだけ笑ってから。
「うん、僕もここの街の風景結構好きなんだよね」
そうニーナさんに笑って、そうだと思い
「こうさ、どうしようもなくなって、行き詰まったときに、振り返るのに丁度良くてさ」
感慨深そうに少しだけ頬をかいて
「どう?ニーナさん一緒に風景見てみない?お菓子もあるよ!飴ちゃん!」
ばーん!と提案してお菓子を提案する
■227番 > 「風景が好き」
いつも目的が有って見ていたので、
あんまり意識したこと無かったけど、自分も好きなのかも知れない。
「振り返る……」
それも考えたことはなかった。
夜に星を見あげるのと似ている感じなのだろうか?
「うん、いいよ」
知っている人なので、特に警戒はしていない。
お菓子に食いついたわけではない。断じて。
■持流 童男 > 「はは、ありがとうね、ニーナさん」
そう素直に笑って、ニーナさんに飴ちゃんを渡そうとする
空は青い、街も人がいる。
「うーん!!ここの風が、気持ちいい!」
そう、気持ちよさそうに体で感じて伸びをする
そして、しんみりした表情で
「こうさ、ちょっとだけ話すんだけどさ。ココ最近は、ずっとふさぎ込んでてさ」
頬を掻いてから
「ここで、自分を振り返って自分に自信が持てたのかまだ、わからないけどさ。」
苦笑してから
「未だ問題もあるけど、さ、振り返って立ち上がったんだよね。」
時計の針は前にすすんでいる
「後ここからだと、覗き・・・・おっと何でも無いよ!内緒だよ!ニーナちゃん!しばかれるから僕!」
そう冗談めかしていたずらっぽく笑う。こちらも自分の飴をなめるが、味が僅かにするがあまりしない。
■227番 > 「ありがと」
とりあえず飴を受け取って口に放る。
ゴミはポケットに。
甘いフレーバーが口の中に広がった。幸福。
「そっか。自分を振り返る……それは、いいことだと、思う」
澄ました顔で、街を眺めながら答える。
自分もそのために毎日歩いているのだ。
「覗き?」
先程も述べたとおり、少女にプライバシーの概念はまだ根付いていない。
よくわからないので、とりあえずこれも聞き流すことにした。
■持流 童男 > あっぶねぇ~~~
と内心驚きつつも、
「何でも無いでござるよ~~ニーナ殿~これは男のロマンゆえ~」
そう冗談めかして笑う
「・・・ニーナさんは、やっぱり、可愛い子だなぁ。ただ熱中症になったら大変だ」
そう言ってから。バッグからジュースを取り出す
まだ暑いからね!原理はわからないがバッグから取り出したのにキンッキンに冷えてるぞー!
「ココ最近色んな事があったからね、話の種に尽きないんだけどね。昨日なんかすっごい綺麗な長身の女性をエスコートしたら化かされたっていえばいいのか、大変だったよ」
そう笑って話す
■227番 > 「……??」
やっぱりよくわからない。
「熱中症?って、何?」
それもわからない。首を傾げて、聞いてみる。
病気の名前だとか、そういうものはまだ学んでいない。
「ここ、ほんとに、いろんなことある。いろんな人、居る」
それについては同意できるので、頷いて返事をする。
■持流 童男 > 「そうだね。人間の体は90%水分でできててね。それが半分以下になっちゃうと死んでしまうっていう、この熱中症っていうのが人間の体から汗が流れ出て、半分を切っちゃうとまずいことになるんだよね。
それが、確か熱中症だった・・はず」
少し難しかったかなって思う
ちょっとうろ覚えだけどねと付け加えて
色んな人がいるというのに対しては
「そう、色んな人がいるし色んな事がある。だから面白いし、楽しい。だって個人的にだけどワクワクするんだよね」
無邪気にニーナさんに笑う
■227番 > 「……それで、飲み物を飲め、って言われる……わかった」
なるほど納得。
喉が渇くのはそのためなのか、とそこまで理解する。
「わたしも、そう思う。
知らないこと、知るの、楽しいから」
街の方に視線を向けた。
■持流 童男 > 「だからほい」
そう言ってジュースを渡そうとする
そしてこちらも街の方に視線を向けて
「うん僕も思うよ。この世界に来てさ、色々会った
けどこうやって自分に自信が持てたし、色んな人に助けてもらったって。自分でも知らないことを知ったしね」
「今はヒーロー休業してるけどね。ただ困ってる人見るとほっとけ無いのか、少しだけ助けちゃうんだよね」
そう困ったように素直な笑顔で街を見ながらも頬を掻く
■227番 > 「……ありがと」
何から何まで貰って悪い気がして躊躇うが……
心配されているのはわかるので、おとなしく受け取った。
「気にしてくれた人、忘れないの、大事」
自分の経験もそれを物語っているので、同意する。
ここでこうしていられるのは、いろいろな出会いがあったから。
「悪いことじゃない、なら、良いと思う。
……無理するのは、悪いこと、だけど」
■持流 童男 > 少しだけっていうか思いっきり動揺する
「いやぁまぁ、確かにでござるよね!無理するのは悪いことでござるよね!」
いえねぇ・・!ついこの間、某その状態だったこと・・!
<・・・もう言えばいいのに>
幻影が囁く
そしてなんとか、落ち着いて深呼吸して
「大丈夫でござるよ!今は無理してないでござるから」
そうやんわりとニーナさんの方を視た。
■227番 > 「……?」
動揺は感じ取るが、理由まではわからない。
こちらを見る様子に気が付いて見上げる視線を向ける。
「……今は……」
そういうことか。
「じゃあ、いいとおもう」
改善したのなら、問題ないだろう。
過去は変えられないのだから、これから気をつければいい。
■持流 童男 > 「うん、それならよかったよ」
少しだけ苦笑いをして
「どれだけ変えようとしてもやったことは、やったことだけどさ、変えられないけど、そのやったこと、が今を創るから、それを未来に繋げて、最高のヒーローになるよ!・・・今は休業中だけどね」
そう街を見ながら笑う
でもまぁと綴って
「過去が今を作って未来を映し出す、それを乗り越えるか、受け入れるか。その人自身だけどね。まだ、僕も受け入れれて無いところもあるけどさ、なんとか頑張ってみるよ・・いや今は休業中だった・・!!!場合によってはヒーローになるかもね!」
そうニーナさんの方を見て笑った
心地いい風邪が頬を撫でる
■227番 > 「うん。ひーろー、よくわからない、けど……頑張って。応援、してる。
きっと、できるから」
こちらを見て笑う顔に、笑顔を返す。
「わたしも、自分のやりたいこと、がんばる」
それから、真剣な表情で街の方を見た。
■持流 童男 > くすりと笑って。ニーナさんに向き直り真剣な表情で
「ニーナさん。応援ありがとう!!!」
そうサムズ・アップしてニーナさんの応援に答えて
「君のやりたいことも僕は応援してるよ」
そういってから、自分の時計を視て目が飛び出す
「やっべ!魔法少女ブルーの再放送始まっちゃうじゃん!!」
と慌てた様子で時計塔の出口に走る!
そしてあ!っと言った後に、ニーナさんに
「君は、未だ魅力的な女性になるよ!この僕が保証する!」
そう言って出口から出ていこうとする
■227番 > 「……ありがと、応援も、飴も、飲み物も」
こちらも向き直り、小さく頭を下げる。
「わかった。またね。
えっと、慌てて、階段、落ちないように……気を付けて」
そう言って、手を振って見送るだろう。
■持流 童男 > 「ぬおおおおおおおおおおおおおおお!?」
と階段の方から聞こえてくるが
時計塔の出口からケロットした様子で出てきて、ニーナさんに手を降ってから帰路につくだろう
ご案内:「大時計塔」から持流 童男さんが去りました。
■227番 > 「みりょくてき……何だろ?」
街を見る目的は果たしたので、自分も出口へと向かっていく。
ご案内:「大時計塔」から227番さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に水無月 沙羅さんが現れました。
ご案内:「大時計塔」に園刃華霧さんが現れました。
■水無月 沙羅 > 一番星が輝き始めて数刻ほど、夕日は既に墜ち、暗闇が街を包み始めた時間帯。まだ街には明かりが灯っており、星は未だ最盛の輝きを持たずにいる。
しかし、この街で最も高い場所ないるこの時計塔だけは少々特別だ。
街灯の光の届かないこの場所は、星も月の光もよく見える。
夏の大三角形も明るく輝いて、此処に天の川が見えたのなら織姫と彦星に自分を重ねられたのかもしれないが、生憎そこまでの満天の星空とは行かなかった。
それを見たいというのならば、其れこそ自然に囲まれた山林にでも行くべきだろう。
「いきなり呼び出すのも失礼だったかな……。」
温泉旅行で知り合った一人の先輩を誘った星空観光。
とはいえ、呼び出した口実は相談事なわけだったが、果たしていきなりそんな話を持ち掛けてもよかったのだろうか。
人との距離感の未だつかめない自分にと言っては難しい話だった。
■園刃華霧 >
さてさて、後輩ちゃんに呼び出されたのはまさかの時計塔。
んー……微妙にいい思い出はないんだけれど、まあいい場所だしねえ。
それに、夜にお呼び出しと来たもんだ。
まったくロマンチックなデートだこと。
本当にそれだけかっていわれるとあやしいもんだけれど、まあいいさ。
色々考えながら塔を登りきれば、おっと相手はもう先入りしている。
じゃあここは
「……オっじゃマしまーっス」
コンコン、と壁をノックしてご挨拶してみた。
■水無月 沙羅 > コンコンと、この場所には何とも珍しいノックの音が響く。
聞こえてくるのは件の風紀委員の先輩にあたる人物のものだった。
「お邪魔されまーす。 って、ノックして入ってくる人なんて初めてですよ。
私の個室ってわけじゃぁないんですから。」
妙な丁寧さに少しだけ笑いがこみ上げる。
そんな殊勝な人だったかな、と思ってしまったが、それは心根に仕舞っておこう。
「すみません、急に呼び出したりして。 ご迷惑じゃなかったですか?」
やんわりと笑いながら声の方に振り返った。
夜でも月の光で明るいこの場所なら顔も見えるだろうか。
いや。もっと明るい場所から訪れたら何も見えないかもしれない。
それはそれで今は都合がいいのかもしれないけれど。
■園刃華霧 >
「ひひ。此処が個室だっタら、ある意味豪勢ダねぇ?」
けらけらと笑いながら、あれ、それも良くない?と一瞬心のなかで思う。
なにしろ、宿無しの身だ。いい感じの場所を知っておいても損はないだろう。
そして、向こうは……うん、ちょっと笑ってるか?
リラックスできてるならいいや。
「ン―、どうせアタシは大体年中暇シてるヨ。
特に、後輩ちゃんかラ呼ばレた時なンかちょー暇」
それ本当に大丈夫か?みたいなことを平気で言い放って笑う。
……一応、まだ笑ってるな?
■水無月 沙羅 > 「私に呼ばれたときは暇って、それ仕事とかどうする……ま、いいか。
かぎりんだし、それっぽいと言えばそれっぽいかも。」
少し馴れ馴れしい呼び方で接しているのは、どうしてだったかな。
誰かがそう呼んでいたから? いや、たぶん自分があの温泉旅行の時に、少し人酔いしていたからかもしれない。
いつもならよくよく観察するのだけれど、あの場ではそうもいかなかった。
手っ取り早い距離の詰め方として、あだ名で呼ぶ、というものがあるのは本から得た知識だ。
「最近はこの場所も来客が多いから、あまりゆっくりもできないんですけどね?
それも男の人の悩み人ばっかり、誰もかれも、助けてほしいって顔をしてここに来るんですよ?
余計な仮面と嘘で身を包んで。私もあまり人のことは言えませんけど。」
来客の多すぎる個室は勘弁願いたい、そういう風に肩をすくめた。
そっと振り返って、柵にもたれかかりながらもう一度夜空を見上げる。
誰かとこうして夜の星空を共有したい、と思うのもまた彼女を呼んだ理由の一つだ。
最近はそういうロマンチシズムに身を委ねる余裕すらなかったから。
■園刃華霧 >
「仕事、なンてのは辻褄さエあってりゃナんとデもなルもんサ?
適度に手を抜かナいと、疲れッチまう。」
けらけらと、なんでもないように笑っていう。
まあそうでもなくてもサボりの常習犯。
ゆっきーと友だちさ!
しかし、初対面でかぎりん、って物怖じもせず
呼んできた相手も珍しいものだ。
だいたい、警戒される方が多いんだけど。
「はー……悩み相談所ってカ? ロマンもなーンもないネぇ……」
やれやれ、とわざとらしく肩をすくめてみせる。
まあ、そんなお悩み相談所を開設していた自分もいるので人ごとではないんだけど。
「ま、いーンじゃなイ? だいたい、なンでもかんデもあけっぴロげ、なんて多分コワイ。
ただマ―、適度にすンのが落としどコ、かネ?」
なにもかも隠してたら、そりゃ大変。
うまいこと落とし所をお互い探ったりシていかないといけないんだろうね。
「ま、せっかくのデートだシ? 星でも見ル?」
けらけらと笑いながら、沙羅の隣に並ぶ。
■水無月 沙羅 > 「ゆっき―先輩みたいなことを言いますね……あぁ、だからかな。
かぎりんとなんとなく接しやすかったの。
なんていうのかな、遠慮が要らないっていうか……、うん。
なんでも軽く流してくれそうな、大事な事だけは拾ってくれそうな、そんな気安い感じ?
私の近くにはそういう人、あんまりいないから。」
だから、あの傑物が集まっている場に留まることができたのではないか、と思う。
不死身しかとりえのない、精神すら未熟な自分にとってあの場所は少々恐ろしいものがあったのも確かだった。
「なんでもあけっぴろげは怖い……ですか。
それなら、踏み込まれすぎるのも怖いのかな。」
包み隠さないことが怖い、というのはまだ自分にはよくわからない。
隠されるほうがよっぽど怖いと思っている自分にとって、初めて聞く感覚だった。
適度に、程よく。 それなら今まで自分が歩み寄ってきた人たちにとって自分はどんな存在だったんだろう。
よっぽど、『怪物』にでも見えたのだろうか。
「そうですね……。
かぎりんは星座とか、知ってます?
時々ここに子供がやってきて、星空教室みたいなことしたこともあるんですよ?
あっちが、デネブで、あれがアルタイル、で、あっちにあるのがベカ。
三つつなげて夏の大三角形。 実は私のお気に入りです。」
ちょっとしたお伽噺に出てくる星が混じってるから、それだけの理由。
天の川が見れるなら、ベガとアルタイルはその川を挟んだ両端に居ることになる。
織姫と彦星、一年に一度しか会う事の許されない二人、七夕の謂れ。
そう言えばもう今年は随分前に過ぎたのだったっけ。
■園刃華霧 >
「ひひひ……ま、ゆっきーはナー。いいオトモダチだヨ。
うン? そりゃ買ってクれるネぇ。
まー、でも。こンなのたクさん周りにイても、あンまイイコトないゾー?
ほどホど、でいいのサ。」
けたけたと笑う。
確かに貴重な存在なのかもしれない。
けれど、こんなのばっかりしか周りに居ない人生は、それはそれで破滅だ。
「ンー……むずカしートコだナ? 悪いコト、でもナいんだケド。
いヤ、多分ほんとはイイコト、なンだろーサ。
たダ、なンだろーナ。 イイコトだけガ正しいっテわけでも無イって感じ?」
んー……と、頭をボリボリかく。
いつもと違ってしっとりと、しっかりケアの行き届いた髪。
ちょっと違和感を感じる。
「人間って、怖がリだカんな。開けっ放シの窓に、幽霊を見つケたり。
近づカれて、泥棒と勘違いシたり……ま、そンなこともあルかモな?」
バランスは大事なのだ。勿論、最終的にお互いに開いていければいいんだけれど。
……結局、どれもこれも勝手な思い込みなんだよね。
それをすり合わせるつもりがあるかどうか。
自分はそれが出来なかったから、失敗したんだ。
「星座……ァー……ぇーっと……アレ。
あの、牡羊座、とか…そウいうのナら……
へー、デネブ、アルタイル。夏の大三角形、ネぇ……?」
星座占いレベルの事しか知らない模様であった。
面白そうに空を見上げて解説を聞いた。
ひょっとしたら、やってきた子どもたちと同レベルのようにも見えたかもしれない。
■水無月 沙羅 > 「ゆっき―先輩は苦手なんですけどね、私が後始末することになるから。」
ちょっとだけ憎たらしそうに苦い顔をする。
そう言えば懇親会の時もあの人の治療をしたんだっけ。
……抱きしめられるのは悪い気はしなかったけど。
「バランス……か、なら私もどこかで間違ったのかな……。」
ぽつりとつぶやいて、少しだけ寂しそうな顔を浮かべる。
何を間違えたのかもわからないまま、失意の中に居る。
それを紛らわしたかった、と言ったら彼女は怒るだろうか?
「デネブ、アルタイル、ベガは全部一等星……えっと星の中でも一番明るいから見やすいし判別もしやすいですよね。
もう少し都会から離れた場所に行くと、ベガとアルタイルの間に天の川が見えるんですよ?
彦星と織姫っていえばわかりやすいですかね?
七夕伝説のもとになった星です。
7月7日だけ会える、引き裂かれた二人。
それを隔てているのが天の川なんですね。
ここから見ていると、見えない壁って感じですけど。」
生憎、大気の汚染と、街の明かりに阻まれたこの街の空ではそれを見ることは出来ないだろう。
正に二人を阻む見えない障害だ。 そう思うと、今まさに自分は織姫にも思えてくる。
そこまで被害者ぶるのもすこし気持ち悪いか。
おそらく自分にも彼女達と同じように何かしらの咎があるに違いないのだ。
大好きな星の話をしているはずなのに、何処か表情が暗くなってしまう。
■園刃華霧 >
「……む。そレは良くナい。アタシも気をツけんとナぁ。」
さらっちに迷惑はかけたくない。
うん、それはよくない、レイチェルちゃんは……うん、ごめんね。
多分、これからも迷惑かける……
「カミサマじゃアるまイし。人間、まチガいなンてあルっしょ。
かクいうアタシは、人生間違いダらけダぞ? さらっち」
絶賛今も間違い中……言葉選び的な意味で?
ちょっと落ち込ませてしまったようだしね。
まあ、頭なでてやるか―、と軽く手を伸ばす。
「ほーン。あー、天の川、は聞いたコトあンな。七夕も。
アレだろ? 願い事吊り下げるヤツ。アタシはしナかったケど。」
あ、なんか子ども向けの説明されてる。いや、わかってる。
アタシはどうせ其のレベルだ。色々な意味で。まあ、仕方ない。
それにしても。
星に願いを、みたいなのは聞いている分には悪くない。
けれど、どうにも自分の性には合わない。
カミサマなんて殴り飛ばして膝まづかせていうこと聞かせろ、みたいな考えだし。
それはそれとして―ー
「見エない、壁……ねェ?」
じっと、沙羅の顔を見る。
■水無月 沙羅 > 「まぁ、それはそうなんですけど。 間違って傷つけちゃうのって怖いですからね。」
軽く頭を撫でられる。 こうされるのも随分増えた気がする。
それだけ自分を心配してくれる人が居るという事なのだろうか。
そう思うと少しだけほっとする、撫でてくれる手にすり寄る様に少し首を揺らした。
こうしているのは存外に心地が良い。
「そうですそうです、短冊に願いを書くんですよね。
私も今年はしてなかった……というかする気もなかったんですよね、あの時は。」
まだ、理央さんにも出会って間もない頃だったろうか。
そう考えると、余りに一か月間が濃密すぎたのかもしれない。
たった一か月、それだけでどれだけのことがわかるというのか。
きっと、自分は何も知ってはいないのだろう。
「……あれ、私何かおかしなこと言いました?」
何やらじっと見られている、観察されてる?
少しだけ首をかしげてかぎりん先輩を見返す。
■園刃華霧 >
「ン―……そりゃ、ネ。アタシだっテやだヨ、人を傷つけルとかサ。
ケド、本当に……どウしようモ、無いコともアる。
その時の自分は、本当に『正しい』つモりだッタのに。
実際の結果は、相手を傷つケてた……なンてことダって、あル。」
一瞬だけため息をつきかけて……慌てて飲み込む。
ここで自分のアレソレを吐露してもしょうがない。
あくまで今はさらっちのターン。
そう思いながら、撫でくりまわしておく。
「いーんじゃナい? 結局キモチだシ、ああいうノって。
気がすすマなきゃ、やンなくたっテさ。別に義務でもナいでしょ?」
だって、自分だって別に短冊など書かなかったのだ。
それを誰に咎められることもないだろう。
そして、それを書く気にならなかった誰かのキモチだって。
咎められるものではないだろう。
「……ン―……いヤ、うン。
おカしなコトはいってナい、な。
どッチかってーと、おかシな顔、シてる。」
どうしようか、と一瞬悩んだが。
別にただデートってわけでもないだろう;
……いや、それも大歓迎なんだけど。
それに、もしそうじゃないとしても。
流石にこんな顔を放ってはおけない。
どうして?
どうしてだろうねえ。
■水無月 沙羅 > 「……うん。 わかる……かな。
傷つけるつもりはなかったのに、傷つけてて。
分かってるつもりで分かってなかった。
誰かのためになると思って言った言葉はうまく伝わらなくて。
心って難しい。」
「かぎりん、やっぱり優しいね。」
お互い顔を合わせていたのだから、表情の機微くらいは分かる。
ちょっと暗い影が見えたのも、見逃さなかった。
別に、今は助けてほしい訳じゃないみたいだから深くは踏み込まないけれど。
多分それは、私の為なんだろうなと思った。
雰囲気を台無しにしたくなかったのか、別の理由があるのかはわからないけど。
彼女は多分そういう人だと思う。
「うーん、気が進まなかったというか、余裕がなかった?
ひと月、ううん、二月前はこう、うーん、こういう風に星を語ったりもしなかったから。
掬い上げてくれた人が言うには、ちゃんと『生きる』様になった……かな?」
正直な話、実はこのあたりのことはよくわかってない。
多分、人間らしくなったという事なんだと思う。
昔の私は、死んでるような人間だったのは自覚がある。
「おかしな……顔、ですか。 あはは、うーん、ダメですね。
せっかくの時間だから、せめて楽しくと思ったんですけど。
こうすればおかしくないかな?」
両頬を人差し指で少し持ち上げて、口角を上げて見せる。
にーっと少しだけ目も細めて。
それはそれでおかしなな顔になってそうだけど、其れで笑いも取れれば儲けものだ。
■園刃華霧 >
「まー、ソーね。心ってムズかシい。なにシろ、自分の心だっテ本当にわかっテんのか怪しイもんダ。」
本当のところをよくわかっていなくて、誤解のまま走り出してしまう。
わかっていても蓋をして誤魔化してしまう。
自分の心さえ、自由にできないのであれば。
他人の心なんて、尚更取り扱い注意、だ。
関わらないのがベストなんだろうけどなあ。
「ひひ、やっさシーだろー? もっと褒めテもイいんだゾー?
褒美になでクりまわしてヤるー」
けたけたと冗談のように笑ってみせる。
ついでに頭も撫で回し続ける。
勿論、髪の毛の乱れには多少は配慮。
……そろそろ怪しい気もするが。
「ほーン? そりゃー……なンか良い出会い、アったンだね。」
――沙羅も最初は平気で前線に一人で突っ走ろうとする無感情な奴だったからな。
――中々にキツイ体験もしてきてるし、それに立ち向かう為の出会いもあったのだろう。
そんな言葉を思い出した。
けれど、そこに深く突っ込むことはなし。
よくなったなら、それでいい。今は。
「……自覚は、アんだナ?
アタシは確かに『おかしな顔』っていったけど。
表情、なンていってナいゾ?」
まったくもう変に気を使う。
まあ、このままただのデートだってアタシはいいんだ。
好きなものを選んでもらうとするさ。
「……で。
話したイ? 相談シたい? 流されタい?
今なら黄泉の穴もビックリなくラい、言い捨てルだけの穴にナったっテいいヨ?」
へらり、と笑っていった。
■水無月 沙羅 > 「んんっ……そ、そろそろ髪の毛が、せ、セットしてもらった髪の毛が……」
実のところを言うとマンションに帰っていないから、恩人に部屋を借りていたりして、何やら甲斐甲斐しく世話をされている。
外に出てくると言ったら過保護なくらい服やら髪の毛やら指導を受けたっけ。
「うん……たくさんの出会いがあったよ。 本当に沢山、助けてくれる人が居て。
世界ってこんなにあったかいんだねって、少しわかったの。」
今までの出会いを思い出して、交わした言葉を思い出して、その物語を思い出して、すこしだけ本当の意味で笑顔を取り戻した。
彼の事を思い出すと、やっぱり少し暗くなるけれど。
「うっ……か、かぎりんなんかそれはトラップっぽい……。
自覚無い訳じゃ、ないけど。」
図星を突かれて苦笑い。
人差し指を離して作り笑いをほどいた。
「うぅん……わかんないっ。
どうしたらいいのか、どうしてほしいのか。 よくわかってないの。
相談したい気もするし、そうじゃない気もする。
助けてほしいっていう気持ちもあるけど、こうしてただ話してるのも、うん、楽しいから。
敬語とため口が混じっちゃって、なんだか話し方が変になるくらいに。
あぁ、うんでも。
たぶん、会話はしていたい、のかな。
誰かの声を、聴いてたい。 ひとりって、怖いから。」
言い終わってから、これはなかなか相手を困らせる言葉だなと思い返す。
いやどうしろと言うのだそれ、自分だったら相当に困りそうだ。
そのまま星空デートをするにはちょっと脱線しすぎたし。
少し考えてから。
「ちょっと肩をお借りしまーす。」
どうせもう馴れ馴れしくしてしまっているのだし、少しくらいはいいかなと。
華霧の肩にそっと身を預けた。
案外こうするのが好きだ。 人の体温とか、鼓動とか、そういうのは安心する。