2020/09/10 のログ
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁」にレオさんが現れました。
レオ > 「ふぅ…」

休憩室で、ドリンクを片手に息をつく青年が一人。
少し疲れたようにして座る姿は、仕事上がりのサラリーマン然としている。

入ってから、身体能力テスト、戦闘テスト、書類の作成、研修…
ようやく一通りが終わって、今日から本格的に風紀委員として『外回り』の仕事も始まるらしい。

ちなみに戦闘テストの結果は、最初にある先輩と行った機械兵との戦闘を覗いて、シュミレーションは優秀、対人戦では、10戦6勝4敗。
突出した成績ではない。

・・・筈なのだが

モブ風紀委員 > 『おい、あれ…例の』
『「鉄火の支配者」の戦闘テストで無傷で合格したっていう…』
『でも訓練見た限りそんな風には見えないけど…』
『いやでも、初日にヤクザ組織を壊滅させたって聞くぜ…』
『え、公安で暴れすぎて3日で辞めさせられたんだろ?』

こそこそ

レオ > こんな感じである。
尾びれが5mくらい生えた噂が、既に広まっていた。

「……はぁー……」

ため息が、こだまする。

レオ > こんな筈じゃなかったのになぁ
どうしてだろなぁ
普通に街の警備とかをやって、学校の勉強をしていればよかったんだけどなぁ
現実は甘くない。

「兎も角、仕事な以上はやらないと、なぁ…」

レオ > そう思いながら、渡された資料を改めて読んでみようと手を伸ばした。
ここ最近風紀委員が調査しているもの、指名手配されている人物、怪異、まだ事件性はないが危険かもしれないとされる案件。

資料だけで辞書のようになっているそれらを、ぺらぺらと捲る。
解決した事件は、今はいいだろうと弾いていきながら。

「『落第街で最近目撃談が出る水を操る少女』『修道院から消えたシスター』『違法部活の活性化』……
 織機先輩の言った通り、色々起きてるんだな」

平和に見えても、色々あるものだ。

レオ > 他にも最近ではないが、今も指名手配している危険人物、怪異を見る。

『怪異殺し』『第一級監視対象』『裏常世渋谷』

「…ん」

その中に、覚えのある名前を発見する。
月夜見 真琴
列車内で出会った、風紀委員の先輩。
白い髪の、綺麗な先輩。
監視対象?
何をやったんだ?

レオ > ぺら、ぺら…と資料を捲っていく。
資料は数枚にまとめられていて、文字ばかりですこし目が滑る。
それでもなんとか、資料の文面を読んでいく。
情報量が多くて読み込めているのか分からないが……

その内容は『過去に活動していた違法部活との関係が疑われている』『数回の問題行為』といった類のもの。

「……そんなに危険な事をする人には見えなかったけど」
前線に推薦はされたけど、基本的には優し気な先輩な印象だった。
から、少し意外だった。


意外だった、だけ。
それ以上に思う事はなかった。

もう過ぎた事。
別に自分がそれに絡んでいた訳でもない。
除籍処分を受けてる訳でもないし、現状何かを起こしている訳でもない。
なら、そう気にする事でも、ない。

レオ > 「―――人に歴史あり、って事か」

人それぞれ何かしらの過去がある。
ただ、それだけの事。
自分にも色々あり、その上で常世島に流れ着いてる。
基本的にここに来る前の事を話す事も、ないと思っている。
だから、そんなもの。
それだけの事。

自分が居合わせた事、それが自分が関わる、いや…関われる範囲。
それが16年間生きてわかった事。

だから、気にする必要はないし、しない。

ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁」に燈上 蛍さんが現れました。
レオ > 「過去、か」

過去。
使命感と、罪悪感と、色々なもので動き続けた、過去。
そして、逃げ出した、過去。
忘れる事はない。この先も。
罪悪感と、後悔と、本当によかったのかという不安と、結局普通とは遠くにまた来る事になりそうな、今と。

全てを思い浮かべて、ぼうっと天井を見上げた。

燈上 蛍 >  
『今あそこの休憩室に行くのはやめた方が良いって。』

なんていう他の風紀委員の言葉をスルーして、
扉を開ける音と共に、1人の青年が休憩室に入る。

そこが一番近かった。それだけだ。

長身の黒髪に紅橙眼の青年はちらりとレオの方を見やった。
炎のような瞳とは裏腹に、静かな雰囲気を纏い、
編み込んだ黒髪を飾るように白い花をつけている。


相手の悔恨も苦悩も、初対面の青年は何も知らない。

誰しにも物語はありとて、それは知られなければ語られない。

レオ > 「―――…あ」

一人休憩室でぼうっとしていれば、人が入ってくる。
知らない人だ。とはいえ、ここに来たという事は、風紀委員の先輩だろう。
背、高いな。
170にぎりぎり届かない背丈の青年は、ぼんやりと思った。

「…すいません、先に使わせてもらってます。」

自分にとっては風紀に所属している人間は誰でも先輩だ。
礼儀正しくしなければ。
ぼやっと見ていた資料を閉じて、小さく会釈した。

燈上 蛍 >  
自分でも身長はよくよく伸びたなと思う方である。
そんな特別なことをしてはいないのだから、まぁ、遺伝子が良かったのかもしれない。

「ええ、お疲れ様です。」

噂に反して礼儀正しいですね、等と思ったのは内緒だ。

年齢的には僅かに年上だが、青年はどんな相手でも敬語なのか、
静かな声が返って来ることだろう。

「…初めまして、僕は燈上 蛍(とうじょう ほたる)です。新人さん。」

レオ > 「燈上先輩、ですか…
 あ…レオ・スプリッグス・ウイットフォードです。
 場所、とっていましたね。すみません…」

そういって周りにある、過去の記録なので弾いた風紀の資料もまとめる。
皆が使う休憩室だ、あまり広げすぎるのはよくなかった。

「すぐに出ますので、ご自由に、どうぞ。
 って、まぁ…僕の場所って訳でもないんですが」
へにゃっと苦笑した。

燈上 蛍 >  
「ああ、気にしないでください。
 座るスペースが一つでもあれば僕は充分ですから。

 レオさんと、お呼びすれば良いですか?」

ミドルネームがある場合はどう相手を呼べば良いのかと悩み、
とりあえずファーストネームを口にする。

山と言う程でも無い過去資料を炎の視線が撫でながら、空いた椅子の一つに座る。

手荷物から小さな小説を取り出し、
資料の置かれたテーブルの隙間に小さな紙パックの飲み物でもちょんと置かせてもらおう。

「近況資料ですか。
 …結構物騒な方の資料が多いですが、刑事部の方へ配属に?」

風紀委員の仕事は多岐に渡る。
平凡な校内見回り、生活指導から、
過激な違反部活と直接戦うようなモノのまで。

平穏な所は平穏であるし、
そうでない所は明日死ぬかもしれないような日々を生きている。

レオ > 「あぁ、はい。
 僕もそれで慣れていますし」

ファーストネーム以外は飾りのようなものだ。
あまり呼ばれた事もないし、レオの方が呼ばれ慣れている。

刑事部へ所属に、と聞かれれば

「刑事部…なんですかね。
 前線の方とは言われました、人手が足りないからって。
 色んな事件が起きてて手が回っていないそうなので……」

確か、特別攻撃課、だとか、そういった戦闘を主立って行う所もあるとか聞く。
そういう所にいくのかもしれない。まだ一応実際の仕事にとりかかっていないので、それの結果で所属先は、変わりそうだが。
前線への推薦はしっかり通って(しまって)いるから、荒事の多い所に入るだろう。

「まぁ…念のため、ですけれどね。
 色々なものを見るって他の先輩にも言われてたんで、目を通せるものは通しておこうかなって」

 戦闘になれば情報の有無は決定的な差になるから、とは、言わなかった。

燈上 蛍 >  
「そうですか。
 僕も最近一般風紀から刑事部…前線系へ配属になりましたよ。
 人手が足りていないのは本当みたいですから。」

物静かな青年も、レオと同じく前線の配属だと話す。

夏季休暇中は帰省する生徒や、羽目を外す生徒が多く、
それは風紀委員も例外ではない。

風紀委員が押さえつける力が弱まれば、自然と勢い付くであろうし、
新たに違反部活や怪しい動きが生まれる。
故に休暇明けはまだ違反部活も活発となれば、
この時期に人手が欲しくなるのも頷ける話ではあるだろう。

「本当は、平和にこうして本でも読んでいたいモノですが、
 委員会は戦力を持て余す気は無いみたいですしね。

 …真面目ですね。
 僕も配属の時に眼は通しましたが、別世界のようで頭に入り切りませんよ。」

レオ > 「―――そうなんですか?じゃあ、仕事で一緒になるかもしれませんね」

そのときは、よろしくお願いしますと微笑んで。
この人も大変だなぁ、と他人事のように思った。

「まぁ……僕は常世島に来て日が浅いので。
 このあたりの事、全然知らないし、せめて自分が関わりかねない事くらいは、自分から調べておかないと迷惑になるかなって
 でも、僕もだいたい同じです。文章読むの、苦手で」

苦笑しながらそう言う。
一人で行動して下手を打つなら兎も角、他の人の足を引っ張るのは許されない。
それで死なれでもしたら、申し訳が立たない。
前線に推薦した先輩にも、戦闘テストで目をかけてくれた先輩にも。

「…まぁ、平和は勝手に降って沸いてこないですから、仕方ないですよね。
 最近も、修道院でシスターが行方不明になったり、怪異に襲われたって生徒がいるらしいですね……
 どれも、無事に解決すればいいんですけど」

燈上 蛍 >  
「そうですね、一緒になった時はよろしくお願いします。
 前衛をしていただける方だと、助かりますね。」

レオにそう頷けば、黒髪に混じる青い髪が照明を受けて煌めいた

長身ながら青年は細い体躯で、
前線とは言うが、戦闘的に近接体術が得意そうには見えない。

「ええ、まぁ……その平和の為にも、
 地図だけは早々に頭に叩き込まないといけないかもしれませんね。
 最近だとその件以外にも、黄泉の穴にアンデッドが大量に出てたりしましたし…。

 ……あぁ、これですこれ、特殊領域《コキュトス》。」

積んであった資料からひとつ拾い上げ、レオに見せる。


──特殊領域《コキュトス》
黄泉の穴近辺で展開された、光の柱。
劇場型の特殊領域で、大まかに四層に別れる。

第一円は理想、第二円は絶望、
第三円はキメラとの戦闘、第四円は……己の死。

戦闘もあるからこそ、風紀委員の前線のモノが多く投下された。
苛烈を極めた故に、今もきっと後遺症に苦しむモノもいるのだろう。


その資料の近況の欄に、レオも見覚えのある生徒の名前があった。

『鉄火の支配者』神代理央だ。

特殊領域《コキュトス》の一件以降何も無かったが、
突如アンデッドの群れが出現し、
神代理央と燈上蛍、そしてとある怪異と一時的に協力し、撃退したと書かれていた。

レオ > 「最近?」

と言われて見たのは、自分が『使わないから』とはじいた資料のうちの一つ。
過去に起きた大量のアンデッドの発生現象。
『怪異』とよばれる、超常現象。


アンデッドという言葉が、目に入る。


「―――屍鬼(アンデッド)……」

屍鬼。死して動く骸。
不死(死ねず)の者共。

自分が、多く殺してきたものの一種。

> 『    』

『           、       !!』


『       』

『    !!!!!』

『    』

『  』

> 『――ろして』
レオ > 「―――――」


忘れてはいないが、仕舞ってた声たちが、聞こえてくる。
聞こえて、聞こえて、聞こえてくる。
いくつもの声。
声、声、声。