2019/02/06 のログ
ご案内:「学生通り」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 「ほうほう、この通りはこうなってるのか。」

昼下がりの学生通りを俺こと─暁名無はぶらぶらと散策している。
こんな時間に教師が何をしてるのか、と事情を知らない生徒からすれば訝しげに見られるかもしれないが、
今週から試験期間という事で、筆記試験を必要としない俺の授業では今週は他の授業に専念する為の自主学習期間にしてある。
つまり、俺は教壇に立つ必要が無い。一切無い。素晴らしい。

「……とまあ、そんなわけで暇潰しに散歩に出てみたわけだけども。」

生徒各自試験対策に忙しいのか、どうも学生街にも活気が無い。
いっそのこと歓楽街まで出向けば良かったかとも思うくらいで。

暁 名無 > 普段は朝と夕過ぎにしか通らない通勤路から、二本ほど横にずれた通りを歩く。
一本でも道を変えると並ぶ建物の様式も変わったりして、異邦人街程じゃないにせよ面白い。
あちらが異世界情緒に溢れているなら、こちらはあくまで異国情緒。この世界の常識から大きく逸脱する様な建物はあまりないように思う。

「……良いねえ海外、暇が出来たら行きたいもんだ。」

まあ、肝心要の“暇”が滅多に出来ないもんで。

暁 名無 > 「前以て試験期間が分かってんだから、それに合わせて一週間前から有休取って……無理かな。無理だな。」

パンの焼ける良い匂いがする角を曲がり、少し日陰になった辺りで足を止める。
特に何か見つけたという訳じゃなく、単に興味本位で路地に入ってみただけなのだが。

「ん、やっぱこの辺は裏路地も綺麗だな。清掃が行き届いてる。」

建物と建物の間を縫う様に、通りと通りを繋ぐ血管のような細い路を道なりに歩いていく。
この先には何があるのだろう、という細やかな期待を胸に。

暁 名無 > 「ほお、ここに出てくるんだ。」

狭く曲がりくねった路地を抜ければ、また別の通りに出る。
当たり前と言えば当たり前で、感心する様な事でも無いのだけど、その当たり前である事が妙に感心してしまう。

「さて、学校はどっちだ……あっちか。」

通りを進んだ奥、見慣れた時計塔と校舎が見える。
そろそろ戻っておかないと外出が長過ぎると怒られそうだ。
……途中昼飯でも買いながら戻ろう。そんな事を考えながら、俺は学校へと戻っていくのだった。

ご案内:「学生通り」から暁 名無さんが去りました。