2020/06/26 のログ
アルフリート > 「ああ、違う……そんな見知らぬ女性にいきなりお付き合いを申し込むだなんて恐ろしくて出来るわけがない」

ぽろりとナンパを遊びとも認識出来ていない言葉をこぼし、落ち着きはすれど少々血の気の引いた顔をゆるゆると左右に振る。
その昔先輩がたに話を聞いた時は凄いと思ったが自分には絶対に真似は出来ないだろう。

「ああ、ありがとう……口の火傷は大丈夫だろうか?良ければ、なにか冷たいものでも」

どうだろうか?とチラっと向けられる瞳に向かい安心させるように笑顔を向ける。
ここで焦って速球を投げれば場外へと吹き飛びかねない。

伊都波 悠薇 >  
「…………お付き合い?」

はてと、首をかしげる。
自分の知っている悪い友人から教えてもらったナンパは、そういうものではなかった気がした。
けれど――違うというのなら、別にそこを指摘するのもアレなきがしたので。

「あ、えと。大丈夫です。火傷まではいかなかったみたい、なので。
たいやきはちょっと冷めちゃいましたけど。でもここ、それでもおいしいので」

そのまま気にせずはぐっと一口。自然と顔が綻んだ

アルフリート > 「ああ……」

あれ?違ったかな?とさすがに彼女の反応を見れば自分の言葉が何かおかしな意味合いになってしまったと気付くのだが。
改めて説明しようとすればまた彼女の落ち着き始めた心に着火してしまいかねないと曖昧な笑顔で頷き、勘違いは継続される。

「そうか……なら良かった。あらためて、驚かせてしまった悪かった。
 しかし魚の形をしたパンとは面白い事を……むっ、甘い」
ようやく見れた明るい表情にほっと一息。
幸せそうに食べる様子に釣られ口にして、ぱりっとふわっとした焼き加減の皮に目を細め……中の甘い衝撃に出会いくわっと目が見開かれ。
こくこくと頷きながらペースを速めリアルサイズの鯛が見る見る小さくなっていく。

伊都波 悠薇 >  
「パン……じゃなくてお菓子、ですかね」

風貌と口ぶりから、外国の方なのかもとは想像がつく。
なんて説明しようかと少し考えて――

「和風パンケーキ、みたいな。どら焼きの親戚? みたいな」

厳密には違うのだけれど、説明としてはこれがわかりやすいだろうなぁと例えを出して。

「いえ、勝手に驚いたのは、私、ですので……」

奇行を思い出すだけでも恥ずかしい。
また頬を染めてうつむきつつ、たい焼きをもそもそもと食べる。一番楽しみな尻尾まで残り僅かだ

アルフリート > 「なるほど、いや故郷ではあまりこういうものが無くて……
 甘いものと言えば果物や蜂蜜、それらを使った甘味はあったけどこういう焼き菓子は初めてで、驚いた」

ジャムを乗せる、という発想まではあったが包むというのは予想外だったと頷きを繰り返して。

「ドラヤキ……たいやきが鯛ならドラとは……ドラゴン?」
それもこのように甘いのだろうか?と頭の中に刻み込んでおいた。
強そうなお菓子だ。

「君は優しい人だな。それでも許してくれた事と、誤解を解く機会を与えてくれた事にありがとうと言わせてくれ。
 あ、しまったな名乗るのが遅れた。アルフリート・フィン・アステリオ、一年生だ」
おくゆかしいとはこういう事だろうかと感心する。
そうして名乗り忘れていた事を思いだし、慌てて自己紹介を。

伊都波 悠薇 >  
よかった、伝わったとほっと息を吐いて。
楽しみにしていた尻尾を一口。

心が喜んだ。

「あ、いえ。どら、は銅鑼――ですね。銅鑼の形をしてるので銅鑼焼き、です。えっと……銅鑼、わかりますかね?」

知らないかもしれないな、と思いつつ。

「あ、いえ。優しいなんてその……変に慌ててしまったのは私なので……2年の伊都波悠薇、です。姉がいますので、悠薇、で大丈夫です」

アルフリート > 「ああ、大丈夫。この世界の歴史は全く知らないから一から学ばせてもらっているところなんだ。
 これだろう?」
彼女よりも数倍大きかったたいやきの尻尾を彼女と同じタイミングで口の中へ、甘みはないがこのカリカリ感が締めという感じがする。
そしてつい最近授業で習ったばかりだと心なしかドヤ顔を浮かべ、手のひらを上に向け光を産みシルエットを形作る。
銅鐸であった。

「そうしてこっちの気持ちを楽にしてくれるのがだよ。 っと……失礼、センパイでしたか。こちらこそよろしくお願いします悠薇センパイ」
こほんと咳払いをして言葉遣いをただして。

伊都波 悠薇 >  
「わ」

光のシルエットを見れば目をパチクリさせて。
小さく拍手。自分にはないものだ。

「あはは、あんまり見えないですよね。こちらこそよろしくおねがいします」

お辞儀には恐縮しつつ……そっと手を振り。

「なんか、その。困らせてしまってすみません。学校でまた、な、なな……」

緊張して言葉が出せず。

ぷるぷる震えて。

「――アイましょう!!」

仲良くしてくださいとは言えなかったので、逃げるようにそれだけ告げて。走って去っていきました

ご案内:「商店街」から伊都波 悠薇さんが去りました。
アルフリート > 「というかここは年齢で学年が判らないのでなんとも」
自分より一回り年上の人が同級生だったり、10歳くらいの子が上級生だったりとなかなか難しい。
その少年はセンパイと呼べと要求し、呼ぶと大変嬉しそうにしていたのでしっかりと覚えておいた。

「いえ、むしろ新しい出会いがあったので感謝を……あ、はいまた」
忙しいのだろうかと走り去る背中を見送り、さて夕飯は何にしようかとA4サイズの包み紙をゴミ箱に立ち去るのだった。

ご案内:「商店街」からアルフリートさんが去りました。
ご案内:「商店街」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
ご案内:「商店街」にシュシュクルさんが現れました。
水無月 斬鬼丸 > テストがなんだ、学会がなんだと忙しい空気をまとう常世島。
無論そんなこと関係ないと生活に勤しんでいる人達もいる。
自分は…テストなどは関係ある立場ではあるが、頑張らない勢。
なのでこんなところで肉屋のコロッケなんぞ買ってあるきながらかじっているわけだ。
寮で寝っ転がっていても気分は沈むしへんなドローンに乱入されるし…

やはり買い食い…買い食いはすべてを解決する。
3つくらい買ったコロッケだったが
一つ食ったところでちょっとキャベツが欲しくなってくる。
揚げたてはいいのだが、ちょっと油分がすぎるか。

シュシュクル > 忙しない空気をものともしない存在は居るもので。
それはまさに今、コロッケを買って小さな至福の時を感じている
青年の後ろにぴったりとくっついているわけで。

つまる話が、そう。

「うまそーーー!! ざんきまる、それなに? なになになになに!?」


君のコロッケは好奇心いっぱいのこの野生少女によって狙われている!

もし後ろを振り返ったのなら、目をきらきらと輝かせながら
口から煌めく何かを垂らしている少女の顔を見ることができるだろう。

水無月 斬鬼丸 > 「ひっ……え」

響く大きな声に思わず肩を跳ねさせる。
名前を呼ばれた。
無邪気そうな少女の声。
しかも騒がしい。

コロッケをくわえたままに振り返ったそこには。
野生少女。
シュシュ…シュシュル…シュシュクル…そう、シュシュクル。
怒られた覚えがある。っていうか、いつの間に…
気配を消していたのだろうか?もしかして狩られるところだった?

「えー…あー……これは、あれ。コロッケって言って…たべもの」

咥えたままだったコロッケから口を離す。
紙袋の口の部分で手に持ったそれは熱々で
見た目からしておいしそう。現代人の感覚では、だが…。
野生の少女もそう思っているのか?いや、匂いのせいだろうか?

シュシュクル > 何ともまぁ不思議な名前なものだから、
青年――斬鬼丸の頭にすっと浮かばないのも無理はない。
振り返った斬鬼丸に対し、
食欲を隠そうともしない、顔いっぱいに
『欲しい』と書かれた無邪気な表情を浮かべながら、
尻尾をぶんぶんがと振っているのである。

「ころけ……」

初めて聞いた言葉らしい。

「ころけ、うまい? からい? にがい? どんなあじ?」

見た目的にはそこまで美味しそうには見えないのかもしれない。
何せ茶色の、がりがりと所々が尖った謎の塊である。
しかしその匂いは野生の少女にとっては十分すぎるほどに『本物』
で、彼女の唾液腺を頑張って働かせるだけの魅力があるものだった
ようである。
両の拳をぐっと胸の前で握っているシュシュクルの耳は、ぴこぴこと
揺れている。

水無月 斬鬼丸 > 彼女は欲しいとは言っていない。一言も。
だが、目どころか顔全体がそう言っている。
正直言葉にするよりもはっきりとしている。
女の子がよだれをダバダバ垂らすんじゃない。
無論男子であってもたらすべきではない。

「えーと…俺は、うまい、と思う…」


もちろんだが、どうやら今日は鮫は持ち歩いていないようだ。
よかった。
おかげさまで出てきた言葉は前のような敬語もどきではない。

彼女はと言えば…
ムーブは少女らしいと言うか小動物っぽく
まるでペットの犬だか猫だかが好物のおやつを目の前にしたかのようだ。
たぶん、このままこのコロッケを食べきってしまったら…泣くんだろうなぁ…
食いかけのコロッケを咥え直し、袋から一個新しいものを取り出すと、彼女の眼前に。

「くう?」

シュシュクル > 「ころけ、うまいか!! そうかーーっ! よかったっ!」

別に自分が食べている訳ではない。それでも、まるで自分事のように
シュシュクルはそれを喜ぶ。他人の幸せを全力で喜ぶことができるの
は、この野生少女の一つの性質らしい。にこっと満面の笑みを浮かべ、
両腕をいっぱいに広げて、羽ばたかせるかのように上下にぶんぶんと
振っているその動きは、間違いなく斬鬼丸を祝福するものであった。

が。

それはそれとして。


――ぐぅ。

再び思い出したかのようにだらだらと垂れ始めるよだれ。
視線は再び『ころけ』へ。目も輝かせ始める。
まるでカチャカチャとスイッチで切り替わる
玩具のようであるが、これが彼女の自然体である。

「くう! くう! シュシュクル、ころけくいたい!!」

あらゆる角度からふんふん、と顔を近づけて匂いをかぐシュシュクル。
彼女にまとわりつかれる斬鬼丸。
道行く人達が、そんな『彼ら』の姿をちらりと見ては過ぎ去っていく。

水無月 斬鬼丸 > 「あ、ああ、うん、おう…よかった…」

無邪気な少女は無邪気に喜ぶ。
どんな邪気をもつものの毒気をも抜いてしまいそうな
そんな少女の言葉と祝福。
それはとてもほほえましいものだっただろう。
場所が場所であれば、思わず頬が緩んでしまっていたことだろう。

が。

それはそれとして。
ここは商店街なのだ。
放課後なのだ。
つまりいい感じの時間なのだ。
人通りが多い。そういうことなのだ。
あまり大きな声を出さないで欲しい。変に視線を集めてしまって
すごい勢いで快適指数が下降していっている。
しかも差し出したコロッケに対する彼女の動き…よろしくない。
まるで餌付けされた野良犬…。
小さな女の子をペットのように扱ってるみたいじゃないか

「こう、こうやって、かじる」

自分の咥えているコロッケを指差し。

シュシュクル > 「かじる! わかった!」

ひょい、と小さく跳ねてぱく、と『ころけ』にかじりつくシュシュクル。
ひょいぱく。その間、わずか0.5秒。神業であった。

むぐむぐ、と口を動かすこと数度。
ピーンと耳を立てたシュシュクルは、思いっきり叫ぶ。

「んまーーーーーーーーーーーっ!!! 
ころけ、んまーーーーーーっ!!!」

ぱあああっ、と。もきゅもきゅ動かす口に人差し指を当てながら、
これでもかというくらいに咀嚼し、味わっている様子である。


「ころけ、うまい!! ざんきまる、すきーーー!」

そうして美味しいものをくれた青年に対して。
純粋な、ただただ純粋なハグをするために。
ぴょーんと、飛びつくのであった。


二人を見ていた肉屋のおやじの咥えていた煙草が――落ちた。

水無月 斬鬼丸 > 「はやっ!?」

あまりにも早い食事…俺じゃ見逃しちゃうね。
気づいたときにはコロッケは彼女の口の中。
もぐもぐしている。
熱くないのか?衣が口に刺さったりしてないのか?
固唾と一緒にコロッケを飲み込んで見つめる。

ゴクリ

そして、変化はすぐに訪れた。
どうやらお気に召したようだ。よかった。
まずかったら不興を買っていたところだ。
『おまえこんなもんよりさめくえ』っていわれてたらさすがにポーカーフェイスは貫けなかっただろう。
が、その直後、褐色の少女は……なんかすごく近くにいた。

「ぅぉぉっ!?あ…ぉ…ぇぇっと、あ、うん…そりゃ…よかった?」

受け止めてしまった。
掴みてるんじゃない、親父。なんだその信じられないものをみたって顔。
へんな誤解をするんじゃぁない。俺のほうがびっくりしてるんだから!