2019/03/21 のログ
ご案内:「商店街」に金剛経太郎さんが現れました。
金剛経太郎 > 「ううむ、肉体作りというのは中々に難儀するものだな……」

穏やかな春の日差しの下、金剛経太郎はしかめっ面で歩いている。
見た目も声も小学生のそれであるが、表情はとても小学生らしかぬのはいつも通り。
ただ、普段よりも一段階ほど顔の白さが際立っていた。

「……何事にも限界があるという事だな。」

原因は胃もたれ。
春休みであることを良い事に、日がな一日食べ歩きを敢行して来たのだが、もともと健啖家ではないため胃が限界を訴えたのである。
おかげで今日は朝から何も食べておらず、そしてそれでも一向に空腹を感じなかった。

金剛経太郎 > 「しかし……今日は、暑いな……。」

まだ3月とは思えない陽気に、経太郎は額に浮かぶ汗を拭いつつぼやく。
普段着も兼ねた制服の上着はとうに脱ぎ、袖を腰に巻き付け縛っている。
以前、同様にしている男子生徒を見て、見様見真似でやってみたが、これが何だか格好いい。

(ふむ……私服の支度もしておかないと、休校時は浮くな。
 同年代の服飾センスも調べておかないと、か……)

近いうちに服屋にでも行こうか、と考えるもどうせ子供服しか体に合わない事を思い出して、経太郎は小さく頭を抱えた。

金剛経太郎 > 「む。
 やはりと言うか何と言うか、この時期は人通りも少ないな。
 春季休校ということで、故郷に帰っている者たちが多い、という事か。」

歩き疲れたので一休み。ベンチへと腰を下ろしながらも、視線は辺りに巡らせる。
ところどころに『春休みにつき休業中』と張り紙を出してシャッターを下ろしている店舗が見受けられる。

「俺も帰れるのなら帰りたいところだったが……如何せん間が悪かったとしか言いようが無いな。」

常世島の病院にて昏睡状態から覚めたのが1月末、それから諸々のリハビリや手続き、検査などを受け学園の生徒として登録されたのが翌月。
まだまだ山積みの検査を進行させるための学籍取得だったが、経太郎本人の希望もあり通学できるようになったのが今月頭。
そして即行春休みという現状、帰省は出来ず、かと言って授業も無く。

「その上友人らしい友人も居ないときた!
 ……有体に言ってしまえば暇、だな。これならまだ、ゲームの中に居た方がマシだったか。」