2020/09/11 のログ
レオ > 青年の動きが、不自然に、硬直するように、止まる。
燈上 蛍 >  

  「……──レオさん?」

 

レオ > はっと意識が戻る。
変な汗がつぅ、と首筋を流れた。

ここは何処だ?ああ、そうだ、休憩室で、資料を読んで、先輩と話をして……
過去の資料を見て…

不意に思い出して
あぁ
思い出していたのか

彼ら、彼女らを


「あ、すみません……ちょっと、ぼぅっとしちゃって…
 ははは、疲れてるのかもしれないですね」
苦笑を作った。先輩を心配させないように。
気にする必要のないことだ。

何も。

燈上 蛍 >  
青年はレオの物語を知らない。
互いの異能も能力もまだ知り得ない。
故に、自分が経験した中で大きかったことを見せたに過ぎなかった。

ただの、話題の一つのつもりだった。

とりあえず、『アンデッド』というワードに反応したことはなんとなく分かる。


「あ、いえ……僕の方こそすみません。
 何か嫌なことでも、思い出させてしまいましたかね…。

 お疲れでしたら、仮眠室に行かれた方が良いかもしれませんね。」

まだ開けていない紙パックの飲み物を、相手の方に差し出す。
なんてことないフルーツジュース。飲みます? なんて言いながら。

あまり対人技術に長けた方じゃないけれど、それぐらいは気遣える。

「まぁ、神代さんが全部片づけてしまわれたので、
 黄泉の穴は今の所もう何もいませんけど…。」

レオ > 「そうか、神代先輩が…そうですか」

片付けた。
全て終わった事。
そうか。

フルーツジュースを差し出されれば、少し考えた後に「すみません」と言いながら受け取った。





…気を、使わせてしまったな。
申し訳ないな。

「…すみません、気を使わせて。
 ……オレ、そろそろ戻りますね?
 ジュース、ありがとうございました」

ぺこりと頭を下げて「それじゃあ、また」と言えば。
そのまま何もなかったかのように立ち去る。
ほんの少し。
ほんの少しだけ、話題から、逃げるかのように…

ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁」からレオさんが去りました。
燈上 蛍 >  
「ええ、お疲れ様です。」

資料を纏めて去っていく相手を見送る。
誰もいなくなった休憩室で、1人溜息を零した。

この手に持っている本みたいに、展開が決まっていれば。
最初から起きる事も起きた事も書かれていれば。

自分がもっと多くを知っていれば…。

──こんな風に、誰かの機嫌を、損ねないでも済むのだろうか。

そんな独り言を脳内に吐き出しながら、手元の小説を広げる。


休憩室には暫く、紙を捲る音だけが響いていた。

ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁」から燈上 蛍さんが去りました。