2020/11/08 のログ
ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁」に赤羽 華楠さんが現れました。
赤羽 華楠 >  
「‥‥…‥…………‥‥」

取調室に、女性が一人。
ひどく不機嫌そうな表情で腕を組んでいる女性は、不機嫌そうな顔すらも絵になる程整った顔立ちをしているだろう。
まるで「自分がこんな所に連れてこられる道理などない」なんて言いたげにしているその女性は、しかしそんな言葉をぶつける相手もおらず、ただ事情聴取の担当者が来るのを待たされ続けていた。

「……おっっっっっっそいわね。
 なーんで警察機構って奴は人を拘束するだけする癖に、いつまでも待たせるのかしら」

そんな愚痴を言いながら待つ女性は、つい先ほど”保護”されたばかりだった。
裏常世渋谷……常世学園内でにわかに噂となっているその異世界の中にいた所を保護された…という事になっている。

実際には裏常世渋谷内で怪異の討伐任務に当たっていた風紀委員数名の戦闘現場に乱入。
怪異を勝手に討伐した為にこうして事情聴取の為に同行する事になった、というのが事実だが。
勿論、風紀委員の活動を邪魔した、とも取れる行動。
注意されるのも当然の行いだった。

「助けてあげたってのに随分な仕打ちだこと」

当然のように、彼女はそんな風に思っていないようだが。

ご案内:「委員会街・風紀委員会本庁」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
乗せたものを落とさないように両手でお盆を持ちまして。
小さな歩幅でとってとって。

どうやら、犯人さんは祭祀局の方らしいのです。
いろいろ、いろいろとあるので風紀委員会でもどうするかとお話し合いがされている中。
時間稼ぎにと指名されましたのが、祭祀局から風紀委員会に派遣されている美奈穂です。
そう、上手くお茶を濁せないかとも思惑があるのですけれど。
美奈穂は、とうとう取り調べのお役目を頂きました!
かな~りオトナなお仕事です!
と、呑気に勘違いして張り切ってます。

そして、しっかりと時間を使ってから、やってきました取調室!。
・・両手がふさがっていて扉が開けられません。
こまりましたわ、と眉を下げて少しきょろきょろしてから、お声をかけるのです。

「もしもし~、ごめんなさいませ。
 すみませんが扉を開けて頂けませんでしょう?
 少し手がふさがっておりまして・・」

と、扉の向こうに、鈴音の様なお声で頼んでみるのです。

赤羽 華楠 >  
「ん、えぇ~…?
 1時間も待たせて扉まで開けさせろっていうの?
 まったくもう……どうなってるのよこの島の警察機構は」

文句を言いつつ、扉を開ける。
どうせ悪い事なんて何もしていないし、業腹だけどさっさと帰ってシャワー浴びたいもの。
こんな所で問題起こすほど社会性がない訳でもないし。

「はい、開けたわ……よ?」

やれやれ、と外に居るであろう相手を見ようとすれば……あれ、誰もいない!?
そう、小さすぎて視界に入らないのであった。
おかしいわね、確かに声がしたはずなんだけど…

幣美奈穂 >  
「あっ!、ありがとうございます!」

扉が開けば、ぱあっと明るい笑顔を見せてにこにこする美奈穂。
きょろきょろする犯人さんにお顔を上に向けて、元気なお礼のお返事です。
すわ、これから取り調べのお時間です!

両手でお盆を持つ美奈穂。
そのお盆の上には蓋がされましたどんぶりと椀。
それに二切れの沢庵が乗った小皿。
なんと、七味付きです。

美奈穂、取り調べのお仕事と聞きまして、まずしましたのは。
ご飯を炊き、間に豚肉を買ってきて、きちんと一から出汁を取りだしました。
そう、犯人さん?をほっておいて。
衣に柚子の皮を削ったものを少し入れて、二度揚げ。
ご飯も炊きたて。
卵もとろとろで仕上げたかつ丼を作ってきたのでした。

赤羽 華楠 >  
「うわぁっ!?」

真下から聞こえた声にびっくりする女性。
完全な不意打ち。
何、ち…小さっ!?
まだ子供じゃないの!? 学園都市っていうのは聞いてたけど…こんな中…小学生?まで警察の真似事してる訳!?

どれだけ人手不足なのよこの島……そりゃあ常世渋谷にも人っ子ひとりいない訳ね……

いや、待った。
普通に考えて、こんな子供が警察…風紀委員、だったかしら?
それな筈なんてありえないわ。
となると……迷子かしら?
ええ、きっとそう。そうに違いないわね。

「おっと……んっん…!
 ごめんなさい? 大きな声を出しちゃったわね。
 可愛らしいお嬢さん、迷子センターはここではないのよ。場所を間違えたんじゃないかしら?

 お姉さんちょっとここから離れられないから、少し他の人が来るまで一緒にお話でもしないかしら?」

もっているお盆を見て「貴方のお夕飯かしら?」なんて言いつつ。
見ず知らずの女の子にも冷静に相手してあげるなんて、我ながら優し過ぎるんじゃないかしら?

幣美奈穂 >  
「ひゃっ!?
 ど、どうかしましたの?」

驚く声に、美奈穂も驚いてしまいお目めをまんまるにします。
びっくりして、何かあったのかしら、とお部屋を脇から覗いてもみるのです。

「違いますわ!
 わたくし、お仕事で犯人さんの取り調べに来ましたの。
 ほら、きちんとカツ丼も作ってきましたもの。
 それに、わたくしはもう子供じゃないから迷子になりません!
 迷いオトナになるだけです!」

お仕事にきたことと、子供じゃない事を主張しておくのです。
道によく迷うことは否定しません。

「ううん、これは犯人さんのですわ。
 ほら、取り調べにはとっても大事でしょう・・?」

かくりと小さく首を傾げさせて、さも当然のように言うのです。
美奈穂はテレビとか見ませんが、そういう話はお友達とかから聞いて知っております。

そして勿論、お味噌汁も出汁からきちんととってます。
具は、油揚げとお豆腐、ちょいワカメ。
時間がなかった?ので、家に取りに戻る時間はなかったので、
残念ながら沢庵は自家製でなく近くで買ってきたものです。

きちんと処理をし、3枚におろして重ねなおしてから上げた豚肉。
厚みがあるのに柔らかい肉に、衣が少しクリスピー感もあり。
歯ごたえを飽きさせず。
出汁を利かせて濃いめな味付けですが、衣に混ぜた柚子でさっぱりさせるのです。
なんとも丁寧に美味しく作られたカツ丼・・美奈穂、和食は得意なのです。

赤羽 華楠 >  
「え……それ、本気で言ってるの?」

おめめを丸くする。
え、ほんとに?
本当に風紀委員?
確かに私ここまで連れてきたのも外からすれば十分子供って言われる年齢だったけど…
だからって小学生が働いてるの!?

……いえ。
いえ、考えましょう、赤羽華楠。
こんな年齢の女の子が働かなければいけないのは、何か事情があるに違いないわ……
そう、例えば保護者がいなくて、生活費を稼がなくちゃいけないとか……

はっ……

「貴方も、苦労してきたのね…」

ぽん、と女の子の肩に手を置き同情の視線。
この子はこの小さい身で、きっと色々な事を背負っていたのね……
赤羽家当主として、庇護してあげなくちゃならないわ、えぇ。
それが力を持つ者の責務なのだから…

「と…そう、私のご飯だったの?
 きちんと持ってこれてとても偉いわね。ええ、ご苦労様だわ?
 
 それじゃあ、折角だから頂こうかしら」

下の者からの施しを無碍にする事は許されない。
彼女が作ってくれたというのなら、しっかりと味わって食べなければいけないわね。
そう思いながらお盆を受け取り、取調室の机において手を合わせる。

「と……自己紹介が遅れてしまったわ。
 私、世界魔術協会から派遣されてやってきた祭事局特別協力役の赤羽華楠という者よ。
 
 貴方の名前、聞かせて頂けるかしら?お嬢さん」

にこりと微笑んで、名を問う。

幣美奈穂 >  
「もちろんです!」

えっへんっ。ちょっと胸を張る美奈穂です。
オトナなお仕事を任せて頂いたのですから!。
そして肩をぽんっとされまして、「?」と表情に浮かべて首を傾げさせます。
勘はよくても察しはとても悪い美奈穂です。

あなた「も」・・・はっ!?とした表情を浮かべます。
そして、へにょりと眉を下げてしまいます。
この犯人さん、なにかやむにやまれぬ事情で・・!

「あの・・元気出してくださいませ」

慈愛な眼を向けてから、机の上にお盆を置きます。
そして、対面の椅子に、草履を脱いで正座して座りながら。
カツ丼をお勧めいたします。

「あっ、はい!。
 わたくし、今回の担当をさせて頂きます、
 霊的予防係の幣美奈穂と申します・・」

丁寧にお辞儀を返すのです。

「お話しながらでも構いませんので、どうぞお召し上がりくださいませ。
 豚は常世豚のヒレ肉、イリコや鰹節も常世島のですわ」

と、湯のみ2つにほうじ茶を入れまして、華楠お姉様の前にも置きます。
えと、それから・・まずは、相手の心を解きほぐすことが、確か大事でしたわね。

「あの。華楠お姉様のご趣味はなんでしょうか・・?」

おずおず、と尋ねてみるのでした。

赤羽 華楠 >  
「ふふ…いいのよ。
 弱き者を守る事、それによって生じるいかな感情であろうと受け止めるのが力を持つ者の責務ですもの。
 
 それにしても…へぇ、霊的予防係。
 風紀委員にも一応対策用の係があるのね、そこは感心だわ」

治安を守る、というので怪異問題をおざなりにしているようだったら、この島の治安維持の思想に一言申す所だったけど。
成程、流石にそこまでお花畑な訳ではないみたいね。
安心安心。

それにしても、年齢の割にしっかりとした子だわ。
多分…10歳とかその位かしら?
まだ小学校に通ってるような年頃なのに、本当に偉いわね。

「そう、この島の。
 とてもありがたいわ。何せこの島に来てまだ1日も経っていないもの。
 島の食事に慣れておくのも、大事な事よね」

そう述べながら、かつ丼に手をつける。
さくりとした触感、油の乗ったカツ。
あらやだ、美味しいじゃない。
この子が作ったの?将来が楽しみね……

「ふふ、美味しいわ。

 と……私の趣味?うぅん…
 音楽鑑賞、それと魔術の鍛錬…と言った所かしら
 あ、そうね…」

折角だから、美味しいご飯を用意してくれたこの子にお礼でもしてあげようかしら。
ポケットからコインを取り出して、指先でくるりと回して。


「―――一重式《ソロ》-オールドローズ」


詠唱は破棄。出力は極小。
コインにだけ極小の、赤白い光の線で魔法陣が展開されてゆく。
そしてそこから、回転していたコインに根を張るように――――一輪の綺麗な薔薇が咲き誇るだろう。

「美味しいお料理のお礼よ。
 受け取って頂戴?」

幣美奈穂 >  
美奈穂はこくこくっと小さく頷きます。

「わたくしもそう思いますの。
 あ、はい。
 わたくし、えと、祭祀局からきてまして・・。
 あと、祭祀局には京都支部からでして・・。
 京都支部にはお父様たちときましたの!」

顎に人差し指をチョン。
少し上を見て、自分が風紀委員会にいる経緯を思い出すのです。
もう、4年前のことなのですが、変わってないはずなのです。

「卵は、レッサーコカトリスさんのです!。
 ここだと、見たことがないいろんなのが売っておりますの」

お召くださるご様子を、にこにこと笑顔で受け止めているのです。
両手を胸の前で軽く合わせまして、

「まぁ。
 わたくしも毎日、修練してますの!」

修練を日課としますお仲間さんなのです!。
と、喜んでおりますと。
コイン。
出てきたものに、目をぱちぱちっとさせます。
――なんか、魔力っぽいのが見えた気がします。
邪や穢れは感じませんが、もしそういうものであれば、
美奈穂が近くにいるだけで威力が減衰したかもしれません。
そして生えてくる薔薇です!

「わぁ~。
 薔薇が生えてきました!
 えっ?、よろしいのですの?」

と、嬉しそうに両手を伸ばして受け取ろうとするのです。
既に自己紹介をしあいましたので、知らない方から頂くわけではないのです。

「えと、次は・・何をされたのですか?
 華楠お姉様のご両親・・のお隣のおば様が泣いて・・えと、噂するかもしれませんわよ?」

犯人さんの親御さんが泣いたりするのは何か悪い気がするのです。
でも、お隣さんが泣くのも・・なので、噂することにするのです。

赤羽 華楠 >  
「あら…」

咲いた薔薇は8分咲きといった所。
完全に咲く量の魔力はあった筈だけど…と思って、ちらりと女の子の方を見れば魔力の流れが少し揺らいでいるのに気がつく。
成程、そういう…
常世島に居る人間の殆どが普通じゃないっていうのはホントみたいね。

「そうなの?
 色々あるのねここも……

 あら、貴方も魔術を?
 それなら、私が手ほどきしてあげてもいいわ。
 当代の『赫』の魔術師に指南してもらえるなんて…滅多にない事なのよ?」

ふふん、と自信満々の様子。
実際の所島の外、魔術教会なら名も知られていようが、この島での知名度はそれほど高くないだろう。
そもそも、秘匿魔術の使い手だ。
表立って有名なのもそれはそれで問題で。

そんな風にしていれば、「何をした?」と尋ねられ。
あぁ、そういえばそれがここまで連れてこられた理由だったかしら……

「別に大した事はしていないわ?
 ちょっと…常世渋谷?っていう所を観光で回ってたのだけど、随分と出しゃばっている怪異を見かけてちょっと懲らしめてあげただけよ。
 全く、繁華街だっていうから行ってみたのに人は全然いないし、変な魔力歪みが起きてるし、瘴気まで漂ってるし…
 挙句怪異に襲われてた風紀委員の子たちを華麗に助けてあげたのに、何故かこんな所まで連れてこられちゃって。
 住み慣れてない土地はやっぱり加減が分からなくて駄目ね…」

はぁ、とため息一つ。
そういえば、助けた風紀委員の子たちはどうしてるのかしら。
ちょっと怪異の近くに居すぎて、当ててはいないけど宝石弾が鼻先をかすめたりはしてたと思うけど。
まぁ、怪我はしてないはずだから、問題ないわよね。

幣美奈穂 >  
わぁ~、と生え咲く様子に、驚きと純朴な嬉しさが浮かぶ目なのです。
咲きましたら、思わず、胸の前でちっちゃな拍手をしてしまいます。

「えと、わたくしは巫女術ですの!。
 穢れを祓いましたり、邪に封をしましたり。
 そんなことならできますわ」

ほのほの。
魔術はあまり判らない美奈穂なのです。
それでも、教えてくださるという言葉にお礼を伝えるのです。

「ナンデソンナコトヲ、スベテゲロッってくださいませ・・。
 あっ、あそこ。
 急に変なとこになったりして大変ですものね~。
 わたくしもこの前、猫伯爵様と行ったら怒られてしまいました」

怪異とか出るのに、なんとも緊張感がない美奈穂です。
怪異の力が強い程、美奈穂の穢れ祓いや結界はよく効きますので、
うつろ、裏常世渋谷の怪異よりも、普通の場所の暴力の方が怖いぐらいなのです。

「なるほどなのです。
 それで、華楠お姉様は連行されましたと・・。
 あと、辞世の句とか読みますですかしら?
 ところで、ゲロッってするというの、どういう意味ですかしら?」

ため息を突かれる様子に、しみじみとした様子でうんうんと頷いて見せます。
なんかオトナっぽい対応なのです。
そんな真面目に取り調べをしてるつもりの、オトナな美奈穂です。
何故か切腹前の話にまでなっているのです。
そして、ついでながら。
判らないお言葉を尋ねてみる美奈穂なのでした。

赤羽 華楠 >  
「そうなのよ~
 あんな所によく人が住めるわね、ホント。
 まぁ、私くらいになれば別に何の問題もないのだけど。」

裏常世渋谷に人は住んでいない。

「とまぁそんな訳で、何故か事情聴取をってここまで連れてこられて…えっ、そんなに悪い事なの?
 おかしいわね…倒した怪異も完全に三下以下の超低級怪異で放置しておいて百害あって一利なしな廃棄物同然の弱い奴だったのに…
 もしかして、怪異を無暗に倒しちゃだめみたいな、そんなルールがあるのかしら…?」

ふぅむ、と悩ましい顔をする女性。
怪異倒してくださいと派遣されたのに、これじゃあ話が違うじゃないの。
でもルールはルール、それを破って振るうのは力ある者として正しい振舞いでもないし……

「…わかった! じゃあこうしましょ。
 祭祀局側の協力者として、私は今後怪異対処の任を受ける予定です。
 その際に風紀委員からの協力要請があれば、その要請を引き受け力を貸す。

 風紀委員にとっても私みたいな一流の魔術師の協力を受けれるのはメリットも大きい筈だし、私もこの島のルールに触らない範囲での怪異災害、魔術事件の対処の仕事を手広く受けれて一石二鳥。

 なんなら貴方みたいな前途ある子に魔術指南役として修行だってつけてあげられるわ?
 これなら、今回やった事を差し引いてもお釣りが出るんじゃない?」

まぁ、そもそも戦闘乱入したとは言え怪我人もなく、怪異を討伐しただけなので罪に問われる事もないのだが。
島のルールをまだそこまで把握していない彼女は、知る由もない。

幣美奈穂 >  
住めない、というのに。
ちょっと首を傾げさせてしまうのです。
そんな場所でお昼寝をしたりしましたし、そこに住んでいる猫伯爵様たちを知ってますので。

「――別荘にしてられる方がおられますわ?」

つい、ぽろりと言っちゃうのです。
そして、悪い事、というのにも。
なんかうんうんっと頷いてみせているのです。
オトナっぽい振舞なのです(美奈穂視点)。

「そうですわね・・もしかして、いえ、たぶん。
 ――きっと、そうなのかもしれませんけれど。
 悪ければ無期懲役。よくて懲役3年は・・でも、今なら情状酌量の余地があるとわたくしは思いますの。
 いえ、悪い子だとめってしても仕方がないですわ?」

ただ、言ってみたかっただけなことを言っている美奈穂です。
本人は重々しく言っているつもりなのですけど、雰囲気もお声もほのほのしてます。
素で、害意を及ぼす怪異を退治するのは別段規則違反ではない事を言うのですけど。
でも、口調と雰囲気が変わってないので、どこが適当に言っているのか判りずらいですけど。
美奈穂は「取り調べする風紀委員の役」をしているつもりなだけですので、
特に嘘を言っているとかもないのです。

「・・え?、華楠お姉様も霊的予防係に派遣されたりしますの?」

思わず、お目めをぱちくりさせてしまいます。
美奈穂は主にが黄泉の穴の封印がお役目ですので、あとはほとんど雑事しかしてませんけど。

「魔術、なんかごにゃごにゃしてて難しいのです・・。
 神様ありがとうございます、みんな元気です、みたいなので。
 わたくしはいいと思いますの・・」

美奈穂、魔術の授業は受けてみても、あまり成績がよくありません。
文系が数学している感じになるのです。
へにょり、とちょっとしてしまうのです。

赤羽 華楠 >  
「普通の人間には放射線だだ漏れの隔離区域みたいなものだもの。

 …へぇ、中々気骨のあるのもいるみたいね。
 少し会ってみたいけれど」

実際、普通の人間があそこにいれば半日もしない内に正気を失うのは明白だ。
そこで暮らしていられるのは怪異かそれに準ずる人外か…
もしくは私みたいな超一流魔術師かしら。

「そこまで悪い事した覚えないのだけれども……ま、郷に入っては郷に従えというものね。
 
 ん? あぁ、いえ?
 祭祀局に籍を置く予定だし、私は別部署になるんじゃないかしら。
 荒事専門って話で派遣もされたもの。
 でも、派遣される事もあるんじゃないかしら?
 一流魔術師だし、神秘の対応はお手の物だもの」

まぁ、霊的予防係が何をするのかはわからないけども。
でも霊的予防というからには、私の出番も当然ありそうだし。

「ふふ、コツを掴めば魔術もそう難しいものじゃないわ。
 もしもわからないなら、私がわかりやーすく説明してあげてもいいしね?

 さて、と……
 ごちそうさまでした」

そうこうしているうちに食べきってしまったご飯。
しっかり手を合わせ、食事に感謝をする。
その気持ちを忘れるのは失礼に値するもの。

「そういえば…
 一応隠さずに全部話したけど、何時帰れるのかしら?これ」

なんだかんだで、雑談ばっかりだった気がするけれども。
そこの所、どうなのかしら?