2020/07/02 のログ
ご案内:「商店街」にソレイユさんが現れました。
ご案内:「商店街」にアリソンさんが現れました。
■ソレイユ > 「さて……」
以前は変なのに捕まってしまった……いや、出会ってしまったので今回は気を取り直しての再訪である。
しかし、あの風紀委員……この忘れやすい自分の記憶にまだ生き残っている辺り、よほど強烈な印象を残しているのだろうな……
「結局、引きずり回されてしまっただけだったな、あのときは。
食事処の情報だけは手に入ったが……」
しかし、それが裏切りの黒に役立つかといえば……甚だ疑問である。
ヴラドあたりなら有効に活用してくれるだろうか?
つらつらと考えながら、目的もなく歩く
■アリソン > 公安に属している明らかにお揃いの制服じみた格好に身を包んだ、
黒髪がやたら長いメイドならぬ女は「公安」と書かれた腕章を腕に装着し
商店街のとある一角にある店先のガラスにへばりつく感じで何かを見つめていた。
ガラスの向こうに見えるのは飴玉を作っている駄菓子屋的なお菓子専門店。
「おいしそう…です」
まだ見つめているかなり胡散臭い公安アンドロイド一名。
店の中に入る風でもなく窓にへばりついているという頓珍漢な状態。
■ソレイユ > 「…………」
何かまた妙な女を見つけてしまった。
今度は公安ときた。どうなってるんだ、体制側の連中は。
矜持とか無いのか、本当に。
日ノ岡あかねのヤツがあんな下らない真似をした理由が見えたような気がしてならない。
少々同情したくなってしまったではないか。……する気はもちろん、ないが。
しかし、なんというか……やはり、実地に赴いてみるものだな……
「ん……?」
ふと
その件の女に何か見覚えがあることに気がつく。
……手帳を捲る
ああ……あれは、おそらくアイツ……か
別に流してもいいんだが……
「……なにをしているんだ、おまえ……」
誰もが知らぬ顔を以て 声をかける
■アリソン > 公安アンドロイドとかいうお揃いの服装でへんなものと認識されてしまった女は、
声がかかったとしてもこの身に向けてと気づかない限り窓から落ちない、動かない。
やもりのよーにへばりついており、正直不気味通り越して妖しい。
とある組織から唐突に姿をくらまし、二三日前にちょっと諸事情で公安に入荷された女は、
幾らかの記憶と引き換えに新たな生活を送っている―ちょっとポンコツめいているけど。
「……ふぅ。……わたくしに何かご用件でしょうか?」
いいものを堪能しました、と恍惚な表情を浮かべたかと思うと漸くソレイユの方を向いて
恍惚ではない冷静な顔で 何用でしょうかと背筋を伸ばして佇んでみたり。
■ソレイユ > 「あー……」
直前に見せた、あまりにもだらしないといえばだらしない顔に
すでにして声をかけたことを後悔する。
なんか、ただでさえ記憶容量がない自分の記憶の中にろくでもない後悔ばかりが残っている気がするのは気のせいだろうか。
お嬢、助けて
いや、今回は明らかに自業自得だから諦めよう
「……いや、その、なんだ……公安、というのはその、だらし無い顔で菓子屋をのぞくのが仕事なのか、と思って、な……」
明らかに言ってはならないセリフだが、空気の読み方とか距離感とかよくわからないのでつい口から出してしまう。
■アリソン > 本当に変な女、興味あるものには好奇心のままに飛びつくという
ある意味おバカぶりが出てしまっていたが、冷静さを戻せばまだまともな気はする。
ただ おかしい部分を視られてしまってからの冷静なたたずまいは無意味な気が滲む。
(・・・気を取り直して)
「私のただの趣味で御座います、お気になさらぬよう」
開き直った!言われて気を悪くするどころか公安なのを肯定し、
趣味なので、と開き直る始末。ちらっと腕に装着している腕章を見てから、
「私に何かご用件がございましょうか?」
二度言ったな、この公安アンドロイド。
■ソレイユ > 「……」
何事もなかったように流したな……
この分では、気になったこともさして収穫はないのかもしれない
しかし、それでも
口にしなければならないことがある
「趣味、趣味……か。
いや、まあそれならいい……いや、いいのか?
公安として、それで、いいのか?」
あれ、違った。いいたいのそれじゃない。
■アリソン > 堂々巡りになるような気がしている。
公安の服装に身を包んだ皮はかつてとある組織にいた少女、
中身は違っているようだが大して変わらなさそうな構造持っていそうな機素体。
「ここ一、二週間の記憶が途切れており、
公安という立場に置かせて頂き日々公安としての職務と趣味である人間観察に余念が御座いません。
さきほど窓にへばりついていたのは へばりついていた子供の立場とは
どのようなものかと理解するためにあえて立場を利用しておりましたが。」
理由はあったのですよ、と聞かれてもいないのにさらりと答える、
公安アンドロイド。
■ソレイユ > 「……さらりと、凄いことを言っていないか?」
正直、言い訳のようにも聞こえる理由とかはどうでもいいのだが……
ここ一、二週間の記憶が途切れている、というのは巨大な情報だ。
なるほど
であれば、この相手がこちらから抜けた、というのもその辺りになにかあるのだろうか。
「記憶が途切れる、などとただ事ではないだろう?
気にはならないのか……?」
記憶喪失
自分もだいぶ長い付き合いで慣れているとはいえ、未だに不安はある。
こんなさらっと口にできるものなのか。
■アリソン > 「事実、記憶が御座いません。私という名の私は行方不明。
糸の切れた凧であり、鎖に繋がれた犬と呼ばれる駒。」
記憶がなくかりそめのありあわせの記憶を与えられた。
それが真実なのかどうかは分らない。液体に満たされた棺桶から
目覚めそれから睡眠も必要ない存在となり果てた。
かつての自分がどこにいて どこにいたのか探そうともせず
また過去を振り返ろうともしない、今と明日を前に未知へと突き進もうとする。
「過去は振り返っても戻れませんから。私は此処にいる。
それだけでよろしいのではないでしょうか?」
完全な記憶喪失ではない、ある部分だけごっそりと抜けている。
何かを悟ったような達観したような顔をしてソレイユと対峙する。
■ソレイユ > 「……自分に対して随分な言い様だな。
鎖に繋がれた犬……駒、か。
それは、公安の犬、というよくあるアレか?」
しかし、と
自分とて、大差ないのではないか、と思う瞬間はある
事実、そのように考えている時期はあった
……いや、やめよう
この話を考えると、アイツの顔が浮かぶ。
「なるほど、過去には興味なし、か。
まあ、それもいいのだろう。
しかし、それなら……おまえは、今、何のために生きているんだ?」
過去はいらない
それも一つの生き方だろう
自分もそうだ。
いや、それどころか過去などありすぎて逆にどれをとっていいのかわからない。
だから、いまを生きているわけだが……
■アリソン > 「致し方ありません、自分という何かが足りない存在であります故に。
公安に属された者の宿命、公安の狗に御座います。」
ソレイユの性別を図り損ねて 彼なのか彼女なのか判断出来ず、
相手とはいわずに呼び方を測りかねている模様。
「私は 今とまだ知らぬ未来を知る為に生きて存在するのみ。
飼い馴らせる存在がいればそれはそれで喜ばしい事です」
柵が一つ消えた位で過去に元々こだわっていなかった節があるから、
生きる理由とは何かを聞かれて 知らない事を知る為に、と答えるにとどまる。
■ソレイユ > 探ってももう何も出てこなさそうだ。
そう、判断はした。
したが……一つ、疑問を覚える。
「ふむ……言い分はよくわかった。
まあ、別に咎めるような話でもない。
しかし、一部の記憶だけない、というのも不自然だな。
公安の差し金だと、考えたことはないのか?」
それを考慮しても、そういう生き方、なのだろうか。
……自分に、その可能性はない、と思うが。
聞いてみたくなった。
■アリソン > 探られて全てを出しているとも悟らせない。
淡々と記憶喪失という言葉を出した位であとは難解な台詞で雲に巻こうとしていた。
っていうか記憶はごっそりとある部分本当にない。それだけは嘘つけない。
「…とある期間の部分のみ御座いません。
鈍器に思いっきり殴られたり強い衝撃で人間も記憶が飛ぶように、
このわたくしもそのような怪我を負ったのでしょうか、気づけば公安に保護されておりました。
差し金も何も…はて。思い出せそうにないので公安にいるとよいのでしょう。」
公安に使われている感もあるが、保護されている身としては、
恩義に則り公安の意のままに日々職務と学生生活を送っている。
疑問はあるものの、長いものに巻かれたようでいつしか疑問も出てこなくなった模様。
■ソレイユ > 「……なるほど
それが、"今"のおまえ、か」
ぽつり、と。
最後の結論を下す。
なにか隠しているのかもしれない。
そこまで判断はできないが……まあ、今をそのように生きている、というところに嘘偽りはないだろう。
色々と、他者の思惑を感じるところではあるが……逆に言えば
そこには個人の問題以外のものが関わっているのだろう。
で、あれば
「いや、すまなかった。
詰問したような形になってしまったな。
どうやら、せっかくの学習の邪魔もしてしまったようだ」
謝罪する
■アリソン > 「はい」
無意味な言葉は付かない、隠すことは得意でもなく、
言わねば気づくこともない、過去の自分とは袂を別けてしまった。
もう戻らない道は振り返らない、それが茨であろうか修羅だろうが。
「特に”私”を知るあなたと出会えた事に感謝致します。
此処での学習は終わりました、…帰還の命が参りましたので
お暇をお許し下さいませ。それでは。」
何かを受信したようで、僅かに身じろいだ後深々と頭を下げ、
踵を返し 商店街をきびきびと無駄なく去っていたという。
ご案内:「商店街」からアリソンさんが去りました。
■ソレイユ > 去っていく相手の姿をしばし眺め……
視界から消えるまではその場を動かなかった。
「……」
彼女が視界から消える。
ゆっくりとメモ帳を取り出し……
その中の1ページを破り取る。
「さようなら、だ。サキュバット」
破り取ったページに火を付け
手の中でソレが完全にこの世から消え去るまで眺め……
「さて、帰るか」
やや火傷をした手を振り、帰路についた
ご案内:「商店街」からソレイユさんが去りました。