2021/12/20 のログ
■暁 名無 > そのまま待つこと数十分。
もうすっかり冷え込んで、手先の感覚も鈍り始めた頃。
またしても唐突に、ガーゴイルが動いた。しかも今度は遠吠え。
『ゥワォォォォォォォォン』
多分、魔力が最大まで貯蔵された事を報せている、のだろう。
同時に石像の頭に乗せていた手から魔力が吸われる感覚も無くなった。
俺はそっとガーゴイルから手を離す。翼持つ犬の石像は微動だにしない。
その姿に、少しだけ期待と不安が入り混じるのを感じながら俺は数歩後退った。
「流石に飛んできたり飛び去ったりっていう相手には反応しないとは思うが……
クレーム入ったら撤去しに来ようっと。」
それじゃあ、宜しく頼むよ。
俺はガーゴイルへと手を合わせて、ひとまず生徒への危険が少しでも減る事を祈って時計塔を後にするのだった。
明日、石像背負って階段上りなんてした反動と
魔力の過剰吸収による二日酔いに悩まされるのはこの時はまだ……いや、ちょっとだけ予感してたけど。
ご案内:「大時計塔」から暁 名無さんが去りました。