2024/06/01 のログ
■ポーラ・スー >
気配を消す事に関してはポーラもそれなりのスキルがあった。
動揺していたのなら、気配に気づけなかったのも無理はないだろう。
隠れる、見つける、といった能力は、子供たちとのかくれんぼで培われたスキルの一つだった。
「どっち、って、ねえ?」
にこにこ、と目元を緩めたまま、両手の袖で口元を隠したまま、ふわり、と姿を現して、ゆらりゆらりと少女に歩み寄っていく。
「先生はねえ、そうねえ。
面白そうな事を探して?」
そう言いながら少しだけ瞳を右上に動かして、考えるそぶりを見せた。
「うーん、体裁をとるなら、生活委員の見回りかしら。
なんて。
優等生の風紀委員さんの前で言う事じゃないかしらね」
そう答えると、くすくすと楽しそうに小さな笑い声をあげた。
■伊都波 凛霞 >
「あ、あんまり面白いコトではなかったと思いますけど…」
男子生徒にとっては間違いなく本気の…。
わからない、玉砕は覚悟していたのかもしれないけど。
それでもすごく熱意と、思いを感じた。
それが実際に砕け散る様は、胸苦しさを禁じ得ない。
面白そうなことを探して…というなら、面白いことではなかったのだろうと思う。
視線につられる様に、右上を見る。
「こんなところ、見回らなくても。
見回るなら時計塔の中ですよ、先生。立ち入り禁止なんですから」
苦笑いを浮かべて、そう応える。
優等生…その評価は否定はしない。
あまりそういうつもりもないけれど、否定の言葉を口にするとそう見ている人にはきっと良い様には聞こえないから。
「はぁ……でも見られてたなんて……」
あの子にも悪いことしたかも…なんて、額に手をあて俯いて。
■ポーラ・スー >
「あら、とても面白いわよ?
思春期の子たちは、見ているだけでとーっても面白いわ」
当事者からすれば、礼を逸している、心外な言葉に聞こえるかもしれないが。
ポーラという女にとって、少年少女が、相応の青春を送っている姿はとても微笑ましい光景であるのだ。
「うーん、中はほら、隠れたい子だっているでしょう?
ほんとうに見つけちゃったらかわいそうだもの」
ちら、と、そびえる塔を見上げて、ふふふ、と笑った。
「大丈夫よ、ちゃんと秘密にするもの。
わたし、とっておきの楽しい事は独り占めしたくなっちゃうタイプなのよ、『りんちゃん』」
そう脈絡もなく勝手な愛称で呼び始めた。
■伊都波 凛霞 >
「…何年かしておとなになって、良い思い出の一つになってくれたら嬉しいですけど」
学生達の青春、という括りにしてしまえば。傍観者からは微笑ましい光景だったのだろうか。
当事者としては…どうしても複雑になってしまうものだけど。
それをまったく理解できない…というわけでもない。
「え゛…だから中に隠れちゃダメっていう…」
えー、と思いながら言葉を返すもふふふとか可愛い感じに微笑まれてしまって言葉が続かない。
妙なペース…というか圧?というか…変わった雰囲気の先生である。
「秘密は、絶対ですよ?
いずれ良い思い出の欠片になったとしても、今は…傷ついてると思いますし。
……りんちゃん?」
首かしげ。
先生からふれんどりーな名称で呼ばれるのは新鮮すぎて、思わず。
■ポーラ・スー >
「まあまあ、それこそ心配ないわ。
ああいう男の子は、ちゃんと思い出に出来る子よ。
そうねえ――早ければ、年内には別の子に恋してるんじゃないかしら」
男子というのは案外、打たれ強いもので。
恋が破れたと思ったら、それをきっかけに新たな恋を見つけたりもする。
もちろん、ナイーブな子もいるが、先ほどの様子は心配になるものではなかった。
「――でもそうねえ。
心配ならすこぉし、気にしておいてあげようかしら。
これでも先生、教会で司祭もしてるの。
お話しを聞くのは、とーっても得意なのよ」
両手を合わせて、にっこりと柔らかく笑う。
一応、見てしまった以上は必要ならケアをするつもりはあるようだ。
「もちろん、今言った通り、先生で司祭だもの。
内緒のお話は大得意――あら?」
首を傾げられれば、ポーラも不思議そうに首を傾げる。
「三年生の、りんかちゃんでしょう?
『りんちゃん』で間違ってないわよね?」
なにか間違っただろうかと、幼子のように無垢な表情できょとんとした。
■伊都波 凛霞 >
「そうだといいんですけど」
確かに傷ついたような素振りは見せなかったけれど。
それはそう振る舞っただけなのかもしれない。
そう振る舞えるのはきっと、先生が言うように…。
「いいんですか?それだったら、是非お願いしますけど」
気にかけてあげましょうか?という言葉。
ふんわりとした雰囲気だけれど、その言葉はとても頼りになる。
登場には少し驚いたけど、さすが先生だなあ…なんて思う。
司祭との二足の草鞋も、きっとそんな簡単なことではないだろうに。
「ああいえ間違ってないです!凛霞であってます!
急にくだけた感じで呼ばれたからびっくりしちゃって…」
あはは、と小さく笑う。
それ自体は嫌なことでもなんでもない。
なんだか、落ち込みはじめていた気持ちがふわりと和らいだ。
先生ってすごい。
■ポーラ・スー >
「はぁい、おねがいされちゃうわね。
だから、あなたも気にし過ぎちゃだめよ?」
そうにこやかに答えながら、ゆらり、と体が揺れたと思えば、ゆったりとした動きで目の前まで歩み寄り、少女の口元へ人差し指をすっと立てるだろう。
その動きは洗練されたモノとは異なる、言うなれば極端に自然体すぎるもので、目で追うのは容易だが身構えていなければ見過ごしてしまいそうなほど、『違和感』を覚えられない動きだろう。
しかし、少女ほどの武術家であれば反応出来ないものではなく、むしろその異様さに気づく事もあり得るだろう。
「ああ、よかったわぁ。
ふふふっ、聞いていた通り、『りんちゃん』は真面目なのねえ。
あっ、そうそう、先生のことは『あーちゃん』って呼んでくれていいわよ」
そして少女の反応に関わらず。
ポーラは嬉しそうに微笑んでいる事だろう。
■伊都波 凛霞 >
「っ……」
そんな言葉を交わしていると、不意に先生は距離を縮める。
妙な動き…と感じることはできたけれど、それに身構えることはしなかった。
なぜかといえば…直感的なものではあるけれど、その行動に悪意や殺気なんて呼ばれるものが、含まれていなかったから。
「気にしすぎない…ように努力はします」
言い切れないのは、流石に当時直後。自信はない。
今日の夜はきっと寝付きは良くない気がする。
それでも気にしないように努めるのは大事…助言は有り難く心に受け止めて。
「あはは…真面目…なのかな?なのかも…。
……あー、ちゃん…? いやいや…先生のことそんな風に呼べませんって…!」
ええっ、と驚いた表情。
そんな、さすがに線引きはちゃんとしてしまう。
自分は生徒、相手は先生なのだから。
■ポーラ・スー >
「あらあら、ほんとにいい子ね」
するりと少女の間合いの内に入り込んでしまえば、やんわりと目を細めてから少女の愛らしい唇に指先でそっと触れようとするだろう。
「釈迦に説法――ああ、わたしが言うなら、イエスに愛を説くかしら?
緊張と弛緩、緩急の大事さは武術を嗜むならよくしっているでしょう。
青春もおなじよ」
そうふわりふわりと、微笑んで。
「もう、ほんとに真面目なんだから。
仲のいい子は、『あーちゃん先生』って呼んでくれるのよ?
それとも『りんちゃん』はわたしと仲良くしてくれないのかしら。
それは、とぉっても残念だわ」
少女を上目遣いに見上げて、片手の袖口で口元を覆いながら、せつなそうに潤ませた蒼い瞳でじっと、明るい色の瞳をのぞき込むだろう。
■伊都波 凛霞 >
「ん……」
唇に指が触れれば、もう一度びっくり、大きな眼をより丸くする。
自然を彩らない無色透明のリップが艶を強調する唇は瑞々しい柔らかさをその指へと返す。
「う、うーん……それはもしかしたら…もうちょっと私が大人になったらわかる…のかも」
青春の真っ只中にいるうちはきっと見えてこないものがある。
大人になって、俯瞰して見ることで…視点が変わればそういうように見えるようにもなるのかもしれない。
常々平坦凹凸なし、よりも…彼女の、先生の見たい"面白そうな"に見えるのだろうか。
「もう、先生ったら…。
そんなことないですってば。もちろん先生ですから、目上の人ですし学校の友人と同じ様にとはいきませんよ?
……じゃあ、「あーちゃん先生」で…?」
先生、とついているとなんだかそれだけでOKな気がする。不思議。
「あれ、でもポーラ先生ですよね?どこからあーちゃん先生って……」
■ポーラ・スー >
「そうよねえ、今はどうしても気になっちゃうものよね。
なら――前向きな気持ちで気にしてあげましょう?
あの子に、これからもっと素敵な出会いがあるように。
祈りは無力でないもの。
きっと、あなたにも、あの子にも、ちゃんと幸福が訪れるわ」
そう瑞々しい唇を優しくなぞってから、その指先を自分の唇に触れさせた。
司祭にしては少々蠱惑的な行動かもしれない。
「ふふっ、よかった。
『りんちゃん』が仲良くしてくれるなら嬉しいわぁ」
ぱぁ、と明るく無邪気に笑って、嬉しそうに両手を合わせる。
けれど、少女の疑問には、あら、と指先を頬に当てて首を傾げた。
「ええ、そうなの。
昔から、幼馴染にも仲のいい子たちにも、司教様にも『あーちゃん』って呼ばれていたのだけど。
うーん、どうしてかしら?」
心底、不思議そうに。
明らかに『不自然』だが――まるでその異常さに本人さえ気づいていないような様子だ。
■伊都波 凛霞 >
うわっ! この先生、えっちだ。
言ってることはすごくいいことなのに、今の仕草は間違いなくえっちだ!
大丈夫かな、仲良くってそういう意味じゃないよね…?
顔には出さないまでも内心はぐるんぐるんしていた。
ニックネームはどうやら昔からそう呼ばれているものらしい。
由来ははわからないらしいけれど、ずっと呼ばれているのなら安心して呼ばれるものなのだろう。
「うーん、気になりますけどそういうことなら!
ご贔屓にしてくださいねー、あーちゃんせんせ♪」
そう言って、にっこり笑って見せていた。
■ポーラ・スー >
「ええ、もちろん贔屓しちゃうわ。
『りんちゃん』もたくさん、なかよししてちょうだい?」
子供がするように無邪気な笑顔を浮かべて、おねだりするように少女を見上げながら、その少女の頬を挟むように両手を伸ばし。
驚くほど距離感が近い。
「ああよかった。
最近はね、幼馴染からも『あーちゃん』って呼んで貰えないのよ。
わたしは『あーちゃん』が大好きなのに。
ね、『りんちゃん』だって呼ばれると嬉しい名前ってあるでしょう?」
そう言いながら、少女の両頬に触れようとする。
■伊都波 凛霞 >
「ええ、もちろん」
笑顔を維持したままそう応えて
こうやって見ると自分よりもかなり小柄。頭ひとつとまではいかないけど、見下ろす形…。
そんな風に見上げられて。
不意に伸ばされるその手にも警戒はせず、不思議そうに眺めていた。
「ふふ、どうしたんでしょうね?
嬉しい名前……うーん…、確かに。
名字より名前で呼ばれると嬉しいかも…親しげに感じるから…かな?」
先生の手を頬に触れる。
すべすべお肌。肌理細やかで、若さなりの張りがあって…柔らかい。
■ポーラ・スー >
「そうよね?
よかったわぁ、それなら『りんちゃん』って沢山よんじゃうわね。
『りんちゃん』、『りんちゃん』」
嬉しそうにふんわりと笑ってから、目を細める。
光を吸い込むような深い蒼色の瞳が、まっ直ぐ少女の瞳をのぞき込みながら。
両手が少女の頬を包み、優しく撫でる。
「ああ――『りんちゃん』
とっても真面目で、健気で、かわいい子。
でも、そんなに愛らしいと――」
するり、と少女の胸に体を預けるようにして、腕の中に入り込み。
背伸びをして、少女の耳元まで唇を寄せ。
「――いたずらしたくなっちゃうわ」
と、艶めいた声音で耳元に囁く。
抵抗が無ければ、少女の耳朶をついばむ様に唇を触れさせてしまうことだろう。
■伊都波 凛霞 >
「あはは、あんまり呼ばれるとなんか恥ずかし―――」
更に身を寄せるポーラ先生…いやさあーちゃん先生。
え?え?となりつつ一歩だけ後ろに下がるけれど、自分の胸に身体を預けるのを感じれば踏みとどまる…。
だって、転んでしまいそうな気がしたから。
「悪戯!?あーちゃん先生?!」
耳元で囁かれる声。
少女の首元からはささやかなライムの香りを感じられる。
それほどの、距離。
そしてすぐに、耳朶に感じた感覚に──。
「っ! ちょっ……!」
ぴくんっ、と派手に反応してしまって…思わずあーちゃん先生の両肩を手で掴んで、僅か距離を離してしまう。
もしかしなくてもやっぱりえっちな先生だった!?
頬も紅潮するし、予期せぬ行為に耳朶まで赤く……。
■ポーラ・スー >
「――やぁん」
ぐい、と肩を掴まれたら、またも色のある声を出してみせる。
「もう、『りんちゃん』ってば、力強いのね。
それに――意外と積極的なのかしら?」
一方は両肩を掴み、一方は頬に手を添え。
見ようによっては逢瀬に酔っているようにも見えるかもしれない。
「いいわよ『りんちゃん』
わたし、愛らしい女の子も大好きだもの。
ええ、愛らしすぎてイケナイわね、どうしようかしら。
生活委員の先生に――ナイショの指導うけてみる『りんちゃん』?」
そうして今度はゆっくり正面から少女の顔へと、顔を近づけてゆく。
ライムの香りに、甘さのある天竺葵の香りが混ざり、鼻先が触れ合うほどの距離まで迫って――
「――なぁんて。
ドキドキしてくれたかしら?」
途端、いたずらに成功した子供のように、幼さすら感じる笑みを浮かべて小さく舌を出して見せるのだった。
■伊都波 凛霞 >
「やっ、あの、そういうわけじゃっ…!」
あわあわ、見るからに慌てふためく…。
こういう接近に免疫がないことがバレバレで、咄嗟の判断力も鈍る鈍る…。
「だ…め、ですってば…せんせっ───」
顔が近づいて来る。
ふわりとただよう香りが、互いの距離が近すぎることを示して…。
それでも力任せに突き飛ばすなんて、そんなこと先生相手じゃなくったって、できない。
思わず眼を瞑る………。
……と。
投げかけられた声。
眼を空ければ可愛らしく舌を出して笑っている、あーちゃん先生の顔…。
………かーっ、と…顔が真っ赤になっていく。
無論怒りじゃなくて、恥ずかしさで…。
■ポーラ・スー >
「まあまあまあ。
ふふ『りんちゃん』てば、りんごみたいに赤いわぁ。
りんごの『りんちゃん』、なぁんて」
くすくすと、少しも悪意を感じさせない――どこか歪とも思えるほどの無邪気さ――幼くすら見える――微笑みを浮かべている。
少女に触れていた両手は、赤くなった頬を優しく撫でながら。
「うんうん、とってもいい顔になったわ。
『りんちゃん』ってば、とても純情なのねえ。
素敵よ、その純真さは何よりも得難いものだわ。
その得難さがあれば大丈夫、『りんちゃん』は『りんちゃん』の思うままに在っていいのよ」
そう言ってから、両手を離し、深淵のような蒼い瞳を細めて柔らかく笑った。
「だから、悩むのも悔いるのも、前向きにしましょう?
『りんちゃん』はちゃぁんと前を向いて歩ける子だもの」
純真さ、純朴さというのはそれだけ尊く、強い物だと知っている。
儚い物は、同時に強さも持ちえるのだから。
「ああでも――先生をえっちな人だなんて思うのは酷いわ。
そんな風に思われちゃったら、もう少しで、ほんとに物陰に押し倒しちゃうところだったもの。
あ、『りんちゃん』もしかして、実はそういうコトにも興味あるのかしら」
なんて、真面目な言葉から一転、コロコロと可笑しそうに、口元を隠して笑いだした。
■伊都波 凛霞 >
「もう…あんまり誂わないでくださいよぉ…」
ちょっとむっすりふくれっつら。
優しく撫でられてはいるけれど。
「純真…かなぁ。前向きに…あ……」
もしかして。
男の子を振ってちょっと落ち込みかけてたのを慰めてくれた?
生活委員の先生すごい。誂っていたように見えて元気づけてくれていたのだ。
──と思えば。
「え゛…いや、あ…別にそんな、仕草がえっちだとか、そんなのは…」
しどろもどろ、余りにも嘘がつけない性格である。
「ああもう、また……もうその手には乗らないんですからね…?」
悪気はまったく感じないけれど、ついついペースに乗せられてしまいそうになる…。
そんなやりとりをしていれば、時計塔が予鈴を告げる。
真下にいるものだからかなりの大音量、ちょっとびっくり。
■ポーラ・スー >
「あらざぁんねん。
もう少しイタズラできるかとおもったのに」
正直すぎる少女に、くすくすと笑ってから半歩下がり――
「わぁ」
大きな予鈴の音に、驚いたように目を丸くした。
「まあ、楽しい時間は直ぐに過ぎちゃうのね。
そういえば、この後、会議だったかしら」
何かを思い出すように少しだけ目を泳がせるが、それも一時の間。
「いやだわぁ、会議って、面白くないんだもの。
ああそうだわ、せっかくだし、このまま忘れたふりをしちゃいましょう」
とてもいいことを思いついたとでも言うように、楽しそうに笑えば、ふわり、と裾と袖を踊らせて、寄せていた体を離しながらくるりくるりと二回転半――少女に肩越しに振り返り。
「それじゃあ、先生は会議から逃げちゃうわね。
この後は、そうねえ、部室棟にでも隠れちゃおうかしら。
真面目な風紀委員さんに、見つからない様に、ね?」
そう言って自分の唇に、人差し指を当てて、しぃー、と小さく空気を漏らす。
「ああそうだ『りんちゃん』
これは生活委員の先生と、同じ女の子としての注意なのだけど」
くすり、と笑みを零して、また踊る様に身を翻し。
「制服はちゃんとサイズの合ったものにした方がいいわ。
そうじゃないと、身体にも、男の子にも悪いもの」
そう楽しそうに言い残して、弾むような足取りで時計塔を去っていく事だろう。
■伊都波 凛霞 >
「え、あっ!ちょっとせんせ……!」
まるで羽毛のような軽い足取りで去るその背中へ手を伸ばす。
しかし、嵐のようだったその先生の姿は遠くなるばかりであった。
堂々と会議をサボると言い出すし、優しいのだけどどこか掴みどころのない…。
「……変わった先生、多いな~……」
頬をかりかり。
まぁ、生徒が個性的なのばかりだから自然と…なのかもしれない。
はふ、と溜息を吐いて、自分も次の教室へと向かわなければ。
──………
歩き始める前に、自分の手で自分の胸を持ち上げてみる。
「……だって採寸恥ずかしいんだもん」
そう、誰に答えるでもなくぽつりとそう零していた。
ご案内:「大時計塔」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」からポーラ・スーさんが去りました。