2020/07/24 のログ
ご案内:「学生通り」に柏木凛さんが現れました。
■柏木凛 > 学生通りの光景はあまり馴染みのない景色。
歓楽街に住居を構えている身としてはなんとなくだが居づらいという印象すら覚える整った街並み。
そんな場所にいるのはいたってシンプルで…。
「ここ……どこなんだ?」
異邦人街から電車に乗り歓楽街にという直ぐに戻れるはずであったが何処で間違えたのか到着したのは学生街。
しかも気が付かないままに電車を降りて歩いたものだから周囲の景色が何か違うと思った時には後の祭り。
全く分からない場所に歩いて来ていて……。
「これ……どうすんだ?」
慣れない所を歩いたせいですっかりの迷子状態。
駅の場所すらわからずに彷徨い歩いて。
ご案内:「学生通り」に角鹿建悟さんが現れました。
■角鹿建悟 > 本日の修復・修繕の依頼は一通り完了。生活委員会の支部に立ち寄って簡単に報告を済ませた帰り道。
流石にそろそろ食材が心許ないので、商店街方面にでも行こうかと一人、仕事着のまま学生通りを歩いていたのだが。
「―――?」
前方、何処か頼りない感じで彷徨い歩く女性が一人。…何と言うか独特の格好をしている。
――特に両手のアレは…篭手、なのだろうか?やたらと目立つが不思議と違和感は無い。
(異邦人街の住人――か?どうも迷子になっているように見えるが…)
全く知らない顔ではあるが、流石に気付いた以上は見て見ぬ振りも出来まい。
余計な御節介は、時として相手の迷惑になる事もあるが今はまぁ…構わないだろう。
「――そこのアンタ、この辺りでは見掛けない顔だが…もしかして道に迷ったのか?」
と、堂々と声を掛けていくのだが…問題が一つあるとすれば、この男は愛想というものが欠けている。
何時もの淡々とした無表情でその女性へと声を掛けていくが、にこりともしていない。
■柏木凛 > 「多分……学生街って場所だろな」
町並みで大体の場所は見当は付くのだがただそれだけ。
見当がつくからこそ帰り道が判らないのははっきりとしている。
本当にどうやって帰るかと完全と困り果てていれば前方から歩いてくる人影。
あいつに聞く方がいいか、もし面倒な組織の奴ならどうするか。
足を止めて一瞬だけ考える間に先に声をかけられて。
「あぁ、そうだよ。迷子だよ。この辺はさっぱりなんだが…良く判ったな?」
この辺りは見知らずにも堂々と話してくる奴が多いのかと相手を睨んでいるように見返し。
勿論睨んでいるつもりはないが多少の経過をしているだけ。
相手の淡々とした愛想のない様子に迷子を認めて。
■角鹿建悟 > 「――ここは学生街、だからな。アンタのような格好をしているのはむしろ珍しい、とは言わないが数はそんなに多くない。
――それに、歩き方や様子が何処か特定の目的地があるという感じではなく、所在無げだったからそうかと思っただけだ」
適度な距離で足を止める。睨んでいるような視線で見られるも、ただ静かに銀色の双眸で見返して。
愛想とは程遠い面ではあるが、一応迷子を見兼ねて声を掛けたので御節介ではある。…余計な、にならなければいいのだが。
「――ちなみに、何処に向かうつもりなんだ?仕事柄、島のあちこちに出向くから大抵の場所は案内出来るが――」
と、一先ずは謎の迷子の女性の目的地――少なくとも、彼女が充分に土地勘がある場所を尋ねておきたい。
場所が把握できれば交通の案内は出来るし、何ならこちらで最短コースを行って送り届けるのもいいだろうか、と。
■柏木凛 > 「やっぱ学生街であってたか。前も言われたんだけどよ、この格好…そんなに変か?
本当によく見てるな。この辺は来た事ねーからさっりなんだよ」
変に距離を詰めてこずに一定に足を止める事に感心したように目を丸くし。
少なくとも歓楽街や落第街にいるような案内を親切を売ったナンパ野郎ではないと見て視線を和らげ。
口にはしないが渡りに船、助かったと。
「歓楽街に帰りてーんだよ。電車だったか?あれ乗り間違えたんだよな。
それなら近くの駅まで案内してくれねーか?」
こいつなら多分妙な事はしないだろうと住処のある場所を教え。
取り敢えずは駅に付けばどうにかなる筈なのでそう告げて。
■角鹿建悟 > 「――いいや?アンタには似合っていると俺は思うが。ただ、それはそれとしても学生街ではそれなりに目立つのは確かだな。
そういう格好は、ここいらではあまり見掛けないものだし――特に”ソレ”とかな」
と、彼女の両手にきっちり嵌められたゴツい篭手を軽く指で示してみせる。
これも不思議とこの女性には似合っているのだが、それでも目立つ事に変わりは無い。
これが、異邦人街や転移荒野の開拓村などなら、そんなに違和感も無いのかもしれないが。
「…歓楽街か。電車の乗り間違え…と、なるとじゃあ学生街の最寄の駅まで案内すればいいか?
そこから、歓楽街の駅までのルートは道すがら教えておこう」
そうと決まれば話は早い。「こっちだ、付いてきてくれ」と声を彼女に掛けながら、先導するように歩き出そうとして。
「――ああ、そういえば。一応自己紹介くらいはしておこう。
俺は角鹿建悟(つぬが・けんご)。常世学園の1年生だ――生活委員会所属で、建物や器物を直す仕事をしている」
歩き始めながら、そういえば、と思い出したように自己紹介をしておこうかと。
■柏木凛 > 「そうか?それならいいんだよ。あー…つまりはこの辺には合わねーって事だな。
この手のがあんまりいねーなら変に目立つか……こいつはどうにも外せなくてな」
そして軽く示された両手のゴツいと一言で表せる篭手には納得しかない。
ただずっとこの姿で居たので今更に変える言う事も気が乗らずに違和感があったとしてもそのまま。
「あの辺りってごみごみしてて住みやすいんだよ。まだ電車ってのに乗り慣れてねーんだ。
あぁ、そこでいいぞ。駅にさえ付けたら大丈夫なはずだしな。
いいのか?そんじゃ頼むわ」
相手の言葉に頼むと口元に笑みを浮かべ、先導する後ろをついて歩き出し。
「案内をしてくれんだし名乗らねーと失礼だよな。
俺はこっちじゃ柏木凛って名乗ってる。歓楽街で何でも屋をやってんだよ。そっちは学生で生活委員だったか、よろしくでいいな」
建物や器物を直すと聞くと器用だと相手を上から下とみて。
壊す専門には立派なもんだと思い歩く後姿を眺める。
■角鹿建悟 > 「――似合わない、というより…これは俺の勝手な推測だが、アンタ自身がこういう場所を苦手に感じているように思える。」
あくまで彼の勝手な印象で勝手な推測。間違っていたら…まぁ素直に謝るつもりだ。
篭手を外せない、というのも中々珍しいものだ。まぁ変に根掘り葉掘り尋ねたりはしないが。
「…そうだな、確かに混沌としている――落第街も近いしな。
じゃあ、駅に着いたら歓楽街に止まる駅だけ教えておけば大丈夫そうだな」
電車の乗り方自体は問題は無さそうと判断したのか、歓楽街に止まる電車のホームと駅名を教えておけば平気だろうか。
後ろから女性が付いてくるのを軽く振り向きながら確認しつつ。
「柏木――何でも屋、となるといわゆる万屋か。歓楽街が拠点となると仕事には困らないかもしれないな」
学生街や委員会街は風紀や公安、生活委員会のお膝元。商店街もまぁ、基本は平和となれば歓楽街が丁度店を構えるにはいいのかもしれない。
黒い作業着に頑丈そうな安全靴、あとは左腕に巻いた青い腕章以外は男は洒落っ気の欠片も無いシンプルな出で立ちだ。
初見の人でもお洒落に全く関心が無さそうだと分かりそうなくらいに、実用性重視の格好である。
「――ああ、なら。もしそっちが引き受けた仕事で何か壊れた物とかあればこっちに依頼してくれてもいい。
俺は直すのが仕事だからな――報酬は…まぁ、特にこだわりはないから適当でいい。
逆に、何か困りごとがあれば俺からも柏木に依頼させて貰う事もあるかもしれないしな」
彼女の仕事を取る気は全く無いが、その仕事の過程で何か破損が生じたならば、それこそ自分たちの出番だろう。
■柏木凛 > 「苦手っていうよりは俺に合ってねーって感じだな。こう、高級住宅地って奴だろ?俺がいるような場所でもねーしな」
よく判ったなと相手の言葉に感心し、そんなに判りやすいかと。
外すのは簡単ではあるがないと落ち着かない、そんな理由で外さないだけであり聞かれればさらりと答える程度の理由。
「俺はそう言う場所に住んでたからな。お綺麗な街より混沌としてる方が住みやすいんだよ。
それで大丈夫だな、多分だけど」
純粋に駅名と乗る線を間違えたゆえの迷子、なのでホームと駅名が判れば後は何とかなるはず。
断言が出来ないのが少々難点だが…振り返った相手には見栄をそこそこに切り。
「万屋?こっちじゃそういうのか。仕事には困らねーけど変なのも多いんだぜ?」
この前は変な店の呼び込みをやったと嫌そうな顔。
風紀や公安、生活委員があまり居ないだけに仕事も多いが変な仕事も多くてつい愚痴り。
相手の格好を改めて見れば作業服に安全靴、腕章と実用性重視な姿。
おしゃれっ気はないがむしろそう言う格好の方が信用できると見ていて。
「そーだな、俺は直すのは駄目だからそうさせてもらうな。そん時は報酬の半分は渡すってか受け取れ。
おぉ、いいぞ。俺でやれる事なら喜んで引き受けるぜ」
先ずないだろうが直せという仕事はまさに専門外、なので遠慮なく押し付けようと決め。
逆に壊す事は任せろと胸を叩いて自信を見せて。