2020/11/26 のログ
ご案内:「大時計塔」にユラさんが現れました。
ユラ > 夕方、日が沈むちょっと前あたり。
これから暗くなり、月と星々が輝く頃、時計塔に不法侵入。

(……一番乗り)

時々ここに来ようとしても、意外と人が居たものだ。
今日はレジャーシートを持ち込み、さらに買い込んだサンドイッチとお菓子、いつもよりさらに甘くしたミルクティーを用意した。
さっそくたまごサンドをもりもり食べ、空を見上げる。
茜色から闇色に染まり始める、最高の時間。至福のひと時。

ユラ > 上に灯りが無いためか、あまりに空が見やすい。
しかしこの時期の星は大体見終えた。
次に勉強のために空を見上げるのは、きっと二か月以上先になるだろう。

ぼんやり星を眺めていると、ふと思い出す。
家を出た兄のこと。

『夢で見たね、大好きな人に会いに行くんだ』

最初は何を言っているのかわからなかった。
実際に兄が家を出た時、心から裏切られたと思った。

あの時の兄は、いったいどんな『星』を見つけに行ったのだろうか。
夢の中だけで出会った誰かなんて、実在するはずがないのに。

ユラ > 「星……星か……」

じっと空を見つめる。
サンドイッチを食べ終え、デザートのチョコレートケーキを口にしながら。

ではその兄を恨む、自分はどんな星を探しているのだろう。
誰かの後を追いかけるだけ、自分だけのやりたいことも、自分だけができることも無い。
誰かが夢を追うことを、どうして咎められるのだろう。

大人になったら、何かを為す必要がある。
その時に自分が出来ることはなんだろうか。

星を眺めながら、ミルクティーをすすった。