2020/09/21 のログ
ご案内:「商店街」に修世 光奈さんが現れました。
修世 光奈 > 「ふーむむ……………」

学生が食糧を買うことが多い商店街、そこをうろうろと歩く光奈の姿。
今日は依頼の帰りに…以前『友人』から貰った胡乱な料理本≪セミも学ぶ簡単しっかりな料理レシピ≫を元に食材を捜しているのだ

奇妙なネーミングの本だが、内容は非常にしっかりしており。
料理については基本くらいしかしらない光奈でも、十分理解でき、実践できそうな内容だ。
その内のいくつかを、試しに作ってみようと、商店に繰り出している。

(……う、うん。作ってみて、美味しかったらあれだもんね、作りすぎたーって言ってジェー君にも食べてもらえるもんね)

そんな乙女回路がフル稼働中で、知らず、にへ、と顔が緩んでしまい。

「~♪」

心配事も、あるにはある。
一応、慌ててお薬は飲んだものの…先日の影響がでないか、とか。
また病院に行くつもりではあるが…万が一、『そう』なっていた時に備えて料理くらいは作っておきたい。
…彼に怒りがないわけではないのだが、悦ばせすぎた部分もあるのだろう。
それに、怒りばかりではなく…嬉しさも、もちろん感じていたから。

「えへへ…」

またも、知らず知らずの内に色々な想像が頭を駆け巡り。
青果店の通路でぼー、としてしまう。
他に買い物客が居れば、大層邪魔な事だろう。

修世 光奈 > 近くを通る人の気配に、は、と意識を取り戻す。
前に風紀委員に注意されたばかりなのに、またやってしまった。

幸い、ぶつからずには済んだようだが…自分には妄想癖でもあるのだろうか。
それはそれとして。

「お肉、魚…、野菜…、やっぱりお肉…煮物も確か…」

最初のレシピの選定はとても重要だ。
それが失敗すれば良い思い出とはならないだろうし、成功すれば逆に自信とやる気にもつながる。
けれど、勉強関係でぽんこつ呼ばわりされている以上、ここで先輩として、恋人として、良いところを見せたいという部分もあり。
自然、ちょっと難しい目のメニューに思考がシフトしていく。

「うーーーーーん…」

学生でここまで長居するのは珍しいだろうと思われるほど、じっくり、じっくり食材を選んでいて。

ご案内:「商店街」に史乃上空真咬八さんが現れました。
史乃上空真咬八 > 「……今の時期、旬なのは南瓜とかスから、南瓜の煮つけなぞ、どうスか」


低く、低く、ややドスさえ感じるような男の声が、悩む貴女に向けられる。
同じように料理支度を目的として訪れていたのだろう、学生服姿の青年が、紅い瞳を向けてきていた。

「……簡単に作れやスけど、味は最高、スから」

……通り掛けたにしては的確なアドバイスをするその青年。
妙に張った右の片袖と、左腕で持った買い物用の籠、そして隠れた右目側、髪の隙間から見える古い傷跡と眼帯。

カタギに思えないような風貌の青年は、貴女にどうやら、南瓜の煮つけを御薦めしたがっているようだ。

修世 光奈 > 「わっ、…かぼちゃ…?」

悩んでいたところに、声をかけられて少しびく、としてから声の主の方を振り向く。
丁度、新鮮そうな野菜が並べられたコーナーに居るには居るが…

(あ、あれ?店員さんじゃない?)

てっきり商品の売り込みかと思ったら。
振り向いた先の…結構怖い青年も、学生服姿だ。エプロンなどは付けていない。
ただ、買い物用の籠を持っていることから…相手も買い物目的のようだ、ということはわかり。

普通なら怖がりそうなところだが…最近は良く、ガタイの良い彼と一緒に居ることが多いから見てくれだけではそれほど怖がらない。
脅されたりすれば別だが、今受けたのは料理のアドバイスだ。

「えっと、そんなに悩んでいるように見えたかな、私…。あはは、ありがとーございます!煮つけ、煮つけかあ……
とろ、っとしてて美味しくなるし、いいかも!」

だから、驚きはあるものの小さな笑いを浮かべて…お礼を言おう。
何を悩んでいるかわかったのだろうかと、少し恥ずかしそうに。
煮物というだけで、ちょっと料理としてのレベルが上がる気もする。

「もしかして、お買い物仲間ですか?自炊とか?」

そして、アドバイスをくれるということは。
見た目通りの気性ではないのではないかと思い、小首を傾げて聞いてみよう。

史乃上空真咬八 > 「……うス」

彼が返した返事は、ややぎこちなくて。徐にアドバイスを出したにも関わらず、驚かれはしても、お礼まで言われるとは、という様子だった。

問われたことに、小さく頷きを返した。

「えェ、まァ。ルームシェアしてる奴が、今日は留守ッてンで、俺が夕餉の担当になったもンスから……此方も、少し悩んでるところで、そちらが見えたもンで」

――同じ気配を感じ取った、ということらしい。
何気ない振る舞いですら怖がられる中、少しでも彼なりの柔らかさを作るコツのように、苦笑い(ちょっと怖い)を向けると、篭を揺らしていた。
要するに、貴女の見立て通り。見た目より、ずっと親切を心掛けるタイプ、のようだ。


「……あァ、すいやせンした。急に声、掛けて。えと、御薦めしたのは、南瓜スけど、それ以外にも、ここらの八百屋の野菜は、旬じゃなくとも、美味いンで、全部、御薦めッスから……」

修世 光奈 > 「?」

相手の反応を見て、話すのが苦手な人なのかなと少し思う
ただ、そうだとするとそれでも話しかけてくれたのはとても嬉しい。
笑うともっと怖いな、とも思いつつ、親切にしてくれた相手に対して見かけだけで逃げることはせず

「ルームシェアかあ…ってことは、寮ですか?、あ、えと、いいんですいいんです。
悩んでたところだったのでー」

寮では2人部屋の生徒も多い。そんな内の一人だろうかとにこやかに笑う。
少しぎこちない敬語で、急に声をかけられたことについては特に問題ないと返事。
以前はまた違った反応だったろうが、年齢と外見が一致しない人も居るから、それがわかるまでは一応の敬語だ。

切るのは大変だと思ったからか、カットされているかぼちゃを選んで買い物かごに入れる。

「えっとー…、私、修世 光奈っていいます。あなたは?
せっかくアドバイスしてくれたんですし、もし何かあれば、お礼に探し物を探せます!」

そうした後、ふと気になったのか親切な相手の名前を聞いてみよう。
一緒に端末のホロ画面を見せ…探し物依頼掲示板と書かれているページを見せてみる。
作成主は彼女の名前となっており…言ってしまえば探偵もどきのようなことをしていることがわかるだろう。

史乃上空真咬八 > 「……いえ、譲り受けた一軒家があって、そこでそいつと」

思い出すような顔色から、ちょっと眉間に皺が。どうやら苦労を掛けさせられている様子だが、はっとして、その顔を緩めた。

「そいつ、家事と料理だけはやたら上手なンで。それ以外が同じ男として恥ずかしいレベルの……えェ。本当に、情けねェレベルの男だもンスから」

自分はどうやら切る自信有りと見える。器用にその腕で南瓜を放ると、ひょいっと買い物籠で受け止めた。
――ふと、名前を聞かれた。相手の名乗りを受けてはと、直ぐ様向き直り、ちょっと背筋を張る。そんな程度には真面目気質らしい。

「学園三年、史乃上空真咬八(しのがみ そらざね かみや)。お見知りおきを」

名乗りが、こう、なんというか。"ヤ"っぽいが。

「……探し物、スか」

――探し物依頼掲示板。はて、そういうものがあるのかと思ったが、
作成者の名前と、目の前で名乗った少女の名前が一致する。成る程、そういうことかと思えば。

「……一つ、そう、ッスね。探してる者があるといえば、あるンスけど」

と。顎に手を添えて眉間に皺を作った。怖い。

「……俺、こことは違う商店街スけど、ペットショップでバイト、してるンスよ。
そこで預かっている犬が、お気に入りの首輪の飾りを無くしちまったとかで、元気無いスから。それが見つかればいいな、とは」

修世 光奈 > そういうこともあるのか、と一軒家については深く突っ込まず。
学生に対してはかなり手厚い補助を行うこの学園だ。
普通なら、寮の部屋などもあり得ない設備。
この島なら、一軒家くらい譲り受けることもあるだろうと考えた。

「なーるほど…その人の料理を見て覚えた…とか?」

同じものを作るのかなあ、とも思ったが、今は相手の情報を聞いていこう。

「えーっと…………しのがみ そらざね かみや…咬八先輩、でいいです?私も、こーなとかでいいですよー」

しかし、名乗り返された名前はあまり聞き馴染みのない音だった。
何とか、多分最後の咬八、が名前だろうと思い、そう縮めて呼ぶことを提案しつつ。
風体と言い、名前と言い…買い物かごを持っていなければ、あるいはアドバイスを受けていなければ…
自分はそそくさと挨拶だけして去っていたかもしれない。

それだけ…眼光…というか風貌が酷く怖い。
けれど、こうして普通に話をしている分には、一先ず性格としては普通の人のようだ。
そして、彼からの依頼を聞けば。

「おー。ペットショップですか。大変そー…、って、犬?
どこでお散歩したーとかわかれば、大体探せると思いますけど…、犬の気持ちっていうか…えっと、落ち込んでる、とか元気ないとかわかるんですか?」

病気ならまだしも…飾りを無くしたから落ち込んでいるというのはどうにも自分には思い計れる気がせず。
もしかして異能か何かだろうかと聞き返してみる。