2020/08/29 のログ
ご案内:「学生通り」に金剛 経太郎さんが現れました。
金剛 経太郎 > すっかり日も落ちた頃の学生通り
夏休みの最後の補習を終えた経太郎は、立ち並ぶ街灯の下をとぼとぼ歩いていた
既に街灯には灯が点り、通りをまばらに照らしている。

「はぁ~……すっかり暗くなるのも早くなっちまったな……」

ほんのひと月前はこの時間でもまだ空は赤々としていた気がする。
時間が経つのは早いなあ、とひとりごちながら思い足を引き摺るように経太郎は歩いていく。

「なのに……まあ、一向に涼しくなりそうもねえこと」

じんわりとした湿気が疲れた身体にまとわりつく
時折吹き抜けていく風は確かに秋の訪れを感じさせる時もあるにはあるが、大体は蒸し暑さがまだまだ強い。

金剛 経太郎 > 遠くからセミの鳴き声が聞こえてくる。
昼間は暑いから鳴く気力湧かねえよなあ、と同情の念が篭った独り言を吐き出しながら、
ずるずると帰路を進んでいく経太郎。

「そういや、海行ったの結局1度だけか……
夏らしいことも特にしてねえし、もう一回くらい行っておくかぁ、海……」

額の汗を首から提げたハンドタオルで拭って、小さく溜息を零す。
いい加減歩くのも疲れた、と辺りを見渡せば街灯の下にベンチを見つけて。

「あ~、こりゃラッキー。
ちょっと休憩してこーっと。」

ずるずる。汗を吸って重くなった服に顔をしかめながらもベンチへと向かう

金剛 経太郎 > 「よっこいせーっと」

無事にベンチまで辿りつき、ひょこんと飛び乗る。
居住まいを正して大きく息を吐けば、朝から続いた補習の疲れと学校からここまで歩いてきた疲れが一気に押し寄せる。

「あーめっちゃ腹減ったし。晩飯なんだろなー
ふんふん……カレー、カレーいいな。カレーうどんならもっといい。」

背凭れに体をぐってりあずけながら、どこからともなく漂ってくるカレーの匂いを嗅ぎ取って。
軋む様に鳴いた腹を手で押さえながら、ぼさっと夜空を見上げた。

金剛 経太郎 > ベンチでだらだらと体力と気力の回復に努めていたが、次第にカレーの匂いが強まってくる。
それに釣られる様に経太郎の空腹度合いも加速度的に増していく。

「……うぬぬ、休憩してる場合じゃなくなって来たな」

まだ全快には程遠いものの、寮まで帰りきるだけの体力はあるはずだ。
そう判断した経太郎はベンチから飛び降りると、
じっとりとした空気に閉口しつつ寮への道をとぼとぼと歩いていくのだった。

ご案内:「学生通り」から金剛 経太郎さんが去りました。