2022/03/23 のログ
■出雲寺 夷弦 > 「――…………」
――ふっと空を見上げる。白く染まった大きな吐息から、少しずつ晴れて、その向こうに広がる――。
「……撮れるかな、っと」
徐にスマホを取り出せば、カメラアプリを開き、ぱしゃりと一枚。
そのままぱちぱちとタップ操作をすると、ある宛先へと、その写真を送る。
「……『これから戻る、コンビニで欲しいもんあったら買ってくるよ』」
「『今夜は月が綺麗だぞ』……っと」
――既読がつくのが楽しみだと思いながら、画面に映った、星空の中心に浮かぶ月の画像を見て笑う。
……暫くの後、再び青年は駆け出した。
写真、その宛先は『伊都波』という名。
――走る青年は、耳まで顔を真っ赤にしていた。
ご案内:「学生通り」から出雲寺 夷弦さんが去りました。