2020/08/15 のログ
園刃華霧 >  
「おやオや、さらっちも人にセットしてもらうタイプ?
 アタシは……今日は、無理やりサれた。」

げそっとした顔になった。今思い出しても恐ろしい。
危うく、妙な服を着せられるところだったのをギリギリ脱出してきたのだ。

「オ、そりゃ良かっタ。案外、手を伸ばセば掴んでクるお節介焼きっテ、いるモんだよ。
 逆に言えバ……手を伸ばサないと、届かナいこともアる。
 手を伸ばせルか、そこガ一番肝心ダね。ま、わかッタんなら。さらっちは大丈夫ダね。」

これは本当に教訓。
嫌なヤツ、と思っていたやつですら実は良いやつでした、なんてことまである。
人間、触れてみないと意外にわからない。
だから、手を伸ばすことに意味がある。

「……」

まったく、頭の中ぐちゃぐちゃになっているなあ。
変にいじくってもしょうがないときか。
好きにさせておけばいいだろう。
だから

「迷ってもいい。悩んでもいい。自信がなくたって、構わない。
 そういうときにこそ――他の、周囲の『友達』や『頼れる人』が効いてくる。」

誰かの言葉を借り受けて、口にする。
自分に言い聞かせるように、相手に聞かせるように。
これは自分の復習であり、"分かち合い"

「困ったら“分かち合う”、なんだってさ?
 別に、話さなくたって……」

肩に身を預けられたのであれば、ゆったりとそれを受け止める。
……思ったより、軽い。
肩とか手を回したいなー、とか思ったけれど……これナンパ男の思考か?

「ま、こんなだって“分かち合”いだろうさ。
 好きにするといいよ。あと、敬語も。別にアタシなんかにゃ無理に使う必要ないから。
 さらっちの好きなようにして。」

へらりと笑う。

水無月 沙羅 > 「い、いつもは自分でしてるんだけど……お母さんみたいな、お姉さんみたいな、妹みたいな?
 こんなにちっちゃい人なんですけど、妙な関係の人が居て……あ、笑わないでくださいね!?」

片手で自分より一回り以上も小さい身長を示して。
自分でも妙な事を言っているのが理解できる。多分普通の人が聴いたらこいつ頭大丈夫かって心配されそうだ。
男性からそんな言葉が出たらとりあえず通報する自信がある。

「うん。 伸ばすことも、手を取る事も忘れないでいたい。」

それは大事な人たちに沢山教えられてきた、きっと生きる上で大切な事。
もう忘れたくはない、沙羅の一つの指標。

「――――。」

身を預けながら、その言葉を聞いていた。
少しの間目を瞑って、様々な音を聞く。
彼女の声、心臓の鼓動、流れる血液の音、流れる夜風、はるか階下から聞こえてくる誰かの話声。
夏のすこし生暖かい風が髪を巻き上げて、頬を微かにくすぐる。
肩を借りている少女のすこし癖のある髪が顔に当たって。

そんな全部がどこか暖かい。

「『分かち合う』……、一緒に背負う、とはまた違うんだね。
 ううん、そんなに変わらないのかな……でも、もっと優しい何かの気がする。
 重たくなくて、堅苦しくない……?
 不思議な言葉。」

どこか、彼女の口調が柔らかになった感じがして。

「かぎりんって、不思議な人だね。
 胸の中に、スゥって入ってくる感じ……?
 なんだか見透かされてるみたいで、でも、嫌じゃない。」

ゆっくり目を開けて、へらりと笑う顔が見える。
あぁ、こうして笑い飛ばしてくれる人は、居なかったな。

「安心するの。」

甘えてもいい人なんだな、と思ったら、つい手が伸びて。
彼女の服の端を握って、少しだけ引いていた。


暖かいなぁ。

園刃華霧 >  
「母で姉で妹? そりゃ随分と贅沢ないいとこ取りだなぁ。
 実在すんだなー、そういうの」

特に笑うでもなく、額面通り受け取った。
そんなヤサイマシマシニクアブラ、みたいなヤツ、逆にあってみたい。
むしろ好奇心のほうが刺激された。

「ん。それを忘れなきゃ、大丈夫さ。」

しっかりと答える言葉を聞いて、わずかに微笑む。
取り返しのつかなくなる前に、それを知ったのならきっと大丈夫だ。

「…………」

少しだけ、黙る。
少女は自分の鼓動や、周囲の音、色々な音を聞いているようで。
だから、声を聞いていたい、という言葉をちょっとだけ無視して。
ほんの少しの無言。

「ま、そんな御大層なことじゃないよ。
 アタシだって受け売りさ。
 ぜーんぶ、自分で考えましたー!なんて言えりゃ、格好いいんだろうけどね?」

けらけらと笑う。
自分も”分かち合う”ことで色々得られてきた。
これはただのお裾分けだ。

「あとな。さらっちは一人ぼっちの怖さを知ってんだな。
 それは大事なことだ。絶対に、忘れるなよ。」

これは自分の言葉。
自分は一人ぼっちに慣れすぎて、そんな感覚も麻痺していた。
だから一人でもいいさと、何処までも行ってしまった。

今考えてみれば、何処までも歪んだ思想だったのに。

「そっか。安心するか。
 いいよいいよ。ゆっくりしていけ。」

服まで引かれてしまった。
別に拒絶もしない。好きにさせておく。

ただ、顔だけは……先程までよりも優しい顔になっていたかもしれない。

水無月 沙羅 > 「ううん、かぎりんはかっこいいよ。
 すごく、格好良いと思う。 少なくとも、今の私にはそう見える。」

けらけらと笑う声につられるようにして思わず笑みが出る。
全部自分で考えられた人が居たら、それはきっと聖人か何かだろう。
私達は、そういう人にはきっとなれない。
失敗して、誰かから教わって、それを誰かに分かち合っていけるから、聖人である必要なんかない。
それを笑って出来る彼女は、とても格好よく見えるのだ。

「うん、一人ぼっちはね、怖くて、寂しくて、真っ暗だから。
 自分もいつか消えて行く感じがするの。
 だから、忘れたくても忘れられない。」

――――でも。

「こうしている時ぐらいは、忘れていてもいいかな。
 ……くふっ、ふふ、あぁ、そっか。
 あの子がお母さんなら、かぎりんはお姉ちゃんなんだ。
 かっこいい憧れのお姉さん?
 そんなかんじ。」

優しい声に、優しい言葉に包まれて、少し軽くなった肩の荷は下りた。
たぶん、求めているのはこういった関係なんだろう。
友達なのか、家族なのか、それはよくわからない。
兄はいるけど、それ以外はいないから。

「うん……もう少しだけ、ゆっくりさせて。

 ―――ありがとう、かぎりん。」

もう一度目を閉じて、体重を預けた。
自分は恵まれているな、と三度過去に思いを馳せて。
肩を貸してくれる少女にお礼代わりに微笑みで返して見せた。

もうしばらく、ゆっくり考えるのもいいのかもしれない。

園刃華霧 >  
「格好いい? そりゃどうも。
 それに――」

お姉ちゃん

其の単語は、意外なものだった。
自分には、ついぞ存在しなかったもの。

――家族

もし自分に家族があれば、こんな感じだったんだろうか。
けれど、それは残念ながらおそらく一生わからないことだ。

であれば……せめて目の前の"妹"だけでも大事にしてみるか。

「っていうか、さらっちさ。
 こうしている時は"一人ぼっち"じゃないんだから、
 細かいことは気にすんなって」

決してそれは"細かいこと"ではない。
けれど、そうやって笑い飛ばす。
今だけは忘れてしまえ、と。


「どういたしまして、さらっち。
 ごゆっくり――」


お礼に返答して、あとはのんびりと肩を貸す。
これで何かの救いになるのか。
そんなことはわからない。

わからないけれど、するしかない。
それが自分の生き方だから。

少女の体温を、体重を感じながら、
少女が満足するまで其の様子を暖かに見守っていた。

ご案内:「大時計塔」から水無月 沙羅さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から園刃華霧さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に227番さんが現れました。
227番 > 夜中に一人。螺旋階段を上るは不法侵入の少女。
こっそり出てきたので、早めに帰るつもりでは居る。

カツン、カツン。
ゆっくり1段ずつ階段を上がっていく。
毎度のことだが、この高い塔、上まで上がるのは結構な運動だ。

227番 > やがて階段を登りきる。
昼の間にこもった熱気に当てられ、汗が出る。
早く扉を開けて外に出よう。多少はマシになるはずだ。

扉を開ければ、こもった熱気が噴き出すように風が抜けて行く。
突風のように吹く風に帽子を攫われないように、しっかりと頭を抑えた。

今は誰も居ない……かな?

ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
> 「うにゃ、むにゃ?」

寝てしまっていた幼女が一人

本を枕にすやすやと

227番 > 「……」

人がいる。……自分よりは大きいようだが、子供のようだ。
セミの本の人ではないようなので、初めての人。

(起こしたらよくないな……)

空を見るため、そろりそろりと手摺部分まで。
限りなく足音は抑えているが、完全には消せていない。

> 「ん!?」

慌てて飛び起きた

「いまなんじ?」

キョロキョロ見回し、空調の魔術を解除して

「よるだー、おこられるー」

急にげんなりし始めて、君をようやく見つけて

「こんばんは?」

227番 > 後ろから声がして、挨拶された。
他に人はいないので、仕方なく振り返る。

「……こんばんは」

起こしてしまっただろうか。
少し申し訳無そうに挨拶をかえした。

> 「えと、びっくりした?ごめんなさい」

ぺこりと大仰に頭を下げて

「わたしはのぞみ、じゅっさいです」

自己紹介された

227番 > 「……大丈夫」

別に驚いてはいない。

「にーにーなな。ニーナ、でいい」

自分の年齢は分からないので、そこは返せない。

> 「ニーナちゃん、はじめまして、えと、なにしてるの?」

本とかをバッグにしまいながら

隣に寄って

227番 > 「わたしは、星、見に来た」

そう言ってくるりと背中を向ける。

> 「ほし?」

同じ方向を見て

「きれーい」

227番 > 「うん。綺麗」

夜中。街の灯りが減って星が一層良く見える。
普段なら見えない小さな星も見ることができる。

「……星……お星さま、の名前、知ってる?」

> 「わたしはわからない、けど」

北側にある一番輝く、星


「あれが北極星、ぽらりすだって、しーなちゃんにならった」

指を刺して

227番 > 「北極星……ポラリス?」

北極星。迷わずにそれを見つける。
カタカナっぽい名前もあったのか。

「ポラリス……」

……なんだろう。やはりなにか引っかかる。
引っかかるけど、聞いても仕方なさそうだ。

「あの白いのが、天の川。で、それを挟んで、明るいのが、ベガと、アルタイル。織姫と、彦星」

教えてもらったのだから、お礼にこちらも教えよう。
夜空を指差す。

> 「あれがある方向が北だから迷ったら見ろって」

「わあ、綺麗だよねえ、この時間お外出ないから知らなかった」

キラキラと星を眺める

保護者と友達にスマホでばしゃり、として、送る

227番 > 「それで北極星……」

なにか引っかかったまま、それは解けることはないようだ。

「それで、その下にある、明るいのが、デネブ。これで、えっと……夏の大三角」

星座はいまいち覚えられていないので、思い出すのにすこし時間がかかる。
写真を取る様子は特に気にしていない。

> 「綺麗だね、にーなちゃん」

あんまり星は詳しくない幼女だった

「あ、はい、これ」

鞄からいちごみるくを取り出して、自分も紙パックのジュースを取り出し

「記念だから、かんぱい」

にこーと

227番 > 「……どうして……いや、いっか」

二本出てくるということは、もとから誰かに渡すためだったのだろう。
それはもちろん自分のためではないだろうけど……気にしないことにした。

「ありがと」

おとなしく受け取って。

「かんぱい……って?」

わからなかった。

> 「しーなちゃんが来なかったからいーの」

にしし、と笑い


「楽しいことがあった時にこうするの!ってソフィアせんせが言ってた」
紙パック通しをこつん、と

227番 > 「ソフィアせんせ……そっか」

しーなちゃんはわからないけど、こっちは分かる。
出てきてからちゃんと会ってないな…と思った。

「わかった…かんぱい」

紙パックを軽くぶつける。

> 「ソフィアせんせの知り合い?ニーナちゃん?」

「かんぱーい」

軽くぶつけ、ストローを刺し、飲む

「ん、おいし」

227番 > 「ちょっとだけ、話した」

他にどう説明したらいいのやら。
考えながら同じようにストローを刺して飲む。

「……おいしい」

この懐かしい味わい。

> 「そっか、今度ソフィアせんせもあいたがると思うから」

えいっと肩を抱くような姿勢になって

「いっしょに写真撮って送るね」

にこーと笑い

227番 > 「しゃしん」

別に拒む理由はないか。
とはいえ、作り笑いはまだ習得していないので……
一口飲んで、柔らかい表情にした。

> 「せーの、はい、チーズ)

ぱしゃり、と夏の夜の、思い出を作った。

「ありがとね、ニーナちゃん」

えへへと笑い

227番 > 「どういたし、まして?」

お礼を言われることはしてない気がしているので、少し不思議そうに。
と、あることを思い出す。

「……帰らなくて、大丈夫?」

怒られる、とか言ってたような。

> 「あー、うん、帰らないと、ニーナちゃんは?」

帰ったら怒られるー、とブルブルしながら

「うー、途中まで一緒にいく?」

227番 > 「わたしは……」

もう少し星が見たいところだったが、少しずつ空が白んできていた。

「帰る。途中まで……わかった」

保護者が起きるまでに戻らなければ。

> 「うん、しーなちゃんに『時計塔で寝過ごすとか、危機意識が足りねーですよ』って言われちゃうー」

あうーと、手を伸ばして、つなご?と

227番 > 「……」

そういう喋り方には心当たりがあるが……、
その人だとは言い切れない。

「ん。」

手を伸ばされれば応じて、しっかりつなぐ。

> 「じゃ、いっしょに帰ろ」

にこーと笑い

階段を降りていった

ご案内:「大時計塔」から227番さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」からさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にウルトールさんが現れました。
ウルトール > 「………。」

黒い甲冑、ウルトール。
今日の"運用"は既に終了した上で、大時計台の天辺にやってきていた。

兜の見下ろす先は、常世島から溢れる文明の光。
…その光が安寧のものであるために、毎日のように風紀治安維持活動を続けていた。
だが、どうにも最近"彼"の様子がおかしい。やけに人目を気にするようになった気がする。
自分の知らないところで、何かあったのだろう。

…探りを入れるべきか。自分自身に。

「「少し前の、夜の記憶がない。」」

その言葉は、誰かに問う様に。

「「疲労から、泥のように眠り落ち、抜け落ちたというなら問題はない。」」

自分しかいない場所で、独り言ちる。

「「だが、あれ以降からだ。お前の様子がおかしくなったのは。」」

ウルトール > 「「何が起きたとは、最早問うまい。」」

そうだ、重要なのは…

「「今更投げ出し、辞めるつもりがないことを、確認できればそれでいい。」」

自分が復讐すべき相手を、違わないことだ。
その気がまだあるのだということを、意識させればそれでいい。
どうせ、馬の骨も分からぬ誰かに誑かされたか。
これだから、心なんて不要だと働きかけたのに。
救えぬ者だと意識させるのは、少し尚早だったようだ。

「「忘れるな?私は、復讐者である。
 お前の代わりに、悪辣を諫める復讐の代行者である。

 私が居る限り、お前の復讐は終わらない。」」

まだ、全てが終わったわけではない。
如何様にも、付け入る隙はある。

ウルトール > 「「……さて。」」

一つ、咳ばらいをした。

「「私だ。本日の運用も無事完了した。
 少し休息した後、拠点に戻りたい。
 すまないが、手隙の頃でいい。一台頼みたい。

 場所は―――」」

どうやら、誰かと連絡を取っていたようだ。
暫くした後に、ここにピックアップを寄こせと、そういう内容の。
…だが、それが来るまでは、ここでまんじりともせず過ごしているだろう。

黒い甲冑は、今日も大時計台の天辺で独り佇んでいる。

ご案内:「大時計塔」にウルトールさんが現れました。
ウルトール > 「「む。」」

そうして、しばらくたった頃だろうか。
無線連絡が入ったのか、言葉を話し始める。


「「……そうか。
 なら、向かうとしよう。」」

かつん、かつん。硬いものが当たる音を辺りに立てながら、黒い甲冑が天辺から去っていく。

「「そろそろ、人数を増やした運用を考えねばなるまい。
 異能を持つ集団や魔獣の駆除等にも、かからねばな。」」

今後の予定を考えながら、拠点へと戻っていった…―――

ご案内:「大時計塔」からウルトールさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にウルトールさんが現れました。