2019/02/28 のログ
■ギルゲイオス > 「やりたくてやってるなら、それもそれで良かろう。
利用されてるとしても、納得しているならそれで良かろう。
それにどういう因果がついてまわるかは、また別の話であるがな。
ただ、利用されて納得していないのであれば、何ぞ他の方法があるかなと、思ったのであるよ」
(言葉を変えて当人自身に問いかけてみるも、応えはどうにもおぼろげである。
言葉のやり取りをする理解力は、それこそ人並みにはあるはずだ。
本当に何も考えていないのか、あるいは考えるのを放棄しているのか。そもそも、考える所まで届かなくなっているのか。
流石に会って数分と経った程度では、深い部分まで探るのも、難しい。
ゲハハハと笑ってあくどい事をしているって方が、余程分かりやすい話である)
「自分なりに考えてみても、良いかも知れぬな。正しいとか間違っているとか、そいういうのは別にしてである。
……おぉっと、荷物が落ちたぞ」
(トサリと手にしていた袋が落ちると、拾い上げようと身を屈めた辺りだった。
頬に触れる感触に、何かと視線をふいと上げれば目の前には顔が。
ぬぅーっと、視線を空に向けて、考えるような、悩むような)
「機械的になっているのかも知れぬなぁ、望むモノには与えよう、か。
まぁよい……副作用で魔王が死ぬとか、残念な事は起こらぬだろうさ。
しかしまぁ、道端で男同士がとうのも、倒錯に過ぎるな」
(くくっと、喉元で小さくと笑うような声がして。
一つ小さく息を吐けば、此方スイと顔を僅かに近づけるようにして。まぁ、自身が大きい分、余り周囲からは見えないだろうが。
双眸を微かに細めれば、軽く唇に触れる程度に、その距離感をゼロにする)
■ツクヨミ > もはや人の目を考えるなどという余裕はツクヨミにはなかった。
なにやらまた難しいことをこの男は口にするも、ツクヨミの耳には届かない。
ただ目の前の魔王の顔をじっと見つめ、そして向こうからスイと僅かに近づけると
唇同士が軽く触れた。
それを契機に、そっと事務的にツクヨミが舌を差し込む。ディープキス、とまではいかない。
ただ唾液で濡れた舌でギルゲイオスの歯列をなぞるだけ。
そこには色気もなにも無く、ただ儀式めいた自動さがあった。
「……おしまい……たまに、異能を得られない人も、いるけど、……」
唇を離して顔を遠ざけると、後には茫洋とした瞳のツクヨミがいるだけで、落ちた荷物をぎくしゃくしながら拾い上げる。
全部揃ったのを確認してから、ギルゲイオスに向かって
「……、僕、帰る……」
そう告げると、空気で音を遮断していた層を抜けてのたのたと歩き去っていった。
目指す地点は他の二級学生たちとの待ち合わせ地点。
あとでもしかしたら、上級学生に異能を分けたことを叱られるかもしれないが、知ったことではなかった。
ご案内:「商店街」からツクヨミさんが去りました。
■ギルゲイオス > (片目を閉じた表情は、何処か複雑そうな雰囲気もあったが。
口づけで終わるかな、と。軽くと柔らかく触れる程度に重ねつけてみた。のだが。
舌先が差し込まれると、ぬぅっ!?と驚くようなうめき声と共に、額にあるもう一つの目がかっ開かれて)
「驚いたのである。というか、手慣れておるな……」
(感情とかその辺殆ど感じられない、機械的、事務的、手段、儀式、そういう感じのやり取りに困惑が未だ残る)
「うーーーーーむ……正直よくわからぬ。
何か変わったような、変っておらぬような。我の異能はそう気楽にポンポン使えるモノではないのでな。
色々と試してみぬと、分からぬかも知れなぬな」
(両手を握ったり閉じたり、足踏みをしてみたり。
少なくとも、体がいきなり大炎上して死亡、とかそいういう感覚ではない。
そもそも此方の世界に来て得た異能は、限定的とはいえ強烈な部類だ。
発展性の余地が無いのか、新たに目覚める程の閾値に達していないのか。
傍目には、不思議な踊りにでも見えるかもしれない)
「そうか、もう少し話してみたくはあったのだがな。怒られぬうちに帰るのだぞ」
(ヒラヒラと手を振って、後姿を送り出すと――)
「おや、うむ?」
(ゆらゆらとした空間に指先が僅かにはいったような、奇妙な感覚が。
謎の感覚を何度も試しながら、緩い足取りで、どこぞへとゆくのであった)
ご案内:「商店街」からギルゲイオスさんが去りました。