2019/03/03 のログ
暁 名無 > 「にしても、もう三月か。
 そろそろ春休み……って事は、卒業する奴らもちょいちょい出て来るって事か。」

俺の授業受けてる連中にも何人かいたかな、と小首を傾げる。
暁名無の担当する授業は、学年ごとにクラスを分けたりはしていない。
よって、授業では1年生から4年生までが一堂に会して授業を受ける形になる。

「んー、毎年のことながら寂しくなるねえ。」

けれどまあ、命を落とすわけではないのだから、と名無は小さく息を吐いた。

暁 名無 > 「まあ、卒業する奴らが居るって事は、入学してくる奴らも居るって事だよな。」

クラス編成とか、面倒臭いんだよなあ。
そんな事を嘆きながら、街灯下に据えられたベンチへと名無は腰を下ろす。
家を出る時にはちゃんと着ていた上着も、昼食を終えた時には既に小脇に抱えられ、今はベンチの背凭れに掛けられている。
思った以上に今日は暖かだった。

「まあ、可愛い子がじゃんじゃん入学してくれればそれで良いけどさあ。
 ……欲を言えば俺の授業受けに来てくれればなお良し。」

大きく息を吐きながら、通りを行き交う人々を眺める。
学校の廊下と遜色ないような雰囲気だが、休日と言う開放感からか表情が明るい者ばかりだ。
時折見知った顔が『せんせー』と手を振って来るのに、名無もにこやかに手を振りかえして。

暁 名無 > 「よし、そろそろ帰るかぁ。」

暫しの間ベンチで休憩をしていたが、おもむろに立ち上がると異邦人街へ向けて歩き出す。
明日は何をしようか、と少しばかりの期待を胸に。

そして数分後、ベンチに掛けっぱなしで忘れて行った上着を慌てて回収しに来たのだった。

ご案内:「学生通り」から暁 名無さんが去りました。