2020/09/19 のログ
ご案内:「商店街」に干田恭支さんが現れました。
干田恭支 >  
商店街に新しいたい焼き屋さんが出来たと聞いて。
委員会活動の予定も無かった恭支は、放課後下校する足でそのまま商店街に訪れていた。

「たい焼きたい焼き……どこ、だ……?」

商店街に出来た、と聞いたまでは良かったものの。
どの通りに出来たかまでは聞いていなかったことを思い出す。
商店街なんだから行ってみれば分かるだろうと高をくくったのが間違いだった。
常世島の商店街は意外と広い。

「番地くらいは聞いとけば良かったな……」

これが委員会の仕事なら大失敗だったところだ。
浮かれていたことを反省しつつ、ひとまず散策も兼ねて商店街を歩いて行く。

干田恭支 >  
今日も商店街は活気に満ちている。
それはインフラが正常に機能しているということで、つまり生活委員の仕事が正しく機能しているということ。
日頃の業務は無駄になってないんだな、と少しだけ誇らしく思えば、足取りも軽くなるというもの。

「あ……そういや腕章外すの忘れてたな。」

学校に居る間は着けていた腕章を外し忘れてそのまま下校していた。
一旦足を止めて腕章を外し、制服の上着のポケットに突っ込む。

「ま、何かあったらまた着ければ良いし。」

生活委員が即座に必要となる事態がそうそう発生するとも思えないが、常に手元にあって損する事は無いだろう。
腕章の入ったポケットを軽く叩いてから、さて目的のたい焼き屋は何処だろうかと改めて辺りを見回す。

ご案内:「商店街」にリタ・ラルケさんが現れました。
リタ・ラルケ >  
 今日も今日とて商店街をさすらっていると、どこからか小麦の焼ける匂いがした。
 つられてそちらの方に向かってみれば、そこにはいつの間に出来たのか、ぴかぴかの看板を掲げたたい焼き屋があるではないか。

 丁度小腹が空く時間帯でもあったので、せっかくだからと立ち入ってみて。
 そのまま衝動的にたい焼きを買ってしまったのが、凡そ十分前のこと。

「いやあ……あんなところにあったんだ、たい焼き屋」

 思わぬ収穫に、内心喜びながら。
 たい焼きが詰まった紙袋を抱えて、商店街の大通りを歩いていた。

干田恭支 >  
「あっ。
 んんっ……ねえ君、そのたい焼きの袋って最近出来たってとこのだよね。」

クレープも良いな、と気を取られた拍子に通りを歩く少女が視界の端に入った。
彼女の抱える袋を見て、思わず声を上げてしまい。
小さく咳払いをして誤魔化しながら、少女へと近付いて訊ねる。

「その店探してるんだけど、どの辺にあったか教えて貰えないかな?」

近くにある事は間違いないのだから、少し歩けば見つかりそうなものだけれども。
その間に他のスイーツに心変わりしてしまうかもしれない。
それなら場所を聞いてまっすぐ行けるのが一番だろうと考えての事だった。

リタ・ラルケ >  
「……んぇ?」

 何も考えずに大通りを歩いていると、突如傍らから声を掛けられる。
 誰だろう、とそちらを見ると、そこには制服を着た少年の姿。

「あー……そうなの? 道理で初めて見るわけだ」

 まったく気にしていなかったが、どうやらあそこは最近出来たお店らしかった。
 言われてみれば確かに、待っているときに新しいお店がどうとかって聞こえたような聞こえてないような。

 ――さて、どうやらこの少年はそのお店を探している様子。朧げな記憶を辿って、自分がどう来たかを思い返す。

「んー、ここからそんなに離れてないよ。あっちの方を真っ直ぐ行けば、看板が見えると思う」

 自分の来た道を指し示しながら言う。
 ……正直、こっちも匂いに誘われるがままに入っただけだから、詳しい道は覚えていないが。
 それでもあまり複雑な道は通らなかったはずだ。

干田恭支 >  
「そっか、あっちだね。
 ありがとう、そろそろ暗くなるし早めに帰るんだよ!」

少女が指し示す方を一瞥し、振り返って礼を述べる。
見た目小中学生ほどなのにしっかりしてるな、と感心しつつだいぶ日も暮れて来た空を見て。

「それと、夕飯前に食べ過ぎないようにね。
 それじゃあ。」

早いところ自分もたい焼きを買って帰ろう。
そう思いながら、再び商店街を歩き出した。