2022/03/22 のログ
ご案内:「学生通り」に出雲寺 夷弦さんが現れました。
出雲寺 夷弦 > ――時刻は23時を過ぎている。店は凡そ全てが閉じて、まばらな街灯に照らされ、コンビニか自販機くらいが光源となっている。

学生通り、そんな時間で、三月の下旬にもなったというのに季節外れの霙もあったという中。

底冷えた道を、ただ一人走る学生がいた。


「っは、っは、っは、っは……っすぅ…………はぁッ」


ランニングをするのに適した服装と靴、白く染まった吐息を小刻みについては走り続ける男子学生。
そこそこ運動慣れのしていそうなガタイで、呼吸を整えながら、一度少し足を緩めて立ち止まる。

「……っすぅ、はぁ……ッふぅ」

立ち止まって一呼吸で、息はすぐに整った。
後は滲む汗を手の甲で拭う。それでまた直ぐに走る準備は出来上がり、また駆け出す。

「……っー……昔より、息続くけど……なんか、ちげぇよな……っはぁ」

出雲寺 夷弦 > 「……っはぁ、っはぁ、っふー………」


――――長い間ランニングを続けていくうち、足を止める時間が少しずつ長くなり、やがて大きな吐息と共に立ち止まったままに呼吸を整える。

……疲れたというわけではない。その吐息からすぐに、整った息が始まるのだから。
では何かといえば、単純に真っ暗な道の先が、これ以上は帰り道から遠くなってしまうルートだったからで。

「……ま、この辺りからUターン、か?」

……ぽつ。そこから振り返り、自販機が見える。
――がま口の小銭入れを片手に歩み寄っていけば、そこで一本、緑茶を購入して、それを一気飲み。
実に清々しく、そしてあっという間に空にした。

「――っすぅぅぅ……はぁぁあぁぁ……」


「……風、つめてぇなぁ」