2020/10/28 のログ
■幣美奈穂 >
「フィアドラちゃんは小さいから仕方がないのです。
わたくしみたいにオトナになったら判ります」
きぱりっ、言い切ります。
むむむ・・、フィアドラちゃん、お仕置きの技の素養がありそうです。
かなり、いえ、ちょっと。ほんのちょっとだけわたくしより早い気がします。
風紀委員として光るものを感じるのです。
「まってくださいませ。
よく観察して・・」
チョコにクッキー、マフィンにマカロン。マドレーヌに金平糖、オランジェット、
パンプキンもち、キャンディにあられなどがあります。
じゅるり・・。
「たぶん、大丈夫そうですけど・・。
念のために、1個ずつです」
取り紙を懐から出して受付に置きますと、
マカロンとか、1つずつ。
フィアドラちゃんと美奈穂の前に置き分けるのです。
■フィアドラ > 「ち、小さくはないですよ!
確かにまだコドモですけど……。」
身長は美奈穂センパイと私の身長は殆ど同じくらい。
それでも、やっぱりセンパイというだけの事はあって大人なのかもしれません……。
早く大人になりたいなあ…。
「観察……。」
じーっと見て見ます。
……もともと見たことないお菓子ばっかりなので見ても変なのかどうか全然分かりません。
……でもおいしそうなのは分かります。
「わあ!いただきます!」
置いてくれたお菓子をすぐ手に取って口に運びます。
甘くて変わった食感!とても、おいしいです!
「……あっ!大丈夫です!!何も変わったことないです!おいしかったです!!」
そしてちゃんと、報告するのも忘れません!
■幣美奈穂 >
傍を通る、風紀委員会に乙津れる人や、顔を出した風紀委員などにも見られている
小さい女の子二人が受付で真剣なお顔をしたり、
美味しそうなほのほのとした笑顔を見せる空間です。
もしかしたら、追加でお菓子を置いていく人がいるかもしれません。
「——!
わたくしの方が大きいもんっ」
ちょっと踵をあげて背伸びします。
フィアドラちゃんは子供でも、美奈穂はもうオトナなのです!
美奈穂は真剣?な表情で両手でマカロンを摘まみますと、小さくお口でぱくりっ。
・・ぱぁっとお顔が美味しいと笑顔になります。
これ、幸せな味です!
――はっ!、そうです。これは調べているのです。
「そ、そうですね。
わたくしも変わった感じはしませんわ・・美味しいですね!」
と、マカロンを食べると次はマドレーヌ、と。
手が止まらなくなってしまいます。
■フィアドラ > 「ツ、ツノの分私が大きいと思います!」
こっちも背伸びして少しでも高く見せようとします!
……私も小さくはないのです!
「美味しいですよね!」
次のお菓子を開けます。
これはクッキー……これもおいしい!!
そうして食べていると不思議な事に気が付きます。
「……なんか……お菓子増えてないですか?」
そう、さっきまで10個だったお菓子は今も10個。
4つ食べたのに減ってないのです!!
■幣美奈穂 >
うにゃにゃぁ~。
「つ、角は含みません!」
足をプルプルさせて精いっぱいな背伸びなのです。
先輩さんとして後輩さんには負けられないのです!
幸せな味が続いていて、ほわわほ~、と笑顔なのですけど。
言われまして、はっ!?
受付にあるお菓子を数えます・・。
――本当!。え?、何も感じなかったのですけど、怪異?
「あれ、あれ?。
わたくし、今、食べましたわよね?」
お口を指先で抑えながら。
もしかして、食べたと思ったのに食べてないのでしょうか?
狐か狸に化かされているのでしょうか?
と、置かれている桃ジャムが乗ったスコーンに手が伸びます。
あれ?、この子、さっき居たかしら?
■フィアドラ > 「えー!……ぐぬぬぬ。」
ツノを含めないなら……負けてるかもしれません。
「食べてましたよ?
あっ!でもこれずっとお菓子食べれるんじゃないですか!?
すっごいお得ですよ!!」
オレンジ色のマシュマロが入った包みを食べます。
……いや、減ってる?普通に減ってる?
■幣美奈穂 >
ふにゅんっ!
もう、脚が限界です。
オトナな美奈穂は、子供に負けるわけにはいかないのです!
「そうですよね?
お口の中、幸せですもの・・!」
気を取り直して、スコーンはむはむ。
美味しいのです。
「でも、あんまり食べますと。
お夕食が食べれなくなります。。
秋刀魚、美味しいのに・・」
お菓子を食べますと、なかなか止めれません。
今日はお家で、秋刀魚の塩焼きの予定なのです。
■フィアドラ > 「ねー幸せですよね。」
前の世界では甘いものと言えば木の実くらいで殆どなかったのでこの世界の甘いものは本当にうれしいのです。
良い世界です……。
「晩御飯、今日の晩御飯なんだろう……。」
私の晩御飯は寮で作ってくれてるので分かりません。
今日はなんだろう???
そんな事をかんがえながらもお菓子を食べ食べ。
「まさか……これが怪異の作戦。」
……ちらってお菓子を見ます。
もう増えてません……なんで。
■幣美奈穂 >
フィアドラちゃん、お菓子を食べる・・調査するの、早いのです!
実家にいた時は大体和菓子、偶に洋菓子でしたけど。
島に来ると、色々なお菓子に出会えます。
「・・今なら、秋刀魚がおすすめですわ?」
寮に入ったことがない美奈穂は、寮で夕食が出るなんて知らないのです。
朝食やお夕食は自分で作るのが普通なのです。
・・フィアドラちゃん、なんかしょんぼりしてきたのです。
美奈穂は先輩として、フィアドラちゃんの取り紙の上に、
オランジェットやパンプキン餅を半分にして分けて差し上げるのです。
■フィアドラ > 「……サンマって何ですか?
どんな食べものなんです?」
サンマ……聞いたことのないものです。
多分たべものなんでしょうけど……。
晩御飯に食べるものなのでお菓子ではないと思います。
「あっ!ありがとうございます!美奈穂センパイ!」
ずっと増えるお菓子はなかったですけどもらえるのは嬉しいのです!
お礼を言ってまたお菓子を食べます。
お菓子はなくなりますけどそう私には晩御飯がまってるのです!
■幣美奈穂 >
え?、知りませんの?
と、ちょっと驚いたお顔をします。
「こんな・・大きさで、お口が尖ってますの」
食べていたお菓子を置いて、両手も使って説明です。
炭で塩焼きした秋刀魚は、大根おろしとスダチにお醤油。
とっても白米に合います。
「食べた事・・ありませんの?」
聞いてみます。
秋刀魚を食べたことないなんて、海の神様への冒涜です。
あんなに美味しいのに・・。
と、美奈穂はお菓子食べるのは、ここらで限界なのです。
他のも食べたいですけど、美奈穂には数が多いのです。
ちょっとしょんもり。
でも、変なことにはならない、普通のお菓子でした!
これを押収品として提出すれば大丈夫です。
■フィアドラ > 「このくらいで口がとがってる??」
クチバシのついたヘビみたいな?
何となくイメージは出来てきました。
「……はい、食べたことないです。
あの、この世界にきてまだあんまり経ってないので……。」
この世界に来てからまだえーと……3か月くらい。
食べたことないものや見たことないものがこの世界にはたくさんあります……。
流石にお菓子はここでおしまい。
人のものなので食べすぎてしまってはだめなのです!
■幣美奈穂 >
「こう、つーんとしてます!」
自分のお鼻を、指でつまんで引っ張る仕草です。
でも食べたことない、というのに。
なんか可哀そうな目を向けてしまいます。
「そうなのですか・・えと、それなら。
食べてみます・・?」
どうせ秋刀魚を買うのは、帰り道の鮮魚店です。
同居人の黒猫の分以外にも買っても大丈夫です。
「わたくし、今からこれ(お菓子たち)を提出と、報告書を書いてきますので。
1時間後ぐらいにロビーで集合なら・・」
それだけ時間があれば、寮に帰って夕食を食べた上で帰ってこれるでしょうか?
あまったお菓子は、もとの袋に詰めておくのです。
・・なぜか、16袋あります。
■フィアドラ > 「つーんですか???」
鼻が…鼻が尖ってるのかもしれません。
うう、分からなくなってきました。
「良いんですか!?
すっごい楽しみです!!」
見たことのないもの食べたことのないもの。
そんなものをみたり食べたりするのはすっごく素敵な事なのです!
「一時間ですか……それならバイトも終わります。」
時計を見たらそのころにはもうこのバイトは終わってる時間……。
……思い出すと今は受付のバイト中だったのです。
ちょっと、初めに色々教えてくれたセンパイの方を見るとニコニコとこっちを見ています。
■幣美奈穂 >
「そう、刺さっちゃうぐらいつーんです!」
なんか、先輩の威厳を取り戻せた気がします!
そんな鼻高々な美奈穂です。
「うちのにゃんこさんも一緒だから、3人で秋刀魚です!」
フィアドラちゃんがどれぐらい食べるか判りませんが、
帰りに買う秋刀魚で食べたい数を聞けばいいだけなのです。
白米もたくさんたきましょう!
一緒にお夕食できる方ができて、美奈穂もにこにこしちゃいます。
「それでしたら・・わたくしも、お仕事終わらせてきますね!」
と、余ったお菓子を纏めます。
これを提出しに行っても、少し奥に下がったら同じのを返してくれているのに
美奈穂は気付いてません。
毎年同じことをしているのです。
「じゃあ、あとでね。フィアドラちゃん!」
美奈穂も張り切りです。
先輩さんとして、後輩さんにこれからいろいろとお教えするのです。
■フィアドラ > 「そっ…そんなにつーんなんですか!?」
思ったよりもつーんらしいです!
見て見たくなってきました!
「はーい!楽しみにしてます美奈穂センパイ!」
手を振ってお仕事に向かうセンパイを見送ります。
ここから頑張ってアルバイトの終了時間まで全力で受付をしていきます!
全力で!!ジドウドアの方を眺めるのです!!!
……誰かこないかなあと思いながら。
ご案内:「委員会街」から幣美奈穂さんが去りました。
ご案内:「委員会街」からフィアドラさんが去りました。
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁」に燈上 蛍さんが現れました。
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁」にレオさんが現れました。
■燈上 蛍 >
パラリと、紙を捲る音だけが、
静かな休憩室に生命の存在を知らしめる。
それは『燈上蛍』の日常を記す挿絵。
焔の瞳に黒髪の青年は、ひとつ溜息を零して手元の小説を捲る。
風紀委員の中でも苛烈な部署に所属しているが、
休憩時間は決まってこうやって本を読むのが日課である。
それはいつも変わらない。
朧車と対峙した"あの日"から、変わりはしない。
変われるはずもない。
こうして時間が過ぎて行って、休憩時間が終わって、
また、無為に仕事が待っている。
そんな、味気の無い脚本だ。
最早、あの恋焦がれた世界では、花を咲かせられないのだから。
■レオ > がちゃり、と扉を開ける音。
入ってくるのは、男性にとっては見覚えのある姿だろう。
朧車と対峙し、共に戦った同士。
忘れるはずもなく。
「ふぅ…と、あ――――」
入ると共に男性の存在にに気づいた青年は、軽く会釈をしてから中に入る。
あれ以来、顔は合わせていない。
自分が怪我をしたのもあって、その後の処理は殆ど任せきりになってしまい、それきりだ。
本当の所、話したい事は何個かあった。
あの時の戦いで感じた、違和感。
それについて、直接話をしたかった。
今後も付き合ってゆく、仲間として――――
「どうも、前の作戦以来ですね。
…ご一緒してもいいですか?」
少し微笑んで、そう尋ねる。
ほんの少し……雰囲気が変わっただろうか。
■燈上 蛍 >
忘れようはずもない。
レオ・スプリッグス・ウイットフォード。共闘した同じ風紀委員。
…己の命を、"我儘"と称して、救って"しまった"青年。
朧車の後、レオを病院まで送り、報告やらなんやかんやは済ませた。
報告書の内容も酷く簡素なモノで、朧車の特徴と、討伐方法、双方の状態。
物資をいくつ使ったとか、そういったモノだけだ。
自分が『死のうとした』なんて、そんなことはどこにも書かなかった。
扉の音に本から顔を上げ、そちらを冷えた紅橙眼が見やる。
「ええ、お疲れ様です。」
今日の台本には台詞が書かれていた。
レオが以前に感じた違和感は、今は見られない。
いや、子供らしさが無いという面では、いつも違和感がついて回るが、
この常世島では、得てして大人と同じかそれ以上の振舞いを要求されるのだから、さして不思議なことでもない。
■レオ >
「おかげ様で、傷の方はもうばっちり治りました。
常世島の医療技術は凄いですね……本当ならまだ動けなくてもおかしくないのに」
足の骨が外に出る傷。
完治してもリハビリで本調子まで時間がかかりそうなものだが、動けない時期が短かったお陰で筋力はそう衰える事もなく復帰が出来た。
今では戦闘もこなせるのは、有難い限りだった。
勿論、傷が癒えた事だけが変化ではないが……
――――目の前のこの先輩は、どうだろう。
自分が会わない間、何か変わった事はあるだろうか。
「――――朧車も現状、もう出て来ていませんし。
大分落ち着きましたね。
……燈上先輩の方は、どうですか?その後は」
あの時感じた、不安定さの事を思い出して、そう問いかける。
『死のうとした』事。
相手の攻撃の回避の際に触れた時の、極端な反応……
どちらも気になっていたから。
■燈上 蛍 >
手元の本にしおりを挟んで閉じる。
前回の時はテーブルの上を書類が占拠していたが、今日はそんなこともない。
恐らくは蛍が買ったのか、お茶のペットボトルが無造作に置かれているだけだ。
「僕の不手際で怪我をさせてしまったので…。
大事にならなくて良かったです。
流石に同僚を車椅子生活にしてしまったら、僕の立つ瀬が無いですしね。」
閉じた本を膝上に置いて、レオの方を見る。
蛍は変わってはいない。
あの日が異常だったと思えるほど、普通の振舞いをしている。
「こちらはさして変わりませんよ。
強いて言えば、前回の戦闘功績とデータで、
僕の異能に合わせた訓練内容が刷新されたぐらい…ですかね。」
どう、と曖昧に問えば問うほど、台本通りの普通の台詞しか青年からは出てこない。
細かいことを報告に出していない故に、青年の心のケアなどされようはずもなく。
燈上蛍が持つ違和感を知る人間は、僅かでしかない。
■レオ >
「そう、ですか……」
事務的ともいえるその言葉に、心の壁を感じる。
きっと彼の問題というのは、そういうものだろう。
平時ならただの、個人の問題として周りと折り合いをつけていて。
そして、踏み入られるのを良しとしないようなもの。
だからこそ、自分が踏み入るのが躊躇われた。
……けど、自分は聞く権利が、多分ある。
言い方が悪くなるが、その問題に立ち合い、そしてその結果怪我をした、ともいえるから。
「……あの時の事。
少し、聞いてもいいですか?
すみません、聞くような事じゃないのかもしれないですけれど…
……何故”死のうとした”んですか?」
聞くのは、雑談にするには重い話題。
でも単刀直入に聞くとすれば、これが一番相手の反応が分かりやすいと思ったから。
■燈上 蛍 >
相手の言葉に、お茶に手を伸ばそうとした動きが、止まった。
瞼が自然と落ちて、視界が狭くなる。
動揺らしい動きが簡単に見て取れるところは、青年もまだ子供。
「…さぁ、僕の方が能力的には劣りますし、
あれの炎さえどうにかしてしまえば、僕が居なくてもどうとでもなると思いまして。」
青年はなんてことない話題かのように取り繕って言ってのけた。
「風紀委員の殉職なんて、よくある話じゃないですか。
別段、貴方が気にするようなことでも無いですよ。」
この青年は、己の命をどうとも思っていない節がある。
他人に興味はあれども、自分に興味は持ち得ない。
青年の反応は、普通に生きているならば、違和感の塊だ。
しかし、レオにとってはどうだろう。
数多の死を見つめて来た、不死を斬る事の出来る…彼には。
■レオ >
「……自分が死んでも任務を遂行するって意志は、僕は否定する言葉を持ってません。
状況次第で、そういう事を行うのは、僕も同じですから。
戦いの場なら、そういう手段を取らないといけない場面は、ありますし」
そういう場での戦いは、経験してきた。
自分を生かすために散った命も見て来た。
命令に従い、何も考えずに命を捨てるのを、冷めた目で見た事もあった。
「――――でも
”燈上先輩のは、違いますよね?”」
見えたから。感じたから。
体質として……”死の気配”をその身に浴びる事が常であるから、分かるものもある。
”死へと歩み寄る他者”の姿は……他とは違う。
死の気配に”誘われる”者たちは、死の気配が近づくのではなく、死の気配”に”近づくから。
「……僕はあの時、貴方が”自分から死のうと”したように見えました。
死を覚悟してる人間の動きじゃない。
その違いは…結構、明白なんです。
だから、もう一回聞かせてください。
”なんで死のうとしたんですか?”」
視線を、目の前の先輩の方へと向け、問う。
それをはっきりと聞きたいと。
■燈上 蛍 >
生きるモノの中には一定数、どうしようもなく"死"に魅入られるモノがいる。
それは生まれた時よりの性分か、何かがきっかけでそうなってしまったか。
「…『見透かしたようなことを言わないでくださいよ。』」
青年は一言一句違えずに、あの時と同じトーンで、同じ台詞を吐き出した。
「…それを聞いて、貴方はどうしたいんですか?
僕が抱える何がしかを聞いたところで、理解は出来ないと思いますけれど。」
お茶のペットボトルを手に取って、中身を喉へ通す。
結局はこの行動も生きる為だ。
理解は出来ない。いいや、理解しないでくれと言わんばかりだ。
余り表情の変わらない青年だが、
その問いかけには、訝し気な視線がレオへと投げられていた。
言外に"死のうとしたこと"に対してはYESだと言っているのも同然だが、青年は動揺からか気付いていない。
「興味の無い本がどうなろうと、気にすることでも無いじゃないですか。」
■レオ >
「……確かに、何もできないかもしれませんね」
少し視線を落として、言葉を連ねる。
言葉の意味くらいは分かる。
自分の懸念の通り、この人は”死ににいこうとした”のだ。
…でも、それを理解すると同じく、返された言葉も否定はできない。
他人を理解できるか、と言われて……自分にそれをはいと言い切る自信はない。
むしろ、自分も他人に理解されないだろうと思う感性を少なからず持っているだろう。
それを、分かった気になられれば……自分だっていい思いはしない。
ただ…
「…それでも、僕が聞く権利は、ありますよね?」
視線を再度目の前の先輩に向ける。
じっ…と、瞳を覗く、鈍い金の目。
これから言うのは、正直気分のいい事ではない。
弱みに付け込むような話し方は……苦手だから。
でも……
『生きて行く間は、人とつながらないなんて、出来ない。』
嘗て言われた言葉を思い出した。
自分は、この人と既に”繋がって”いるから。
どんな形であれ”関わった”人間だから。
そこは変わらない。
「だって……”僕はそれで負傷している”んですから」
その為に言う言葉が、酷いことばでも。
■燈上 蛍 >
「……狡い人ですね。」
自分のせいで負傷したなどと言われれば、そう言葉を返した。
繋がって…目の前の彼は、燈上蛍の本を手に取っている。
その本を開いて、中身を読もうと言うのだ。
はぁ、と、分かるように溜息を零して、青年は口を開く。
「ありきたりな話ですよ。生育が不幸だった。ただそれだけのことです。
人間が生に執着しないなんて言うのは、大体生きていることが嫌なだけでしょう。」
大して面白くも無い話。他人に本を開かせる手間も無いような話。
だから手放せと、青年は再三言うのだ。
同時に、レオの眼前にはらりと"赤い花"が生成される。
それは手を伸ばさなければ、床へと落ちていくだろう。
まるで、血が滴り落ちるかのように。
「貴方は、この花のことを『どこまで知っていますか?』」
それは、燈上蛍の持つ能力の一つ。
彼岸花を生成する能力。